カーボンニュートラルに貢献する100年企業を目指して。社員の活躍を後押しするPHONE APPLI PEOPLE 導入

中電プラント株式会社

効果
  • コミュニケーションの利便性向上を実感でき、DX推進に対する社内の不安が和らいだ
  • マイプロフィール機能が組織の心理的安全性を高めるきっかけに
  • API を利用したシステム間連携により、さらなる業務効率化を構想

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中国電力グループにおける水力・火力・原子力発電設備および受変電設備の建設・メンテナンスを通じて電力の安定供給に貢献しながら、地域社会における電力設備の維持・向上にも寄与している中電プラント株式会社。1953年創業という長い歴史をもつ同社は、100年企業を目指して、未来への責任を胸にカーボンニュートラル(脱炭素化)に取り組んでいる。そんな同社が PHONE APPLI PEOPLE (以下、 PA PEOPLE と表記)の導入にいたった背景と、導入によって得られた効果、そして今後目指している働き方についてお話をうかがった。

PA PEOPLE 導入の背景

カーボンニュートラルの実現に向けて、エネルギー業界・建設業界における組織変革が必要

──2023年12月に PA PEOPLE をご導入いただくにあたって、どんな背景があったのでしょうか。

坂根氏 まず根本的な背景には、エネルギーに携わる企業として、社会の持続可能な発展のためにカーボンニュートラルへの挑戦が責務であるという状況があります。そのために日々、新しい技術を柔軟に取り入れていく姿勢が大事になりますし、社員一人ひとりが既存のやり方にとらわれずに高いパフォーマンスを出せるようになりたいとも感じていました。また、当社だけでなく業界に共通する課題として、少子高齢化の影響もあり人手不足が続いている現状も変えていきたいという思いもありました。

桧垣氏 実際には、当社ではまだまだ紙文化・判子文化が生きているのが象徴的なように、やり方を変えることに抵抗がある社員も多いのが現状です。坂根や私は社内において、DX(※)を推進する役割を担っていますが、新しい取り組みを始める際に他の部門の社員と意見が合わない場合もよくあります。従来のやり方を重んじるのにはわけがあって、例えば現場の習慣を崩すことで仕事を停滞させたくないとか、様々な人がいる会社のなかで無用な衝突を避けたいという、堅実な思いの表れなのかもしれません。その思いもよくわかりますし、我々としても、それぞれの社員がより仕事をしやすく、力を出しやすい環境を作りたいという志は同じだと思っています。他の社員と対立するのではなく、そういった共通の志を持ってDXを推進していきたいと考えています。

坂根氏 そんな背景のなかで、 PA PEOPLE の導入は、当社のDX推進の着実な第一歩だと考えています。

※ DX(デジタル・トランスフォーメーション):企業がデジタル技術を活用して会社全体のビジネスモデルや業務プロセス、組織風土までを根本的に革新する取り組み。

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左よりDX推進プロジェクト係長・坂根 一史(さかね かずふみ)氏、同部長・桧垣 充紀(ひがき みつのり)氏

導入前に直面していた具体的課題とは?

社用スマホ故障時に連絡先データが消えるリスクがあった

坂根氏 まず、当社では従来、業務で使用する電話番号を、各自の社用スマートフォン(以下、スマホと表記)に直接登録していました。多くの社員が建設現場でも通話を行うためスマホ端末の故障はどうしても起こってしまうのですが、故障時には初期化の対応をする場合も多いため、そのたびに連絡先データも消え、復旧に手間がかかり、業務に支障が出るという難点がありました。そこで、リスク回避のためにはクラウド電話帳が必須だと感じ、探していたところ PA PEOPLE に出会いました。

社内/社外連絡先へのアクセスが煩雑だった

坂根氏 また、社内連絡先と社外連絡先、両方の管理に改善の必要がありました。社内連絡先は内製の電話帳システムで管理していたのですが、もともとPC閲覧専用のシステムだったので、スマホでの閲覧には向かないものでした。今日も一緒にインタビューを受けている情報システム担当の中村とともに、スマホでも閲覧できるように最適化していたのですが、それでも人を探しにくく、見つけても連絡をとるにはまたひと手間かかるので、使いやすいとは言えませんでした。また、社外連絡先については名刺を紙のままファイリングして管理していたので、必要に応じて持ち出す必要がありました。

──そうした状況で連絡をスムーズに取ろうと、社用スマホに直接、連絡先を登録されていたのですね。

坂根氏 はい、取引先やよく通話する社内連絡先の電話番号を、社員個人が社用スマホに直接、何百件も登録していました。ただそれでも、連絡をとる全員の番号を登録することはできていなかったので、「誰からの着信なのかわからない」状況にたびたび不便を感じていました。

小林氏 私が所属する調達部の業務でも、社員からの「取引先の電話番号を教えて」という問い合わせに対応することがよくありました。そんなとき自分が外出していると、その場で調べられないため、「会社に戻って確認してから連絡します」という時間のかかる状況も頻繁に起こっていました。

社内電話帳の更新に手間がかかっていた

中村氏 従来の社内電話帳は、24拠点での入退社や異動があるたびに総務部担当者がとりまとめ、更新していました。年2回の大きな人事異動の際は1日がかりで対応し、そのほかの時期は月に1~5件ほど更新作業が発生していました。
総務担当者がシステムにデータをアップする際にエラーが出やすく、そのたびに情報システム担当への問い合わせがあるので、対応していました。総務担当者の負担も思いやられますし、情報システム担当としても1回の手間は5分から10分程度なのですが、逐一の対応が積み重なると軽視できない負担になっていました。

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左より調達部・小林 芽生(こばやし めばえ)氏、経営企画部 情報システム担当・中村 将人(なかむら まさと)氏

PA PEOPLE を選んだ決め手は?

坂根氏 一番の決め手は、「直感的に理解しやすいインターフェイス」でした。もともとはスマホで閲覧・操作しやすいものを求めていたのですが、PA PEOPLE はスマホではもちろん、パソコンでも同じように使いやすいので、使用する際のストレスがないのが魅力でした。

──選んでいただいた理由は、他にもありましたか?

坂根氏 はい、もう1つは社内連絡先と社外連絡先(名刺)の管理・利用を「1つのツールにまとめられる」という点です。先ほどお話ししたとおり、社内電話帳の利用と名刺の管理の両方を改善したかったので、それらを1個のツールで解決できるのは大きな利点でした。
あとは、セキュリティの機能が充実していたのも重要な点です。 PA PEOPLE では Microsoft Intune (以下、Intune と表記)を利用して自社のポリシーに沿わないアプリ利用を防いだり、特定のIPアドレス以外からのアクセスを制限したりすることもできるので、不正に利用されるリスクを回避でき、安心して導入を決めることができました。

導入によって得られた効果とは?

社内外連絡先へのアクセスが楽になり、コミュニケーションの柔軟性が向上!

坂根氏 まず、連絡先データをクラウドで管理できるようになったので、「たとえスマホが故障しても連絡先データは無事」という大きな安心感が得られました。

──社内のコミュニケーションが楽になった面はありますか。

坂根氏 はい、社内連絡の利便性が格段に上がりましたね。スマホ・PC両方から素早く社内連絡先にアクセスできるようになりました。もう個人でスマホに連絡先を保存しなくても、PA PEOPLE から簡単に電話をかけたりチャットを送ったりできるので、非常に便利です。
また、PA PEOPLE 上で Microsoft Teams のプレゼンス(連絡可能/応答不可などの状態)と Microsoft Outlook のスケジュールを表示することができるので、相手の状況がよくわかり、連絡をとるハードルを下げてくれています。

──社員の方々の反応はいかがですか。

坂根氏 インターフェイスもわかりやすいので、社員から操作に関する問い合わせもなく、「使いやすい」と好評です。また、コミュニケーション方法が以前より多様で柔軟になったのはいい変化だと感じています。従来は社内でも電話が主な手段でしたが、PA PEOPLE で連絡ツールをまとめて管理できたことで、メールやチャット・Web会議等、必要に応じて他の方法での連絡もとりやすくなってきました。

──そのほか、予想外の効果などはありましたか。

桧垣氏 電話着信時に相手の名前が表示されるのが、よかったね。

坂根氏 そう、あれはすごいですよね。予想以上に便利でした。

──着信表示機能ですね。

坂根氏 はい。僕らのようなDX推進担当や情報システム担当など、全社から多数の問い合わせが寄せられる業務をしていると特に、電話をとる前に誰なのかがわかるのはかなり大きいんです。

小林氏 私も資材調達部門での仕事で、便利さを実感しています。日頃、各支社の担当者から電話を受ける回数が多いんですが、誰からかかってきたのかがわかると内容が想像できるので、心理的な負担が軽くなって、初動も早くなりました。

──社外連絡先へのアクセスについてはいかがですか。

坂根氏 取引先の情報もスマホで簡単に確認できるため、外出先での連絡にも困ることがなくなりました。もう名刺を持ち出さなくていいし、突発的に連絡する必要が生まれても困りません。仕事のスピードが上がりました。

小林氏 社員から取引先の電話番号の問い合わせもなくなりました。連絡をとるための手間が減り、本来の仕事を中断する回数が減りました。

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プロフィール機能がきっかけで、心理的安全性の高い職場への社員の期待が見えた

──連絡先管理以外の面では、何か効果は感じられましたか。

坂根氏 そうですね、PA PEOPLE の「マイプロフィール」機能(以下、プロフィール機能と表記)を使ってみて、いいなと思っています。

桧垣氏 まだ少数ではあるけれど、プロフィールを登録してくれる人が増えてきたよね。

坂根氏 そうなんです。このプロフィールに趣味などを登録してくれていると、それがきっかけで会話が生まれるのがいいなと思っています。先日、実際に登録してくれている人のところへ行って話を聞いてみたら、「今まで機会がなかったけど、こうやってプロフィールにいろいろ書いておいたら、見た人が話しかけてくれたりして会話がはずむんです」と言ってすごく喜んでくれていたので、僕もとても嬉しかったんです。

──気軽に会話できる雰囲気が生まれたのですね。

坂根氏 はい。普段、若手の社員たちは関係の薄い部門の従業員と関わることが少ないので、業務以上の会話が生まれにくい環境でした。今回プロフィール機能を使い始めたところ、若手の社員たちが「実はこういうの、したかった!」と思っていたことがわかったので、嬉しく思っています。気軽に、自由に会話したいという気持ちにとても共感しますし、そういう期待に応えていくことで、社員たちが力を発揮しやすい、心理的安全性の高い組織づくりにもつながってくると思っています。

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実際のマイプロフィール画面

API 利用によるシステム間連携でさらなる業務効率化を構想

中村氏 先ほどお話しした内製の社内電話帳の更新対応に関してもそうですが、自分は「依頼があったら都度、手動で対応する」という仕事の仕方を、よりスムーズで快適な方法に変えたいという思いがあります。API(※)を利用して、それを実現していきたいと考えています。

※ API(Application Programing Interface/エーピーアイ):ソフトウェアやプログラム、Webサービス同士をつなぎ、機能やデータを呼び出す仕組み。

──現在、取り組まれていることはありますか?

中村氏 現在は API 利用の前段階として、簡単なツールを内製してルーティン業務を自動化しています。例えば毎月随時1~5件発生する人事情報変更の際、既存の人事システムから取り出したデータを PA PEOPLE に登録できる形式のファイルに作り直す必要があるのですが、この「ファイルを作り直す」部分を自動でおこなってくれるツールを自分で作り、使っています。今後は、PHONE APPLI API(以下、PA APIと表記)を利用して、より多くの作業を自動化し、担当者の負担を軽くしたいと考えています。

──具体的には、どのような業務を自動化したいと考えていますか?

中村氏 例えば、現在は PA PEOPLE にユーザ登録する際に、 Intune から手動で電話番号情報を取り出したうえで、社員情報と紐づけて PA PEOPLE に自動で登録する、という仕組みを内製して利用しているのですが、今後は、PA API と Microsoft Graph API を両方利用して、「 Intune から電話番号情報を拾って PA PEOPLE に登録するまで」の過程も自動化したいと考えています。​

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今後の展望

プロフィール機能も活用しながら、心理的安全性の高い組織へ

──コミュニケーションの面で、今後さらに改善したいことはありますか。

坂根氏 PA PEOPLE を起点として、いろいろな方法で、気軽にコミュニケーションがとれるようになってきました。これを機に、若い社員や新しい社員たちが、「会社だから趣味のことなんて話しちゃダメだ」などと思わずに、いろいろな人と様々な話ができるフランクな雰囲気づくりを、PA PEOPLE のプロフィール機能も活用しながら進めていきたいなと思っています。そうした心理的安全性が高い環境から、新しく仕事の知見が共有されたり、協力し合える部分が見つかったり、アイディアが生まれたりするものだと思うので、本当に目指しているところです。
また、今はまだ少ないですが、顔写真も多くの社員に登録してほしいと思っています。僕や中村が登録しているのを見て、「あぁ、こんなに楽しそうな顔写真も登録していいんだ」と安心してもらえたらいいなと(笑)。

API 利用によるシステム間の連携で大幅な業務効率化を目指す

──PA API の利用に関して、さらなる構想はありますか。

坂根氏 PA PEOPLE と人事システムとの連携による情報集約ができればいいなと考えています。長年利用しているシステムの機能を変更したり、システム自体を入れ替えたりすることは難しくても、API を利用して PA PEOPLE を含め複数のシステム間を連携し、より効率的に業務が進むよう構想できるのはありがたいです。

小林氏 夢のような話ですが、例えば購買システムと PA PEOPLE が連携して、購買システムの中で PA PEOPLE に登録してある取引先担当者情報を参照できたりすると、便利ですね。

PA PEOPLE 導入の成功を土台にして、より魅力ある企業を作っていく

──御社が目指す働き方や組織のありかたに、PA PEOPLE がお役に立てることはあるでしょうか。

坂根氏 今回、PA PEOPLE 導入を通じて、これまでに当然のように抱え込んでいた日々の不便を少なからず解消できました。このような体験を積み重ねることで、社員のみなさんが変化をポジティブにとらえやすいようにしていきたいと考えています。

桧垣氏 そうですね。日々のちょっとした不便から大きな障壁までを着実に改善・解消しながら、社員がより安心して働きやすく、力を発揮しやすい環境を整えていくのがDX推進の使命と考えています。 PA PEOPLE 導入が社員に喜んでもらえたことは、変化への第一歩として大きな意義があったのではないかと思っています。

坂根氏 たしかに、例えば社用スマホ導入時には、従来利用していたPHSやガラホを手放したくないという声が上がるのではないかと懸念していましたが、実際には問題なく移行できました。社員のみなさんが PA PEOPLE を便利に使えていたからこそ、安心して変化を受け入れることができたのだと思います。DXを進めるためには、こういった安心を社員に実感していってもらうのが大切だなと、あらためて思いました。

小林氏 安心感、大事ですね。それと、現場の目線からしても、変化への期待はあると思います。身近な例でいうと、今は、各県にある支社から伝票などの書類が郵送されて、それが到着してはじめて処理できるような業務がほとんどなので、それは切実に、早く変えたいと思っています。データでのやりとりや処理ができれば、数日単位で仕事が早く進むようになり、そのぶん他のことを考える余地が生まれるのではないかなと。

坂根氏 現場からの期待は、何より励みになります。PA PEOPLE 導入のような成功を土台にして、小さな取り組みを積み重ねて社内の意識改革を進めることで、業界・企業としての魅力を底上げし、一緒に末永く働きたいと思ってもらえる企業を目指したいと思っています。