導入事例
シチズン時計株式会社
1918年に創業し、2018年には創業100年という記念の「時」を迎えるシチズン時計。シチズンの名前には「市民に愛され親しまれる」という想いが込められている。100年にわたり身につけて時を刻むウオッチを提供し、日本からグローバルへと、その製品は広く親しまれている。
部品から完成品まで自社一貫製造するシチズン時計グループでは、社内外のコミュニケーションはモノづく
りのインフラとして欠かせない。シチズン時計 情報システム部 企画室室長の澁谷真志氏は、「数年前から、コミュニケーションの質の向上が社内の中期活動の1つのテーマとして掲げられていました。一方でPBX(構内交換機)の維持にかかる費用や手間が負担になっていることもあり、ユニファイドコミュニケーションの導入を検討することになりました」と経緯を振り返る。
シチズン時計では、2008年ごろからマイクロソフトのLync(現Skype for Business)によるWeb会議の仕組みを導入し、コミュニケーションの改善を実施してきた。LyncによるWeb会議を自前で構築、運用する中で、PBXを使わないLyncのようなユニファイドコミュニケーションのツールが、内線電話の代わりに利用できることを体感してきた。とはいえ、ユニファイドコミュニケーションは既存のPBXを利用する内線電話の仕組みと仕組みが異なり、自前で構築して運用するには負担が大きい。Lyncの構築、運用の経験から、システムインテグレーターの力を借りてユニファイドコミュニケーションを導入する方向で検討が始まった。
2015年初頭に、ユニファイドコミュニケーションシステムの選定を行った際、これまでにも部分的に利用していたLyncと、シスコシステムズのCisco Unified Communications Manager(以下、CUCM)が候補に残った。そこでシチズン時計はシスコのCUCMを選ぶ。澁谷氏は「シスコにはネットワーク機器で高い信頼性があるイメージがありましたし、価格的にも大きなメリットがありました。またシスコのCUCMを利用したシステムを提案したPhone Appliが、同社のWeb電話帳を組み合わせて提案してきたことも決め手の1つでした」と語る。
Web電話帳は、社内の内線電話の電話帳だけでなく、取引先などの社外連絡先の電話帳も含めて、統一して管理できる。オフィスの利用では、パソコンの画面で開いたWeb電話帳から通話相手を選んでクリックするだけで、IP電話機から発信できる利便性も備える。在籍確認(プレゼンス)の情報との連携も可能だ。
「もともと、内線電話用のツールとして在籍確認や社内ユーザー検索の機能は提供していました。しかし、パソコン単体のツールで電話との連携はできませんでしたから、Web電話帳を利用することで在籍確認してそのままワンクリックで電話をかけられるのはとても便利です」(澁谷氏)。
情報システム部 IT環境課 担当課長の増田 洋氏も現場の声をこう紹介する。「従来のシステムでは電話帳に社外の取引先のデータは入っていませんでした。Web電話帳では、社内外を横断して検索して電話をかけられるので、使い勝手がとても良くなったと評判が高いです。また音声がクリアになって良いという声もあります」。
シチズン時計グループでは、シスコのCUCMとWeb電話帳を組み合わせたユニファイドコミュニケーショ
ンシステムの導入を、2015年7月から順次開始している。新システムの導入は一気に進めるのではなく、PBXの老朽更新のタイミングに合わせたもの。そのため、ファーストユーザーへの導入から約2年経った2017年7月時点で、国内の主要40拠点のうち10数拠点が新システムに移行したところというのが進捗状況だ。グループ内の8000人の従業員のうち、新システムを利用しているのは2000人前後。完全な新システムへの移行は10年といった期間が必要で「ライフワークになりそう」と澁谷氏は笑う。
Web電話帳にすでに移行した拠点では、これまで同社が利用していた内線電話機ではできなかった「発信元表示」や「着信履歴」の機能の評価も高い。増田氏は、「携帯電話やスマートフォンで当たり前のように使っている、発信元の通知や着信履歴の閲覧が会社の電話機でもできるようになったことは、好意的に受け入れられています」という。
実は、ゲートウエイシステムの性能上、まだ発信元通知は多くのユーザーに対して内線の番号からの場合だけの提供だというが、それでも評判は上々だ。先行して社外の取引先の発信元通知機能を提供している営業部隊では、「どこからかかってきたかが見える」利便性を十分に活用しているという。Web電話帳の有効性が、着実に浸透していっているようだ。
一方で、課題と感じている点も少なからずある。使い勝手で不自由と感じているのは、日本の内線電話システムでは一般的な「パーク保留」の機能が、パソコンを使った新システムで利用できないこと。Web電話帳と連携して利用しているシスコのパソコンソフトのJabberが、パーク保留に対応していないことが要因だ。「海外では他人の電話に出ることはないのでしょうが、日本のオフィスではパーク保留は一般的です。この機能は一刻も早く実装してほしいです」(澁谷氏)。
また、Web電話帳でも、プレゼンスを管理するためには、すべてのパソコンに個別にアプリケーションをインストールする必要がある点に改善を求めている。「パソコンに一括して遠隔登録できるような一括管理の方法があるとうれしいですね」と増田氏は語る。
そうした課題はありながらも、シチズン時計グループでは着実に新システムへの移行を進めている。2017年7月にも新しく1つの拠点で移行が実施された。「Web電話帳の利便性はもちろん、新しいコミュニケーションの効果も評価されています。パソコン上でスケッチや図面など同じ画面を見ながら打ち合わせをしたり、Webカメラで時計の文字板の試作品を見せながら量産現場と議論したりといったことが可能になります。これまで図面や現物を持って人が移動しなければできなかった打ち合わせが、自席でできるコミュニケーションスタイルは高く評価されています」と澁谷氏。Web電話帳とユニファイドコミュニケーションの組み合わせが、創業100年を迎えるシチズン時計に新しいコミュニケーションの姿を徐々に生み出し始めている。
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