「これがないと困る!」コミュニケーションポータルが3,500人をつなぐ
株式会社ニトリ
- 効果
-
- 3,500台のスマートフォンの番号を
コミュニケーションポータルで共有・管理 - 「もう戻れない!」 連絡とれるくんが社内連絡の“壁”を打開
- 3,500台のスマートフォンの番号を
「iPhoneと連絡とれるくんを使っているメンバーからは、『以前の状態にはもう戻れない』『これがないと業務に支障が出る』と言われるほど、なくてはならないツールになっています」
2018年2月に、Phone Appliが提供するクラウド型コミュニケーションポータル「連絡とれるくん」を使い始めたニトリ。東京本部に勤務する総務部の杉本氏は、導入効果についてそう語る。
同社では現在、約3,500台のスマートフォンを従業員に貸与し、その電話番号と、拠点・店舗に設置されている固定電話の番号を共有・管理する仕組みとして連絡とれるくんを利用している。連絡を取りたい相手の電話番号を氏名や所属部署名から簡単に検索でき、ワンタップで電話発信が行える仕組みだ。
これによって、従業員同士で行うコミュニケーションの効率が大きく向上したと杉本氏は話す。導入前は、「社員に携帯電話を貸与していたにも関わらず、十分に活用できていなかった。従業員同士の連絡が非常にやりにくかった」が、連絡とれるくんによって、その課題は解消。部署間、拠点・店舗間のコミュニケーションが円滑化し、外出中の社員やサテライトオフィスで業務を行う社員の業務効率アップにもつながっているという。
「携帯電話が活かせていない」状況を改善
連絡とれるくんの導入以前、ニトリの社内コミュニケーションにはどんな課題があったのか。「電話したい相手がいても、どの番号にかければよいのかを調べるところから始めないといけなかった」(杉本氏)のが、そもそも問題だった。
従業員に貸与した携帯電話の番号を管理する電話帳が整備されておらず、番号を知らない社員に対して電話をかけようとすれば、まず所属部署・店舗にかけて取り次いでもらい、不在であれば携帯電話番号を持っているのか否か、現在どこで業務を行っているのかを聞いてかけ直していた。
外出が多い社員や時短勤務の従業員、サテライトオフィスなどで勤務している社員に対して連絡を取ろうとする場合には、これだけで数分かかることもあったという。加えて、ニトリは人事異動・配転が日常的に行われており、連絡先を聞こうと所属部署にかけても「異動してこの部署にはいない」と、いうことも少なくなかったという。
このように、電話をかけるのに手間がかかるうえ、電話を受ける側にも問題があった。電話帳に登録していない相手から電話がかかってきた場合、発信者の情報が表示されないため、受信側はどうしても電話に出にくい。ひいては、「発信側も直接、携帯電話にかけるのを躊躇して、結局、部署の固定電話にかけてからつないでもらうというケースが多かった」と杉本氏は振り返る。「せっかく携帯電話を貸与しているのに活かせていない、非常にもったいない状態だった」わけだ。
この状況を改善するために新ツールの導入検討を始めたのが2017年末のことだ。
それまで使っていた携帯電話に代えて、iPhoneを中心としたスマートフォンを約2,500台導入するのに合わせて、「電話をかけたい人に簡単につながること、誰からかかってきたのかがわかること」の2点を満たすツールとして、連絡とれるくんの採用を決定。2018年2月から運用を開始した。
その後、従業員の増加や、店舗・配送センターへのiPhone配布に伴って端末数が増加し、2019年9月現在、3,500台の端末で連絡とれるくんを利用している。
かける側も受ける側もストレスフリーに
連絡とれるくんの効果はてきめんだった。名前や部署名で連絡を取りたい相手を探し、タップするだけで直接相手にかかる。受け手側も、かけてきた相手の部署名と名前が画面に表示されるので、電話の用件を予測したうえで電話に出ることができる。「これまでは直接電話するのに抵抗感があったが、こちらの名前と部署が相手に表示されるので、かけやすくなった」(杉本氏)。以前は、部署にかけて居場所を聞き、携帯電話番号を教えてもらってかけ直すのに数分かかっていたものが「今では数秒で済む」。仕事の効率化に役立っているという。
また、連絡とれるくんの用途は、電話番号を調べるだけに留まらない。社員の所属部署や業務内容を検索するツールとしても便利に使っていると話すのは、社長室 CSRグループ の入江氏だ。「以前にやり取りしていた○○さんが、現在どこで何をしているのかを調べたいというケースもよくある。それも名前から簡単に検索できる。また、用のある部署に誰が所属しているかもすぐに調べられる。そうした用途でもすごく役に立っている」という。従業員異動が頻繁ななか、「名字しか覚えていない人でも、すぐに検索して所属を確認できて連絡もすぐ取れるので、とても便利。手放せないツールになっている」と入江氏は話す。
このように、氏名や所属部署から目当ての人物と連絡先を検索するほか、連絡とれるくんには、保有しているスキルや資格、あるいは趣味等のプライベートに関する事柄まで、その人の属性や特徴を示す情報を登録して共有できる機能も備わっている。アクティブ化できていないスキルをここに登録して同僚や上司等が検索できるようにしたり、趣味などの話題から社内コミュニケーションの活性化を促すための機能だ。
まだニトリでは活用していないが、入江氏はその可能性にも期待を寄せる。
働き方改革の推進へ、機能を深堀り
現時点では、連絡とれるくんの基本的な機能の利用に留まっているニトリだが、杉本氏は今後その幅を広げていきたいと展望する。名刺管理機能もその1つだ。スマートフォンのカメラで撮影した名刺の情報をテキスト化して保存・管理する機能である。
名刺情報は、登録した本人だけでなく部署等のグループ内で共有することもできるが、現在、ニトリでは個人単位での管理に留めている。部署ごとにデータを適切に管理するためのルールや運用方法が確立できていないこと、意図しないメンバーにまで名刺データが共有されることでリスクが発生するのを防ぐことが理由だ。
まずは個人管理から使い始めた名刺管理機能だが、利用する社員からは部署内で名刺情報を共有したいというニーズも強く、将来的には対応していきたい考えだ。
ニトリでは現在、従業員の働く場を多様化するためサテライトオフィスの整備を進めるなど、働き方改革を進めている。そうした動きを後押しするためにも、従業員からの要望や意見を吸い上げながら、連絡とれるくんの使い道を広げていこうとしている。