IP電話とクラウドPBXの特徴や違いとは?メリット・デメリットも解説
「固定電話を利用しているが、そろそろIP電話に移行したい」
「クラウドPBXと、IP電話と何が違うのか知りたい」
「IP電話とクラウドPBX、それぞれの特徴やメリットをおさえておきたい」
2024年にISDN回線のINSネットデジタル通信モード(ISDN)が廃止されます。この"2024年問題"や働き方改革の促進などもあり、固定電話に代わるIP電話やクラウドPBXを検討する企業が増えています。
それぞれの名前は知っているものの、実態をよく知らないという方も多いのではないでしょうか。
IP電話とクラウドPBXの違いをひと言でいうと、IP電話は通話サービス、クラウドPBXは電話を使うためのシステムです。
本記事では、IP電話とクラウドPBXについて、以下のポイントを中心にお伝えします。
ぜひ本記事の内容を参考にして、自社のIP電話導入にお役立てください。
IP電話の7つの特徴
IP電話は、IP(Internet Protocol:インターネットプロトコル)という通信方式を利用した電話サービスの総称で、インターネットを通じて電話ができるサービスのことです。主に7つの特徴があります。
- 050番号・0ABJ番号の2種類がある
- LINEなど電話番号が不要なものも登場
- 電話機をはじめパソコン・スマホからも利用できる
- 電話回線を使わないため料金を安く抑えられる
- テレビ電話のような動画通信が可能
- 不正アクセスの対策が必要
- 音質がインターネット環境に左右されやすい
IP電話の番号は050番号・0ABJ番号の2種類があり、多くが050から始まる11ケタの電話番号です。番号は電話事業者から付与され、電話事業者を変更すると電話番号も変わります。昨今では、電話番号が不要で、LINEのようなアプリを使って通話するタイプも登場しています。
IP電話はインターネット回線を利用しているため、電話機だけでなく、パソコンやスマートフォンなどさまざまな端末で使用可能です。また、IP電話は導入費用や通話料金の安さも特徴の1つとなっています。
同じプロバイダー同士であれば、通話料金無料のサービスがある事業者が多いため、ランニングコストが抑えられます。さらにIP電話は、インターネットを介しているため、テレビ電話のような動画通信も可能です。
一方で、近年、IP電話は不正アクセスによる高額請求などの被害が増加しています。IP電話を導入する際には、IDとパスワードをこまめに変更するなど、セキュリティ対策が必須です。
IP電話はインターネットを利用していることから、通話の音質がインターネット環境に左右されやすくもあります。また、ネットワークが混雑していたりすると、音声が途切れるなど音質が悪くなる場合もあります。
IP電話の特徴や導入時に気をつけるべきポイントを詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
クラウドPBXの5つの特徴
ここでは、クラウドPBXの主な特徴を5つご紹介します。クラウドPBXとは、PBX(電話交換機のことで、社内の電話網を構築するためのもの)をクラウド化したものを指します。
【クラウドPBXの5つの特徴】
- クラウド上でPBXを管理して通話や通信をする
- VoIP電話機・スマートフォン・ソフトフォン(PC)から利用できる
- 共有電話帳やモニタリングなどの拡張機能が使える
- 初期費用やランニングコストを安く抑えられる
- FAXクラウド上で管理できる
クラウドPBXは、PBXをクラウド上に設置するサービスです。インターネット回線を利用して、内線や外線の取り次ぎ、転送などを行います。実際に使用する際は、使用端末にPBXアプリをインストールするか、ブラウザを介してクラウドPBXに接続すれば通話が可能です。
クラウドPBXは、IP電話と同じように特定の電話機をはじめ、さまざまな端末で通話が可能です。そのため、外出先でも社外からの電話を受けられるので、顧客対応品質の向上も図れます。さらに内線を繋げられるため、オフィス内はもちろん、どこにいても従業員同士の通話が可能で、通話料金は発生しないためテレワークにも適しています。
クラウドPBXには、さまざまな拡張機能が付随しているサービスも多いです。たとえば電話帳の共有。個人が作成した電話帳を会社全体に共有できます。また、モニタリング機能は、リアルなやりとりが聞けるメリットがあります。
とくにコールセンターでは、電話応対品質の教育手段として活用している企業も少なくありません。クラウドPBXは、このほかにも「電話自動応答機能」や「通話録音機能」などさまざまな機能があります。
クラウドPBXは、導入時の大規模な工事や自社での定期的なメンテナンスなどが省略可能。またオフィス内などにハードウェアを設置する必要がないため、機器を起動させるための電力コストもかかりません。そのため、初期費用や導入コスト、ランニングコストを安く抑えられます。オフィスの開設や移転などでコストをおさえたい場合にも安心です。
クラウドPBXは、届いたFAXをクラウド上で管理することも可能です。受信したFAXをメールに転送できるため、外出先でFAXの内容を確認したり、必要のないFAXを破棄することもできます。さらにはスマートフォンから、特定のメールアドレスにメールを送ることで、外出先からFAXの送信も可能です。
クラウドPBXについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
IP電話導入のメリット・デメリット
次にIP電話導入がもたらしてくれるメリットと事前に把握しておきたいデメリットをご紹介します。
メリット
- 電話加入権が必要ない
- 拠点の増減に対応しやすい
- さまざまなシステムと連携しやすい
デメリット
- 電話番号が変わる
- 停電のときに利用できない
- 050番号は信頼性に欠けるイメージがある
IP電話導入は、インターネット回線を利用するため、固定電話のように電話加入権が必要ありません。社内の電話帳をWEB上で一括管理したり、顧客管理システムと組み合わせたりなど、さまざまなシステムと連携しやすいです。
また、クラウド型のPBXとあわせてIP電話を導入すれば、大掛かりな工事をする必要がないため、コストや時間を削減して拠点の増減にも柔軟に対応することが可能です。
一方で、IP電話はプロバイダーごとに電話が割り当てられるため、プロバイダーが変わると電話番号も変わります。また、インターネット環境が必要なため、停電時は使用できません。
そして050番号は、以前勧誘電話やセールス電話に使われることがあったため、マイナスのイメージが残っていることもあります。
IP電話には他にもメリットやデメリットがあります。詳しくはこちらの記事に掲載していますので、ぜひご覧ください。
クラウドPBX導入のメリット・デメリット
続いて、クラウドPBXを導入するメリット・デメリットを解説します。
メリット
- 導入・運用・通信のコストを削減できる
- 営業日5日以内に開設できる
- ビデオ通話やチャットが利用できるサービスもある
デメリット
- 月額料金がかかる
- FAXの接続に手間がかかる
クラウドPBXのメリットは、交換機のような物理的な機器が必要ないことです。そのため、初期費用やランニングコストを大幅におさえられます。また工事や設備購入が不要なので、5日以内で導入できることもメリットです。クラウドPBXのサービスによっては、ビデオ通話やチャットを利用できるものもあります。
内線1回線あたりの月額料金は、提供会社によって異なりますが、2,000?2,500円程度です。FAXとの接続は手間がかかるため、FAXを利用したい場合は、インターネットFAXを提供しているクラウドPBXを選ぶとよいでしょう。
クラウドPBXには他にもメリット・デメリットがあります。詳しくはこちらの記事で紹介していますので、ぜひご参照ください。
【コラム】テレワーク導入のために知っておきたい、フリーアドレス導入の課題とは?
政府による働き方改革の推進やコロナ禍の影響で、テレワークを導入する企業はますます増えています。テレワーク導入時に「フリーアドレス化」も検討する企業も少なからずあります。
フリーアドレスとは、固定席を決めずに、従業員が社内の席を自由に選べる制度です。従業員全員分の固定席を用意せず、部署を超えて席の調整ができるため、テレワークとの併用に向いています。
【フリーアドレスのメリット】
- 社内スペースの有効活用
- 従業員同士のコミュニケーションの増加
- 働き方改革に対応可能
フリーアドレスは普段の在籍率を調べてから座数を決め、余った社内スペースは共有スペースや電話ブースにするなど、さまざまな活用方法があります。
また、自由に席を選ぶことで、今まで話したことのない従業員同士のコミュニケーションが生まれやすいです。新たな従業員同士のコミュニケーションの増加にもつながるのが、フリーアドレスのメリット。
テレワークやフリーアドレスの導入は、働き方改革に対応している会社として認識され、世間からの評判や従業員の満足度も高まるという効果も期待されています。
しかしフリーアドレスを導入する際には、いくつかの課題があります。
【フリーアドレスを導入するときの課題】
- 従業員の在席・不在がわかりづらい
- 会社へのエンゲージメントが低下しやすい
- 集中しにくい
- 席が固定化する
フリーアドレスは席が固定されていないため、誰がどこにいるのかわかりにくいです。その分、在席状況を把握する工夫が必要になります。
また、フリーアドレスは自由に席を選べるため、なかには「仕事に集中しにくい」「結局はいつも同じ席に座ってしまう」と悩みを抱える人も出てくる可能性があります。
しかし、工夫次第でフリーアドレスを円滑に導入することは可能です。
フリーアドレス導入についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
【テレワーク・フリーアドレス推進で、お困りごとありませんか?】
「PHONE APPLI PEOPLE」は働き方をアップデートさせる、Web電話帳です。テレワーク・フリーアドレスなど、場所にとらわれない働き方 の実現を支援をします。固定電話削減、スマホ内線化、フリーアドレス、BYODなどの実績多数!
個人の携帯を業務用に活用できるサービス「PHONE APPLI PEOPLEビジネスナンバーセット」とは?
弊社ではWeb電話帳クラウドサービス「PHONE APPLI PEOPLE」を提供しています。その中に「ビジネスナンバーセット」というサービスがあり、従業員個人のスマートフォンを、ビジネス用とプライベート用に自動的に使い分けることが可能です。
【PHONE APPLI PEOPLEビジネスナンバーセットの特徴】
- 個人のスマートフォンに業務用の「050番号」を付与し利用できる
- WEBとアプリの設定だけでラクラク導入できる
- 業務使用分の通話料金は会社へ請求される
- WEB電話帳で連絡先を一元管理
- 専用の音声通信でスマートフォンの音質そのまま
従業員所有の個人スマホに、ビジネス用の「0 5 0 番号」を付与することで、業務とプライベートで番号・ 通話料を自動的に使い分けできる法人様向けのサービスです。テレワーク導入でも新たな携帯端末の貸与は不要です。さらにWeb電話帳サービス「PHONE APPLI PEOPLE」とセットで利用でき、名刺や連絡先情報もクラウドでセキュアに一元管理できます。
ビジネスナンバーセットを導入していれば、スマートフォンを会社貸与しなくてよいためコストを大幅に削減できます。また、専用の音声通信を用いたサービスなので、音の途切れや遅延などのストレスのない通話ができます。
さらに高いセキュリティ機能が搭載されており、連絡先をクラウドで一元管理できるため、テレワーク導入にも最適です。
「PHONE APPLI PEOPLE」(旧:連絡とれるくん) とは!
キーワードやスキルなどで社内の専門家を、名刺データからお客様の連絡先を、簡単に探しだし最適なツールでコミュニケーションがとれるシェアNo.1のWeb電話帳です。
【まとめ】IP電話とクラウドPBXの導入について
本記事では、IP電話とクラウドPBXの導入について、以下のポイントを中心にお伝えしました。
- IP電話は通話サービス、クラウドPBXは電話を使うためのシステムのことで、2つの役割は異なる
- IP電話の特徴は、「電話番号が3パターンある」「通話料金が安い」「パソコンやスマートフォンが利用できる」などがある
- クラウドPBXの特徴は、「クラウド上でPBXを管理し内外線をスムーズ化」「パソコンやスマートフォンが利用可能」などがある
- IP電話は、インターネット回線を利用するため、電話加入権が必要ないなどのメリットがある。一方で、プロバイダーが変わると電話番号も変わるデメリットもある
- クラウドPBXのメリットはスピーディーに導入でき、初期費用が安いなどさまざま。一方で、月額料金がかかるなどのデメリットもある
IP電話、もしくはクラウドPBXのどちらかを導入することで、電話対応の効率化やコスト削減につながります。さらには両者の併用によって、サービスの効果やシステムの機能をより活かすこともできます。自社の電話環境を最適化するために、検討してみてはいかがでしょうか。
ぜひ記事の内容をIP電話導入、クラウドPBXの導入にお役立てください。
【PBX老朽化やクラウドPBX導入で、お困りごとありませんか?】
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