Salesforceを基盤に連絡先や名刺情報を一元管理。社内外コミュニケーションの円滑化を目指す
金剛株式会社
- 効果
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- Salesforceとの連携で社外連絡先をクラウドで一元管理
- 名刺情報の手入力が不要になり、登録の工数削減
- 顔写真入りの社内電話帳、組織ツリーで組織の全体像を可視化
熊本市に本社を構える金剛株式会社は、全国の図書館・美術館・病院などで活用される移動棚や書架を製造している。免震技術の開発にもいち早く取り組み、同社の免震棚は東日本大震災でも高い効果を発揮した。同社では2016年の熊本地震以降、危機管理の一環として全社員にスマートフォンを支給。さらに、テレワークや社外で業務をおこなうことを想定してSalesforceを導入するなど、コロナ禍の前から働き方改革に取り組んできた。Salesforceの活用を促進し、さらなる働き方改革を進めるためPHONE APPLI PEOPLE for Salesforce(旧:PhoneAppli for Salesforce)を採用した同社に、導入の経緯や効果について話を伺った。
取引先情報の一元管理に課題があった
同社がスマートフォンを全社員に展開することになったきっかけは、2016年の熊本地震だった。管理本部 総務・人事グループ 総務・人事チーム チームリーダー 清田陽子氏は、次のように話す。「熊本地震が起きた時には、社員の自宅の固定電話や私用携帯電話にかけて安否確認をおこないました。しかし、混乱の中でなかなか連絡が取れなかった社員もいます。この経験から、BCP(※)の目的で全社員に社用スマートフォンを支給することになりました」
(※BCP = Business Continuity Plan / 事業継続計画:災害などの緊急事態において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、あらかじめ方法、手段などを取り決めておく計画のこと)
スマートフォンを導入し、新型コロナウイルスの感染拡大前から働き方改革の一環として、リモートワークや社外でも業務がおこなえる環境を整えようとしていた同社。しかし、以前使用していた顧客管理ツールはVPN接続が必要だったり、動作が遅かったりという問題があり、社外で使うには不便を感じていた。ガバナンス局 情報室 ネットワークチーム チームリーダー 小柳由紀氏は、次のように話す。「社外での利用が実用的でなかったことから、リモートワーク時の対策として、Salesforceを導入することになりました。そして、連絡先管理ツール上のデータをSalesforceに移行することを機に、点在している取引先情報を一元管理できるようにしたいと考えたのです。」
同社では名刺の管理方法が統一されておらず、社員がそれぞれ別のツールを利用していたため、取引先情報が共有されていないケースがあった。名刺管理ツールを統一しようとする動きもあったが、コスト面の問題もあって利用者が一部に限られてしまい、結局浸透しなかったという。
どのように管理していくべきなのか、小柳氏は次のように続けた。「名刺管理を個人ごとに任せるのではなく、全て社内で情報共有できるようにSalesforceに集約したいと考えました」。しかし、新しい名刺情報をSalesforceに手入力するには手間も時間もかかる。名刺の連絡先情報を簡単に登録でき、Salesforceとも連携できるツールが必要だと感じていたという。
導入の条件は、Salesforceとの親和性
先に導入していたSalesforceと連携でき、利便性が高い取引先管理ツールを探していた同社。小柳氏は次のように語った。「PHONE APPLI PEOPLE for Salesforceは、名刺情報の取得からSalesforceへの登録を自動化できます。Salesforceとの親和性も高いと考え、導入を決めました」。現在は約300名の全社員に展開し、入力情報が徐々に増えてきているという。
同社がPHONE APPLI PEOPLE for Salesforceを導入し、期待している効果は大きく2つある。
効果1. 取引先管理・名刺管理の工数削減
効果2. 組織ツリーを活用し、社内の連絡先をスムーズに検索する
1つ目の効果は”取引先管理・名刺管理の工数削減“だ。小柳氏は「名刺情報は、モバイルアプリで撮影して取り込んでいます。ボタン一つで取引先情報としてSalesforceに連携させることができるため、名刺を見ながら手入力する必要がなくなり、取引先管理の工数が削減できるはずですね」と語った。「名刺情報をSalesforceに手入力していたときに比べ、時間短縮になるのでは」と期待している。
また、登録した名刺は画像でも残っており、いつでも確認することができるため、紙の名刺を保存しなくてもよくなり、ペーパーレス化に繋がる。小柳氏は「今まで個人で管理していた名刺情報をPHONE APPLI PEOPLE for Salesforceに登録することで、社内に連絡先を共有できるようになります。これによって、知りたい時にいつでも取引先情報を確認することができるようになるため、今後、場所にとらわれない働き方を実現したいです」と続けた。
ほかにも、PHONE APPLI PEOPLE for Salesforceはグリーティングカードの送付にも役立つという。同社では、取引先へのクリスマスカードや年末年始のご挨拶などのグリーティングカードを、ハガキに加えてメールでも送付している。「グリーティングメールは、ハガキに比べ様々な情報を載せることができるので、挨拶だけでなく営業ツールとして活用しています」と清田氏。グリーティングメールの送付にもPHONE APPLI PEOPLE for Salesforceが活躍する。小柳氏は「PHONE APPLI PEOPLE for Salesforceの顧客管理画面上で、グリーティングカードを送りたい顧客にタグをつけて送付します。簡単な操作ですぐ送れるようになるので、とても助かります」と語った。
2つ目の効果は”組織ツリーを活用し、社内の連絡先を検索する”ことだ。社内の連絡先もPHONE APPLI PEOPLE for Salesforceに登録し、活用している。「PHONE APPLI PEOPLE for Salesforce上で、組織ツリーを見ながら連絡先を検索できるのが便利ですね。社員の顔写真もできるだけ載せているので、会ったことがない人でも顔が分かり、対面でないコミュニケーションでも安心感があります」と小柳氏。
今後、SalesforceとPHONE APPLI PEOPLE for Salesforceの使い方を社内により一層普及させて、さらに働き方改革を進めたいと語る小柳氏と清田氏。「今後は、SalesforceとPHONE APPLI PEOPLE for Salesforceの機能を、さらに使いこなせるように利用法を工夫したいです。PHONE APPLI PEOPLE for Salesforceを取引先情報の一元管理・社内連絡先のポータルとしてより一層浸透させて、社内外のコミュニケーション円滑化を図っていきます」