導入事例
株式会社アダル
業務用家具を製造から販売まで一貫して行う株式会社アダル。時代と顧客のニーズを汲み取る営業力を強みに持ち、需要の高まる社員自身が業務内容によって、最適な場所を選んで働くことで生産性を高めるActivity Based Working(以下ABW)を採用した空間デザインも手掛ける同社は、自ら快適なワークプレイスを検証するため、東京オフィス「ADAL CREATIVE PLACE TOKYO」にABWの考え方を採用し、従来の固定席約8割をフリーアドレス化した。フリーアドレス化に伴い課題となったのが、社員の居場所が把握しづらく電話の取り次ぎに支障が出ることだ。そこで同社が導入したのが、PHONE APPLI PLACE(旧:居場所わかるくん、以下PLACE)と、PHONE APPLI PEOPLE(旧:連絡とれるくん、以下PEOPLE)。2つのツール導入の効果と今後の展望について、導入を担当した東日本ブロック ブロック長 中村聖也氏にお話を伺った。
PHONE APPLIを導入するまで、同社では2つの課題を抱えていた。
課題1:社員の居場所を把握しにくかった
課題2:ABWに基づくフリーアドレス導入により電話の取り次ぎに懸念があった
1つ目の課題は、社員の居場所を把握しにくかったこと。
営業メンバーが過半数を占める同社の東京オフィス「ADAL CREATIVE PLACE TOKYO」。営業メンバーは顧客対応で外出や出張が多く、以前から”社員の居場所が把握しにくく、業務効率が落ちやすい”という課題を抱えていたという。中村氏は当時の状況について次のように話す。「外出中や出張中は、印刷業務など、オフィス内でしかできない仕事をオフィスにいる社員に頼み、フォローしてもらうことが多々あります。しかし誰がオフィスにいるか把握できないため、毎回在席している社員を探して業務を依頼するなど、非効率だと感じていました」。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言でテレワークを導入した際も、社員の出社状況の把握や、オフィス内でしかできない業務の対応に苦慮したそうだ。そこで外出中やテレワークでも、スマートフォンで社員の居場所を確認できるようにしたいと考えていた。
2つ目の課題は、ABW化に伴うフリーアドレス導入により電話の取り次ぎに懸念があったこと。
オフィス家具や空間デザインを手掛ける同社は、働き方改革で需要の高まるABWのメリットやデメリット、自社商品との連動性を検証するため、東京オフィス「ADAL CREATIVE PLACE TOKYO」にABWの導入と、従来の固定席約8割のフリーアドレス化を決定。しかしフリーアドレスにすることで、オフィス内にいても他の社員の居場所が把握しにくくなってしまうと予測された。中でも一番大きな懸念は、電話の取り次ぎに支障が出ることだったという。固定電話にかかってきた際の電話対応について、中村氏は次のように振り返る。「今までは固定席だったので、オフィスを見渡せば誰が在席しているか一目で確認でき、すぐに担当者に取り次ぐことができました。席にいない場合は、オフィス内に掲示されているホワイトボードの予定表で外出中か会議中かなどを確認し、折り返し対応や伝言を預かることなどができたので、電話の相手を待たせることはありませんでした」
しかし、ABW化に伴うフリーアドレスの導入、そして同時にホワイトボードの予定表も廃止が決まり、社員がオフィス内にいるか外にいるか把握できなくなってしまうと考えられた。顧客からの電話をスムーズに取り次ぐことができず、顧客対応のスピード低下やトラブル発生を防ぐためには、フリーアドレスと固定電話の取り次ぎを併存させる仕組みが必要だった。
この課題を解決するため、同社は、人の位置情報をマップ上に表示できるPLACEと、Microsoft365と連携してスケジュールを表示できるPEOPLEの導入を決めた。
PLACE導入の決め手になったのは、フロアマップの視覚的な分かりやすさだったという。PHONE APPLIのオフィスツアーに参加し、PLACEの画面を実際に見て利用した中村氏は、社員の居場所が一目で分かることや、オフィス内をエリアでマッピングできる機能を見て、社員もすぐに使いこなせそうだと感じたそうだ。また、オフィス家具や空間デザインを手掛ける同社にとって、営業ツールとして利用できるのも魅力だったという。「当社ではオフィス全体をショールームとしても活用しています。商談の際にもPLACEのフロアマップを顧客に見せることで、オフィス内のエリア分けや使用している家具をよりわかりやすく、効果的に案内できるだろうと感じました」
オフィスツアーに参加し、自社での利用シーンを想定できたことで、導入までの準備や社内への浸透もスムーズに進んだ。「マニュアルを活用しながら、オフィスの改装チームへPLACEの機能や使い方を共有しました。不明点などはその都度PHONE APPLIの担当者に質問すると丁寧に対応してもらえたため、スムーズに導入できたと思います。導入後は他の社員もすぐに扱いに慣れ、日常的に活用できるようになりました」
PLACEを導入した同社は、2つの効果を実感しているという。
効果1:社員の居場所が把握でき、業務効率が向上した
効果2:フリーアドレスでも電話取り次ぎがスムーズに行えた
1つ目の効果は、社員の居場所が把握でき、業務効率が向上したことだ。
外出中や出張中でも、PLACEを見ればオフィスに誰がいるかすぐに分かるようになった。社内でしかできないデータ確認や印刷業務を即座に頼みやすくなったため、生産性が向上したという。中村氏は「いち早く対応してほしい業務も、オフィスに誰がいるか分かることで、すぐに依頼できるようになりました。テレワークをする場合も、出社している社員と連携がとりやすくなったため、柔軟な働き方につながっています」と話す。
2つ目の効果は、フリーアドレスでも電話取り次ぎがスムーズに行えたことだ。
同社では社員証に位置情報の信号を電波で発信する小さな機械(ビーコン)を取り付け、PLACE上のオフィスマップに社員の居場所が表示されるようにしている。
同社のオフィスは、1階から2階に渡ってフリーアドレスであるため、フロアを見渡すだけでは誰がどこにいるか把握できないが、PLACEのマップを見れば一目でどこにいるか分かる。また、オフィスのサイネージ(電子看板)にPLACEのマップを表示させている。電話を取り次ぐ相手を即座に見つけられ、オフィス内に在席しているかどうかもすぐに判断可能だ。不在の場合でも折り返しの旨を伝えたり用件を伺ったりするなど、電話の相手を待たせず対応できているという。中村氏は「東京オフィスは社員の6割以上が営業職で顧客対応が業務のメインです。お客様からの連絡は固定電話宛にかかってくることも多いため、電話対応のスピードを落とさずに済むのは大きな効果だと感じています」と話し、次のように続けた。「フリーアドレスは社員同士の新たなコミュニケーションのきっかけを生み、働きやすさにつながっています。PLACEを導入したことでフリーアドレスの課題もクリアでき、当社の働き方改革が前進しました」
PLACEと同時に導入したPEOPLEは、Outlookのスケジュールと連携することで業務効率化につながっている。PLACEで社員を探し、オフィス内にいないと分かった場合は、そのままPEOPLEの画面に遷移し外出中や会議中などのスケジュールを確認可能だ。
さらに、Microsoft365の認証と連携することで、シングルサインオンによってMicrosoft Teams、PLACE、PEOPLEに一度のパスワード認証でログインすることもできる。コミュニケーション基盤としてMicrosoft 365を活用している同社では、ツールごとにパスワードを入力する手間がなく、効率的に使えているそうだ。中村氏は「PLACEやPEOPLEで社員の居場所を確認するときは、電話対応中など急いでいる場面も多いので、各ツールに素早くログインできるのは便利です」と話す。シングルサインオンは管理者もユーザーもパスワードの管理が容易になるので、業務効率化につながると好評だ。
今後はさらにMicrosoft Teamsとの連携を強化させたいと話す中村氏。「社員同士のコミュニケーションツールは主にMicrosoft Teamsを使用しています。今後はMicrosoft Teamsの画面上からPEOPLEを起動させて使うなど、連携を強化させて活用の幅を広げていきたいです」
最後に今後PHONE APPLIへ期待したいことについて、中村氏は次のように話してくれた。「当社では、東京オフィスだけでなく全社的に働き方改革やDXに対するさまざまな施策を検討しており、PEOPLEとPLACEは他の拠点でも活用できる可能性を感じました。今後はスマートフォンアプリの機能充実も期待しています」
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