100年以上の歴史を持つオカモトヤは、企業向けにオフィスの事務用品を始めとした総合商社である。特徴としては、オフィスリニューアルの際の家具や施工、OA・ICT機器の販売、各種印刷物の作成と、ワンストップサービスを提供している。最近では、ペーパレス化やフリーアドレスの需要も多く、ICTを活用した働き方改革にも取り組んでいる。2018年12月には、自社の新オフィスをライブオフィスとし、集中スペースやコラボレーションスペースなど、その時の目的や時間帯により働き方を選べるABW（Activity Based Working)を取り組んでおり、それらの体験をユーザへ伝えながら、よりユーザの目線に立った付加価値の高いサービスを提供している企業である。

取締役 営業副本部長 大谷政弘氏は、ペーパレスを実現するため、膨大な量となっている名刺をどのように管理するべきかという課題を抱えていた。従来まで組織の壁があり、人とのつながり等情報が共有されず、個人では名刺を保有し管理している状態であった。オフィス空間においても、固定席で島形レイアウト、一人一人が袖机を持っており、大きなキャビネットには各自が管理している書類などを保管できる状態であり、名刺同様、ナレッジやスキルは組織をまたいで共有されず、効果的な働き方ができていなかった。

既存のオフィスをリノベーションして新設したオフィスでは、自社で取り扱う最新のオフィスに加え、フリーアドレス制度にも取り組くんだ。無線LANを始めとしたクラウドのICTソリューションも積極的に採用した。
その一つとして、ペーパレス化を実現し、名刺情報を安全に管理・共有できる手段として、Phone Appliの「連絡とれるくん」である。
「連絡とれるくん」は、基本機能の充実に加え、価格面では圧倒的に安価であること、クラウドでありながら高いセキュリティを確保しており、検討からトライアル、そして導入までのスピードも非常に速かった。
他社製品とも比較したが、分かりやすく、誰でも使いやすいというイメージがありつつも、自社で利用している複合機との連携など様々な連携ができることが非常に魅力的であり、採用に至った。

採用を検討する中では、部門長レベル十数名をトライアルユーザへ展開し、1か月程度の試用を行ったが、トライアルした全員が使いやすいという結果を受け、全社展開の決となった。取引先が非常に多く、様々な企業とビジネスを行っているため、企業情報が集約されて、検索できるのは非常に便利になった（本山氏）
その他、名刺管理以外の点で、様々なメリットを連絡とれるくんはもたらした。例えば、着信表示だ。外出が多い営業においては、かかってきた電話が誰からかかってきたのかほぼ確実に分かるため、折り返し対応の優先順位が容易になりさらにスマートフォンからメールを送付する際は、連絡とれるくんから取引先を探してすぐにメール作成ができるといった、日々日常の業務の効率が大幅に改善された（藤下氏）

また、リコー社製の複合機と連携した、「RICOH カンタン名刺電子化アプリ for 連絡とれるくん」サービスも活用しており、日々の名刺の取り込みは、スマートフォンでのカメラ撮影以外にも、社内にある複合機からも取り込むことができる。
導入して間もないが、全社では1万枚以上の名刺が登録されていた。ある日、名刺交換している履歴を見て、他の部門の営業担当者がお客様を紹介してほしいという話があった。社外連絡先から特定の企業を検索すると、関連企業に別の営業が名刺交換しているの知り、部門をまたいでコミュニケーションが生まれたのだ。連絡先という情報を共有し活用したことで、社内で新しいコミュニケーションが生まれ、業務へ生かされている。

同社では、自社の働き方改革に積極的に取り組んでおり、移転前後における働き方の社員の満足度は大幅に上がっている。空間設計から、ＩＣＴツールまでワンストップでユーザに提供しながら、虎ノ門のショールームでは連日オフィスツアーにて、来訪されるユーザに自社の働き方を紹介し、これから働き方改革に取り組む企業を支援している。オフィスを変えることがゴールではなく、そこから継続して様々な施策に今後も取り組んでいく構えだ。