ウェルビーイング経営と健康経営の違いとは?
こんにちは!PHONE APPLIです。
このPA Blogでは、PHONE APPLIが2022年3月に出版した「ウェルビーイング経営!」より、一部抜粋して紹介いたします。
というわけで第2弾です!
既に書籍「ウェルビーイング経営!」をご覧になった方も、そうでない方も、この記事で初めてPA Blogをご覧になった方も、ウェルビーイングをより身近に感じていただけたらと思います。
前回は「なぜ私たちはウェルビーイング経営を意識すべきなのか」を主題に、そもそもPHONE APPLIの考えるウェルビーイングとは何か?からお伝えしていきました。
【前の記事はこちら】ウェルビーイング経営とは?
第2弾では「ハッピーとウェルビーイングの違い」から始まり、「ウェルビーイング経営と健康経営の違い」など、みなさんも気になっているであろうポイントをどんどん深掘りしていきます!
ハッピーとウェルビーイングの違い
※一部ブログ掲載のため表現を変更しています。
早速ですが、ハッピー、ハピネスとウェルビーイングとの違いは何なのでしょう?
ここから先、多くの内容は、PHONE APPLIがお世話になっている慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授兼慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長の前野隆司先生から伺った話や前野先生の著書『幸せのメカニズム 実践・幸福学入門』(講談社現代新書)、前野先生が共著者の1人となっている『幸福学×経営学 次世代日本型組織が世界を変える』(内外出版社)に沿って説明していきます。そのため、前野先生の話を聞いたことがあったり、本を読んだことがあったりする方は、ご存じの内容も多く含まれていることをご了承ください。
健康とウェルビーイングが同義として使われる場合がある場合もありますが、ウェルビーイングには体の健康、心の健康、社会的な意味での健康という面を内包しています。そして健康だけでなく、身体的、精神的、社会的に良好な状態であるとの意味が、ウェルビーイングという言葉には含まれています。
これが、私たちが「ウェルビーイング経営≠健康経営」と捉えている理由です。
その場、その瞬間の幸せであるハッピーと、あらゆる状態が〝より良い〟ことで得られるウェルビーイング、どちらが良いかと聞かれたら答えは自ずと出てきます。私たちが目指すのは、ハッピーではなく、ウェルビーイングなのです。
では、幸せな、ウェルビーイングな状態にある人は、どんな人なのでしょうか?
前野先生は、人の幸福度を測定する方法として、(16の質問をする)アンケートを開発されました。このアンケートはインターネットで「幸せの4因子アンケート」と検索すれば前野先生が開設したページがヒットします。
【参照】幸福度の推奨アンケート(SWLS、幸せの4因子など)について
そして、このアンケートによって幸福度が高いと判定される人は、次の因子をバランス良く持っていることがわかっています。
詳しくは前野先生の著書などでご覧いただければと思いますが、これら4因子のすべてがバランス良く揃っている状態がウェルビーイングであるということです。幸せの4因子アンケートでは、個人や集団(会社)がそれぞれどこに幸せを感じ、どこが満足していないのかがわかります。
健康経営とウェルビーイング経営の違い
「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、実践することです。
企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績や株価などのスコア向上につながると期待されます。健康経営は、日本政府が発表している日本再興戦略、未来投資戦略に位置づけられた「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みの1つです。
健康経営に取り組むことは、従業員の健康保持・増進、生産性や企業イメージの向上につながるものであり、ひいては組織の活性化、企業業績の向上にも寄与するものと考えられています。
経済産業省ヘルスケア産業課「企業の『健康投資』ガイドブック」(2014年)によると、いくつかの先行事例では健康投資による効果が定量的に示されており、健康投資と企業業績との相関を示すデータも存在しています。また、アメリカでは職場における健康と安全性に対する取り組みが高く評価された企業群は、市場においても高く評価されており、従業員の健康と安全に注力することが、市場における競争力の優位性を保つということになっています。
一方、「ウェルビーイング経営」とは健康経営が発展した概念で、従業員のメンタルヘルスやモチベーション、組織への愛着なども含め、職場の活性化へとつながる「良好な状態」を目指す経営のあり方です。
日本企業では健康管理という考え方が浸透しており、会社が社員の身体的健康に配慮して健康診断や予防接種を実施することが一般的でした。それに対して、ウェルビーイング経営は体の健康だけでなく、心の健康や社会的健康まで幅広く良好な状態を目指すのが特徴であり、アメリカをはじめ欧米の成長企業がウェルビーイングな職場づくりにすでに取り組んでいます。
数値化しづらく正解がないウェルビーイングですが、物質的な豊かさだけが指標となった成長への限界をいよいよ社会全体が感じ始めている、といった側面があると感じています。ウェルビーイング経営をきっかけに心身共に健康で働くこと、幸せに働く人が増える経営について考え続けることが大切だと考えています。
なぜ今ウェルビーイングなのか
では、なぜ今ウェルビーイング経営が注目されているのでしょうか。
それは、人材の流動性、働き方改革、価値観の多様性といった、企業が現在直面している課題をまとめて解決できるからです。ウェルビーイング経営によって、「やりがい」や「絆」を感じられる働く環境をつくることで、人材の獲得と定着力、そして企業の継続的成長につなげることができます。また、どのような「働き方」をすればウェルビーイングな状態になれるのか、やりがいを感じて仕事ができるか、という観点で働き方改革を推進していくことができます。
VUCAの時代、自分や人の幸福に対して受身であっては事業がうまくいかない今、100人いれば100通りの幸せがあるということは皆さんも感じておられると思いますが、個人の価値観と多様性を尊重することは、「ありのままに自分らしく」というウェルビーイングの考え方と一致します。
先ほど、企業経営におけるウェルビーイングとは、その企業の社員がフィジカルもメンタルも健康で、社会の中での生きがいを感じている状態だと説明しましたが、
このように、社員がウェルビーイングな状態になることを会社の目標とすれば、私たちがずっと求めてきた、会社としての持続性、成長性をかなえられ、同時に社員のやりがいを満たすことができるようになると思います。
【まとめ】ウェルビーイング経営と健康経営の違いとは
本記事では、「ウェルビーイング経営!」から1章の中盤部分、ウェルビーイングという言葉をもう少し深掘りして経営に落とし込む重要性をお伝えしました。
健康経営とは
従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、実践する経営
ウェルビーイング経営とは
健康経営が発展した概念で、従業員のメンタルヘルスやモチベーション、組織への愛着なども含め、職場の活性化へとつながる「良好な状態」を目指す経営
ここまでご覧になっていただけたみなさんはもう、ウェルビーイング経営とは何か、なぜウェルビーイング経営を進めるべきなのか語ることができるようになっているのではないでしょうか?
次の記事では「関ケ原!?PHONE APPLIの全然ウェルビーイングじゃない過去の話!」など実際にPHONE APPLIがウェルビーイング経営に取り組んでいく前の姿から赤裸々にお伝えします!
今の組織がウェルビーイングな状態かどうかを測定しませんか?
組織の幸福度や風土を可視化する組織の健康診断組織の健康診断「Well-being Company Survey」
ウェルビーイングな状態は測れるものでなければ、改善していくことができません。Well-being Company Surveyとは、幸福経営学研究の第一人者ホワイト企業大賞委員長である天外伺朗氏と慶応義塾大学 前野隆司教授協力のもと、PHONE APPLIが開発したパルスサーベイ※です。基本設問は3つの因子から12問(約2分で回答)。手軽に受けられて無理なく継続できる組織の健康診断です。
登録料・利用料無料でご利用いただけます!
【サービスサイト】組織の健康診断「Well-being Company Survey」について※
https://phoneappli.net/product/consulting/health-consulting/