サンクスカードの形骸化(3ヶ月の谷)は乗り越えられるのか?
こんにちは。
今回の半沢直樹は、前作以上に迫力ありましたね。
なんてったって
「1,000倍返しだ!」
ですからね。
やられたら、やり返す。
そのために知恵を絞るのも、それはそれで仕事ですが、一方で、敵と戦う勧善懲悪ではなく、チームで協力しあって物やサービスを生み出すような仕事もあります。
協力しあって仕事をする場合、必要なのは「倍返し」ではなくて、「恩返し」と「思いやり」ですね。
そんな「恩返し」と「思いやり」溢れる事例を先日発表いたしました。
NTTコミュニケーションズ様でのPHONE APPLI THANKS(旧 Thanks Go)採用事例です。
数千人規模での組織でご採用頂いた、ということも嬉しいポイントですが、同じくらい嬉しいポイントが「3ヶ月の谷」を乗り越えた導入事例であるということ。
サンクスカード(感謝カード)全社導入の検討を始めた経緯については、プレスリリースでも触れておりますが、サンクスカードは手軽に始められる反面、定着化が難しい取り組みです。
過去にサンクスカードの導入をご経験された方なら思い当たるであろう「3ヶ月の谷」。
導入したら勝手にみんなが使い続けるわけではないという「3ヶ月の谷」を、トライアルで乗り越え、全社導入に至ったのがNTTコミュニケーションズ様というわけです。
では、なぜ「3ヶ月の谷」が存在するのでしょうか?
いろいろな見方がありますが、我々が様々なお客様と一緒に悩みながら、定着化に取組んで来た経験からすると、以下の3点が大きな理由であると考えています。
1)社員の多様な価値観が浮き彫りになる
2)言えば済むのに、わざわざ書くのが面倒
3)同僚のカードのやり取りに気づかずいつの間にか忘れた
今回のNTTコミュニケーションズ様の案件では、これらの課題と向き合ってきた経験を総動員してオンボーディングに取り組みました。
それぞれ、どのような状況が発生して、どのように乗り越えたのかをご紹介します。
1)社員の多様な価値観
ダイバーシティは仕事を進めていく上で重要な視点で、サンクスカードの取り組みに限らず、チームで仕事をしていく際には不可欠な要素です。
仕事上必須のアクションであれば、『ルールと罰則(ルールと報奨も同じ)』という枠組みで統制を図ることもできますが、サンクスカードを贈る・贈られるといった業務上必須ではない取り組みについては、個人の様々な価値観によって参画度合いが変わってきますので、インクルーシブな発想で取組んでいくことが重要です。
例えば、トライアル中にはいろいろなご意見を頂きます。
- 頻繁に感謝したいことが起こるわけじゃない、週に1回贈るか贈らないかなので、ポイントとか要らない
- できるだけ多くの人に感謝したいのでポイントを増やして欲しい
- (男性から)女性にサンクスカードを贈るのは恥ずかしい
- ポイントもらったって、お金じゃないならもらっても嬉しくない
- 感謝の気持ちにポイントをつけるなんて、せっかくの感謝が汚(けが)れる
- サンクスカードをもらう人が偏って、もらってない人がかわいそうだ
- サンクスカードとか興味ないので、他の人のカードにも興味ない
こっちの考え方が正義で、そっちは邪悪、というわけでもなく、全ての考え方に人それぞれの価値観が埋め込まれています。
せっかくのサンクスカードも、その価値観に照らし合わせて共感できないと、内発的動機ではなく、叱られないために、ルールを守るために、という外発的動機(やらされ感)での取り組みになり関心が薄れてしまうのです。
多様な価値観に応えるためのきめ細かい要望に、全て、今すぐ寄り添えるわけではないのですが、例えばプロダクト視点では、機能強化やユーザビリティ向上を始めとして、それぞれの価値観を大切にする取り組みを続けています。
そんな中、PHONE APPLI THANKSで好評を頂いている機能の一つは「グループ表示」。
ユーザ数が多いと、目にしたカードの贈り主も贈られ先も知らない、という場合が頻繁に発生します。
そんな時にグループ表示機能を使えば、自分の所属するグループと同じグループに所属しているメンバーが贈り主もしくは贈られ先のカードだけ表示させることができます。
『感謝の輪を広げるためにやっているのに、表示する範囲を狭めるのはけしからん』というご意見も中にはあります。
ですが、知らない人同士の感謝を見ても、やっぱり関心がわかないというご意見もあるわけです。
あれもこれもと機能を増やすのは、プロダクトの軸がブレかねないというプロダクトコンセプト観点での懸念はあるものの、『サンクスカードたるもの、このように運用せねばならない!』という押し付けがましい運用も形骸化しやすいというのが、我々の学びの一つです。
2)書くのが面倒
わかります。
言えば済むのに、って思いますよね。
ただ、この考え方も、リモートワークが常態化し始めた、今年の春頃から変化が見られます。
リモートワークは、仕事に集中できる環境を作りやすいという意見もある一方で、ちょっとした雑談がしにくくなり、通りがかりに「さっきはありがとう!」といったやり取りがしにくくなった、タイミングを逸してしまって、いまさら感謝しにくい、といったお話も聞きます。
そこで考えたのが、昨今チャットツールとしても採用が増えているマイクロソフト Teamsとの連携です(先日のTeams連携ブログでもご紹介しています)。
シングルサインオンで、IDとパスワードをMicrosoftに寄せることもできますし(Azure ADとのシングルサインオン設定ブログはこちら)、普段のチャットのやり取りの中で助けてもらった同僚に、そのまま感謝カードを贈ることができます。
PHONE APPLI THANKSでは、以前から、パソコンだけではなく、スマートフォンからサンクスカードを贈る機能はありましたが、さらに選択肢を増やすことで、面倒だと思うタイミングを減らす努力をしています。
3)いつのまにか忘れた
なんだかんだ言って、実は、このあたりがどの組織でも形骸化の根っこに横たわっている気がします。
もちろん、「いつの間にか忘れる」という傾向と縁遠い働き方・職場の人たちもいます。
コーヒーショップやテーマパークなど、働いている人たちが視界に入ってきて、その感謝のやり取りも目にしやすい働き方だったり、アルバイトやパートタイムの社員さんの入れ替わり(シフト)が多くて、現場のマネジャーさんが頻繁に気配りしている職場など。
営業やマーケティングの部署では、イベントや出張のサポートを他部署に依頼することが多いので、感謝が日常的だったり。
しかし、リモートワークが常態化してくると、ちょっとした出張土産を、いつもお世話になっているバックオフィスの方々に差し入れるとか、軽くコーヒーをおごるといった機会も減り、感謝のタイミングが減ってきます。
感謝の場面を目にする機会が減ることで、「いつのまにか忘れた」という状況が増えてきているのではないかと考えています。
そんなときこそ、PHONE APPLI THANKSが動いているPaaSである「Salesforceプラットフォーム」の得意技、レポート&ダッシュボードの出番です。
PHONE APPLI THANKSは、SalesforceのIDを持っていない人でも使えるにも関わらず、Salesforceプラットフォームの強力なレポートやダッシュボード機能、そしてプラットフォーム全体(二要素認証やモバイルアプリ管理含む)の強固なセキュリティ機能がもれなく利用できる、大変オトクなクラウドサービスです(自画自賛)。
下図のように、組織別のカードのやりとりや「いいね」の数をリアルタイムで可視化したり、定期的にマネジャーにメールで配信したり、様々な可視化の仕組みをノーコードで(設定のみで)利用することができます。
特に、役員やマネジャーが多くのカードに「いいね」することは、「ちゃんと見てくれている」というリコグニションの観点からも社員エンゲージメント向上に役立ちますので、その傾向を見ることもできます。
また、店舗やアミューズメントパークなど、アルバイトや契約社員といった雇用形態の従業員が多い職場(勤務形態としてはパートタイム)と、いわゆる正社員の雇用形態でフルタイムが多い職場では、上記の傾向も異なってくることがひと目でわかります。
「このような組織毎の特徴や、個人の思わぬ特技などが、サンクスカードのやり取りによって明らかになってくることも、人事担当者にとって重要なインサイトになります」といったコメントを頂いたこともあります。
リモートワークでも、いやリモートワークが常態化したニューノーマルな今こそ、サンクスカードを試してみるチャンスです。
PHONE APPLI THANKSにご興味をお持ちの方は、ぜひ下記のリンクより、機能制限トライアル(デモデータがセット済みのトライアル、ゲスト利用可能)をお試しください!
(下記のサイトですが、PHONE APPLI PEOPLE、VISION、THANKSが全部試せる、お得なデモトライアルですよ)
https://appexchangejp.salesforce.com/appxListingDetail?listingId=a0N3A00000ENUqgUAH
これからも、ニューノーマルな働き方に役立つプロダクトとして磨いて参りますので、PHONE APPLIシリーズを宜しくお願いいたします。
サンクスカードをお手軽に導入しませんか?
「PHONE APPLI THANKS」は感謝や称賛を"おくりあい"組織のパフォーマンスを向上させるサービスです。日々の業務の中で感じた感謝や称賛をカードにして"おくりあう"ことで、認め合う組織風土を育むことができます。こうした風土が社員間の心理的安全性や、働くことに対する幸福度を高め、組織の健康経営にも寄与します。