導入事例
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
伊藤忠商事グループのIT企業で、豊富なシステム構築経験をもとに様々な分野でITソリューションを提供する伊藤忠テクノソリューションズ株式会社。同社の情報システム室では、社内システムの管理を担っており、社員が働きやすくなるためのツールの導入・整備を進めている。
同社では、2022年12月からPHONE APPLI PEOPLE(以下PEOPLE)の利用を開始した。今回は、導入までの経緯や導入後の効果について、情報システム室 室長代行 兼 ITインフラシステム部長の永田孝哉氏と同部 クライアントシステム課 課長の長井健太氏、クライアントシステム課 大塚雅子氏に話を伺った。
同社ではもともと連絡先管理ツールとして、PHONE APPLIが提供していたPhone Appli Collaboration Directory(以下PACD)を使用していた。しかし、PACDのサービス終了に伴い、代替ツールを探すことになった。検討段階では10社ほどの連絡先管理ツールが候補に挙げられ、最終的にはPEOPLEが選ばれた。導入の決め手となったのは、以下の2点だったそうだ。
1つ目の決め手は、クラウドサービスと容易に連携できたこと。
同社が新しいITツールを導入する際に重視していることは、“シンプルで全社員が使いやすいこと”だという。永田氏は、「複数のツールを導入した結果、使いにくくなってはIT化の意味がなくなってしまいます。その点、PEOPLEは他のクラウドサービスとの連携が容易にできて、IT環境をシンプルにできると感じました」と話す。同社が使っているチャットツールやクラウドPBXと連携させて、社内のコミュニケーションハブにできると感じられたことが、導入にいたる決め手の1つとなった。
2つ目の決め手は、セキュリティレベルが高いこと。
同社には約18,000名の社員が在籍している。大塚氏は、「社員数が多いことから、社用スマートフォンを紛失するケースは避けられないと考えており、万が一、端末を無くしてしまった場合でも個人情報の漏洩を防ぐことができるツールを求めていました」と話す。PEOPLEはクラウド型ツールで端末には情報が残らず、情報漏洩を防ぐ機能も搭載していることから、安心して使用できる。
上記の2つの決め手に加え、PHONE APPLIが実践する“ウェルビーイングな働き方”に共感したことから、同社はPEOPLEの導入を決定した。
同社がPEOPLEを導入する際には、事前に社員へマニュアルを配布して周知した。通常、新しいシステムをリリースしてすぐは問い合わせが殺到することが想定されるが、PEOPLEは操作方法がシンプルなため、問い合わせがほとんどなかったそうだ。
順調に社員がPEOPLEを使い始めたところ、社内に以下の3つの効果が生まれた。
1つ目の効果は、社員情報の検索性向上によって、コミュニケーションが円滑になったこと。
同社では、PEOPLEに各社員の“所属”“電話番号”“使用しているコミュニケーションツール”などを登録している。電話で連絡を取りたいときには、まずPEOPLEを開いて、氏名や所属から番号を検索し、ワンタップで簡単に発信できる。また、Zoom会議などで参加者の所属がわからないときには、PEOPLEで検索して確認するという使い方をしている場合もあり、所属が分かることで、コミュニケーションが取りやすくなったという。
また、長井氏は「PEOPLEは不具合が少なく、挙動もスムーズなので、社員たちはストレスを感じることなく使えているようです」と語る。連絡を取りたい時にスムーズに発信できることも、円滑なコミュニケーションにつながっているようだ。
2つ目の効果は、他システムと連携して業務が効率化したこと。同社ではMicrosoft Teams、Slack、Tocaro(同社開発のツール)の3つのチャットツールを活用している。PEOPLEをそれらのツールと連携させることで、社員のプロフィール欄から、ワンタップで各ツールのチャット画面へ遷移して連絡できるようになった。これによって、複数のツールの画面を行き来する必要がなくなり、動作が減った分、連絡を取るまでの時間が短縮されている。
さらに、PHONE APPLI APIを使ってPEOPLEと同社の人事システムをAPI連携することで、PEOPLE上で更新した社員情報が自動で人事システムへ反映されるようになった。これによって、人事システムを修正する手間が大幅に削減できたという。
3つ目の効果は、クラウド管理で端末紛失時のリスクが軽減されたこと。PEOPLEはクラウド上で連絡先情報を管理するため、端末内には情報が残らない。これに加えて、連続でログインに失敗すると自動でロックがかかる仕組みがあるため、情報漏洩のリスクを低減できる。リモートでアクセス制限できる機能もあり、紛失したことがわかった段階でロックをかけることも可能だ。
永田氏に今後の展望を伺ったところ、次のように話してくれた。
「今後は、PEOPLEを社内コミュニケーションの核にしたいと考えています。今はPEOPLEに氏名や所属などの基本情報しか載せていませんが、これからは“担当業務”“スキル”“趣味”“顔写真”なども掲載していきたいです。各社員の担当業務やスキルがわかれば“この業務については、この人に聞こう”という判断がしやすくなりますし、趣味がわかれば、社員同士のコミュニケーションのきっかけになるかもしれません。顔写真も登録することで顔と名前が一致し、よりコミュニケーションがスムーズになるはずです」
同社では、社員が感謝や称賛を“贈り合う”PHONE APPLI THANKSを導入することも検討をしている。サンクスカードで社員がお互いに褒め称える文化があると、“やりがい”や“幸福感”を感じながら仕事ができることに加え、各社員の担当業務や得意なことが見えてくるというメリットもある。
永田氏は「“PEOPLEのプロフィール欄を充実させよう”“サンクスカードを送り合おう”と一方的に社内へ発信するだけでは、“文化”として根付かないだろうと思います。社員が自発的に取り組みたくなるような仕組みづくりこそが大切だと考えています」と語った。
社員情報の検索性向上で、約18,000人の社内コミュニケーションが円滑化。API連携で人事システムの管理工数削減
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