Microsoft Teamsのプレゼンス表示で、不要な電話を削減!Azure AD連携等を活用し、更新作業時間も約90%短縮
株式会社琉球銀行
- 効果
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- コミュニケーションの起点を整理し、適切なツールで連絡可能に
- AzureAD連携を行うことで更新作業時間を約90%短縮
- 名刺管理機能で名刺情報を共有資産化
戦後の米軍統治下において、沖縄経済を支える金融機関として設立後、県経済の発展に向け、その責務を果たしてきた琉球銀行。“ふるさと沖縄と共に歩む銀行”として、地域に根ざした事業活動を展開している同行は、業務におけるさまざまな課題を感じていたという。今回は、事務統括部 システム企画課 下地一生氏に、PHONE APPLI PEOPLE(旧:連絡とれるくん、以下 PEOPLE)導入の背景や、導入後の効果について話を伺った。
名刺管理の手間や各種ツールの連携不足により、コミュニケーションロスが発生していた
PEOPLEを導入する前、琉球銀行には以下の課題があったという。
- 課題1:不要不急の電話が多かった
- 課題2:電話帳アプリの更新作業が大きな負担になっていた
- 課題3:名刺管理に手間がかかっていた
1つ目の課題は、不要不急の電話が多かったこと。
同行では、行内のコミュニケーション強化を目的として、2018年に全職員へiPhoneを貸与した。2021年に行内の情報共有基盤をNotesからMicrosoft365へ移行。Microsoft TeamsやOutlook等の利用により、コミュニケーションの更なる強化を図ったが、電話文化は根強く、電話が行内の主な連絡手段となっていた。状況に応じて適切な連絡手段(チャット、メール、電話)を選択するよう伝えていたが、なかなか浸透しなかったという。 下地氏は「相手の予定を十分に確認せず、電話一択でコミュニケーションを取る行員がまだ多くいました。そのため会議中でも電話が鳴りやまないということもありました。電話は行員同士の時間が拘束されてしまい、場合によっては非効率なコミュニケーションとなります」と話す。
2つ目の課題は、電話帳アプリの更新作業が大きな負担になっていたこと。
銀行業界では、定期的に大規模な人事異動があることが一般的であり、その都度、電話帳アプリの更新作業が必要となる。同行では、担当者が手動で更新作業を行っていた。「大規模な人事異動の際には、異動前日の夕方から翌朝までの限られた時間内で対応しなければならなかったことが負担となっていました。」(下地氏) このような課題を解消し、担当者に依存しない確実な更新を実現するため、Azure ADから自動連携できるツールを探していたという。(※Azure AD:Azure Active Directory は Microsoft が提供するクラウドベースの ID およびアクセス管理サービス。Microsoft 365など様々なサービスへのユーザー認証を管理する。)
3つ目の課題は、名刺管理に手間がかかっていたこと。
名刺には“電話番号”、“会社名”、“名前”、“役職名”、“メールアドレス”など有用な情報があるものの、電話帳登録の際にすべての項目を登録するには時間を要した。同行では紙による名刺の管理を行っていたため、検索や連携にも苦労していた。「取引先の担当者に連絡したくても、連絡先を知っているのは名刺をもらった人だけです。連絡先を知っている行員を探し、口頭や電話で問い合わせて確認していました。」(下地氏) そのため、行内で名刺管理アプリ導入を望む声が多く上がっていた。
紙の名刺管理が不要になり、コミュニケーションの起点をPEOPLEに統一
そうした課題を抱えていた同行だが、名刺管理アプリの導入検討を進める中でPEOPLEの「Microsoft Teamsプレゼンス表示機能」に注目した。下地氏は「PEOPLEは名刺管理アプリとしての機能に加えて、“連絡可能” “取り込み中”などMicrosoft Teamsのプレゼンスも確認できるため、電話をする際にスケジュール確認の手間が省けると考えました。」と話す。
PEOPLE導入の決め手は、電話やMicrosoft Teamsなどのコミュニケーションツールの導線を統一できる機能性だった。「PEOPLEを起点として行員の状況に合わせた適切な連絡手段を選択できるため、コミュニケーションの効率化が図れると考えました。それによって不要不急な電話を削減できる点も行内で高評価でした」と下地氏は振り返る。
- PEOPLEを導入することにより、同行は3つの大きな効果を感じたという。
- 効果1.Microsoft Teamsのプレゼンス表示機能により、不要不急の電話を削減した
- 効果2. 電話帳の更新作業時間を約90%短縮した
- 効果3. 名刺情報を共有資産として有効活用できた
1つ目の効果は、Microsoft Teamsのプレゼンス表示機能により、不要不急の電話を削減したこと。
PEOPLEを導入したことにより、電話やMicrosoft Teamsなどのコミュニケーションツールの起点を集約した。下地氏は「PEOPLE上で行員を検索すると、“連絡可能” “取り込み中”などのMicrosoft Teams上のプレゼンスを確認できるようになりました。また、相手が“会議中”のプレゼンスの場合、電話ではなくチャットやメールを同じ画面から起動できます。そのため、行員が相手の状況に応じて適切な連絡手段を選択するようになったことで、不要不急の電話が減少し、コミュニケーションの効率化につながりました」と説明する。
2つ目の効果は、電話帳の更新作業時間を約90%短縮できたこと。
同行ではMicrosoft365導入を行うにあたり、AzureADから連携をすることでサブシステムのユーザー管理の負担を削減できないか検討していた。下地氏は「PEOPLEではAzureAD連携を行えるため、例えばユーザーの増減や、部署などの変更情報を自動的に更新ができます。そのため、電話帳の更新作業をすることが大幅に減り、作業時間は従来比約90%削減できました」と語る。また連携設定についても次のように話す。「AzureADから連携する項目も PEOPLE側で細かく設定・紐づけすることができます。導入に当たってはマニュアルやPHONE APPLI社の支援が充実していたため設定に時間はかかりませんでした。」
3つ目の効果は、 名刺情報を共有資産として有効活用できたこと。
以前は紙の名刺を各自で管理していたため、情報が共有できておらず、いざ連絡するにも名刺を探す手間が大きいという課題があった。PEOPLEの名刺管理機能を利用することで、その課題は解消されたという。下地氏は「PEOPLEでは名刺スキャンで素早く登録することができます。簡単に検索でき、名刺の内容を情報資産として行内で共有できるようにもなりました。また共有先も個人や部署ごとなどの指定が可能で、権限管理ができる点も便利です」と話す。名刺情報を共有化できたことで、誰かに問い合わせることなく連絡先を調べられるようになった。また行員の誰かが登録した電話番号が業務用携帯の着信表示に反映される点も魅力のひとつだ。
下地氏はPEOPLEに対する要望も挙げた。「今後ますます機能拡充を図っていくと思いますが、PEOPLE上に表示されるOutlookの現在の予定一覧が、ブラウザだけでなくスマートフォンアプリ上でも表示されると利便性がさらに向上すると考えています。」
同行は今後、本店とグループ会社が同じオフィスに移転する予定だという。下地氏は「移転のタイミングで連絡網を統一することを考えています。更なるコミュニケーション効率化を図るため、グループ全体のPEOPLE導入を検討しています」と語った。