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生産性向上を邪魔する7つの課題と解決策 | 生産性向上の成功事例も紹介

  • 自社の生産性を高めたいが有効な策が思いつかない
  • 生産性を妨げる課題や要因にはどういったものがあるのか
  • 生産性を高めるためのポイントを知りたい

企業における生産性向上とは、人材や設備、時間などを投下し、アウトプット(=生産量)を最大化することです。利益拡大のためには必要不可欠であり、多くの企業が生産性向上のために試行錯誤しています。

しかし、生産性向上を図りたいものの有効な方法が思いつかず、悩んでいる企業も多いでしょう。

そこで本記事では、企業における「生産性向上」について、次のポイントを中心にお伝えします。


本記事で生産性向上についての理解を深め、自社の利益向上につなげましょう。

生産性向上を邪魔する課題7つ

企業の生産性向上を妨げる要因はさまざまです。生産性向上を妨げる課題として、次の7つが考えられます。

  1. コミュニケーションが不足している
  2. モチベーションが低下している
  3. コア業務に集中できない
  4. 適切な人材スキル配置ができていない
  5. 正当な人事評価がされていない
  6. 現在の業務と設備機器がマッチしていない
  7. 長時間労働が日常化している

1. コミュニケーションが不足している

従業員同士のコミュニケーション不足が、生産性の阻害要因になっているケースです。コミュニケーションが不足すると情報が適切に伝わらず、誰が何の業務をすべきなのか不明瞭になります。

伝達不足によって社内の人間関係が悪化すれば、さらに業務の生産性は下がってしまうでしょう。

2. モチベーションが低下している

従業員のモチベーション低下が生産性を妨げているケースです。次のような例があげられます。

  • 会社の待遇に納得がいかない
  • 労働量に対して給料が見合わない
  • そもそも仕事が楽しくない

従業員にやる気がなければ、仕事も「最低限やればよい」と考えるようになり、チーム全体の生産性は下がります。モチベーション低下の理由を特定し、解決策を見つけることが大切です。

3. コア業務に集中できない

従業員が、本来効率化できるはずの細かい業務にリソースを割かれ、チーム全体の生産性が下がっているケースです。

たとえば、営業マンが日報や週報の作成を「手書き」で行っていたとします。彼らの本来の業務はアポイントを取り、商談で成約を獲得することです。

報告業務に時間がかかりすぎると、営業のパフォーマンスが下がり、チーム全体の生産性も下がります。生産性向上のためには、このように従業員がコア業務に集中できる環境を作るべきだといえます。

4. 適切な人材スキル配置ができていない

企業側が従業員の得意不得意を見極められていないことで、人材配置にミスマッチが起きているケースです。従業員自身にとって「不得意な部署」に配属されても、スキルや能力を発揮できず、部署で活躍できないでしょう。

企業には「リスキリング」や「タレントマネジメント」といった対策が求められます。

5. 正当な人事評価がされていない

正当な人事評価がされていなければ当然、従業員のモチベーションは下がってしまいます。たとえば、上司が部下によって贔屓(ひいき)したり、成果よりも人柄や雰囲気だけで評価したりする場合です。

組織全体の生産性を高めるためには評価基準を明確にし、公正かつ公平な評価を行う必要があります。

6. 現在の業務と設備機器がマッチしていない

現在の業務と設備機器がマッチしていないことも、生産性を下げる要因のひとつです。たとえば次のような例があげられます。

  • スペックの低い機器を使い続けていて生産が追いついていない
  • 古いPCを使っているため動作が遅く仕事に支障が出ている
  • 問い合わせ方法が電話やFAXのみなので効率が悪い

業務と設備機器のミスマッチはさまざまな業界で見受けられます。「コストがかかるから」「新しい機器の使い方を覚えるのが面倒」といった理由で古い機器を使い続けていれば、生産性は一向に高まらないでしょう。

7. 長時間労働が日常化している

長時間労働が日常化していると、従業員の身体的な負担が増えるうえモチベーションも低下し、結果的に生産性が下がります。

組織全体の生産性を考えるためには、今一度、労働環境を見直すことが大切です。

生産性向上を実現させる解決策3つ

生産性向上を阻害する要因を抑えたうえで、生産性を高めるために有効な策を3つご紹介します。

  1. コミュニケーションの機会を増やす
  2. 人事制度や福利厚生を見直す
  3. 業務の棚卸やシステム導入を実行する

1. コミュニケーションの機会を増やす

社内の生産性を高めるためには、従業員同士のコミュニケーション機会を増やすことが大切です。たとえば次のような方法があります。

  • 社内イベントを活用する
  • シャッフル形式のランチを実施する
  • 1on1ミーティングを実施する
  • メンター制度を導入する
  • フリーアドレスを導入する
  • 社内SNSやサンクスメッセージを活用する
  • コミュニケーション向上に特化した研修を実施する

2. 人事制度や福利厚生を見直す

人事制度や福利厚生の見直しは、従業員のエンゲージメントを高め、生産性向上につながる重要な施策です。

人事制度では、従業員の適性を見極めたうえでの人材配置や、公平かつ公正な評価など。福利厚生では住宅手当や交通費のほか、育児や介護、旅行に関する手当などがあげられます。

また、組織の生産性は「従業員の健康」によってもたらされます。たとえば、健康診断やストレスマネジメントといった健康プログラムの実施も有効な施策です。

3. 業務の棚卸やシステム導入を実行する

業務の棚卸とは、一人ひとりの業務内容や業務量、業務に求められるスキルやレベルなどを見える化することです。

棚卸によって、業務の属人化防止や、特定の業務に従業員のリソースが偏っていないかを確認できます。そして業務に優先順位をつけられることで、生産性向上につながります。

また、システム導入も生産性向上に有効な策です。ノンコア業務をAIやロボットを用いたシステムで対応できれば、従業員はコア業務に集中できます。

生産性向上の取り組みを始めるときの注意点3つ

生産性向上の取り組みはさまざまですが、注意点もあります。とくに次の3つは意識しましょう。

  1. 生産性向上の目的を共有する
  2. 長期的にPDCAサイクルを繰り返す
  3. 個人・全体の双方で最適化を目指す

1. 生産性向上の目的を共有する

「生産性向上」という言葉は抽象的です。分野によって「生産性」が何を示すのかは異なり、従業員個人によっても解釈が違います。

そのため、自社が「生産性」をどのように定義し、何のために取り組むのか、方向性を定めることが大切です。生産性向上の目的が決まったら、それを従業員に周知させましょう。

2. 長期的にPDCAサイクルを繰り返す

生産性向上の取り組みは、最初からうまくいくとは限りません。トライアンドエラーを前提に、長期的に行うことが大切です。そのためには、PDCAサイクルを意識した仕組みづくりが求められます。

PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を効率的に回すことです。施策を行ったら必ず振り返りを行い、施策をアップデートさせましょう。施策自体がうまくいかなければ、別の施策に着手するのもよいです。

3. 個人・全体の双方で最適化を目指す

生産性を高めるためには、個人と全体の両方を最適化する「全体最適」を目指しましょう。どちらかに偏ると、次のような問題が起こります。

  • 個人レベルで業務が効率化されるが全体的に無駄な業務になる
  • 組織全体にとっては効率的だが個人の負担が大きい

つねに「全体が最適化されているか」を念頭に置き、そのうえで業務内容を見直しましょう。

【コラム】生産性向上と業務効率化の違い

生産性向上と混同しやすい言葉に「業務効率化」があります。

生産性向上とは、リソースの有効活用によって得られるアウトプットを最大化することです。何かを生産するためにお金や設備など資源を投下し、生産物の最大化を図ります。

一方の業務効率化とは、非効率な業務のムリ・ムダ・ムラを排除し、効率化することです。

業務効率化は、「ムダの排除」「従業員の負担軽減」が目的となるので、業務が効率化されても生産物が増えない場合もあります。

生産性向上は「生産物の最大化」を図ること、対して業務効率化は「ムダの排除や負担軽減」であることを押さえておきましょう。




コミュニケーションポータル「PHONE APPLI PEOPLE」とは

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【事例紹介】フランスベッド株式会社 | 受注業務の80%を自動化して月45時間の業務時間を削減

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引用元:フランスベッド株式会社

フランスベッド株式会社は、家庭用ベッドや医療用ベッド、マットレスなどを生産・販売する会社です。

以前よりEC事業を展開していたものの、顧客からの受注業務を「FAX」で行っていた同社。しかし、アナログ作業によって従業員の業務負担が大きく、ヒューマンエラーも頻発していました。そうした課題を解決するために、EC向けのWeb受発注システムの導入に踏み切りました。

これまでは毎月1,500〜2,000件の注文をFAX対応しており、受注管理業務が大きな負担となっていました。システム導入後は、約80%にあたる1,200〜1,600件を自動化できるようになったのです。

業務時間ベースで月間45時間が削減され、1回の受注あたり約2分の時短を実現しました。

【参考】受注業務を"自動化する仕組み"で販売子会社のFAX注文を80%EC化 | Aladdin EC

【まとめ】生産性向上を妨げる7つの課題と解決策

本記事では、生産性向上を妨げる課題を中心に、次のポイントを解説しました。

  • 生産性向上を邪魔する課題としてコミュニケーション不足、人材スキル配置のミス、人事評価のミスなどがあげられる
  • 解決にはコミュニケーション機会を増やしたり、人事制度や福利厚生を見直したりすることが求められる
  • 生産性を高めるには個人と全体双方での最適化、いわば「全体最適」を目指すことが大切



生産性向上を邪魔する要因は多く、企業によって課題点はさまざまです。要因がコミュニケーションなのか人材配置なのか、あるいは人事評価なのか、自社の課題を明確にし、適切なアプローチを行いましょう。

本記事の内容が、自社の生産性向上に役立つことを願っています。

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