クラウドPBX導入のメリットとは?クラウドPBXをうまく活用するコツと成功事例も紹介
「従来のPBXを使っているが、何かと不便なのでクラウドPBXに移行したい」
「クラウドPBXの具体的なメリットについて知りたい」
「クラウドPBXの活用時のポイントを押さえておきたい」
本記事はこのような方のための記事です。
電話交換機をクラウド上に移行する「クラウドPBX」。クラウドPBXの存在は知っているものの、その実態がいまいちわからないという方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、クラウドPBXについて以下のポイントを中心にお伝えします。
ぜひ本記事の内容を、自社のクラウドPBX導入にお役立てください。
【本題】クラウドPBXを導入するメリット6つ
早速本題である、クラウドPBXのメリットをみていきます。押さえておきたいメリットは以下の6つです。
- 内線・外線・転送がスムーズにできる
- 導入・運用・通信のコストを削減できる
- 営業日5日以内に開設できる
- 事務所を移転しても番号が変わらない
- さまざまな端末に対応している
- ビデオ通話やチャットが利用できる
1. 内線・外線・転送がスムーズにできる
クラウドPBXでは、機能やデータを一つのクラウドに集約できるため、内線や外線の取り次ぎ、転送などの連絡がスムーズです。外出中でも社外からの電話を受けられるため、転送機能自体が不要となります。
またサービスによっては「自動音声案内機能」も備わっているため、コールセンターやテレアポといった電話受信の多い業界の効率化にも有効です。
2. 導入・運用・通信のコストを削減できる
クラウドPBXは、交換機のような物理的機器が必要ありません。基本的に機能やデータをクラウドに置き換えるだけなので、初期費用やランニングコストも大幅に削減できます。
また、新たに電話機を購入する必要がなく、かつ通話料も安価です。別拠点でも内線化できるため、どこにいても無料で内線を取り次げます。
3. 営業日5日以内に開設できる
契約後すぐに導入できることもクラウドPBXのメリットの一つ。一般的なビジネスフォンの場合、導入にあたって工事が必要になるため、1?2ヶ月の期間がかかります。一方のクラウドPBXは、工事や設備の購入が必要ないため、5日以内で開設可能です。(メーカーやサービスにより違いあり)
4. 事務所を移転しても番号が変わらない
クラウドPBXでは、事務所を移転した場合でも、そのまま従来の番号を引き継げます。また番号の発行や削除もインターネット上で設定できるため、臨機応変な運用が可能です。「できるだけ移転のコストを抑えたい」という場合は、ぜひ検討してみてください。
5. さまざまな端末に対応している
クラウドPBXは、スマートフォンをはじめ、PC、タブレットなどあらゆる端末に対応しています。コロナ禍で導入が進んでいる「テレワーク」との相性も抜群。場所が離れていてもスムーズに連絡が取り合えるため、社内コミュニケーション円滑化にもつながるでしょう。
6. ビデオ通話やチャットが利用できる
サービスによっては、ビデオ通話やチャットを利用できるものもあります。また名刺管理や顧客管理ツール、ネットFAXなどと連携可能です。このような機能や連携は無料のケースも多いので、ぜひ一度確認してみてはいかがでしょうか。
クラウドPBXのデメリット5つ
メリットがある一方、デメリットも存在します。クラウドPBXのデメリットとしてあげられるのは次の5つです。
- 月額料金がかかる
- 音質が劣る場合がある
- ネット環境によっては接続が不安定
- 利用できない番号がある
- FAXの接続に手間がかかる
1. 月額料金がかかる
クラウドPBXの利用には月額料金がかかります。メーカーによって異なりますが、内線1回線あたり2,000?2,500円前後であることが多いです。ただし初期費用が安い場合、月額料金や通話料が高くなるため、運用コストが割高になることもあるので注意が必要です。
2. 音質が劣る場合がある
メーカーによっては、通話時の音質が安定しない場合があります。ノイズが入る、ハウリングする、音声が途切れる、お互いの声が聞き取りにくい、などさまざまです。
取引先との電話で相手の声が聞き取れないことは大きなデメリットとなるので、できる限り音質の良いメーカーを選びましょう。
3. ネット環境によっては接続が不安定
クラウドPBXでは、機能やデータがクラウド上で管理されます。したがってインターネット環境に左右されやすく、回線によっては接続が不安定になるケースもあります。
オフィス内はもちろん、社員個人のインターネット環境を整えておくことが大切です。
4. 利用できない番号がある
IP回線を利用したクラウドPBXの場合、特殊ダイヤルが利用できません。たとえば警察への110番、消防への119番、ナビダイヤルの0570番など。また市外局番を引き継ぎ利用できないケースもあるので要注意です。
5. FAXの接続に手間がかかる
一般的にFAXにはアナログ電話回線が使われているため、クラウドPBXが利用できないケースが少なくありません。接続できるとしても手間がかかります。FAXを利用したい場合は、インターネットFAXを提供しているクラウドPBXを選ぶと良いでしょう。
クラウドPBXを上手に利用するコツ4つ
せっかくクラウドPBXを導入するのなら上手に活用したいものです。ここでは、クラウドPBXをうまく活用するコツをいくつかご紹介します。
1. 最初は一部の部署で試験的に導入する
クラウドPBXには多くのメリットがありますが、いきなり全社的に導入するのはリスクが高いです。いきなり「固定電話をなくします!各自のスマホで取り次ぎをお願いします」といっても社員は戸惑ってしまうでしょう。
ですので、はじめに一部の部署での試験的な導入がオススメ。まず数名?十数名で使ってみて、ある程度クラウドPBXの要領がわかってから、全社での導入を検討しましょう。
2. オフィス内の通信環境を強化する
前述したように、クラウドPBXはインターネット環境に依存します。インターネット環境が悪いと通話に支障が出るので、最低限オフィスの通信環境は強化しておきましょう。
余裕があれば、社員の自宅のWi-Fi設備、外出時のインターネット回線なども、会社である程度負担してあげるのが望ましいです。
3. 現在だけでなく将来の回線数・端末数を把握する
おそらく多くの企業が「これから事業を拡大していきたい」と考えているはずです。事業が大きくなれば社員も増えるため、クラウドPBXの回線数や端末数も増えます。
その分インターネット環境やコストも膨らむので、ある程度将来を見据えた上でクラウドPBXを導入しましょう。
4. 信頼できるベンダー(製造元)を選ぶ
クラウドPBXの環境はベンダーが構築するため、ベンダーによってセキュリティ体制が変わります。インターネットが発達した現代。個人情報を狙ったサイバー攻撃が増えているため、クラウドPBXにおいても強固なセキュリティ対策を講じなければいけません。
各ベンダーの公式ホームページなどでセキュリティ体制、導入実績、製品のセキュリティについての口コミなどを入念に調べておくことが大切です。
【コラム】個人端末を企業で活用する「BYOD」とは?
クラウドPBXを導入する際は、「BYOD」の導入を考えてみることもオススメです。BYODとは、社員の私用デバイス(スマートフォンなど)を業務に使うことです。「Bring Your Own Device」の頭文字をとったもので、アメリカを中心にヨーロッパ諸国などで広く普及しています。日本にはまだあまり浸透していませんが、業務効率化が図れるとして導入する企業が増えています。
BYODを導入することで、1つのスマートフォンを「プライベート用」と「業務用」として兼用できます。社員はオフィスや自宅に関係なくどこでも利用できるため、クラウドPBXでの内線や外線の利用、取り次ぎ、着信などの大幅な効率化が可能です。
【事例】クラウドPBX導入事例
クラウドPBXのメリットを詳しくお伝えしましたが、実際の事例がないとイメージも掴みにくいのではないでしょうか。そこで、クラウドPBXに関連した事例をご紹介します。
伊藤忠商事株式会社
伊藤忠商事株式会社は、機械から化学品、エネルギー、食料、金融など幅広い分野においてグローバルに事業を展開する大手総合商社です。
社内の働き方として「いつでも、どこでも、どんなデバイスでも」をテーマにしている同社。PHONE APPLI PEOPLE(旧:連絡とれるくん)、クラウドPBXサービス「Cisco Webex Calling」や名刺管理ツール「Sansan」を併用しています。
【ポイント】
- 各ツールに加えて「BYOD」を導入することで業務が大幅に効率化された
- 電話や会議などの社内コミュニケーションがオンライン化されたことで、コロナ禍でも社員の安全を守りつつ、生産性を維持・向上させることができた
- PHONE APPLI PEOPLEによって、在宅や移動中を含む様々な場面での利用における利便性が大きく高まった
クラウドPBXをはじめWeb電話帳、名刺管理ツールなど各サービスを活用することで業務効率化が促進された事例といえます。コロナ禍における生産性の維持・向上にも大きく貢献しているようです。
三菱商事株式会社
三菱商事株式会社は、天然ガスから自動車、食品まで幅広い商品を扱う総合商社です。中期経営戦略の一環として「固定電話の廃止」を考えていた同社。新たなワークスタイルの要として、Web電話帳「PHONE APPLI PEOPLE(旧:連絡とれるくん)」の導入に踏み切ったといいます。
【ポイント】
- PBX老朽化について議論した結果、全社員にスマートフォンを配布し、場所を問わず働けるワークスタイルの実現を目指すという結論に至った
- PHONE APPLI PEOPLEの「着信表示機能」によってコミュニケーションロスが削減された
- 固定電話と内線が原則廃止されたことで、仕事における「空間の制約」から開放された
PBXの見直しを行ったと同時にWeb電話帳を活用したことが固定電話と内線を原則廃止につながり、社内の新しいワークスタイルが根付いた事例です。
PHONE APPLI PEOPLE(旧:連絡とれるくん)とは?
当社 株式会社PHONE APPLIでは、Web電話帳サービス「PHONE APPLI PEOPLE」を提供しています。クラウドPBXやBYODとの相性が良く、業務効率化につながるさまざまな機能を搭載しています。
【PHONE APPLI PEOPLEの特長】
- 名刺情報をクラウド上で一元管理
- 端末に連絡先の登録不要
- 部署などのキーワードから相手を検索可能
- 電話やメール、チャット、Web会議にも対応
- クラウド管理なので端末に情報が残らない
- 災害が起きたとき自動で安否確認がされる
PHONE APPLI PEOPLEを導入していれば、クラウドPBXを行う際、デバイスの使い勝手やセキュリティを高めつつスマホを内線化できます。社内外にかけたい相手の連絡先を簡単に探すことができ、手軽に電話をかけられます。端末内には情報が残らないためセキュリティ面も安心です。
「PHONE APPLI PEOPLE」(旧:連絡とれるくん) とは!
キーワードやスキルなどで社内の専門家を、名刺データからお客様の連絡先を、簡単に探しだし最適なツールでコミュニケーションがとれるシェアNo.1のWeb電話帳です。
【まとめ】クラウドPBXのメリットについて
本記事では、クラウドPBXのメリットについて、以下のポイントを中心にお伝えしました。
- クラウドPBXには内外線のスムーズ化、低コスト、導入スピードが早いなど多くのメリットがある
- 一方で音質や接続の不安定、特殊ダイヤルが利用できないなどのデメリットがあるので要注意
- いきなり全社導入するのでなく、まずは一部の部署で「お試し」の導入がオススメ
- クラウドPBXは、社員の個人デバイスを業務利用する「BYOD」との相性が良い
クラウドPBXには多くのメリットがありますが、インターネット環境に依存するため、それに付随したデメリットもあります。メリットとデメリットをしっかりと理解しつつ、まずは試験的にやってみるなど、徐々に社内に浸透させるイメージで進めてみてはいかがでしょうか。
【PBX老朽化やクラウドPBX導入で、お困りごとありませんか?】
「PHONE APPLI PEOPLE」は、クラウドPBXと連携し、場所にとらわれない働き方の実現を支援をするWeb電話帳です。固定電話削減、スマホ内線化、フリーアドレス、BYODなどの実績多数!