『萩 明倫館アプリ開発センター』の開所式で教育の大切さに気づいたという話
萩の明倫館(めいりんかん)をご存知でしょうか?
水戸の弘道館(こうどうかん)、岡山の閑谷黌(しずたにこう)と並ぶ三大学府と称される萩の明倫館。
2019年10月29日に、株式会社Phone Appliは、山口県萩市と、株式会社セールスフォース・ドットコムと協定を締結し、旧萩藩校明倫館に開設される『萩 明倫館 アプリ開発センター』を拠点にし、世界で活躍できるIT人財の育成を目的とした『包括的連携・協力に関する協定』を締結しました。
また、同日に『萩 明倫館 アプリ開発センター』の開所式も開催しました。
開所式の模様については、プレスリリースを見て頂くとして、この式典直後の週末に、日頃お世話になっているパートナーの皆様をお招きした『萩 明倫館 アプリ開発センター』見学会を行いました。
この見学会では、改めて萩市の藤道市長からもご挨拶を頂き、『萩 明倫館 アプリ開発センター』に込めた思いも語っていただきました。
その後、松蔭神社で、上田名誉宮司から頂いた講話が素晴らしく、まさにリテンションビジネスに取組む上で不可欠な組織運営の示唆が含まれていましたので、このブログで紹介したいと思います。
1時間弱に凝縮された講話でしたが、通常は上がることのできない松下村塾に特別に上がることができ、150年前に吉田松陰が、多くの門下生に説いていたというお話の片鱗にふれることができました。
中でも記憶に残ったのは、講話の中でも繰り返し語られる『至誠一貫(しせいいっかん)』という言葉です。明倫館の教室にも『至誠にして動かざるは未だ之れあらざるなり』と、掲示されています。
真心をもって尽くせば、動かなかった人など今まで誰もいない、すなわち、人の心を動かさない事が有るとすれば,それは自らが誠の心を尽くしていないからであるという意味です。我々Phone Appliが目指す『イノベーションを起こす組織のつながり』が、まだまだ、知られていない、利用されていない、という状況は、まだまだ取組が足りないということと感じました。
知ってもらう、利用してもらう、そしてファンになってもらうという取り組みは、広告やメルマガなどの狭義のマーケティング活動が担うべきと捉えられがちですが、それだけでなく市場を作っていくという意味では、事業全体で、マーケティング部門だけではなく、セールスやカスタマーサクセス、そしてプロダクト開発等の全部門が同じ方向を向いて、ユーザのみなさまに伝わる形で取り組んでいく必要性を説いていると感じました。
そして、これらの取組みを進めていくにあたって、重要なことが個人の才能・得意なことを活かした活動です。吉田松陰の言葉を引用すると『人賢愚(けんぐ)ありと雖(いえど)も、各々(おのおの)一、二の才能なきはなし、湊合(そうごう)して大成する時は必ず全備する所あらん』ということになりますでしょうか。誰にでも、得意なことの一つや二つはあるので、その長所を活かせば成功する、といった意味であると理解できます。
われわれは、PhoneAppliシリーズというプロダクト群を様々な企業に紹介して、役立ててもらうことで、事業を伸ばしていくわけですが、その案内方法や、カスタマーサクセスの活動に、決まった型はありません。もちろん、骨子となるメッセージや、活用してくださった過去事例はあるのですが、そのメッセージの伝え方や、プロダクトの活用方法は様々で、それぞれの企業に沿ったアプローチがあります。
A社に有効だったメッセージがB社には刺さらないこともありますし、C社の商談では絶賛された担当者が、D社の商談担当者とは全く反りが合わないこともあります。
顧客のビジネスを成功に導くアプローチにしても、営業という立場でスピード感を持って提案し、導入の意思決定を迫るアプローチよりも、カスタマーサクセスという立場で提案し、時間をかけて伴走しながら課題解決に導くアプローチの方が力を発揮できる人もいます。
そのような場合に、様々な可能性を探り、その人の長所に合った役割を任せることがマネジャーの努めなのだと思います。
また、その際には、『己れを以て人を責むることなく、一を以て百を廃することなく、長を取りて短捨て、心を察して跡を略(と)らば、則ち天下いづくにか往くとして隣なからん』という、これまた吉田松陰の言葉が突き刺さってきます。自分の尺度のみで他人を批判せず、一つの失敗だけで、その人の全てを駄目だといって見捨てない、という懐の深さというか、メンバーそれぞれの得手不得手を見出しながら、力を発揮しやすい環境づくりを心がけ、信じて任せるという広い心で組織運営をしていくことが必要なのだと、思い知らされます。
すべての要素が、維新の中核メンバーにとってだけではなく、今の我々にとっても重要な教えであり、今すぐ日々の活動に反映させたいと思えるものでした。
思っただけでなく、すぐに行動しないと意味がありません。
そこで早速、事業部の下期のV2MOMに反映させてみました(注:V2MOMとは、Salesforce式の目標設定・共有の仕組みです)。
Phone Appliでは、V2MOMを作成や更新に、Vision Goというアプリを使っています。
Vision Goを使うと、V2MOMのバージョン管理や、組織単位での進捗を簡単に管理できるだけでなく、V2MOMに関わる1on1ミーティングの管理も、Salesforce上で一元的に行うことが可能です。
吉田松陰の教えを胸に、我々も『イノベーションを起こす組織のつながり』を様々な形でデザインしていく、という志を忘れずに、日々のビジネスに取り組みたいと、思いを新たにしました。
『萩 明倫館 アプリ開発センター』は、2020年4月に一期生が入社します。
日本初のグローバルプロダクトを、萩から育てていきたいと思います。
これからもPhone Appliを宜しくお願いいたします。