構造改革と働き方改革を同時に推進新オフィス&ワークスタイルでイノベーション創出を目指す
エイベックス株式会社
- 効果
-
- 構造改革と働き方改革を推進する新オフィスビルで、スマートフォン×フリーアドレスのワークスタイルを採用
- フリーアドレスでも社員同士がつながりやすく好評
- 居場所検索はビジネスサポートでも効果を発揮
- 今後、便利機能の活用や他ツールとの連携でイノベーションを促す
音楽、アニメ/映像、デジタルなど各ビジネスカテゴリが生み出すエンタテインメントをリンクさせ、そのシナジー効果でより上質なコンテンツを創出し、業界をリードするエイベックス株式会社。
2017年12月、青山に誕生した新オフィスビルは自社ビルの建て替えにとどまらない、社内の構造改革と働き方改革を推進する一大プロジェクトであった。
構造改革と働き方改革を具現化するエイベックスビルを新設
当時の経緯を、人事総務本部 総務グループ 総務ユニット マネージャーの細谷竜臣氏は次のように話す。「当社では、2015年頃から全社の構造改革が動き出していました。代表の松浦勝人(代表取締役会長CEO)から”創業30年、社員数も約1,500名の大所帯になり、創業時のマインドが薄れているのではないか”という危機感が示されたことがきっかけです。モノ売りからコト売りへといったビジネスの環境変化に対応するべく、2016年5月に『avex group 成長戦略 2020 ~未来志向型エンタテインメント企業へ~ 』を発表し、組織構造、人事制度、風土を三つの軸として全社的な改革を行うことを宣言。併せて、原点回帰の意味も込めた新しいタグライン(企業理念)『Really! Mad+Pure』を定めました。世の中ではおかしいんじゃないの?(Mad)と思われることも純粋(Pure)に追い求めて、世の中に驚き(Really!)を届ける、という意味です。ちょうど時期を同じくして、自社ビルの老朽化に伴う建て替えの計画も進み始めていましたので、構造改革と共に働き方改革も、同じタグラインのもとで推進することになりました。」
新オフィスであるエイベックスビル*は「コミュニケーション・コラボレーションが起きる」「働きがいのある」「エンタテインメント企業ならではの機能を備えている」の3つのコンセプトでデザイン・設計され、同社ならではのワークスマートやイノベーションが生まれるとともに、エンタテインメントを中心とした新しいコミュニティの成長を目指している。
*エイベックスビルは第31回日経ニューオフィス賞ニューオフィス推進賞、グッドデザイン賞2019を受賞しています。
新ワークスタイルにおいて社員同士がどこにいてもつながれるWeb電話帳が必須
エイベックスビルでは一部を除き原則フリーアドレスとなり、移転のタイミングで全員にスマートフォン(iPhone)を支給。自席に縛られない働き方を目指した。17階建て、受付や会議フロア、スタジオ設備を除いても社員の執務エリアは5階から社員食堂のある17階までと広い。固定席と固定電話からの脱却には、社員の電話帳と居場所が分かるアプリが必須だった、と細谷氏は語る。
「新たなワークスタイルでイノベーションを生み出すためには、社員に従来よりも不便と感じさせない、安心感が必要でした。フリーアドレスをうまく活用している他社の事例も参考にする中で、社員同士がいま、どこにいるのかを含めて探しやすくつながりやすい、Web電話帳の必要性を強く感じました。」
比較検討を重ねた同社は、高い実績とシェアを誇るPhone Appliの連絡とれるくんを選定し、導入が正式に決定した。
社内放送番組で告知、展開もスムーズ
社内展開方法も同社ならではのユニークな方法で行われた、と細谷氏は語る。「導入に際して全社での集合研修などは行わず、月に2回放送される社内向けネット番組で、特集番組を制作して告知しました。
当時、移転に際してのさまざまな発信を行っていましたので社員の注目度も高く、効果的でした。加えて、各部署のインフルエンサー的な社員に個別にアプローチしたことで、自然に広まっていった印象です。」
居場所検索はビジネスサポートでも効果を発揮
新オフィスでは連絡とれるくんとFMC(Fixed and Mobile Convergence)によりマルチキャリアでのスマートフォン内線化を実現。加えて0ABJの携帯番号と、03番号を用途に応じて使い分け可能となっている。この新しいワークスタイルの効果を、細谷氏は次のように話す。「我々の業界は意外とアナログな働き方が一般的。移転前はスマートフォンの利用も限定的で、自席から固定電話が基本でした。中でも制作や宣伝などの部署ではデスクが電話番して取り次ぐ、といった業務が当たり前でしたので、働き方が変わることに抵抗感を感じる社員も多かったのですが、移転後は大きく変わりました。社員はビル内のどこで働いても、連絡とれるくんでお互いがどこにいるのかがすぐにわかり、コミュニケーションも以前よりもとりやすいと好評です。
取り次ぎ業務がなくなったことで業務効率も大きく向上して各自、本来業務に注力できるようになりました。お客様に携帯番号ではなく03番号をお知らせできることで社員も安心できますし、ダイレクトに担当者とつながれることで、お客様の満足度も高いと思います。」
また、部署単位の固定レイアウトからフリーアドレスに変わることで管理側のサポートも変化し、そこでも連絡とれるくんが効果を発揮する、と細谷氏は話す。「たとえば外部から届く荷物はこれまでは各部署に配送されていましたが、新オフィスではビル全体のビジネスサポートセンターの配送サポートが一括で受け取り、各担当者に配送します。その際も、連絡とれるくんの居場所検索機能が使われています。お陰で運用もスムーズで、ストックヤードの省スペース化にもつながっています。」
今後、コミュニケーションの起点となる便利機能の活用や他のツールとの連携を目指す
フリーアドレスの文化も根付き、次のステージに進む同社では今後、さらに便利な機能を活用していきたいと細谷氏は話す。「連絡とれるくんは、あると便利ではなく、ないと困る存在になった、と感じています。今後、各人のアドレスページに個人ロッカーなどビル内のロケーション情報を紐づけすると利便性がさらに向上しますし、その人が持つスキルや、実施しているプロモーションを掲載すれば、社員同士のコミュニケーションがさらに活性化する期待があります。」
加えて細谷氏は、他のツールとの連携も視野に、次のように結んだ。「当社ではビジネスチャットや、人事など部署主導でもさまざまなツールが導入されています。日々もっとも利用する連絡とれるくんに、それらのツールへの連携機能があれば、利用活性化にもつながるでしょう。当社は何か便利な使い方を知ると口コミで広がり、思いもよらないアイデアが生まれる文化があります。他に先駆ける先進性も大事な企業ですので、そこを刺激していきたいと考えています。」