IP電話の特徴は?料金やセキュリティ、従来の電話との違いを解説!
「固定電話に代わる、新しい電話を検討したい」
「テレワークにも対応できる電話を知りたい」
「IP電話の導入を検討しているので、まずは特徴を知りたい」
従来の固定電話に比べ、コストがかからないことなどで知られているIP電話。テレワークの導入の広がりとともに、多くの企業がIP電話を利用し始めています。しかし、IP電話の具体的な特徴まで知らない方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、IP電話の特徴について、以下のポイントを中心にお伝えします。
ぜひ本記事の内容を参考にして、自社のIP電話導入にお役立てください。
IP電話の特徴7つ
IP電話とは、IP (Internet Protocol)という通信方法を利用し、インターネットに接続して音声を届ける電話サービスのことです。さっそくIP電話の特徴についてみていきましょう。
- 050番号・0ABJ番号の2種類がある
- LINEなど電話番号が不要なものも登場
- 電話機を始パソコン・スマートフォンからも利用できる
- 電話回線を使わないため料金を安く抑えられる
- テレビ電話のような動画通話が可能
- 不正アクセスの対策が必要
- 音質がインターネット環境に左右されやすい
1. 050番号・0ABJ番号の2種類がある
IP電話には050番号・0ABJ番号の2種類の電話番号があります。
050番号
「050」から始まる11ケタの電話番号で、市外局番で分けられるものではありません。「050(IP回線)-(事業者の識別番号)-(加入者番号)」で表されるため、電話事業者を変更すると電話番号も変更となります。
0ABJ番号
東京「03」など0から始まる10ケタの電話番号形式です。「(市外局番)-(市内局番)-(加入者番号)」で表され、一般の電話番号を持っていればそのまま引き続き使えます。ただし、0ABJ番号をIP電話で使うには総務省の定める通話品質の基準を満たさなければなりません。この基準を満たしているIP電話の1つが光電話です。
2. LINEなど電話番号が不要なものも登場
IP電話の中には、特定の電話番号が不要なタイプも登場しています。たとえばLINEやFacebookメッセンジャーなど、普段プライベートで利用されている方も多いのではないでしょうか。このタイプは、VoIP技術を用いて、サーバーを通して音声のデータ変換を行い、双方向で音声を送信することで音声通話を実現しています。
ただし通話するには双方が同じアプリを持っていることが必要です。そのため、普通の電話とは通話できない点には注意が必要です。
3. 電話機をはじめパソコン・スマートフォンからも利用できる
IP電話はインターネット回線を利用するため、特定の電話機だけに限らず、パソコンやスマートフォンを利用できます。そのため、お客様からの大切な電話を外出先でも受け取るということも可能です。
また、既存の固定電話との併用もできるので、無理に現在使用している電話を解約する必要はありません。たとえば、「IP電話の導入後に代表電話を残したい」などの希望も叶えられます。
4. 電話回線を使わないため料金を安く抑えられる
従来の固定電話に比べ、料金を安く抑えることが可能です。IP電話はインターネット回線を利用するため、通話料金や基本料金を安く抑えられるのです。さらに同じプロバイダー、もしくは提携のプロバイダー間では通話料金が無料になるケースもあります。
5. テレビ電話のような動画通信が可能
IP電話ではテレビ電話のような動画通信が可能です。それは、インターネット回線を利用しているため、データでのやりとりが可能になったことと大きく関係しています。
たとえば電話での商談が急に必要になった場合でも、動画であれば相手の反応を見ながら話せます。またテレワーク中の1on1など、社内で使用すれば、お互いの顔が見られるのでコミュニケーション効果も高まります。
6. 不正アクセスの対策が必要
IP電話を安全かつ安心して使うためには、セキュリティ対策が必要です。近年は第三者が利用者になりすまして不正にアクセスし、高額な料金を請求されるという被害が増加しています。
被害を防ぐ方法の1つには、「IDとパスワードはこまめに変更する」「使用するソフトウェアは常に最新になるようにアップデートする」などが有効です。情報流出による信頼を失わないためにも、セキュリティ対策を万全にしておきましょう。
7. 音質がインターネット環境に左右されやすい
IP電話の音声は、音声をデータ化するためネット環境の影響を受けやすいです。たとえば、ネットワークが混雑している時や大容量データをやり取りする場合など、音質が悪くなる傾向にあります。
導入する前に、高速のネット回線にするなど社内のネット環境を整備しておくとよいでしょう。また、サービス提供企業を選ぶときには、総務省のIP電話事業者の電話音声品質のランク分けを参考にするとよいでしょう。このようにして、しっかりと環境を構築できているかどうかを確認することが必要です。
固定電話や他の電話との違い
ここまでIP電話の特徴をご紹介してきました。IP電話の理解をより深めるためにも、固定電話、それ以外の電話の仕組みや違いをみていきましょう。
IP電話 | 固定電話 | ひかり電話 | インターネット 電話 |
IP-PBX クラウドPBX |
|
---|---|---|---|---|---|
回線 | インターネット | アナログ | 光ファイバー | 公衆回線 | LAN クラウド |
利用形態 | 電話機 パソコン スマートフォン |
電話機 | 電話機 パソコン スマートフォン |
パソコン スマートフォン |
電話機 パソコン スマートフォン |
費用 | ◯ | × | ◯ | ◯ | ◯ |
通話品質 | × | ◯ | ◯ | × | ◯ |
緊急通報電話 | × | ◯ | ◯ | × | × |
フリーダイヤル | × | ◯ | ◯ | × | △ サービスによる |
固定電話:アナログ回線の固定電話は、電話線と中継する交換局により通話が可能。経由する交換局の数によって料金が変わるため、距離が遠いほど料金が高くなる
ひかり電話:光ファイバー網を用いた通信で通話品質が高いという特徴があります。ただし電話だけでなく、インターネット光回線を同時に契約しなければならないという縛りがあります。
インターネット電話:IP電話の1つで、前章で紹介した電話番号が不要な電話のことです。IP電話は専用の回線を使用しますが、インターネット電話は公衆の回線を利用した通話形式です。LINEのように、通話する双方が同じアプリを使う必要があります。
IP-PBX、クラウドPBX:PBXとは社内に設置される電話交換機のことです。外線・内線、複数の内線同士を接続する役割がある「IP -PBX」はLANケーブルに。クラウドPBXはクラウド上で利用するという違いがあります。IP電話とともに活用することで、より効率化が図れます。
IP電話とその他の電話の違いについては以下の記事でより詳しく紹介していますのでぜひご参考ください。
IP電話導入のメリット・デメリット
特徴や他の電話との違いなどがわかったところで、IP電話導入のメリット・デメリットも理解しておきましょう。
メリット
- 基本料金と通話料金が安い
- 同一プロバイダ間の通話が無料
- 電話加入権が必要ない
- 電話機を買い替える必要がない
- PCやスマートフォンを端末にできる
- 拠点の増減に対応しやすい
- さまざまなシステムと連携しやすい
デメリット
- 電話番号が変わる
- 緊急発信番号やフリーダイヤルに接続できない
- ネット環境によって通信品質が不安定になる
- 停電のときに利用できない
- 050番号は信頼性に欠けるイメージがある
IP電話はインターネット回線を利用するので、通話料が安く電話機を買い換える必要もありません。そのため、初期費用やランニングコストが削減できます。また同一のプロバイダー間では、通話が無料ということもメリットです。
一方で、プロバイダーを変えると電話番号が変わるというデメリットもあります。また、インターネット回線を利用しているため、緊急発信電話など通話できない番号があります。
IP電話帳のメリット・デメリットについては以下の記事でより詳しく紹介していますのでご参照ください。
IP電話を導入するときの4つのポイント
実際にIP電話を導入するとき、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。押さえておきたい4つのポイントをご紹介します。
- 内線や国際電話の番号数や使用量を把握する
- 導入範囲を決定する
- 自社がほしい機能があるかどうかをみる
- クラウドPBXの導入も考える
1. 内線や国際電話の番号数や使用量を把握する
まずは、内線や国際電話をどのくらい使用しているのかを把握しましょう。現在の電話料金からどのくらいのコストインパクト(IP電話への変更における、コストに対する影響度のこと)があるのかがわかり、予算も立てやすくなります。
たとえば全国に支店や事務所があり、内線を頻繁に使用する場合、同じプロバイダ同士で通話料無料となるサービスがオススメです。国際電話を多く利用する場合は、各サービスによって料金体系が違うので、比較検討しましょう。
また、IP電話は通話回数が一定数を超えるとノイズが発生したり、通話が突然切断されたりする不具合が起こる場合があります。通話品質を安定させるためにも、会社規模や従業員数の増減などを踏まえ、1ヶ月の通話回数を算出して自社に合うサービスを探しましょう。
2. 導入範囲を決定する
一気に全社導入してもよいですが、少なからず初期費用や導入費用がかかるため、まずは範囲を決めて導入するのも一つの手です。導入しても自社に合わなかった場合は、撤退・契約終了の手間がかかり、さらにはまた別の手立てを用意する必要があります。
実際にIP電話を導入してみると、自社にとってよい部分、工夫が必要な部分が見えてくるはずです。まずは必要な部署や支社のみに試験的に導入し、使い勝手や費用を確認した上で、他の部署や全社へ導入するという方法もおすすめです。
そうすることで、一部で導入した際のノウハウを活かしてスムーズに導入でき、予算や導入スケジュールも立てやすいでしょう。
3. 自社がほしい機能があるかどうかをみる
サービスによってIP電話の機能はさまざまです。プロバイダーを選ぶときは、通話機能以外に必要なものは何かを確認しましょう。機能によっては有料オプションとなる場合もあるため、必要な機能と料金を確認して総合的に判断するといいでしょう。
【追加したい機能をみるポイント】
- 従業員同士の通話料を安くしたい
- 自動応答を使いたい
- 顧客管理機能を付けたい
- 内線機能が使いたい
- 通話を録音したい
- 電話帳を共有したい
- どこにいても転送を受けられるようにしたい
また、プロバイダーを選ぶもう1つの指標として、安定したサービスを提供しているかどうかもポイントです。事業者の評判やサービス内容、音声品質を事前に精査しておきましょう。
4. クラウドPBXの導入も考える
企業でIP電話を利用する際は、電話交換機(PBX)が必要となります。その中でも、オフィスにサーバーや機器を設置せずにIP電話の内線化が実現できる、クラウドPBXの導入も考えてみましょう。
クラウドPBXはインターネットを介するため、ネットワーク環境があれば、いつでもどこでもPBX機能が使えます。またスマートフォンとの連動もできるため、外出先でも内線や転送などの機能が使えます。そのため、働く場所を選ばないテレワークにも適したサービスといえるでしょう。
クラウドPBXについては以下の記事でより詳しく紹介していますのでご参照ください。
個人の携帯を業務用に活用できるサービス「PHONE APPLI PEOPLEビジネスナンバーセット」とは?
弊社ではWeb電話帳クラウドサービス「PHONE APPLI PEOPLE」を提供しています。その中に「ビジネスナンバーセット」というサービスがあり、従業員個人のスマートフォンを、ビジネス用とプライベート用に自動的に使い分けることが可能です。
【PHONE APPLI PEOPLEビジネスナンバーセットの特徴】
- 個人のスマートフォンに業務用の「050番号」を付与し利用できる
- WEBとアプリの設定だけでラクラク導入できる
- 業務使用分の通話料金は会社へ請求される
- WEB電話帳で連絡先を一元管理
- 専用の音声通信でスマートフォンの音質そのまま
従業員所有の個人スマホに、ビジネス用の「0 5 0 番号」を付与することで、業務とプライベートで番号・ 通話料を自動的に使い分けできる法人様向けのサービスです。テレワーク導入でも新たな携帯端末の貸与は不要です。さらにWeb電話帳サービス「PHONE APPLI PEOPLE」とセットで利用でき、名刺や連絡先情報もクラウドでセキュアに一元管理できます。
ビジネスナンバーセットを導入していれば、スマートフォンを会社貸与しなくてよいためコストを大幅に削減できます。また、専用の音声通信を用いたサービスなので、音の途切れや遅延などのストレスのない通話ができます。
さらに高いセキュリティ機能が搭載されており、連絡先をクラウドで一元管理できるため、テレワーク導入にも最適です。
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【まとめ】IP電話の特徴について
本記事では、IP電話の特徴について、以下のポイントを中心にお伝えしました。
- IP電話は、「パスコンやスマートフォンからも利用できる」や「料金が安い」、「動画通信も可能」などという特徴がある
- 「不正アクセスの可能性」や「音質がインターネットに左右されやすい」ため、あらかじめ対策や社内整備を準備しておくと安心
- IP電話のメリットを把握して、導入を検討しておくことが肝心
- IP電話を導入する際は、現在の電話利用状況を確認し、導入の範囲を見極めることが大切
- プロバイダーを選ぶ時には、自社の導入目的に合わせたサービスを選ぶとより効果的な活用が期待できる
さまざまな特徴をもつIP電話。自社の使い勝手に合うサービスを選び導入することで、電話業務の改善、さらには業務の効率化が見込めます。そのためには、まず現在の電話利用状況を把握することからはじめてみてはいかがでしょうか。
ぜひ本記事を、自社のIP電話導入にお役立てください。
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