コロナ禍でテレワークを推進、全社員にiPhoneを展開。場所にしばられない働き方とコミュニケーション強化を実現
関電不動産開発株式会社
- 効果
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- コロナ禍のテレワーク推進でiPhoneを全社員に展開、共通Web電話帳を導入
- 誰もが直感的に使えて業務効率とコミュニケーションが向上
- 並行して従来の働き方を見直し、さまざまな改革を加速
関西および首都圏の2大エリアを中心に、分譲住宅事業、ビル・商業施設・ホテル・物流施設など多様な収益不動産の取得・開発事業、賃貸事業を展開など幅広い不動産関連事業を展開する関西電力のグループ企業、関電不動産開発。同社はコロナ禍を受け、ビジネスの機動力の向上とコミュニケーション強化を目指し全社員にiPhoneを展開。共通Web電話帳プラットフォームとして、「PHONE APPLI PEOPLE」(旧:連絡とれるくん)以下「PA PEOPLE」を導入した。
コロナ禍を受け、全社員へのiPhone展開を決断
かねてから共通の電話帳整備が課題に
2020年初頭からの新型コロナウイルス感染拡大を受け、同社も4月より全社的なテレワーク移行が推奨された。それと並行して、非常事態下でも円滑にビジネスを継続させるため、さまざまな方策が検討された。その結果、即対応できる可能なもののひとつとして全社員へのiPhone展開が決定。子会社等への出向社員も含め計681台の導入が決定された。経営管理本部 総務部 総務グループ リーダーの大島彩氏は、当時の経緯を次のように話す。「iPhoneの導入は親会社である関西電力でも進められており、当社も検討中でした。コロナ禍を受け、導入スケジュールを大きく前倒しすることになりました。社給PCでは関西電力グループで指定されたWeb会議システムの利用に限られ、ZoomやMicrosoft Teamsの利用はできませんでした。リモートが主体の働き方になると社員同士、お客さまとのコミュニケーションが滞ることが懸念されましたので、iPhoneを導入してその点を解消しようと考えました。」その際、まず必要と考えられたのが共通電話帳だった。同社では従来、ガラケーと呼ばれる音声通話主体の携帯端末を利用していた。イントラネット上に掲示された座席表や内線番号表を基に、社員各自が自端末に社員の氏名、電話番号や内線番号を登録する必要があり、その業務負荷が課題であったという。大島氏は「各自で登録すると手間がかかるだけでなく、人事異動に伴って端末利用者が変わっても各自が変更作業を行わなければ、端末に古い情報が残ってしまい、発信者と着信表示が不整合となるケースが多々発生していました。そこで全員の端末を更新するこの機会に、管理者(総務部)により一元的に管理・更新できる共通の電話帳を導入したいと考えました。」と語る。
全社最適効果の高さと、
名刺のOCR機能もあるPHONE APPLI PEOPLEを選定
同社では導入キャリアベンダーに提案を依頼。すると、真っ先にお勧めされたのが「PA PEOPLE」だったという。大島氏は選定の理由について、次のように語る。「PA PEOPLEは、外線のみならず内線番号も統合的に管理できる電話帳機能に加えて、簡易であるもののOCR機能付の名刺管理機能があり、将来的に他社の名刺管理サービスとの連携が可能であること、費用対効果も、全社でのコミュニケーション活性化のメリットも大きいことから、安心して選択することができました。」こうして同社はiPhoneと同時に「PA PEOPLE」を導入することを決定。2020年9月の検討開始から約3か月後の11月末、全社での利用が開始された。不動産業界ではなかなかデジタル化が進まないと言われる中、同社がこうした短期での導入、展開が行えた理由について、大島氏は「以前から電話帳に関する課題が社内で認識されていたこともありますが、なにより今回、コロナ禍での働き方とビジネスの変化への対応に経営トップが強い危機感を示し、すばやく意思決定いただけたことが、早期の導入展開につながりました。」と振り返る。
誰もが直感的に使え、業務効率とコミュニケーションが向上
同社ではiPhoneと「PA PEOPLE」の展開と併せて、LINE WORKSも導入。社内での個別の打ち合わせはPA PEOPLE、グループでのやりとりやミーティングはLINE WORKSというすみ分けで利用している。iPhoneを活用した社外とのWebミーティングは、官公庁などとはMicrosoft Teams、不動産業界とはZoomの利用が多いとのことだ。社員はiPhoneを手にすると同時に、「PA PEOPLE」を利用開始。同社では簡単な使い方マニュアルを作成、配布したがほとんどの社員は直感的に使い方を理解し、問い合わせもほとんどなかったとのこと。大島氏は導入効果について次のように話す。「iPhoneと同時に展開したことが功を奏しました。これまで面倒だった内線番号の登録作業が不要となり、着信時に発信者名が表示され、着信履歴からの折り返しもしやすく、検索性も良いため、かけたい相手がすぐに見つかるなど、社員からも便利、快適との声を多く聞いています。ガラケーの電話帳は、各自でPA PEOPLEに移行してもらいましたが、さほど大変ではなかったようです。」PA PEOPLEの導入は、電話帳登録の手間から解放され、iPhoneから社員の所属、氏名が確認できるなど、業務効率化、社内コミュニケーションにも役立っているとのことだ。
管理性と更新性の高さで、異動や組織変更時も安心
管理部門としての効果について、大島氏は「初期の社員マスター登録もcsvファイルから一括で行えて、簡単でした。内線番号表を一括で管理でき、アクセスすると常に最新状態に保たれます。新規採用者の情報や、人事異動に伴う所属、役職の変更時にも全社への通知の必要もなく、非常に効率的です。」と語る。同社はコロナ禍を契機として、さまざまな働き方改革が加速している。「これまで当社では機密保持の観点からカフェなどでのPC使用は禁止、社員は会社に戻ってから事務作業を行う必要がありました。今回のテレワークの導入に平行してコワーキングスペースを契約、商談の合間なども出先で仕事できるようになりました。オフィスのあり方も見直し、首都圏の事業所や、本店の一部フロアにおいてフリーアドレスを試行しています。ほかにも社内の決裁手続きの電子化など、これまでの働き方を見直し、さまざまな改善策の検討を進めています。」