導入事例
JX金属株式会社
2020年6月に本社を移転したJX金属。その新オフィスは、2019年6月に策定した同社の長期ビジョンに基づいて企画されたもので、働き方も含めて“新しいことにチャレンジし続ける柔軟な組織”に向けて、オフィス環境を設計したと総務部 村木 茂亮氏は話す。
長期ビジョンを踏まえた新オフィス構築にあたり、「3つのコンセプトを掲げた」(村木氏)。1つめは「生産性を高めること」。社員が活動内容に応じて自主的に働く場所や時間を選択するABW(Activity-Based Working)を導入。また、組織の効率性などを考慮し、100名程度をひとまとめにした“グループアドレス”も採用した。
2つめは、「技術に触れること」だ。新オフィスには全ての事業部門が集積するとともに、多様な来訪者も迎え入れる。だからこそ、自社が保有する先端技術や事業に触れることができるショールーム”SQUARE LAB”を設け、「来訪者への事業紹介の場としてだけではなく、社員の学びの場として活用する」。
3つめは、「人と人をつなぐこと」。新オフィスはスペースや機能の共有化を一層促進するとの考えに基づき、役員用の会議室もガラス張りにして一般社員も来客時に利用できるようにした。イベントや打ち合わせにも使えるラウンジ、コンシェルジュカウンターも設けた。
人の交流を活発化させる仕掛けはファシリティにとどまらない。15時以降、ラウンジにおいてお酒やノンアルコールの飲料が無料で飲める「ちょい飲み」制度も創出。社員間の懇親会から生まれる多様な交流機会を創出する。
この「人と人をつなぐ」においてもう1つキーポイントになっているのが、PHONE APPLI PEOPLE(旧:連絡とれるくん)とPHONE APPLI PLACE(旧:居場所わかるくん)の導入だ。本社移転を機にスマートフォンを全社員に配付すると同時にこれらの利用も開始した。
導入のきっかけは、ABWを施行するに当たって「誰がどこにいるのかを簡単に把握できるようにするために、良いツールはないかと探し始めたこと」と情報システム部の根上 智幸氏は話す。様々なツールを比較検討した結果、スマートフォンの位置情報を基に社員の現在位置を把握するPHONE APPLI PLACE(旧:居場所わかるくん)の機能に着目。さらに、「居場所だけに限らず、PHONE APPLIのサービスならWeb電話帳としても使える。それが導入の決め手だった」という。
従来は人事異動のたびに、社員自身でよく連絡する相手の電話番号をスマホのアドレス帳に登録し直していため「誰かに番号を聞かないといけなかったり、イントラにある番号表を見て電話をかけたりと不便だったが、PHONE APPLI PEOPLE(旧:連絡とれるくん)ならすべての番号が辿れるから便利になった」と根上氏は効果を語る。
また、社員からは検索のしやすさに加えて、電話着信時の「発信者の氏名表示」も好評だ。着信時に「これは誰からだろう?」と悩むケースがほとんどなくなり「かなり助かっている」。コロナ禍で浸透したテレワークにおいても、表示された名前を確認すれば「折り返す際に、即座に連絡ができる」と、円滑な業務進行にも一役買っているようだ。
なお、JX金属はPHONE APPLI PEOPLE(旧:連絡とれるくん)の導入に合わせて代表電話の運用方法も大きく変えた。会社の代表番号はコンシェルジュが応対し、PHONE APPLI PEOPLE(旧:連絡とれるくん)で転送先の社員を確認して取り次ぐ形態とした。部内での電話取次ぎの手間がなくなったことも業務効率化に貢献しているという。
こうした効果に加えて、情報システム部の五十嵐 裕貴氏はコロナ禍でテレワークが広がるなか、PHONE APPLI PEOPLE(旧:連絡とれるくん)の思わぬ効果も実感しているという。「新しく入った人とのコミュニケーションに役立っている」のだ。
出社率が抑えられ、ABWによりオフィス内に社員が分散している状況において、新入社員や転入社員にとっては、例えば、「あの部署の○○さんに聞いておいて」と言われても、その人を探し出すのは容易ではない。
PHONE APPLI PEOPLE(旧:連絡とれるくん)はこうした課題も解消する。JX金属ではほぼ全ての社員の顔写真を登録しており、かつ居場所も検索できるので、誰がいま出社しているのかが簡単に確認できるし、実際に会って話を聞くハードルも低くなる。「新しい方は、かなり助かっているはず。こんな仕組みがあるのにびっくりしたと言っていた」(五十嵐氏)と、各所で効果が発揮されているようだ。
なお、できるだけ多くの社員に顔写真を登録してもらえるように、撮影はコンシェルジュに委託し、撮影後にはオフィス内でPC等を持ち運びできる手提げバッグを渡すなど工夫しているという。
また、PHONE APPLI PLACE(旧:居場所わかるくん)では、昼食時のラウンジの混雑状況も確認できるので、三密回避にも役立っているという。
根上氏は、「今後も新しい機能やシステムを積極的に取り入れ、さらなるオフィス変革を進めていきたい」と締めくくった。
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