※以下は2021年9月時点の情報です。
高品位ホーローを軸にキッチン・バス・内装材を販売している、住宅設備機器メーカーのタカラスタンダード株式会社。同社の管理本部で総務部次長を務める小林大展氏は、コロナ禍で急速に進んだテレワークの導入と、コミュニケーション改革の取り組みについて、
「固定電話に依存したコミュニケーションのやり方を改善したいという声は以前から上がっていたが、なかなか進まなかった。それがコロナをきっかけに一気に進んだ」と話す。管理本部 総務部の花岡礼氏が、「以前は在宅で仕事ができるなんて考えられなかった」と振り返る同社は、いまでは約5割以上の従業員が日常的に在宅勤務で仕事をこなしている状況だ。
「いまは普通に在宅勤務ができている。もう前の時代には戻れない」と花岡氏が話す通り、テレワークが根付き始めたところで、さらにオフィス内のフリーアドレス化も進めている。
そのベースとなったのが、新型コロナ感染が拡大する最中に相次いで導入したICTツール群である。2020年末からiPhoneを段階的に導入し、2021年4月までに全従業員の半数ほどとなる約3000名に貸与。合わせて、社内外とコミュニケーションするためのツールとしてPHONE APPLI PEOPLE(旧:連絡とれるくん)を導入した。拠点・部署代表や社員の電話番号をPHONE APPLI PEOPLEで一括管理し、在宅勤務中でも電話したい相手の番号を即座に検索してコミュニケーションできる環境を整えた。
また、タカラスタンダードではMicrosoft 365も活用しており、要件に応じてチャットとメールを使い分けるコミュニケーションスタイルもすっかり根付いている。「以前はメールと電話が多かったが、今はMicrosoft Teamsがメイン。簡単な連絡・確認がやりやすくなった」(花岡氏)という。同社では、Microsoft TeamsとPHONE APPLI PEOPLEを連携させた新たなコミュニケーションスタイルも進めている。
「PHONE APPLI PEOPLEがないと、仕事が回らない」
外出や移動が少ない生産部門やショールーム等を除き、営業社員と事務職、管理者を中心に展開したiPhoneとPHONE APPLI PEOPLEが一気に浸透した理由は、その使いやすさと導入効果の大きさにあると、管理本部 総務部の冨田真豊氏は語る。「課題だった電話の取次ぎ業務が減り、内線番号や名刺管理の煩雑さもなくなった」
新型コロナ対策で急遽テレワークを導入した当初、タカラスタンダードは電話に関連するいくつかの課題を抱えていた。
1つが電話取次ぎ業務の負荷だ。事業所間、および取引先からの外線電話は部署代表にかかってくるため、コロナ禍で出社率を抑えている間も、外線電話の取次ぎのために出社せざるを得ない社員が少なくなかったのだ。出社した社員は電話の取次ぎに追われ、自分の業務に取り組めないという状況が多々あった。
さらに、在宅勤務中の社員が顧客や取引先へ電話する際には、個人の携帯電話を使うとその番号が着信履歴として残ることも課題だった。2020年4月の緊急事態宣言の発令当初は、まさに「仕事をするためのツールが揃っていなかった」(小林氏)。その状況から脱するには、「Web電話帳がないと始まらない」と管理本部でPHONE APPLI PEOPLEの導入を検討。
iPhoneとPHONE APPLI PEOPLEの導入・展開により、これらの課題はまさに一掃された。事業所間や取引先からの外線は直接、担当者のiPhoneで受けるように運用ルールを決めることで、オフィスの固定電話にかかってくる電話の本数そのものが、以前の1~2割にまで激減。出社している社員が電話の取次ぎ業務に悩まされることもなくなった。
在宅勤務中の社員も、連絡を取りたい社員をPHONE APPLI PEOPLEで手軽に検索して即座に電話をかけられるようになり、コミュニケーションの効率性が改善した。PHONE APPLI PEOPLEでは、“氏名”だけでなく“所属部署”や“役職名”、“事業所名”を使った、複数ワードでの検索が可能なため、“佐藤さん”のような同姓が多い場合でも社員を即座に探しやすい点も好評だ。また、同社ではPHONE APPLI PEOPLEとMicrosoft Teamsを連携させた機能も活用している。この連携機能により、連絡したい相手をPHONE APPLI PEOPLEで検索し、そのままMicrosoft Teamsでチャットするという、新たなコミュニケーションスタイルが実現し、業務効率化につながっている。
「出社率を約5割に抑えなければならないなか、月の半分は在宅勤務になっている。それでも普通に仕事が回っている。かなり状況は変わった」(冨田氏)。
管理本部には、「iPhoneとPHONE APPLI PEOPLEがないと、もはや仕事が回らないよね」という社員の声が寄せられているという。ストレスなく電話、チャット、メールといった複数のコミュニケーションツールを使い分けられる環境が整ったことで、タカラスタンダード社内では「これを前提に在宅勤務を広げる、働き方改革をさらに進めていこうという流れになっている」そうだ。
今後はPHONE APPLI PEOPLEを基盤に、オフィスのフリーアドレス化も推進
こうした電話にまつわる課題の解消のほか、PHONE APPLI PEOPLEを採用したのには、もう1つ理由があった。それは”名刺管理機能”だ。
従来は個々の社員が紙媒体の名刺そのものを管理していたため、在宅勤務を始めた頃には、顧客や取引先の社外連絡先を即座に調べられない問題や、同僚や上司らと社外連絡先を共有することができないといった問題が発生した。そこで、Web電話帳の選定と並行して、名刺管理ツールの導入も検討していたところ、「PHONE APPLI PEOPLEなら名刺情報の管理もある。これならどちらもできる。欲しい、となった」(小林氏)。
PHONE APPLI PEOPLEの名刺管理機能は、社員個人ごとの名刺情報登録・管理のほか、組織・グループ内での共有管理も可能だ。在宅時や外出・出張時にも名刺情報に簡単にアクセスできるようになり、これも業務効率化に大きく貢献しているという。
このほか、異動にともなう人事情報の変更に合わせて、PHONE APPLI PEOPLE内の連絡先情報を更新する仕組みも準備することで、連絡先データを管理する負荷も軽減された。以前は部署ごとに「連絡先表」を作成・管理していたが、その負荷もなくなり、管理面でもPHONE APPLI PEOPLEは高く評価されている。
出社率5割以下という大規模テレワークが可能な環境が整った今、タカラスタンダードは働き方改革をさらに一歩進めようとしている。今後は、オフィス内の働き方もターゲットだ。「部署ごとにフリーアドレス化を進めている。そうすると、出社している社員もどこで仕事しているかわからない。さらに在宅メンバーもいる。そうした状況では、社員間が直接連絡を取り合うことができるiPhoneとPHONE APPLI PEOPLEがないと働けない。多様な働き方に対応していくことは会社の方針であり、その意味で、PHONE APPLI PEOPLEは必須だ」と小林氏。PHONE APPLI PEOPLEを基盤に、働き方改革を今後一層推進していく意気込みを語った。