フリーアドレスでも社員の居場所を一目で把握。Microsoft Teams連携で社内コミュニケーションもスムーズに
高千穂交易株式会社
- 効果
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- フリーアドレスでの「誰がどこにいるかわからない」を解消
- Microsoft Teams連携で社員同士のコミュニケーションが円滑化
- 着信表示によって折り返しが容易に
エレクトロニクスを核とした技術商社として、“創造” を原点に据えた事業活動をおこなう高千穂交易株式会社。
同社は、オフィス移転をきっかけにフリーアドレスを導入したことに加え、緊急事態宣言下でテレワークが進んだこともあり ”社員の居場所を把握できない” という課題を抱えていた。この課題を解決するために導入したツールは、Wi-Fiのアクセスポイントを元に社員の居場所を検知するPHONE APPLI PLACE(旧:居場所わかるくん、以下PLACE)と電話帳データをクラウド上で管理できる「PHONE APPLI PEOPLE(旧:連絡とれるくん、以下PEOPLE)。
今回は、両ツールの導入を担当した管理部 総務情報システムチーム チーフ 宮川直樹氏に、導入の経緯や導入後の効果について伺った。
フリーアドレスとテレワークにより、社員の居場所把握が困難に
“社員が固定席を持たない” フリーアドレスとテレワークの導入により、同社は2つの課題を抱えていたという。1.社員の居場所が把握しづらくなった
2.社員同士の対面の機会が減り、顔を認識しづらくなった
1つ目の課題は “フリーアドレスとテレワークの導入により、社員の居場所が把握しづらくなった” こと。宮川氏はこう語った。「フリーアドレスを採用したことで、オフィス内で誰がどこにいるのかわからなくなってしまうことがよくありました。さらに、緊急事態宣言が発令されたことをきっかけにテレワークが進み、そもそも誰が出社しているのかもわからない状態になりました」
その結果、用事がある相手を探すために社員が社内を歩き回るも、その相手がテレワーク中で出勤していないことが判明するという時間のロスも発生するようになったそうだ。「同じ部署の人はスケジュールを共有しているため出社状況がわかりますが、他部署だと出社状況を簡単に把握する方法がありませんでした」
2つ目の課題は “テレワークの導入により、社員同士の対面の機会が減り、お互いの顔を認識しづらくなった” こと。緊急事態宣言下では、出社率が3割程度だったという同社。テレワーク導入によって出社率が下がり、対面のコミュニケーションが減少したという。特に新入社員は、既存社員の顔と名前が一致せず、出社時に用件があっても相手の顔がわからないため、人に聞いてオフィス内を探し回るケースも多かったようだ。
また社内連絡先の管理においても、2つの課題があった。
1.社内連絡先の管理に工数がかかっていた
2.着信先を特定しづらかった
1つ目の課題は“社内連絡先の管理に工数がかかっていた” こと。「これまでは、社員の携帯番号や内線番号をExcelで管理しており、社員の入退社や人事異動に伴う更新作業に工数がかかっていました。さらに、社員が外出先からスマートフォンで電話帳を閲覧するとき、ファイルサーバーへ接続しなければなりません。電話帳自体もスマートフォンからだと見づらく、検索しづらいなど、使い勝手もよくありませんでした」と宮川氏は語った。
2つ目の課題は“着信先を特定しづらかった”こと。「以前は、着信時や着信履歴に電話番号しかスマートフォンに表示されず、氏名や所属が表示されませんでした。そのため、誰から電話がかかってきたのかわからず、着信相手を特定しづらいという問題が発生していました」
既存のWi-Fiを利用し居場所検知できることが決め手
「課題を解決するため複数のツールを検討した」と話す宮川氏は、PLACEの決め手について次のように語った。「PLACEの決め手は、Wi-Fiと連携し、アクセスポイントのみで居場所を検知できることです。検討していた他ツールはビーコンしか使用できないタイプで、受信機や発信機を調達しなければいけませんでした。一方で、PLACEは、当社が元々利用していたCisco Meraki(※)のWi-Fiを利用して社員の居場所を検知できるため、初期投資が少なく済みました」(※Cisco Meraki:クラウド上でネットワークを一元管理できるツール)また、PEOPLEの選定理由についてもこう続けた。「PEOPLEを選んだ決め手は、社員を検索するとさまざまな情報にアクセスできることです。Excelの電話帳では名前・所属部署・電話番号しかわかりませんでしたが、PEOPLEでは顔写真やMicrosoft Teamsの情報も閲覧できます。顔と名前が一致しない社員へ、Microsoft Teamsを使ってスムーズに連絡できることが便利だと思いました」
同社は、PLACEとPEOPLEを導入するにあたり、説明会や動画作成などの方法で社員の利用を後押ししたそうだ。「トライアル中には、社員向け説明会を何度も開催しました。さらに、文字や写真だけのマニュアルは社員に見てもらえないと思い、実際に操作している画面を撮影したデモ動画も作成しました。出社時にもどんどん社員に話しかけ、初期設定に重い腰が上がらない社員はマンツーマンでサポートしました」
フリーアドレスでも、誰がどこにいるか一目瞭然に
PLACEの導入後、同社は2つの効果を感じているという。
1.社員の居場所を即座に把握できるようになった
2.顔と名前が一致していない社員への声掛けが効率的になった
1つ目の効果は “社員の居場所を即座に把握できるようになった”こと。以前はフリーアドレスで、誰がどこにいるかわからない状態だったが、PLACEで居場所検知が可能になったことで出社時の社員同士のコミュニケーションが以前より円滑化したと宮川氏は話す。「PLACEを使うと話したい相手の居場所がわかり、即座にコミュニケーションが取れるので非常に便利です。また場合によっては、 ”相手が今は会議室にいるから話ができない”という判断もできるため、適切なタイミングでのコミュニケーションが可能になりました」
また、出社時だけでなく、テレワーク時にもPLACEが役に立っているそうだ。「自分がテレワークをしており、印刷業務や設備の修理など “出社していないとできない業務” を誰かに頼みたいときにも重宝しています。これまでは社員一人一人に連絡し、出社している社員を探す必要がありました。現在は、PLACEを見れば出社している社員を一目で把握できるため、ピンポイントで連絡して業務を即座に頼めるようになりました」
2つ目の効果は、“顔と名前が一致しない社員への声掛けが効率的になった”こと。宮川氏は「PLACEでは、社員の居場所とともに顔写真が表示されます。そのため、顔写真をもとに話したい相手を即座に見つけることができます。 “顔と名前が一致しない社員を探すために、ほかの社員に確認しながら社内を探し回る” といった手間もなくなりました」と語った。
Microsoft Teams連携で社員間のコミュニケーションが円滑に
PEOPLEについても、2つの効果があったという。
1.社員間のコミュニケーションが円滑になった
2.着信表示によって折り返しが容易になった。
1つ目の効果は “社員間のコミュニケーションが円滑になった”こと。
「PEOPLEは外出先や在宅など場所を問わず、どこからでもスマートフォンで簡単にアクセスできます。さらに、社員を組織ツリーや氏名・所属で検索でき、連絡したい相手を簡単に探せるようになり、社内のコミュニケーション円滑化の一助になっています」
また、同社は社員の顔写真をPEOPLEに登録して利用している。社員同士が対面で会う機会が減少している中で、PEOPLEは社内のコミュニケーションポータルとして効果を発揮しているという。「PEOPLEに社員の顔写真を登録できるため、検索結果で顔写真を確認でき、顔と名前が一致しない社員へも連絡しやすくなりました。利用履歴を見ると新入社員が積極的に活用しているため、普段関わりの少ない社員へ連絡するときの手助けになっていると感じています」
さらに、同社ではPEOPLEとMicrosoft Teamsを連携させた機能も活用している。PEOPLEとMicrosoft Teamsを連携すると、PEOPLE上で、連絡を取りたい相手を検索してMicrosoft Teamsでチャットや通話を開始することが可能だ。
2つ目の効果は “着信表示によって折り返しが容易になった”こと。
「以前は、着信時や着信履歴に電話番号しか表示されなかったため、誰から電話がかかってきたのかわからず、着信相手を特定しづらいという問題が発生していました。現在は、着信時や着信履歴に電話番号だけでなく氏名や所属部署も表示されるため、安心して電話に出ることができます。また折り返す際、用件に見当をつけて資料を準備しておくなど、スムーズなやり取りができるようにもなりました」
今後もPEOPLE、PLACEを利用し、業務に役立てたいと語る宮川氏。
「Outlookのスケジュール連携などMicrosoft365との連携性を深め、さらにPEOPLE、PLACEを活用していきたいと思っています」