2023年9月20日 12:00

PHONE APPLI NEWS Vol.12 日本の企業に合った無理のない人的資本経営の進め方とは?

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最近トレンドの「人的資本経営」とは?

世界的に注目を集めている人的資本経営ですが、経済産業省によると「人材を【資本】として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方」と定義されています。昨今、日本でも人的資本の情報開示が求められるようになり、人的資本経営をキーワードに無形資産を意識した取り組みが広がっていますよね。今日は世界的な潮流に乗りつつも、日本企業に合った無理のない人的資本経営の進め方とは何かを考えてみたいと思います。


そもそも人的資本(Human Capital)とは、先進国が加盟する国際機関であるOECD(経済協力開発機構)によると、「個人が保有する生まれ持った才能や、累積的な知識・スキル・能力」と広く定義されています。(※1)つまり、人的資本経営は、従業員が保有する「知識、スキル、能力」が競争優位性の源泉になり得るので、そこに投資しましょう!ということです。


人的資本に富んだ組織を目指す際によくある傾向として、とりあえず高学歴人材の確保?従業員数を増やして太刀打ちする?など、人そのものに目が行ってしまう場合があります。もちろん、アベンジャーズのように能力の突出したスーパーエリート集団が結成でき、年々キャラクター数が増えているように人材確保にも困らない状態が皆さんの組織でも実現できればとても良いのですが・・・なかなか難しいですよね。(ちなみに、私はアイアンマンが好きです!!)


繰り返しになりますが、人的資本経営で大事なのは、人そのものよりも従業員が保有する「知識、スキル、能力」に注目する必要があるということです。


人的資本経営を推進する「リスキリング」への関心

世界的にリスキリングへの関心が高まったきっかけは、2018年の世界経済フォーラム(ダボス会議)で、新しい領域のスキルを学び、新たな職種に移行することの重要性が訴えられたことです。リスキリングとは、「変化に対応するために、新しい知識やスキルを学ぶこと」ですが、近年では「DX時代の技術革新やビジネスモデルの変化に対応するために学ぶこと」を指していることが多いようです。では、従来の「人材育成」と何が違うのでしょうか。また、人的資本経営を推進する「リスキリング」への関心が高まっていますが、どのように実施すればよいのでしょうか。

ウェルビーイング

従来の「人材育成」との大きな違いは、既存の組織や業務を前提としていないという点です。つまり、今の仕事に必要なスキルを高めるアップスキリングや、教育機関などに通いながらスキルを習得するリカレント教育などとは違い、新しい分野で新たなスキルを身につけることがリスキリングと言えます。例えば、同じスポーツでより高いスキルを得るためにトレーニングするのではなく、新しいスポーツを始めるために、ルールや技術を学び、全く新しい競技に挑戦するイメージです。

現在、私は新卒2年目で、既に2回も異動を経験し(フィールドセールス→インサイドセールス→広報)職種が変わる度にリスキリングをしていますが、仕事を楽しみながら自分の成長を感じています。異動の理由は人手不足や新規部署の立ち上げと様々でしたが、会社と自分の双方で「私の人的資本」をしっかりと見極め、納得した上で異動できたことで、最大限に力を発揮できる環境に身を置けていると思っています。


組織の人的資本を最大限に活用するためには、従業員一人ひとりに合った「最適配置」が非常に重要です。これに加えて「リスキリング」と「スキル把握」も欠かせない要素で、これらは三位一体になって人的資本経営を実現するキーワードと言えるでしょう。「リスキリング」への関心が高まっていますが、従業員全員に一律なリスキリングの機会を与えるだけではなく、個々人のスキルを把握した上でリスキリングを行うことが大切です。そうすることで、「人材ミスマッチ」に起因する従業員のエンゲージメントや企業価値の低下など様々な問題を回避することができます。

従業員の最適配置には「生きた情報」が必要

実際、スキルを把握するために人事システムを導入しているものの、人的資本経営に繋がっているのか分からないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。これを解決するには、従業員の中にある生きた情報をどうにかして引き出すしかありません。

<経営層・人事のお悩み>
・記載が少なかったり、古かったり、使える情報が少ない
・入力や更新を促しても、業務と関係ないため後回しにされてしてしまう
・従業員の強みは沢山あっても、資格や型にはまった情報の管理に留まっている

<従業員の状況>
・自分のスキルを把握してない、意識していない
・伸ばしたいスキルや、伸ばしやすいスキルが分からない
・自分では気付きにくい潜在的なスキルに気づく機会がない

従業員の細かいスキルを十分に表現しきれない、把握管理できていない、これでは従業員一人ひとりに合ったリスキリングや最適配置ができないですし、正直この状況は勿体ないですよね。まず、従業員には、スキルの棚おろしを行い「自分の人的資本」を認識すること、更には「自分ブランド」を磨き育て続けていくことが求められるでしょう。一方、企業には、従業員がこれらを実現できるようにサポートする姿勢が求められ、人的資本経営の実現はその先にあると考えます。

ミーニングフルワークで楽しく働く

人的資本情報の開示義務がありますが、ぜひ社外への情報開示だけに囚われず、その過程で社内にも目を向けてみることをオススメします。PHONE APPLIでは、一緒に働いているチームや組織内で情報を開示することも大事!という考えのもと、全従業員がプロフィール情報の開示・共有をしており、お互いに把握ができるようになっています。その方法はというと、「PHONE APPLI PEOPLE」に従業員が自分の人的資本=スキル情報を入力し可視化しています。ここでポイントなのは、幅広い表現で自由にスキルを入力することで、より具体的な業務や活用パターンを想起できるようになっていることです。このお陰で、異動時やプロジェクトごとに仕事仲間を見つけたり、キャリア開発を考える時に社内でロールモデルをみつけたり、「PHONE APPLI PEOPLE」を使い社員同士が強みを発揮して協力しながら業務に取り組める文化の醸成に繋がっています。

このように、強みを発揮している状態は、自分にとって意義のある仕事=ミーニングフルワーク(Meaningful work)ができている状態と言えます。せっかく働くなら、仕事や経験に「意味」や「やりがい」を感じながら、楽しくワクワクしながら働きたいですよね!人的資本経営を推進することで、従業員が各々のスキルを発揮することができ、高い働きがいを感じられているウェルビーイングな働き方を一緒に目指していきませんか?



<参考>
※1 https://www.oecd.org/economy/human-capital/

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この記事の筆者

朱本 楽音

朱本 楽音

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