離れた場所でも社員同士がつながるために。コロナ禍の働き方を支えるWeb電話帳×プロフィール写真撮影サービス
NTTデータ先端技術株式会社
- 効果
-
- スマートフォン×Web電話帳の全社導入で、どこにいてもスムーズな連絡が可能に
- Azure ADと連携でき、組織図のメンテナンスが容易に
- 顔写真を登録し、離れていても”顔が見える”コミュニケーション
IT基盤、ソフトウェアソリューション、セキュリティの事業領域において、先進的な技術を活用したソリューションを提供するNTTデータ先端技術株式会社。フリーアドレス制や様々な用途に使えるコラボレーションスペースなどのオフィス改革に取り組む同社では、 “人と人をつなぐ” ためコミュニケーション改革にも着手していた。スマートフォンの全社導入に伴い、Web電話帳としてPHONE APPLI PEOPLE(旧:連絡とれるくん、以下PEOPLE)を採用。その後、コロナ禍のコミュニケーションをさらに円滑にするため、プロフィール写真撮影サービスであるPHONE APPLI PICS(以下PICS)も利用している。2つのサービスを利用した効果や今後の展望についてお話を伺った。
様々な場所で働く社員たちを“つなぐ”仕組みが必要だった
コロナ禍以前から、社内のコミュニケーションを活性化させる方法を模索していた同社。もともとは役員や一部社員など、全体の2〜3割にしか支給していなかったスマートフォンを全社員に導入したのは、新型コロナウイルス流行による最初の緊急事態宣言の少し前のことだった。テレワークの環境を整備するため、新しい働き方を考えるワーキンググループを結成。スマートフォンで使える便利なツールも積極的に導入していこうと検討を重ねた。同社は、テレワークで社員同士がコミュニケーションを取りやすくするため、次の課題を解決しなければならないと考えていた。
課題1. 社員がさまざまな場所で働くようになり、連絡が取りにくくなった
課題2. 社内組織図の更新に手間がかかっていた
課題3. 社員同士の顔が見えないため、無機質なコミュニケーションになりがちだった
1つ目の課題は、社員がさまざまな場所で働くようになり、連絡が取りにくくなったこと。コロナ禍により、在宅勤務やサテライト勤務など働く場所が多様化したため、ロケーションが異なっていても円滑にコミュニケーションが取れるツールが必要だと考えた同社。スマートフォンにWeb電話帳も取り入れることで、連絡を取りたい相手にすぐ連絡できるようにしたいと考えた。
2つ目の課題は、社内組織図の更新に手間がかかっていたこと。これまでは、社内の組織図をExcelで管理していたため、更新作業に非常に時間がかかっていた。大きな組織変更の際は、組織図の変更に半月ほどかかることもあったという。また、一度公開しても、変更漏れなどの不備を指摘されることもあり、更新作業の効率化が必要だと感じていた。最新の所属部署と連絡先が社内で共有できるWeb電話帳で、組織図更新の負担も減らしたかった。
3つ目の課題は、社員同士の顔が見えないため、無機質なコミュニケーションになりがちだったこと。コロナ禍で電話やWeb会議が主要なコミュニケーション手段になり “相手がどういう人か分からない” “顔が見えないとWeb会議の際に話しづらい” といった課題が見えてきた。Web会議時にはカメラをオンにするというルールを提案しようとしたが “家の中を見られてしまう” “メイクをしなければならない” などの反対意見が多かった。こうした顔が見えないことによる無機質なコミュニケーションを改善するため、Web電話帳や会議ツールなどへ各社員の顔写真を登録したいと考えた。
セキュリティ面を第一条件に検討。PEOPLEの操作性の高さが決め手に
人事総務部 人事担当 担当課長 吉川次郎氏によると、スマートフォンで使えるWeb電話帳ツールを選定する際には、3つの条件があったという。1つ目は、“セキュリティ面”。連絡先をクラウドで管理でき、端末にデータが残らないことが第一条件だった。2つ目は、“運用のしやすさ”。Azure AD(※)と連携することで、データ変更・管理の負担を軽減したかった。3つ目は、“使いやすさ”。社員全員が使うツールのため、誰でも簡単に使えることを重視した。
(※Azure AD:Azure Active Directory は Microsoft が提供するクラウドベースの ID およびアクセス管理サービス。Microsoft 365など様々なサービスへのユーザー認証を管理する。)
「選定時には、2〜3社のツールを比較しました。PEOPLEは、セキュリティ面や運用のしやすさをクリアしていたほか、直感的に操作しやすい画面設計とレスポンスの速さが決め手になり採用しました」と吉川氏。
導入までの稟議もスムーズだった。同社では、外部サービスを使う場合、社内のセキュリティ委員会の審査が必要になる。セキュリティ委員会では、サーバーの場所、運用体制、障害復旧、メンテナンスなどの項目が記載されたチェックリストに沿って審査をおこなっているという。PEOPLEは、こうした審査も問題なく通過した。
次に、Web電話帳や会議ツールに登録する顔写真の撮影方法を検討した。約950人の写真撮影と加工、ディレクションができることが条件だった。オフィス近くの写真店にも問い合わせたが、人数が多く初めてのケースなのでうまく進まず立ち消えになってしまったという。どうするか悩んでいるときに、PHONE APPLI がプロフィール写真撮影サービスも提供していることを知り、依頼を決めた。
Web電話帳×プロフィール写真で、離れていてもコミュニケーションが円滑に
PEOPLEの導入と顔写真の登録で、社内外のコミュニケーションに様々な効果があらわれた。具体的に実感している効果を4つ挙げた。
効果1. 連絡を取りたい相手にストレスなくアクセスできるようになった
効果2. 組織図の管理にかかる時間が大幅に短縮し、精度も向上した
効果3. PEOPLEを名刺管理ツールとしても活用し、社外連絡先を共有できた
効果4. 顔写真を登録することで、コミュニケーションの質が上がった
1つ目の効果は、連絡を取りたい相手にストレスなくアクセスできるようになったこと。人事総務部 総務担当 チーフスタッフ 吉永和彦氏は、次のように話す。「以前は出社していることが前提だったので、座席表をベースに相手を探していましたが、コロナ禍以降は働いている場所が人によってバラバラになってしまいました。しかし、PEOPLEを導入したことで、連絡を取りたい時にすぐに連絡先が分かるようになり、異なる場所で働いていてもストレスなくコミュニケーションが取れています」
社内で問い合わせる時も、問い合わせ先の部署名から社員を探すことができるため、直接連絡が取れるというメリットも感じている。また、社長も含め全員の連絡先がPEOPLEに登録されており、社員からはフラットな会社だと認識してもらえているようだ。
2つ目の効果は、組織図の管理にかかる時間が大幅に短縮し、精度も向上したこと。PEOPLEはAzure ADと連携できるため、組織変更の際はAzure ADの組織情報のデータを修正すれば、そのまま電話帳データにも反映される。吉永氏は「データを二重管理する必要がなく書き換えがスムーズになったことで、時間短縮と精度の向上を実現できました。着信表示には名前だけでなく最新の所属が表示され、利便性も向上しています」と語る。
3つ目の効果は、PEOPLEを名刺管理ツールとしても活用し、社外連絡先を共有できたこと。当初は想定していなかったが、今ではPEOPLEを社外連絡先管理にも活用している。以前は、社外の人と交換した名刺を個人で管理していたという同社。スマートフォンから名刺を取り込むことでPEOPLEに自動で登録され、各社員に属人化していた社外連絡先を共有できるようになった。人事総務部 総務担当 チーフスタッフ 岡本梢氏は「部署の中で共有するアドレス帳を作って内部公開しています。全員が名刺交換をしていなくても “ここに連絡して” と指示すれば連絡できるので、社外への対応もとてもスムーズになりました」と話す。
4つ目の効果は、顔写真の登録により、コミュニケーションの質が上がったこと。電話帳に登録する顔写真は、プロフィール写真撮影サービスであるPICSを利用した。人事総務部 人事担当 大久保寛氏は、次のように語る。「撮影当日は的確なディレクションにより、人数が多くてもスムーズに進行できました。カメラマンの人柄も馴染みやすく、リラックスした表情のプロフィール写真になったと思います。お互いの顔が分かることで安心感があり、コミュニケーションの質が大きく改善したと実感しています」
PEOPLEの他には、Microsoft Teams、Cisco Webexにも撮影した顔写真を登録・使用している。テレビ会議でカメラをオフにしても顔写真が見えるので、安心してコミュニケーションが取れるようになった。家の中を見られる心配もメイクをする必要もなくなり、社員からも好評だ。吉川氏によると、会議の際には社外からも話題にしてもらえることが多いという。「以前は自主的に写真を登録している社員もいましたが、みんなバラバラで統一感がありませんでした。プロが撮影した統一感のある写真はクオリティが高く、社外の方からも “写真がすごく素敵ですね” とお褒めの声をいただきます」
コロナ禍以降に新しく入社した社員は、現在のリモート中心の働き方では顔を合わせる機会が少ない。こうして顔が分かるようになったことで、新入社員のコミュニケーションにも役立っている。
他のツールとも連携し、PEOPLEをコミュニケーションの起点に
同社では現在、出社している社員が社内のどこにいるかを知ることができるPHONE APPLI PLACE(旧:居場所わかるくん、以下PLACE)についても、導入に向けて対応を進めている段階だという。吉永氏は、その理由について次のように話す。「今までは座席表で探せば会いにいけましたが、フリーアドレス制の導入で居場所が分からなくなってしまいました。座席表ではなく別の形で、社員と社員を社内でつなぐツールが必要だと感じています」PLACEであれば社内を探し回らなくても、相手がどこにいるかが一目で分かる。リモートワークをしている人も、誰が出社しているかすぐに確認できる。顔を見ながら打ち合わせをしたい場合、“相手が出社しているなら自分も出社しよう” と判断できるようになり、とても便利とのことだ。最後に、PEOPLEを中心としたコミュニケーションの今後について、展望やPHONE APPLIに期待することを伺った。
「これからも、対面の場合と、ロケーションが異なる場合とで、コミュニケーションの方法を多面的に考えていく必要があります。ツールの使い方や成功事例、新しいサービスなどの情報交換をしていければと思っています」(吉永氏)
「PEOPLEは、他のツールと連携でき、双方向で使える点が最大の特徴でありメリットだと思います。今後もMicrosoft Teams、Cisco Webexなどと連携し、コミュニケーションの起点として使っていきたいと考えています」(吉川氏)
「PICSについては、写真撮影が終わっていない社員があと3割ほどいます。引き続き、撮影をして顔写真の登録を広めていきます」(大久保氏)
「コロナ禍ではコミュニケーションが少なくなりがちなので、社員同士が感謝を送りあうPHONE APPLI THANKSの導入も段階的に進めています。今後もコミュニケーションを活性化させるようなサービスを期待しています」(岡本氏)
※掲載内容(所属・業務内容)は取材当時のものです。