1922年(大正11年)設立の青藍会グループは、循環器を中心とした全人的医療のもとに、介護・子ども・障がい・食・農業・生活支援・教育など様々な分野において、「地域とともに、あなたと生きる。」をキャッチコピーに地域の人々の健やかで幸せな生活を支えるヘルスケアグループである。
山口県山口市と東京都世田谷区に事業所を展開する同グループは、厚生労働省が推進している子育てサポート企業に付与される「くるみんマーク」を2013年(医療法人)と2014年(社会福祉法人)に2年連続で取得したほか、「やまぐち子育て応援企業宣言」、「やまぐちイクメン応援企業」、多様な人材が活躍できる職場環境づくりに成果を上げている優良企業に与えられる「誰もが活躍できるやまぐちの企業」としても認定されるなど、ライフスタイルに応じた多様な働き方が可能な職場づくりも推進している。
コロナ禍でデジタル化が加速、
職種の壁を取り払う連携を目指し、職員にiPhoneとメールを展開
青藍会グループでは、医師はもとより、様々な専門家が一体となって多職種協働で患者や利用者をサポートする体制を作っている。情報システム戦略部 部長の大野 崇雄氏は「それぞれがバラバラなアプローチをしていては、十分なサービスがご提供できません。医療、介護、子育て支援、障がい者支援の現場を預からせていただくからこその責任を、グループのメンバー全員で果たしていきたいと考えます。そのためには職種の壁を取り払い、それぞれの専門的な知見から最善の提案を連携して行う仕組みが求められます。」と語る。
同グループでは、これまでも介護記録を行うためのiPadの導入など、デジタル化に取り組んでいた。大野氏はそれがコロナ禍でさらに加速した、と次のように話す。「エッセンシャルワーカーという当グループの職種柄コミュニケーションはあくまでも対面が主で、職員間の情報共有ツールとしてはPCのみで利用可能なグループウェアを活用していました。コロナ禍もあり場所に縛られず、社外ともタイムリーに情報共有できる仕組みが必要と考えて2020年末、常勤職員に約600台のiPhoneを貸与。それと前後して、職員に個別の電子メールアドレスも配布しました。」
メール付属の電話帳機能の使い勝手に不安
600台ものiPhoneを全社で活用するには、共通の電話帳も必要だ。当初、共通電話帳は電子メールの新たなプラットフォームであるMicrosoft Exchange Onlineの機能を活用する予定だった。しかし、そのユーザビリティに不安があったと情報システム戦略部 デジタル課の糸賀 優樹氏は話す。
「かなり短期間でプロジェクトを進めていたこともあり、当初はさらに専用のアプリケーションを導入するつもりはありませんでした。しかし、日々の業務利用で電話帳の使い勝手が悪いとせっかくのiPhone貸与の意味合いが薄れると考え、PHONE APPLI PEOPLE(旧:連絡とれるくん)の導入を検討しました。」
豊富な機能とAD連携、パートナー自社活用の安心感が決め手に
糸賀氏は共通の電話帳ツールにPHONE APPLI PEOPLEを選定した理由について、次のように話す。
「PHONE APPLI PEOPLEには我々が求めた機能がすべて備わっていました。加えて、当初は想定していなかった名刺の読み取り機能なども魅力的でした。さらに、Azure Active Directory連携でき、構築しやすいことも決め手となりました。また、今回のプロジェクトを実施いただいた構築パートナーが自社で活用されていたことも大きな要因です。数多くのIT製品を取り扱う会社が実際に使っているツールなら、という安心感がありました。PHONE APPLI が山口県の萩に開発拠点があることも、ご縁を感じました。」
便利さが口コミで広がり、社内展開のスピードに驚き
こうして選定されたPHONE APPLI PEOPLE。その社内展開の様子についてハートセンター 広報課 課長の和田 友子氏は、次のように話す。
「実はPHONE APPLI PEOPLEは情報システム部門からの告知の前に、自然に利用が広がっていきました。iPhoneの利用マニュアルに記載はありましたが、説明会などはありませんでした。電話帳が空の状態でiPhoneが貸与され、600人もの連絡先を自分で登録するのは大変だと思っていたとき、他の職員から『このアプリが便利だよ』と口コミで広がっていきました。電話帳はなくてはならないものですし、直感的に使い方がわかりますので利用もスムーズでした。」
検索性が高く、職員間の連携がしやすい
こうして社内に広がったPHONE APPLI PEOPLEは今では、職員にインフラに近いイメージで定着し、あたりまえに活用されているとのこと。導入効果について、以下のように評価する。
「PHONE APPLI PEOPLEは氏名だけでなく、施設名や部署名で検索できることで、業務効率化につながっています。当グループでは、社外からの着信はすべてコールセンターで受ける形を取っており、そのため職員同士が通話する場合は社外に公開している番号ではなく、専用番号にかける必要があります。PHONE APPLI PEOPLEにはその専用番号が登録してありますので、これまでよりも職員間の連絡がとりやすくなりました。」
Azure ADとの連携で人手作業が不要、管理工数を軽減
「iPhone導入にあたりExchange OnlineやApple IDなど管理対象のシステムが増えましたので、人手による作業は可能な限り削減したいと考えていました。PHONE APPLI PEOPLE はAzure ADと連携性も高く、ユーザ登録などを手作業で行う必要がありません。管理者の工数軽減にも貢献しています。Azure ADとの連携により、人事異動や組織変更の際もPHONE APPLI PEOPLEには常に最新情報が表示されます。個別にメンテナンスしなくてよいのはとても助かります。」
LINE WORKSも導入、業務のデジタル化の加速により、
さらなるサービス品質の向上を目指す
最後に今後の展開とPHONE APPLI への期待について語っていただいた。「PHONE APPLI PEOPLEはあらゆる職員が『あたりまえに使える』という点が、特長だと思います。これまでも実施してきたデジタル化を加速させることで業務の効率化を図り、地域の皆様に最善のサービスを提供していきたいと考えています。」(大野氏)
「当グループでは今回、訪問系の職員と事業所の管理者にLINE WORKSも展開しましたので、今後はそれらとの連携も検討していきます。PHONE APPLIにはこれからも、使いやすく業務課題解決につながるサービス提供を期待しています。」(糸賀氏)