ただ単に業務効率化を進めても生産性が向上しない理由とは?|業務効率化で生産性を向上させるための5つの施策も紹介

- 業務効率化を進めているのに、なぜ生産性が上がらないかわからない
- 生産性向上と業務効率化は何が違うのか知りたい
- 生産性向上させるための方法を知りたい
- 業務効率化で生産性向上が生まれない理由
- 業務効率化が生産性向上を阻む要因
- 業務効率化で生産性を向上させる施策</sp
生産性とは、どれだけ効率的に成果や利益を生み出せるかを表す指標です。労働力人口の減少が問題視されている日本では、生産性向上が企業競争力を高めるための重要な要素でもあります。
しかし日本の一人当たり労働生産性は、1970年以降で最も低く主要各国の中でも低いとされ、OECD 加盟38カ国中31位※という結果です。
そこで本記事では、業務効率化と生産性向上について、次のポイントを中心にお伝えします。
- 【この記事でわかること】
本記事が、業務効率化で貴社の生産性向上の一助となれば幸いです。
※参考:益財団法人日本生産性本部による労働生産性の国際比較2023より
業務効率化で生産性向上が生まれない理由
業務効率化を図っても、必ずしも生産性向上につながるとは限りません。
企業の多くは「生産性向上させるためには業務効率化を実施すればいい」と考えていますが、業務効率化は生産性向上のための一つの手段にすぎません。そして生産性向上の取り組みは、企業の状況に応じて実施内容を変える必要があります。
その取り組みを誤ると、インプット(時間や労働力、予算などの投資)に対してアウトプット(成果)が上回らないため、生産性向上が生まれなくなります。
生産性向上と業務効率化の違い
生産性向上と業務効率化は混同しやすい言葉ですが、それぞれ異なる概念です。
生産性向上とは、限られたリソースを有効活用し、最小限のインプットで最大限のアウトプットの質と量を生み出せるようにすることです。生産性向上を実現させる考え方は2つあります。
- インプットを増やし、その分以上にアウトプットを増大させる
- インプットを減らしてもアウトプットを維持、もしくは増やす
- 今の業務のやり方に問題があると認識しているが他の誰かがやると思っている
- 現状が正しいやり方だから従わなければいけない
- 紙ベースの書類管理や承認プロセス:デジタル化されていない書類の手動管理、紙の承認書類へ捺印対応
- 重複する業務タスク:複数の担当者が同じ業務を重複して行う
- 不必要な会議:目的や議題が不明確な会議、資料の共有だけで完了する会議の開催
- 高頻度なメールのやり取り:簡単な質問や確認のためのメール対応、業務時間外での頻繁なメールのやり取り
- 未整理のファイル共有:整理されていない必要なファイルやドキュメントから、目的の資料を探す時間
- 長時間労働になりやすい
- 快適に働ける環境が整備されていない
- コミュニケーションの機会が少ない
- モチベーションが低下しやすい
- 勤怠管理や人事評価制度が適正でない
- 着信表示
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従業員の経歴や保有スキル、趣味や特技まで分かるので、社内コミュニケーションが活性化。新入社員でも会社に馴染みやすい。 - 業務効率化で生産性向上が生まれないのは、アウトプットの質と量が改善できていないため
- 効率化が生産性向上を阻む要因は、従業員のエンゲージメント低下やコア業務のノウハウが蓄積・共有できていない、働きやすい環境になっていないことにある
- 業務効率化で生産性を向上させるには、業務の見える化や無駄な業務の洗い出しと削減、ツールの活用などが考えられる
一方、業務効率化とは生産性向上を実現するための一つの手段です。業務を見直すことで業務のムリ・ムダ・ムラを削減し、業務を合理化することを指します。つまり、より少ない資源で効率的に運用するために、「インプットの最小化」を目指すことです。
両者の違いは、目指す成果の範囲や視点です。生産性向上は、業務の効率を高めることに加えて、質や価値の向上を含む幅広い改善を追求します。それに対して、業務効率化とはプロセスや作業の効率そのものに重点を置き、即効性のある改善をするという違いがあります。
生産性向上には、まず定義を理解し自社の特徴や現状を把握した上で、施策を実施しましょう。
業務効率化が生産性向上を阻む要因3つ
業務効率化が生産性向上を生まないだけでなく、かえって生産性向上を阻むことがあります。その要因として、次の3つが考えられます。
1. 従業員のエンゲージメントが向上できていない
従業員のエンゲージメントが向上できておらず、生産性向上につながらないケースがあります。従業員が仕事に対するやる気がない状態では、指示されたことをこなすだけで、自ら考えて改善する姿勢が育ちにくいです。
従業員が業務改善をしない理由には、次のような例があげられます。
業務効率化を進めると作業のスピードやコストの削減が重視されがちですが、従業員が働きがいや達成感を得られなければ、生産性は下がります。
2. コア業務のノウハウや技術が蓄積・共有されていない
効率化を進める際に手順やプロセスの改善に注力するあまり、従業員一人ひとりが持つノウハウや技術が軽視されることがあります。これらの知識が蓄積・共有されていないと、生産性向上につながらないどころか、組織全体としての成長が阻まれかねません。
たとえば、ベテラン社員が退職する際に、その人が長年培ってきた顧客対応のテクニックや業界特有の知識が次世代に引き継がれず、同じミスを繰り返したり効率低下を招くことがあります。
個人の持つ知識が組織の財産として生かされないと、新しいアイデアの創出や、業務の質の向上が難しくなります。各部署でブラックボックスになっている情報を「見える化」し、共有の場を設けることで、個々の知識を組織の力に変えることが重要です。
3. 働きやすい職場環境が構築されていない
効率化の一環として作業スペースやツールの導入が進んでも、働きやすい職場環境が整っていない場合、生産性向上にはつながりにくいです。次のような例があげられます。
「コストや労力がかかるから」と従来の環境に囚われ職場環境を整えないままでは、従業員は本来の能力を発揮できず、生産性を高めることは難しいでしょう。
物理的な環境だけでなく、心理的な安全性やチームの協力体制も含めた環境整備に目を向けることが重要です。
業務効率化で生産性を向上させる施策6つ
それでは、どうすれば業務効率化で生産性を向上させられるのでしょうか?考えられる施策は主に次の6つです。
1. 現状業務の見える化
業務効率化の第一歩は、現状の業務を見える化することです。全体の業務プロセスを可視化することで、どの作業にどれだけの時間や資源が使われているかを把握できます。
たとえば、フローチャートやガントチャートを利用することで、作業の流れや進捗が一目でわかるようになります。見える化により、どの業務がボトルネックになっているかを発見しやすくなり、改善のための具体的なアクションを取ることが可能です。
2. 無駄な業務の洗い出し・削減
業務を見える化した後は、無駄な業務を洗い出し、削減することが必要です。業務の中には、繰り返し行われる不要な作業や、他の業務と重複しているものが存在することがあります。
次のような場面で、無駄が発生していることが考えられます。
こうした無駄を取り除くことで、従業員はより重要な業務に集中できるようになり、モチベーションも保てます。
3. アウトソーシングの検討
特定の業務をアウトソーシングすることも、生産性を向上させる効果的な方法です。専門的な技術や知識が必要な業務、ノンコア業務は外部の専門家に任せることで、社内のリソースをより重要なコア業務に集中させられます。
たとえばコールセンター業務や給与計算や請求書の発行の事務作業などは、外部のプロフェッショナルに委託することで、効率的に業務を進めることが可能です。
アウトソーシングを検討する際には、社内でやる必要があるのか社外に任せていいのか、コストと効果のバランスを見極めることが重要となります。
4. 人材の再配置
社内の人材を適材適所に配置することも、業務効率化において重要です。社員一人ひとりの強みやスキルを把握し、それに応じた役割を与えることで、個々の能力を最大限に引き出し、生産性の向上につながります。
たとえば、ある社員が顧客対応に優れているなら、そのスキルを生かせるポジションに配置することで、業務の質が向上するでしょう。
人材を再配置する際には、社員の意欲や適性も考慮し、全員が能力を発揮できる環境を整えることが重要です。必要に応じてリスキリングを導入し、人材を育成していくことも検討しましょう。
5. 従業員個人のスキルアップ
従業員のスキルアップは、生産性向上のための重要な要素です。社内研修や外部セミナーを通じて、社員が最新の技術や知識を学ぶ機会を提供することで、業務の質や効率を高められます。
たとえば、新しいソフトウェアの使い方や技術を学ぶことで、ミスを減らしスピードが上がるでしょう。その結果、2人で行っていた業務を1人でこなせるようになったり、2倍の業務量をこなせるようになります。
スキルアップにより組織全体の成長を実現させるためには、定期的な研修の実施や資格取得支援などバックアップが必要です。
6. ツールの活用
業務効率化を進めるには、適切なツールの導入が欠かせません。プロジェクト管理ツールやコミュニケーションアプリを活用することで、チーム全体の作業が効率的に進むようになります。
たとえば、コミュニケーションアプリのPHONE APPLI PEOPLEを活用することで、ハイブリッドワークで働く場所が多様化しても、容易に社員同士の状況把握が可能です。情報共有がスムーズになるだけでなく、社員同士のコラボレーション創出にもなり、生産性の向上につながります。
ツールの活用は、業務の質とスピードを向上させるための鍵となります。
【コラム】テレワーク導入で生産性が向上できない理由
コロナ禍の影響により、業務効率化のためにテレワークを導入した企業も多いのではないでしょうか。しかしテレワークを導入しても生産性を必ずしも向上させられる訳ではありません。その理由は次の5つです。
テレワークはオフィスではなく自宅で仕事ができる分、通勤時間が削減されるなどのメリットがあります。しかし一方で仕事とプライベートの区別が曖昧になり、長時間労働を招きやすい環境です。
また、オフィスのように周囲の目がなく、基本的には一人で作業することとなり孤独に感じるケースも発生します。コミュニケーション不足からチームの連携が取りにくくなったり、モチベーションが低下することも引き起こしかねません。
さらに上司も直接部下の働きぶりを見られない状況のため、勤怠管理や人事評価の難しさにもつながります。
そのため、テレワークで生産性を向上させる施策を実行することが重要です。
コミュニケーションポータル「PHONE APPLI PEOPLE」とは
PHONE APPLI PEOPLEなら、連絡先を端末内ではなくクラウドで一元管理するため、万が一端末を紛失しても情報漏洩の心配はありません。また、認証機能がついているのでアクセス許可のないスマホをシャットアウトできます。従業員や取引先などの連絡先情報をクラウド上に保存、管理、共有できるWeb電話帳の機能も有しています。
「PHONE APPLI PEOPLE」には、次のような機能が標準搭載されています。
【事例紹介】有限会社まるみ麹本店 | 製造ノウハウをデータで見える化、社員一人ひとりにキャリアコンサルも実施

引用元:まるみ麹本店
有限会社まるみ麹本店は、岡山県に1950年に麹屋として創業、現在は味噌や甘酒など麹をベースとした醸造食品の製造・販売を行う、従業員15名の企業です。
同社は、要である麹の製造ノウハウをデータなどで見える化。これまで経験と勘に頼っていた状態から、自動で麹の生産管理ができる体制を整えました。そのおかげで、従業員の負担が軽減され、麹の安定した品質管理が可能になったのです。
次に、顧客の情報管理にCTI(PCと電話機能の連携システム)を取り入れることで人手を抑えつつ、きめ細かな顧客対応を可能にしました。その結果、3年間で売上は25%増加、インターネット販売は43%増加という飛躍的な成果をあげています。
こうした取り組みが品質管理と顧客開拓によって本格的なIT化を推進したことが認められ、2016年には「おかやまIT経営力大賞」を受賞しました。
さらに、同社は社員のキャリア支援にも注力。「より良い商品づくり、組織づくり」を目指す中で、経営層と社員間の円滑なコミュニケーションに課題を感じていました。そこで広島・岡山キャリア形成・リスキリング支援センターから講師を派遣。キャリアコンサルティングを社員一人ひとりに実施しました。
社員の業務上の悩み、課題が明らかになり、人事上の施策のヒントが得られました。こうしたさまざまな取り組みによって、組織の活性化を目指しています。
【まとめ】業務効率化で生産性向上が実現できない理由と解決策
本記事では、業務効率化で生産性向上が実現できない理由と解決策を中心に、以下のポイントをお伝えしました。
業務効率化で生産性向上を実現させるには、まず阻害する要因を捉え明確にすることが大切です。自社での要因がどこにあるのかを見極め、施策を実行していきましょう。施策は1つだけでなく、状況に合わせていくつか組み合わせる方が有効です。
本記事が、貴社の生産性向上の参考として役立てていただけたら幸いです。
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