シアワセ会議 Vol.4 「人生100年時代、目の寿命はたった○○年」
新幹線の中で見た、異様な光景。
広島から東京。片道4時間の新幹線。
駅弁を食べ終え京都駅を過ぎたころ、睡魔が押し寄せてきたのでスマホをポケットにしまいました。
ぼんやりと周囲を見渡すと、「異様だな?」と思ってしまう光景がありました。
その光景とは、「みんながパソコンやスマホの画面を見ている」状況でした。
私は3列シートの窓側席が好きなのですが、通路側に座っているスーツを着た男性も、斜め前に座っている女子大生も、後ろの3人家族も、みんなパソコンやスマホの画面を見ていました。普段の私からすると気にも留めない当たり前の光景です。私自身も移動中はパソコンを開いたり、手持ち無沙汰からスマホを見たりすることはよくあります。新幹線という長時間を同じ人達と空間を共有する状況で、電子機器類と距離を置き、客観的にそして俯瞰的に見たからこそ気付いた異様さだと思っています。
さて、私がその光景を見ているとき、ゾワっとしたポイントは何だと思いますか?
それは、パソコンやスマホを見る「姿勢と時間の長さ」です。
首を屈曲させてスマホやパソコンを操作するビジネスマン、顔の近くで動画を見ている子ども。偶々かもしれませんが、長時間デバイスから顔を上げることなく、新幹線の窓から見える景色に視線を移す人はいませんでした。ストレートネックという言葉も知っていますし、良い姿勢は小学校で習いました。「テレビを見る時は部屋を明るくして離れてみてね」と何度もドラえもんから言われました。私も普段はあんな姿勢やこんな姿勢で長時間デバイスを見ていると思うと、身体に負担をかけているなと痛感させられる貴重な経験となりました。とは言え社会人になりパソコンとにらめっこする時間は必然的に多く、「どうにかしてその時間を減らすことが出来ないか」と考えていますが、正直なところ、なかなか難しいと感じています。
私たちの目は想像以上にがんばっている。
皆さんは、1日何時間インターネットを利用していますか?移動や休憩中にスマホを、仕事でパソコンをどのくらい見てますか?
2時間56分。これは、2021年度の全世代におけるインターネットの平均利用時間です。(注1)総務省によると、最も長いのは20代で4時間35分、短いのは60代は1時間47分という報告されています。その他にも、ネットに繋がっていないテレビやゲームを利用している時間を加味すると、想像以上にデバイスの画面を見ている方多いのではないでしょうか。
人生100年時代、眼の寿命は60~70年と言われています。一方で、現代社会は加速度的にデバイスと関わる時間や機会が増えています。総務省によると、我が国における平日1日あたりのインターネット利用時間は、2012年と2016年とで比較すると、全体で1.6倍に増加という結果が報告されています(注2)。2012年は38分、2016年は61分、2021年は2時間56分。これら2つのデータ(注1・注2)は対象実験ではないので正確に比較することはできませんが、明らかにインターネットの利用時間、つまりデバイスを見ている時間は増加傾向にあることが想像できますよね。
私自身子どものころからフルカラーのテレビやパソコン、ゲーム機を日常的に使用していた世代ですが、この過去の結果を踏まえると若い世代ほど目の健康が脅かされている状況は否めません。さらに言うと、今後ますます目の健康寿命が短くなってしまう恐ろしい未来も考えられるでしょう。遺伝やストレスなど視力低下に繋がる因子は様々ありますが、現代人の視力低下は眼精疲労が大きな原因のひとつとも言われています。人間今日が一番若いと思って、このブログをきっかけに目を労っていただけると嬉しいです。目の健康寿命を延ばすために、まずは「脱・眼精疲労」を目指して一緒に頑張りましょう!!
眼精疲労を軽減する3つのポイント
PHONE APPLIでは毎月健康アンケートを実施しています。そのアンケート結果をもとに、外部講師を招待して健康ワークショップを実施したり、社員同士でTIPSを共有するコミュニティの場があります。多種多様な企画があり気軽に参加できるので、ウェルビーイングを意識するきっかけになっています! その中でも、PHONE APPLIの社員が訴える心身の不調として、不名誉にも常にランクインしているのが「眼精疲労」です。そこで今日は、私たちが実践している「眼精疲労を軽減する3つのポイント」をご紹介します。
ポイント1:用途に合ったメガネを使い分ける
自分に合っていない、もしくは用途を意識してないメガネを着用すると、眼精疲労を引き起こします。運転用、パソコン用、読書用など、用途にあった度数のメガネを使い分けることが重要です。というのも、眼科やメガネショップで行う視力検査は、視力表から5メートル離れて行います。したがって、「よく見える度数」でメガネを作ると「5m以上先が見える」ようにつくられていることになります。5m以上先がよく見える度数で、長時間パソコンやスマホの画面など近くの対象を見ると筋肉疲労が起き、目が疲れてしまう原因につながってしまうのです。実際、私は度数の違う二つのメガネとコンタクトを使い分けてから目の疲れが軽減したと感じています。安心して日常生活を送るためにも、定期的に眼科やメガネショップに行き、検査や専門家に相談をすることをお勧めします。
ポイント2:作業の途中で目を休憩させる(個人でできること)
もともと人間の目は、遠くのものを見やすくできており、近くのものを見るときは毛様体筋がギュッと力を入れてピント調整しています。パソコンやスマホの画面など、近くの物を見ているとき、筋肉に負担がかかっている状態が続いています。このように、毛様体筋や目の周りにある眼球やまぶたを動かす筋肉に負担をかけ続けると筋肉疲労が起こりやすくなるため、結果として眼精疲労に繋がってしまう可能性があります。したがって、作業の途中にデバイスから目を離して休める習慣が大切になってきます。ここで例として「20-20-20」ルールをご紹介します!
「20-20-20 ルール」とは?
・連続して 20 分デジタル端末画面を見たら
・20 フィート(約 6m)離れたところを
・ 20 秒見る
たったこれだけです。米国眼科学会議の推奨する簡単なルールなので、ぜひやってみてください!
例えば、20分ごとにタイマーをセットしておいたり、自分の席から6メートル先は、あの場所だ!など6メートルを意識できる自分なりの標識を持っておくといいかもしれませんね。
ポイント3:戦略的に充電タイムを設ける(チームでできること)
「戦略的充電」とは、疲労を戦略的にマネジメントして、高いパフォーマンスを維持し続けることを目指す取り組みです。具体的には社内のミーティングの開始前に5~10分間の充電時間(休息)を取るというルールです。
戦略的充電のメリット
・こまめに自分自身を充電 (休息・回復) することで疲労の蓄積を抑えることができる
・疲れてから充電するではなく疲れる前に充電する習慣づけができる
・仕事のパフォーマンスを維持することができる
これを取り入れた背景としてテレワークがあります。通勤時間が無くなったり、会議室の移動時間が無くなったことで朝から晩までオンラインのミーティングが連続して続き、なかなか休息を取ることができない社員が増えてしまったことがあります。コロナ禍で完全テレワークに移行した直後、この問題を解決するために「戦略的充電」という社内の推奨ルールが設けられました。結果として、オンラインだからこそズルズルと長引いてしまう会議の抑止剤として、タイパの実現や社員のウェルビーイングな働き方の一助に繋がっていると実感しています!
ちなみに・・・
タイパとはタイムパフォーマンスの略。 コストパフォーマンスの略がコスパであるのと同じようにZ世代の間で流行っている言葉です。コスパが「費用対効果」という意味合いならば、タイパは「時間対効果」という意味合いになります。今回ご紹介した眼精疲労を軽減する3つのポイントはいかがでしたでしょうか。ウェルビーイングな働き方を目指すヒントとして、個人レベル、そして組織・チームレベルで取り入れてみて下さい!
<参考資料>
(注1)総務省「令和4年「情報通信に関する現状報告」(令和4年版情報通信白書)」
(注2)総務省「平成29年「情報通信に関する現状報告」(平成29年版情報通信白書)」