シアワセ会議 Vol.7 世界と日本の有給休暇事情~消化率ほぼ100%は実現する!~

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2023.03.01

2023年は祝日が土曜日に被り、連休は少なめ

皆さん、今年の祝日状況は確認しましたか?2022年は土曜日と祝日が重なったのが元旦のみでしたが、2023年は土曜日に重なる祝日が2月11日(建国記念の日)、4月29日(昭和の日)、9月23日(秋分の日)と3回もあり、昨年に比べて連休は少なめになるようです。土日が休みの人にとっては地味にダメージが大きいですよね。

ちなみに、2023年のゴールデンウイークは5月1日と2日を休めば9連休になります!ぜひ皆さんもカレンダーを見て、連休を確保できるように意識しておくといいかもしれませんね。私の同期には、この日は有給を取ると決めて、すでに上司に伝えている人もいるようです。ちゃっかりしてる・・・(笑)

Q.さて、皆さんは1年でどのくらい有給を消化してますか?

厚生労働省によると、令和3年の1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数を除く) をみると、平均は 17.6 日。このうち労働者が取得した日数は 10.3 日で、取得率は?58.3%となっており、昭和 59 年以降過去最高となっています。(参考資料1)

皆さんの有給取得率と比べていかがでしょうか?「意外と自分休んでるのかも」「もっと休んだ方がいいのかも」など色々な方がいらっしゃると思いますが、他の人や他の会社がどれくらい休んでいるのか気になりますよね。私も、自分の勤めている会社の有給取得状況が気になったので、今回特別に人事の方から許可をいただき有給に関するデータを分析してみました!そこで今日は、PHONE APPLIの有給取得状況を、ありのままお伝えしたいと思います!

PHONE APPLIの有給取得率

2022年度のPHONE APPLI有給取得率は、ズバリ80.2%!全国平均を大きく上回っています!
(2022年4月~2023年1月分の集計で繰越日数を除く)

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ん?あれ?・・・2020年低くないか?

そう思った方多いのではないでしょうか。私もデータをまとめている時に、2020年どうした?何があった?と独りでツッコミを入れていました。厚生労働省によると、2020年の年次有給休暇の平均取得率は56.6%で、2019年から0.3ポイント上昇して当時の過去最高記録だったようです。(参考資料2)全国平均とは違う動きをしていることで、さらにV字の謎が深まってしまいました・・・2020年のPHONE APPLIには一体なにがあったんでしょうね。

年代別・役職別・職種で見る有給取得率

謎を解明するために、セグメントごとにその内訳を見てみることにしました。
まずは、年代別で見てみると、このような結果になりました。
過去5年間(2018~2022年)の年代別有給取得率平均は、ほとんどの年代で全国平均の58.3%を超えています。

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一方で、過去5年間の年代別有給取得率平均の推移を見てみると、やはり2020年が最も低く、全体的にV字になっていることが分かります。

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V字になっている理由として、以下のことが考えられます。

・新卒採用がはじまり、2020年に新卒採用が一気に増えたため。(新卒は心理的に休みにくい立場なので、新卒採用初期メンバーが入社したての頃はその影響もあったのかなと思います。現在は75%超えで休みやすい環境になっています!)

・コロナ禍で完全テレワークに移行したため、身体的には疲労を感じ難く有給を取得してまで休みたいと思わなかった。取ったとしても旅行や外出のできる状況ではなかった。

・PHONE APPLIの残業時間の推移をみると2019年の全社平均が10時間、2020年の全社平均が12時間で、会社全体が「ちょっと忙しかったから」かも?

組織の幸福度診断アセスメントサービス(WCS:Well-being Company Score)の利用開始

また、2022年度だけを見てみると、30代が86.4%と圧倒的に高く、次いで20代が74.1%と若い世代で有給取得率が高い傾向にあることが分かりました。この理由としては、結婚や子育てといったライフイベントが多くあり、ワークライフバランスを考える状況にあることが推測されます。

次に、役職別かつ業種別で見てみると、このような結果になりました。
部長は営業部門に於いても、エンジニア部門に於いても50%以下と全国平均の58.3%を大きく下回りました。一方で、マネージャはー営業が69.3%、エンジニアが66.9%と、どちらの業種も共に全国平均は上回っているがPHONE APPLIの平均値には届かないという結果になりました。以上のことから、業種によって差異は見られませんでしたが、役職のある社員は有給取得率が低いという現状が分かりました。

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実際に、役職のある社員の有給取得率が低い理由を部長たちに聞いてみると、このような声がありました。
・休むとチーム全体の業務が止まったり、迷惑がかかるのが心配
・社外とのミーティングが多く、融通が利きづらい
・意思決定が遅れて、お客様への対応も遅れてしまう可能性がある

改善策として、長時間の打ち合わせはなるべく減らし、30分単位で行うようにすることでスケジュールのキャンセルや見直しが容易にする。事前に意思決定を任せる人を決めて、情報共有をしておくなど。この点に関しては、まだまだ改善策を検討し見直しの余地があると考えてます。

海外の有給取得率から学ぶこと

2020年はPHONE APPLIでも有給取得率がグッと下がった年でしたが、新型コロナウイルスの影響で台湾を除く15カ国・地域でも有給休暇の取得日数が減ったという報告があります。しかしながら、日本と海外の違いとして注目してただきたい点は、有給休暇を取らなかった理由の違いです。世界最多の理由は「新型コロナウイルスの影響でどこにも旅行できない」で33%だったのに対して、日本は「緊急時のために取っておく」が最多だったそうです。(参考資料3)もちろん、その頃はステイホームが大事ではありましたが、日本は「病気や有事が起きた時に使うために残してないと心配」と考える傾向が強いと感じました。

PHONE APPLIでは「病気になった時に使えるヘルスケア休暇」「生理や不妊治療・更年期など幅広く使えるYOU休」「介護看護休暇」などがあることで、安心して通常の有給休暇を使えるようになっています。今回は通常の有給休暇のみのデータを扱っているため、用途別の有給休暇データも反映するとPHONE APPLIの有給取得率はさらに上がるでしょう!このように用途別の有給も付与することで、通常の有給休暇をバカンスや楽しみに心置きなく使い切れるような仕組みづくりを行っており、その結果が2020年以降有給取得率の右肩上がりに繋がっていると言えます。海外には長期間のホリデーシーズンがあるように、休むことを前提とした働き方や環境を整える必要があるのではないでしょうか。

その働き方を実現するひとつに「リフレッシュ休暇」があります!その名の通り、リフレッシュを目的とした休暇で、以前は夏季休暇という名前でした。以前は7月から9月の間で4日間利用できるものでしたが、「リフレッシュ休暇は」1年を通していつでも使えます。繰り越しできないので、せっかくなら楽しもうと多くの社員が使い切っており、休むきっかけになっています!もしかすると日本人の傾向として、「○○休暇」のように名前や用途が分かりやすく決まっている方が心理的負担が軽減され、休みやすいのかもしれませんね。夏じゃなくても旅行にいけるし、お子さんの長期休みは春も冬もあるわけですから、家族との予定に合わせやすいのも嬉しいポイントですよね!

ここで、日本と海外のスタンスの違いが分かる面白いエピソードをひとつご紹介します。以前、海外の大手企業のお客様とオンラインミーティングをしたのですが、当日指定のリンク先に入ってみると相手側には日本人の通訳さんだけが参加されていて、ミーティングが5分で終わったという珍事件がありました。お客様は皆さんホリデーシーズンだったみたいです。これは極端な話ですが、それくらい休みを取ることに重きを置くことは、当たり前なことなのです。世界には有給休暇消化率ほぼ100%という国もあるみたいですよ!しかも約30日!当り前を変えることは非常に難しいですが、現状を知り危機感を持つことが夢を現実にする第一歩ではないでしょうか。

<参考資料>

1. 厚生労働省 令和4就労条件総合調査の概況
2. 厚生労働省 令和2年就労条件総合調査の概況
3. 2020年「エクスペディア 有給休暇の国際比較調査」