いままで見えなかった『つながり』が見えてくる〜『コミュニケーションポータル』〜
株式会社トクヤマ
「化学を通じて暮らしに役立つ価値を創造する」をビジョンとして、化学品・エレクトロニクス・建設資材・ヘルスケアなど幅広い分野の製品開発・製造販売を事業を行なっている株式会社トクヤマ(以下、トクヤマ)。2018年に創業100年を迎え、得意とする先端材料での世界トップを目指し、グローバル展開を進めている。
日本だけでなく、海外でも商談や展示会等を通じて、多いときには300〜400枚の名刺交換を行ってきたにも関わらず、その名刺の多くが紙のままファイルに収められ、企業の資産としてフル活用できているとは言い難い状況だったという。
そんな中、大阪オフィスから情報共有のプロジェクトがスタートした。会社として標準的な名刺管理ツールは定まっておらず、個人がプライベートで名刺管理アプリを使っている状況だったため、まずは名刺の共有から始めることに。営業現場では、個人でデジタル化された名刺情報を利用していたが、同僚と共有することはできず、また経営からはシャドーITとして、セキュリティ上のリスクと認識されていた。
▼左から酒井氏、三宅氏
セキュリティリスクを考慮し、シャドーITを禁止
「無料という理由で、個人の判断で(名刺管理アプリを)使われてしまっている状況を止めたかった」と語るのは三宅氏。
展示会での活用に加えて、日々の営業活動での名刺交換の機会が増えてきたため、個人利用の名刺管理アプリはセキュリティ委員会で禁止とし、会社として標準の名刺管理の仕組みを考えることになった。
▼上村氏
そんな時、SalesforceをCRMとして導入する取組みが始まり、既存の数万社の取引先と、その取引先責任者をSalesforceに移行するプロジェクトが始まる。Salesforceの導入を進める中で、パートナーであるベンダーとも相談し、Salesforce活用の第一歩とも言える名刺情報を取引先に連携する仕組みとして、PhoneAppli for Salesforceの導入を決めたという。
大阪オフィスから営業力強化の視点ではじめた名刺共有の取組みが、いまや間接業務にも広がり、購買部門や設備管理、人事部門、秘書室にも活用の幅を広げている。
現在は、国内外のグループ会社7社に展開をしており、海外グループ会社、シンガポール等でも利用している。
海外では、シンガポールでiX100というモバイルスキャナを使ってスキャナ取込みも利用しており、いずれも酒井・上村氏が、各社を行脚して説明や設定の支援を行ったとのことだ。今後も、各国の個人情報の扱いを確認しながら、徐々に活用の場を広げていくとのことである。
社内・グループ内で、お客様を紹介してもらえるように
しかし、設定はしたものの、これまで紙で管理していた名刺をSalesforceに取り込むという作業は、市民権を得るまでになかなか時間がかかる。Salesforce導入したての企業ではよくある風景だ。
そこで酒井氏は、社内報で使い方を紹介したり、海外も含めた導入・定着化研修を行ったりすることで、徐々に利用率を向上させていった。また、iPhoneとiPadをモバイルツールとして利用することで、蓄積された名刺情報(=顧客情報)を活用しやすい環境も整備した。
その結果、部署等をまたがって名刺情報を共有することが当たり前になり、どの部署の、どの人が、どの取引先とつながっているのかが共有されたことで、今まで見えていなかった社内外のつながりが見えてくるようになった。
具体的にはPhoneAppli for Salesforceの『共有フォルダ』に名刺を取込み、社外連絡先の『組織表示』で取引先との名刺交換状況を確認しながら、目的の部署の連絡先にアクセスができるようになったとのことだ。
他にも、顧客を社内グループ内で紹介してもらえるようになったり、社内での情報交換をしやすくなったりと、営業をはじめとした取引先に関わる様々なコミュニケーションが向上したとのことだ。
まさに、眠っていた紙の名刺が、有益な取引先情報に生まれ変わったと言っていいだろう。
内線でも同僚の名前がわかる、社内連絡先の「着信表示」
さらに、PhoneAppli for Salesforceを導入したことで、Salesforce上の従業員データを社内連絡先として活用できるようになったことも大きかったと言う。
当初は名刺管理アプリの機能を優先的に利用開始したPhoneAppli for Salesforceだが、社内外の連絡先を一元管理できるコミュニケーションポータルとして、名刺管理と同じくらい着信表示の機能にも期待をしていた。
「会議室の電話も連絡先として登録しており、社内からの着信も、誰からなのか、どこからなのか表示されるので、大変便利に使っています」と上村氏は現在の活用状況を語る。
今後は、Salesforce上のクラウド環境を活用して、安否確認といった非常時のコミュニケーションについても検討しており、PhoneAppli for Salesforceの機能強化に期待しているとのことだ。
●導入前の課題
名刺情報をSalesforceに取り込むのに時間がかかっていた
同席者の名刺交換履歴を効率よく登録できていなかった
●導入後の効果
名刺取込にかかる時間が短縮
複数人での名刺交換が効率化された
●利用ライセンス数
約500 ID
名刺管理◯
名刺オペレーター入力◯
リード・取引先・キャンペーン連携○
社内連絡先○
組織図✕
KnowWho検索✕
社外連絡先◯
モバイル◯
1on1✕
V2MOM✕
サンクスカード✕
レポート◯
ダッシュボード◯