BYODを活用するメリットとは？BYODをうまく活用するコツや注意点、導入事例も紹介

「BYODを導入したいと思っているが、どのようなメリットがあるのか知りたい」
「BYODを導入した時のデメリットもあれば知っておきたい」
「うまく活用するコツも教えて欲しい」

本記事はこのような方のための記事です。従業員個人のスマートフォンやPCを業務に活用する「BYOD」。テレワークの推進などから、BYODを導入する企業が増えています。導入増の背景には、BYODに多くのメリットがあるということが伺えるのではないでしょうか。そこで本記事では、BYODの導入にあたって以下のポイントを中心にお伝えします。

ぜひ本記事の内容を、自社のBYOD導入にお役立てください。

BYODを導入するメリットとデメリット

さっそく本題である、BYODのメリットをご紹介します。メリットだけでなくデメリットもいくつかあげているので、導入前に押さえておきましょう。

メリット

まずはBYODのメリットからみていきましょう。

1. 業務効率化につながる

1つ目は従業員の業務効率化です。BYODでは業務ツールなどを1台の端末に集約するため、労働時間短縮や生産性向上が期待できます。

従業員自身が使い慣れている端末なので、操作面における指導や教育コストが削減されます。また最近普及しているクラウドサービスとモバイルデバイスは親和性が高く、両者を組み合わせることで業務効率アップが可能です。

2. 端末購入コストを抑えられる

つ目は、端末の購入コストを抑えられることです。

スマートフォンを購入するとなると1台あたり数万円はかかります。従業員のプライベート端末とは別に「会社用スマホ」を配布するとなると莫大なコストがかかるはずです。

BYODで従業員のプライベート端末を業務と兼用すれば、新たに端末を用意する必要がないのでコスト削減が可能となります。

3. 従業員満足度が向上する

3つ目は、従業員満足度の向上です。

BYODでは従業員従業員のプライベート端末を使うため、操作面のストレスがありません。イチから端末の使用方法を覚える必要がなく、スムーズに業務を始められるため、労働生産性が上がり、労働時間の短縮につながります。その結果、従業員のワークライブバランスが充実するなど、副次的に従業員満足度の向上にもつながるでしょう。

またプライベート用と社用の2台持ちの場合、充電や保管の手間もかかります。従業員からすると「自分のものではない」という認識になるため、紛失のリスクも高まる傾向にあるようです。

4. シャドーIT対策になる

4つ目は、シャドーIT対策になることです。

シャドーITとは、会社が許可していないのに「従業員が勝手にBYOD」することをいいます。「普段使っているスマホからスケジュール管理をしたい」という悪意のない理由から、勝手にBYODを進めてしまうケースもあります。

シャドーITが行われると、端末がどのように使われているのか会社側からは認知できなくなるため、セキュリティリスクが高くなりがちです。そのような事態を防ぐためにもBYODが有効です。

デメリット

続いてBYODのデメリットをみていきましょう。

1. セキュリティリスクが高くなりやすい

1つ目は、セキュリティリスクが高くなりやすいことです。BYODでは従業員のプライベート端末を使うため、万が一、紛失や盗難があった場合、情報漏洩リスクが高まります。

従業員が私用にインストールしたアプリからウイルスに感染して、情報が盗まれてしまうケースも想定されます。加えてプライベート端末なので、会社側から機能制限などをかけにくい、というデメリットもあります。

2. 労務管理が難しくなる

2つ目は、労務管理が難しくなることです。

プライベート端末を使えば、いつでもどこでも業務を遂行できます。その結果、仕事とプライベートの区別が付けにくくなり、労務管理が複雑になってしまうのです。

自分のスマートフォンで仕事ができるため、自宅で残業をする従業員が出てきたり、業務時間外に上司から業務指示を受けたりするケースが増えるでしょう。

BYODを導入して上手く活用するコツ

せっかくBYODを導入するのならメリットを最大限に活かしたいところ。ここではBYODを導入して、うまく活用する「コツ」をいくつかご紹介します。

1. 運用ルールを決めておく

BYODは個人の端末を業務利用するため、業務範囲のルールを明確にしておきましょう。

たとえば、「メッセージは受信のみ」「タスクは閲覧するだけ」などです。すべてを許容してしまうと、仕事を自宅に持ち帰る従業員が増え、かえって業務効率低下につながってしまいます。

また、万が一紛失や盗難にあってしまった場合の対応方法も決めておきましょう。

2. まずは試験的に一部で導入してみる

いきなり全社的にBYODを導入するのは、どのようなトラブルが起きるかわからないためリスクが高いです。

そのため、まずは試験的に一部で導入するのがオススメ。まずは特定の部署から、あるいは経営陣から始めてみるなど、なにかトラブルがあった時にもすぐに対応できる限られた範囲で試してみましょう。

従業員数が多い企業であれば、なおさら試験導入が必要です。まずは試しに導入し、管理体制をしっかりと整えてから全社導入するのが良いでしょう。

3. Web電話帳と併用する

BYODはWeb電話帳との相性が良いです。

Web電話帳とは、文字通りクラウド上で名刺情報を管理できるサービス。連絡先が未登録でも相手の情報がわかったり、　電話やWeb会議にも参加できます。仕事とプライベートの連絡先を区別できるため、公私混同しやすいというBYODのデメリットを払拭できるでしょう。

当社では、Web電話帳アプリ「PHONE APPLI PEOPLE」を提供 しています。BYODとの相性や機能について、後ほど詳しくお伝えします。

BYOD導入時に必ず問題になるセキュリティ。上手な対策方法とは？

さまざまなメリットがあるBYOD。ですが、お伝えしたように「セキュリティ面」は必ず問題になります。ただ対策によっては情報漏洩を防ぐことが可能です。具体的に次のようなセキュリティ対策があげられます。

1. MDMの導入

MDMとは「Mobile Device Management」の頭文字をとったもので、端末に機能制限やセキュリティ設定をかけられる管理ツールです。

例をあげると

このような機能があります。MDMによって、万が一端末を紛失したときのセキュリティリスクを低減できます。

2. リモートアクセスの管理

リモートアクセスの管理も重要な対策のひとつ。万が一の情報漏洩に備えてリモートアクセスのサービスを導入し、端末上に情報を残さないようにする手法です。

しかしリモートアクセスを利用する場合、端末の使い勝手が劣るため、かえって業務の生産性や利便性を下げてしまうこともあります。導入する際は慎重に検討すべきでしょう。

3. クライアント証明書の利用

クライアント証明書とは、ネットワークやサーバにアクセスする際、利用者を認証するためのデジタル証明書です。

PCやスマートフォンから「クライアント証明書」を取得することで、証明書を所有している端末からのみアクセスできるようになります。アクセスした利用者が「誰なのか」が明確にわかることが特徴です。

BYODを安心して運用するために役立つ「PHONE APPLI PEOPLE」とは？

当社株式会社PHONE APPLIでは、BYODと相性の良いWeb電話帳サービス「PHONE APPLI PEOPLE」を提供しています。Web電話帳があれば、BYOD用の端末でも仕事とプライベートの情報を簡単に区別できます。

名刺情報をクラウドで管理、連絡先の登録不要などBYODと相性の良い機能が揃っています。セキュリティ面については、NTTコミュニケーションズの「Bナンバー」や、楽天の「モバイルチョイス」との連携がオススメです。

同サービスによって、ビジネス用の「050」番号を付与できます。通話料だけ会社負担にでき、開通時の従業員側の負担もありません。同サービスとの連携によって「セキュリティ」「費用負担」の問題を解消できます。

また社内でクラウドPBXを利用している場合、PHONE APPLI PEOPLEによってより円滑になるでしょう。スマホでの利用がメインになるため、社内外にかけたい相手の連絡先が簡単に探すことができ、手軽に電話をかけられます。加えて、端末内には情報が残らないため、セキュリティを担保できます。

【導入事例】BYOD導入事例2選

実際にBYODを導入している企業の事例をみていきましょう。ここではBYODと併用して、弊社が提供するWeb電話帳サービス「PHONE APPLI PEOPLE」を導入した企業の事例をご紹介します。

伊藤忠商事株式会社

伊藤忠商事株式会社は、機械から化学品、エネルギー、食料、金融など幅広い分野においてグローバルに事業を展開する大手総合商社です。

社内の働き方として「いつでも、どこでも、どんなデバイスでも」をテーマにしている同社。PHONE APPLI PEOPLE（旧:連絡とれるくん）をはじめ、コミュニケーションツール「Microsoft Teams」とBYODを実施しています。

BYODをはじめPHONE APPLI PEOPLE、そのほかITサービスを活用することで業務効率化が促進された事例といえます。各サービスがコロナ禍における勤務でも大きな役割を果たしているようです。

株式会社ソフトクリエイト

株式会社ソフトクリエイトホールディングスは、IT基盤のコンサルティングをはじめ設計・構築・保守・運用までのトータルサポートをおこなう会社です。

新型コロナウイルスの影響によって、200人あまりの従業員をテレワークに移行した同社。その直前に「PHONE APPLI PEOPLE」と、付随したサービスである「PHONE APPLI PLACE」を導入したといいます。

Web電話帳のPHONE APPLI PEOPLE、位置情報を共有できるPHONE APPLI PLACE。この2つとBYODがうまく噛み合い、テレワークが円滑になった事例といえます。

【まとめ】BYODのメリットについて

本記事では、BYODについて次のポイントを中心にお伝えしました。

多くのメリットがあるBYODですが、セキュリティリスクがあるなどのデメリットもあります。セキュリティは企業にとって重要な問題であるため、しっかりと対策を講じることが大切です。ぜひ本記事の内容を、自社のBYOD導入にお役立てください。