CASE STUDY 導入事例

導入事例

スマートフォンとMicrosoft 365の活用で働き方を一歩先へ
~社員が安全にスマートフォンを使用し、本来業務に専念するために~

東京海上日動火災保険株式会社 / 東京海上日動システムズ株式会社

POINT

  1. 顧客・代理店等の社外関係者の連絡先を登録する電話帳のクラウド化により、安全なスマートフォンの利用と引き継ぎ時の業務効率化を実現
  2. Azure AD/Microsoft Intuneとの連携によりユーザーの利便性を高め、場所にとらわれない働き方を実現
  3. 社員の内線番号等を登録している社内電話帳の移行、Microsoft Teamsとの連携で更なる働き方改革を目指す
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東京海上日動火災保険株式会社では、これまで社員の多様な働き方を支えるインフラ整備を進めてきており、2021年1月より社員に順次社用スマートフォンを配布している。しかし当初、社員へスマートフォンを展開するためには端末に保管されている電話帳データのセキュリティや引き継ぎ時の問題がネックとなっていたという。この問題を解決するため、電話帳データをクラウド上で安全に管理できるPHONE APPLI PEOPLE(旧:連絡とれるくん)を導入。現在、グループ会社を含めて1万人以上の社員にPHONE APPLI PEOPLEを展開している同社に、導入の決め手や効果、今後の展開について話を伺った。

電話帳のセキュリティと人事異動時の引き継ぎが、 スマートフォン展開の障壁に

同社では、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大以降、働き方改革として以前より推進してきたリモートワークの流れが一気に加速した。それに伴い、今まで一部の営業社員だけに展開していた社用スマートフォンを、さらに多くの社員へ拡大することを考えたという。しかし、そのためには2つの障壁があった。IT企画部 ビジネスプロセスデザイングループ 副主任 木村英恵氏は、スマートフォン展開に向けて解決しなければならなかった課題を2つ挙げる。

 1.スマートフォンの安全な利用
 2.データ引き継ぎの問題

1つ目の課題は”スマートフォンの安全な利用”。木村氏は「2021年1月より社員に順次社用スマートフォンを配布していますが、端末に保管されている電話帳データを適切に管理でき、安全に利用できる必要がありました」と振り返る。

2つ目の課題は”データ引き継ぎの問題”。電話帳のデータが端末にしか保存されていないため、これまでは情報の引き継ぎは端末そのものを引き継ぐ、もしくは電話帳データの移行作業を実施することが必要となっていた。同社では例年人事異動の度に発生する引き継ぎ業務に労力がかかっていた為、社外連絡先情報の引き継ぎだけでも簡単にできるようにしたいと考えていた。

全社で多様な働き方を実現していく為、より多くの社員にスマートフォンを配布し、場所を選ばず隙間時間で社内外の関係者とコミュニケーションできるようにしたい。しかし、そのためには、この”スマートフォンの安全な利用”と”データ引き継ぎの問題”という、2つの課題をどちらも解決しなければならない。そこで解決策として、連絡先をクラウド管理できる電話帳の導入を検討することになった。

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導入の決め手は、Microsoft 365との連携性

導入の決め手になった重要なポイントについて、IT企画部 ビジネスプロセスデザイングループ 課長代理 内田慎介氏は次のように語る。「当社は、社内のコミュニケーション基盤としてMicrosoft 365(Microsoft Teams, Outlookなど)を使用しています。他社のクラウド電話帳サービスも検討しましたが、PHONE APPLI PEOPLEは機能面だけでなく、セキュリティ面も含めてMicrosoftサービスとの親和性が高いことが決め手でした」

特に、Azure AD(※)との連携が大きな魅力だという。内田氏は「Azure ADのユーザー情報をPHONE APPLI PEOPLEと共有し、認証をおこなえることに非常に助かっています」と話す。また、管理者が人事データのメンテナンスをする際は、Azure ADのデータを管理するだけで良いため、二重運用の負担を減らすことができる。

※Azure AD:Azure Active Directory はMicrosoft社が提供するクラウドベースのID およびアクセス管理サービス。Microsoft 365など様々なサービスへのユーザー認証を管理する。

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PHONE APPLI PEOPLEとAzure ADの連携イメージ図
人事データのメンテナンスなど、管理者の運用負担を軽減


IT企画部 基盤グループ 課長代理 新田光氏は、Microsoft Intune(※)との連携について次のように語る。「今はMicrosoft IntuneとPHONE APLLI PEOPLEが連携できるようになり、さらに便利になりました。ユーザーの利便性を高めるため、積極的にレベルアップしていくPHONE APPLI の姿勢は、非常にありがたいですね」

※Microsoft Intune:モバイルデバイス管理 (MDM) とモバイルアプリケーション管理(MAM)を中心にしたクラウドベースのサービス。携帯電話やタブレットなどの組織デバイスの使用方法を制御し、会社情報を保護することができる

また、Microsoft Teamsとの連携もポイントになったという新田氏は「ただスマートフォンやクラウド電話帳を導入することが目的なのではなく、Microsoft 365の活用の先にある働き方改革を目指しています。コミュニケーション円滑化を目指し、Microsoft Teamsの活用も推進しているので、将来的な展開を見据えMicrosoft Teamsとの連携も重視しました」と話す。

クラウド管理により、業務効率化を実現

PHONE APPLI PEOPLEを導入することで、同社は早速3つの効果を実感したという。

 1.社外連絡先のクラウド管理による業務効率化
 2.スマートフォンを安全に利用できるようになった
 3.データ引き継ぎの負担が軽減した

1つ目の効果は、“社外連絡先のクラウド管理による業務効率化”。

PHONE APPLI PEOPLEで社外連絡先情報をクラウド管理したことにより、同社では、これまで各社員が端末内に保存していた社外連絡先情報を社内で共有可能になった。これまで別々で管理していた情報が社内で共有出来るようになったことで、社外連絡先を探す工数が削減されている。働き方改革を推進している同社では、PHONE APPLI PEOPLEが“場所にとらわれない働き方”の実現の一助になっているという。木村氏は「感染拡大時は、全社で出社率3〜5割を目指していました。多少感染状況が落ち着いても出社率はガイドラインが定められており、 社外連絡先情報のクラウド管理によって組織のメンバーがそれぞれの場所・デバイスから同じお客様情報にアクセスできることは、リモートワークにおいてもとても便利です。」と語る。

また、Microsoft 365 とPHONE APPLI PEOPLEの認証を連携させたシングルサインオンにより、ツールごとにログイン作業をおこなうことなく素早くコミュニケーションが取れるため、業務の効率化に繋がっている。さらに、ツールごとにパスワードを管理する手間がなくなり、各社員や管理者によるパスワードの管理負担が削減されている。

2つ目の効果は”スマートフォンを安全に利用できるようになった”こと。木村氏は「PHONE APPLI PEOPLEが持つ情報はセキュアな領域にあり、万が一の紛失でも適切に対処できます」と語った。新田氏も次のように話す。「PHONE APPLI PEOPLEは、データをクラウド上で管理でき発信元を表示することが可能な為、社員が利便性を感じ連絡先を積極的にクラウド管理するようになり、スマートフォンの安全な利用を後押ししました。」

3つ目の効果は”データ引き継ぎの負担が軽減した”こと。木村氏は次のように話す。「お客様情報の引き継ぎがクラウド上でできるようになり、使用するスマートフォン端末が変わっても、データをそのまま引き継ぐことができます。特に人事異動時の引き継ぎにかかっていた時間と労力が以前より軽減しました」

コミュニケーションポータルとして働き方改革を加速していく

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Microsoft Teams連携イメージ画面(スマートフォン)
PHONE APPLI PEOPLEで相手を検索後、Microsoft Teamsでチャットや通話が可能


現状は、社外連絡先情報を管理するツールとして、スマートフォンユーザーの社員のみPHONE APPLI PEOPLEを展開中の同社。今後は、さらに活用の幅を広げていきたいと展望を抱く。
「マルチデバイスで、かつ安全に使えるツールだと思っているので、今後は他の機能も活用して当社におけるコミュニケーションポータルとして育てていきたいと思っています。一部の社員からは、社内電話帳として使いたいという声もありました。また、Microsoft Teamsとの連携も進めていきたいと思っています」と内田氏。

PHONE APPLI PEOPLEとMicrosoft Teamsを連携すると、Microsoft Teamsの画面上でPHONE APPLI PEOPLEを起動でき、連絡を取りたい相手とチャットや通話ができる。また、PHONE APPLI PEOPLEアプリの画面からも、連絡を取りたい相手を検索してMicrosoft Teamsでコンタクトを開始することが可能だ。

東京海上日動システムズ株式会社 営業戦略推進本部・情報インフラサービス部 課長代理 末吉洋明氏は、東京海上グループのシステム企画・設計等を担う立場から「システム管理運用面では、何か問題が起こった際にも迅速に対応できるような管理機能や体制を築いて、連携・協業していきたいと思います」とした上で、「これからどんどんPHONE APPLIの活用が進み、グループの働き方改革推進になくてはならないシステムになっていく、と考えています」と期待を寄せた。
東京海上日動火災保険株式会社 / 東京海上日動システムズ株式会社
会社名・自治体名
東京海上日動火災保険株式会社 / 東京海上日動システムズ株式会社
業種
損害保険 / IT
従業員数
17,176人 (2021年3月31日現在)/ 1,410人(2021年4月1日現在)
導入サービス
  • PHONE APPLI PEOPLE