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職場のコミュニケーションを向上させる方法|企業が抱えやすい課題も解説

  • 職場でのコミュニケーションが少ない気がする
  • 部下とのコミュニケーションの機会を増やしたい
  • 職場間のコミュニケーションを増やす方法を知りたい

上司からの一方的なコミュニケーションになっている、部署間での協力ができていない、若手が意見を出しにくい、情報伝達に支障をきたしている......など、社内のコミュニケーションに問題意識を持つ企業は多いのではないでしょうか。

職場のコミュニケーションの向上は、生産性や問題解決力の向上などのメリットがあります。適切なコミュニケーションは従業員のモチベーションアップにもつながり、最終的には従業員エンゲージメントを高める効果も期待できるのです。

そこで本記事では職場のコミュニケーションを向上させる方法について、次のポイントを中心にお伝えします。


本記事が職場のコミュニケーション向上の手助けとなれば幸いです。

職場のコミュニケーションを向上させる方法7つ

職場のコミュニケーションを向上させる方法について7つご紹介します。組織によって合う、合わないがありますので、こちらを参考に職場に合う方法を検討してください。

1. 社内イベントを開催する

社内イベントは従業員同士の一体感を高め、コミュニケーションを活発にする効果があります。

お花見やバーベキュー、餅つき大会、ゲーム大会などを開催している企業もあります。

企業規模によりますが、社員内で共通する趣味と合わせた企画ができると、より効果が高いでしょう。たとえばランニング好きな社員が多い会社であれば、大きな公園を走る企画や、一般参加できる駅伝大会に何組かチームを作ってエントリーするなどもいいかもしれません。

社内イベントは、仕事以外の内容から従業員同士のコミュニケーションを増やし、職場のモチベーションをアップできる方法です。ただし仕事とプライベートが混同してしまいがちなので、やり方や頻度などバランスが重要です。

2. シャッフル形式のランチを実施する

シャッフル形式のランチは、部署や職種が違う従業員同士でランチをする制度です。普段は接点のない人や話したことがない人と関わるきっかけが作られます。

シャッフル形式のランチは、昼休憩の時間に行なうため、飲み会のように終業後のプライベートな時間を削りません。また、お酒が苦手な人でも抵抗なく参加しやすいこともメリットです。

いままで関わりがなかった人と交流することで、他部署への理解が深まる効果があります。部署異動や新しいプロジェクトで顔合わせるときに、「ランチで話したことがある」という経験で、その後の業務の打ち合わせがスムーズに進むことも期待できます。

3. 1on1ミーティングを実施する

1on1ミーティングは上司と部下が1対1で定期的に行なう、対話型の面談のことです。

対話式の面談は、上司は部下の現状を把握でき、部下は上司のアドバイスをもらえるメリットがあります。現状の仕事の話だけでなく、キャリア形成や職場への意見などのやり取りも可能です。

1on1ミーティングは評価のための人事面談と違い、部下の成長や悩みの解決を目的とします。部下のモチベーションの維持にも効果があります。

4. メンター制度を導入する

メンター制度とは、直属の上司とは別の先輩従業員が、若手をサポートする制度です。大抵はペアで実施されます。

直接上司に意見しにくいことや質問しにくいことも、ペアの先輩であれば相談するハードルが下がる可能性もあります。組織内で声が小さくなりがちな、一番若手の意見を吸い上げる機会にもなるでしょう。

メンターとなる先輩側も、聴く力が大切になるので傾聴や対話スキルがアップしたり、仕事への理解度が上がったり責任感を持ったりするメリットがあります。

部下からの積極的なコミュニケーションが向上し、若手の心理的安全性を確保する方法として、導入している企業も多い方法です。

5. フリーアドレスを導入する

フリーアドレスは、従業員の座席を決めずに好きな場所で働く仕組みです。座席を自由にすることで、さまざまな人と関わるきっかけができます。

また、席を自由に変えて仕事することで、新鮮な気持ちで仕事に取り組める効果も期待できます。

オフィスにいない従業員の席を有効活用できたり、急な人事異動などでも席を移動させるなどの手間がなくなり、臨機応変に対応できることもメリットのひとつです。

6. 社内SNSやサンクスメッセージを活用する

コミュニケーションの機会を増やす方法として、社内SNSやサンクスメッセージを活用する方法もあります。

社内SNSは、通常のメールよりも気軽にやり取りできるため、上司や部下、部署の壁を超えたコミュニケーションを期待できるでしょう。社内管理のSNSですので、情報漏洩や従業員のプライベートに影響しにくい点もメリットです。

サンクスメッセージは、日々の業務に関して感謝の気持ちを伝え合う制度です。目に見える形で感謝や助け合いを伝え合うことで、従業員の心の安定や承認欲求が満たされます。

メッセージを贈る基準を経営理念や企業のビジョンに合わせると、従業員に企業文化や行動指針の浸透させ、社内風土作りへの効果も期待できます。

7. コミュニケーション向上に特化した研修を実施する

コミュニケーション向上に特化した研修を実施することも効果的です。まずは組織として、理想的なコミュニケーションの形を示すことで、従業員のコミュニケーション能力向上のスタート地点を作りましょう。

たとえば、コミュニケーションスキルの一つである「傾聴」や伝え方や褒め方をテーマにした研修を実施するのもオススメです。スキルアップの研修の場合は、スキルアップ専門の外部業者に研修を委託するのもよいでしょう。

また研修自体が、普段あまり関わらない他部署の人との関わりの良いきっかけになることも期待できます。

職場のコミュニケーションが活性化するメリット5つ

職場コミュニケーションが活性化することで、どのようなメリットがあるのでしょうか?5つご紹介します。

1. 生産性の向上

職場コミュニケーションが活性化することで、生産性の向上に効果があります。

情報共有が円滑になることで、仕事に必要な情報やリソースの確保がスムーズになります。役割分担や目標設定も明確になり、各自が自分の役割を把握できれば、業務を効率的に進められるでしょう。また、ミスを事前に防ぐ効果もあります。

信頼関係が強化されると協力体制を整えることができ、チーム全体のパフォーマンスも向上します。コミュニケーションの活性化は従業員のパフォーマンス向上に寄与し、ひいては組織全体の生産性の向上につながっていくでしょう。

2. モチベーションの向上

職場でのコミュニケーションがきちんと取れていると従業員のモチベーションを向上させ、維持することが可能になります。

コミュニケーションの増加で心理的安全性が高まると、自由に発言しやすくなります。そして、発言に対する承認やフィードバックがあれば、従業員のモチベーションの向上につながっていくでしょう。

仕事に関する情報のやり取りが多くなることで、いま社内で起こっている状況を把握しやすくなり、帰属意識の向上にも効果が期待できます。

3. 問題解決力の向上

職場内でのコミュニケーションの活性化は、仕事において問題解決力の向上に効果があります。日頃からコミュニケーションが取れていると、情報共有やリソースの調整など、仕事に必要な情報にアクセスしやすくなるでしょう。

そこから新しいアイディアが生まれたり、別のアプローチからフォローできるなど、問題解決の選択肢が増えることもあるかもしれません。

思わぬ局面に当たったときも、迅速に問題解決に繋げられる可能性が高まります。

4. 離職率の低下

職場間のコミュニケーションの活性化は、離職率の低下にも効果的です。

コミュニケーションが活性化して自分の意見を自由に発言できる状態は、従業員にとって働きやすい職場環境となり、従業員満足度も高まります。

上司や同僚との信頼関係の強化によって、役割や目標が明確になります。そこで部下が自身の成長を感じられると、仕事に対する「やりがい」にもつながるでしょう。

もし、部下が辞めたいと感じるような問題が起きたときなども、社内で相談できる相手がいれば、問題解決できる可能性も高くなります。

5. 主体的な従業員の増加

上記でもお伝えした、モチベーションの向上や問題解決力の向上などの要素が合わさっていくと、主体的に行動する従業員が増加します。

コミュニケーションの活性化で信頼関係が強化されると、モチベーションの向上や問題解決力が向上し、同僚だけでなく上司や部下への協力や支援を受けやすくなります。職場内で協力や支援が受けられるという安心感は、組織への帰属意識を高め、自ら「やってみよう!」という自信、そして自律的な行動に繋がります。

職場でのコミュニケーションの活性化は、従業員が自信を持って仕事に取り組む土台作りになるといえるでしょう。

職場のコミュニケーション向上の課題と解決ポイント

職場のコミュニケーション向上の取り組みで課題となりやすい点は以下のような部分です。

  1. コミュニケーション自体に強制感が出る
  2. 話しやすい環境が整っていない
  3. 上司が従業員に一方的に話す
  4. 話すテーマがわからない
  5. リモートワーク社員との交流が少ない
  6. コミュニケーションの時間がとれない
  7. 効果を検証する方法がわからない

職場コミュニケーションを向上させるための取り組みは、強制的に「させられている」感を出さないようにすることが重要です。

また管理職側から見て、話しやすい環境が整っていない、つい一方的に話してしまう、話すテーマに悩むなど、悩みや負担に感じることもあるでしょう。この場合は管理職に対する研修を先に行った方がいいかもしれません。

本当にコミュニケーションを活性化させるためには、行なった施策に効果があったか、PDCAを回しながら改善していく必要があります。効果を検証するために、アンケートやエンゲージメントサーベイをとって次回以降に繋げていくようにしましょう。   

【コラム】ビジネスでの「コミュニケーション能力が高い人」の特徴

コミュニケーション能力の高い人の特徴を知ることで、職場のコミュニケーション向上のヒントになるかもしれません。ビジネスにおいて、コミュニケーション能力が高い人には、以下のような特徴があります。

  • 表情が明るく、向上心が強い
  • 誰とでも気軽に話せる
  • 要点をおさえてわかりやすく話せる
  • 相手を尊重しながら自分の意見も主張できる
  • 傾聴スキルが高い
  • 非言語コミュニケーションを上手に使える
  • 人を頼るのが上手い

従業員のなかには、スキルは高いけれど、コミュニケーション能力はそこまで......という方もいるかもしれません。

生来の性格もありますが、コミュニケーション能力をアップさせるというのは、なかなか難しい課題です。しかしビジネスにおいてのコミュニケーション能力の向上は「スキル」として学ぶことが可能なのです。

ただコミュニケーションの問題は、改善に対する意識の向上と、いくつかのポイントをおさえるだけで改善される可能性もあります。

たとえば「傾聴」は、基本の流れを学んだ後に意識して実践することで身につけられる、ビジネスで必要なコミュニケーションスキルです。



コミュニケーションポータル「PHONE APPLI PEOPLE」とは

PHONE APPLI PEOPLE

PHONE APPLI PEOPLEなら、連絡先を端末内ではなくクラウドで一元管理するため、万が一端末を紛失しても情報漏洩の心配はありません。また、認証機能がついているのでアクセス許可のないスマホをシャットアウトできます。従業員や取引先などの連絡先情報をクラウド上に保存、管理、共有できるWeb電話帳の機能も有しています。

「PHONE APPLI PEOPLE」には、次のような機能が標準搭載されています。

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    従業員の経歴や保有スキル、趣味や特技まで分かるので、社内コミュニケーションが活性化。新入社員でも会社に馴染みやすい。







【事例紹介】カルビー株式会社|座席が毎日変わる「オフィスダーツ」でコミュニケーションの効果をアップ

カルビー株式会社は、スナック菓子とシリアル食品を中心に製造、販売している会社です。とくにポテトチップス市場で70%のシェアを維持しています。

カルビーではフリーアドレス制を採用しており、社内での座席が毎日変わります。ユニークな点は、座席を決める方法が「ダーツシステム」であることです。

従業員は出社すると、入口に設置されたダーツシステムにアクセスします。その日の仕事に合わせてエリアと席の種類を選ぶと、自動的に席が決定する仕組みです。席は次の3種類あります。

コミュニケーション席:間仕切りなしでオープンな四人席。通常はこちらを使用する。

ソロ席:着座したときに目線より低い仕切りのある席。資料を広げて作業でき、個別で仕事したいときに使う。

集中席:さらに集中して仕事したいときに使う、横並びに設置された一人席。窓際に設置されており、電話や私語が禁止されている。

さらにコミュニケーション席とソロ席は最長5時間、集中席は最長2時間と席を使う時間が決められていることも特徴です。時間内であれば1時間単位で席を選び直すことが可能で、自身の集中力を意識した働き方にも効果的です。

オフィスは全体的に開放感がある作りで、キャビネットを低めに設置しています。立ち話でもコミュニケーションが取りやすく、立ったまま気軽に打ち合わせができるような設計にもなっています。荷物はオフィス内の個人ロッカーに収納し、その日の仕事に必要な分だけ取り出す仕組みです。書類の山や散らかった机とは無縁で、整理整頓が習慣になるのもメリットの一つです。

また、会議室もガラス張りにしているのも特徴です。何か問題が起きた場合も隠さず見せる、オフィスの「透明化」を意識しています。これによって、同僚だけでなく上司と部下のコミュニケーションも円滑になる効果が出ています。

【まとめ】職場のコミュニケーションを向上させる方法について

今回は職場のコミュニケーションを向上させる方法についてお伝えしました。

職場コミュニケーションに役立つ方策を7つご紹介しました。

  1. 社内イベントを開催する
  2. シャッフル形式のランチを実施する
  3. 1on1ミーティングを実施する
  4. メンター制度を導入する
  5. フリーアドレスを導入する
  6. 社内SNSやサンクスメッセージを活用する
  7. コミュニケーション向上に特化した研修を実施する

社内イベントやランチなど、業務外からアプローチする方法や、業務のなかでコミュニケーションを増やす方法などがあります。まずは社内の方針を示すために、コミュニケーションに特化した研修を実施するところからスタートしましょう。

職場のコミュニケーション向上は、定期的に取り組むべき課題です。まずは自社がどのような状態で、どのようなコミュニケーションが必要か、考えるところからスタートしましょう。

この記事で、社内のコミュニケーション向上の一助になれば幸いです。

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