ビジネスで役立つ傾聴がもたらす5つの効果と方法をわかりやすく解説

- 傾聴とはどのようなものなのか知りたい
- 傾聴の効果を知りたい
- 傾聴の方法について具体的に知りたい
- 傾聴がビジネスでもたらす5つの効果について
- 傾聴の基本的な方法について
- 傾聴がうまくいく5つのポイントについて
- 上司や部下との日常会話
- 1on1ミーティング
- 採用面接
- クライアントとのコミュニケーション
- 動作や表情など言葉以外のメッセージにも注目する
- 沈黙を恐れて喋りださない
- 理解したふり・わかったふりをしない
- 話しやすい・聞きやすい環境を整える
- 水平質問と垂直質問を使い分ける
- 日々で感じた感謝や称賛をメッセージにして送り合える
- やりとりがオープンに表示されるため社員の活躍を把握しやすい
- メッセージカードに「いいね」を押すことができる
- Well-being Company Survey とは、幸福経営学研究の第一人者ホワイト企業大賞委員長である天外伺朗氏と慶応義塾大学 前野隆司教授協力のもと、 PHONE APPLI が開発したパルスサーベイです。
Well-being Company Surveyの詳細はこちら - 1on1ツールで現在の体調・仕事量・モチベーションを回答し、話したいトピックを選択します。それにより、マネージャーがメンバーの状態を把握しやすくなり、1on1の質が高まりました。また、全社横断での1on1も積極的に実施しています。組織横断コミュニケーションを意識的に増やすことで、精神的・社会的健康の向上を目指しています。
- 相手と信頼関係を築ける
- お互いの気持ちを落ち着かせる
- 悩みや課題に気づける
- 仕事の円滑化につながる
- 自分自身を客観的に理解できる
傾聴とは相手の話を相手の立場に立って、しっかりと耳を傾けることを言います。元々は看護やカウンセリングで使われる手法でしたが、近年はビジネスの世界でも重要視されるようになったコミュニケーション技術の一つです。
傾聴は、相手を尊重する姿勢を取ることで円滑なコミュニケーションが取れるだけでなく、相手との信頼関係構築にも役立ちます。
そこで本記事では、傾聴の効果と方法について、次のポイントを中心にお伝えします。
- 【この記事でわかること】
本記事で傾聴をビジネスで活用できる一助となれば幸いです。
傾聴がビジネスでもたらす5つの効果
傾聴することで個人だけでなく、ビジネスにも良い効果をもたらします。傾聴がビジネスにもたらす効果について5つにまとめました。
1. 相手と信頼関係を築ける
相手との信頼関係の構築に役立ちます。
傾聴を意識していない場合、相手の話をスルーしてしまったり、価値観を否定するもしくは強制したりする発言になることもあるかもしれません。そのような態度では相手との信頼関係を築くのは難しいです。
傾聴によって、「話を聞いてもらえた」「自分が理解されている」「自分の意見を話しても大丈夫」などのような安心感を与えられると、相手も心を開きやすくなります。同時に組織内で心理的安全性を高める効果もあるでしょう。
2. お互いの気持ちを落ち着かせる
傾聴にはお互いの気持ちを落ち着かせる効果もあります。相手が感情的になっているときなども、傾聴の姿勢で話を聞いていくうちに、気持ちを落ち着かせられるでしょう。
また傾聴の姿勢で話を聞こうとすることで、話し手側も冷静になる効果もあります。
とくにビジネスシーンにおいて、冷静でない状態で話すと生産性が下がるなどのデメリットもあります。傾聴のスキルを身につけてお互いの気持ちを落ち着かせることで、業務や互いの信頼関係によい影響を与えるのです。
3. 悩みや課題に気づける
聞き手が傾聴を行なうと、相手が自分の内にある悩みや課題に気づきやすくなります。
傾聴を行なっていく過程のなかで、聴き手が特別な助言などをしなくても、自分の考えや気持ちが整理されていくからです。
相手に伝えようと言語化していくとき、まだうまく言葉にできなかった気持ちや自身の課題などに気づくことがあるでしょう。
気づきを繰り返すことで、不透明な悩みや課題が明確になり、解決に進みやすくなります。
4. 仕事の円滑化につながる
仕事をスムーズに進める効果もあります。
相手と信頼関係があるかないかで、仕事のスピードや対応の柔軟さが変化することは、どなたにも経験があることではないでしょうか。
普段から傾聴を通して相手との信頼関係が構築されていれば、仕事の円滑化に繋がります。さらに相手の発言を誤解したり、理解不足で失敗する可能性も抑えられます。
また傾聴のスキルは、相手の立場に立って物事を考え、状況を読む思考パターンも身につきます。お互いに相手の立場を配慮できれば、よりいっそう円滑に仕事を進められるようになるでしょう。
5. 自分自身を客観的に理解できる
傾聴を学ぶと、相手の視点と自分の視点が違うことに気づけるようになります。すると、自分自身の客観的な理解も深められるというメリットがあります。
相手と比較することで自分が持っている価値観を再認識したり、全体と比べて自分の立ち位置がどのあたりなのかを確認しやすくなります。自分自身の新たな強みを発見することもあるかもしれません。
自分を客観視できると、感情や行動をコントロールする力の向上に繋がり、良好な人間関係の構築に役立てることができるでしょう。
傾聴が役立つビジネスシーン
実際のビジネスシーンで傾聴が役立つのは、次のような場面です。
このように、傾聴はビジネスシーンのさまざまな場面で関わってきます。傾聴を学び、意識することは、ビジネスにおいても非常に有利に働くといえるでしょう。
顧客対応はもちろん、採用面接やチームマネジメント、普段の日常会話から部下との信頼関係を構築することにも役立ちます。
関連して、1on1ミーティングとは上司と部下が行なう1対1のミーティングです。上司からの一方的な面談と違い、お互いに自分について話すことで信頼関係を構築することを目的としたものです。
傾聴の3要素(ロジャースの三原則)とは
アメリカの心理学者カール・ロジャースは、傾聴の3つの構成要素について次のように提唱しました。これをロジャースの三原則といいます。
1. 自己一致
自己一致とは聴き手が相手に対して、誠実な態度でいることです。
相手を否定せず、また自分も本音を偽らないことでお互いに信頼関係を構築していきます。もし相手の話が理解しにくかった場合、わからないことを正直に伝え、真意を確認することも大切です。
2. 共感的理解
相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら話を聞くことです。聴き手の経験や価値観で口出しすることはNGです。相手の気持ちに寄り添って聞く姿勢をつくりましょう。
3. 無条件の肯定的関心
好き嫌い、善悪など、主観的な評価をせず、無条件で受け入れる姿勢を持つことです。相手の話を肯定的にとらえ、そのような考えになった理由など、背景に関心を持って聴くことが大切です。
否定せず聴くことで、相手が安心して話せる環境が整えられます。
傾聴で使える聴き方・話し方
では実際、傾聴ではどのような聴き方や話し方が有効なのでしょうか。ここでは4つご紹介します。
1. 相槌を打つ
相槌を打ったり、頷くなどすることです。
聞き手に何も反応されないと、話し手は本当に聞いてくれているのか不安になります。相手の話を「きちんと聞いています」という姿勢を示すことが大切です。
相槌も適当に打っていると「本当にちゃんと話を聞いているのか?」と疑われてしまいます。話し手の動作や感情の動き、反応に合わせて相槌を打つことで共感を示すことができるでしょう。ただし、わかったふりや共感しているふり、とりあえず形だけ相槌を打つなどはNGです。
2. バックトラッキングする
バックトラッキングとは、日本語で「オウム返し」を意味し、相手の話を繰り返す手法のことです。話し手は自分が話した言葉をそのまま繰り返して伝えられることで、聞いてもらえているという安心感を得られます。
「○○に対して心配しています。」「なるほど、○○の心配をしているんだね。」というように、相手の言葉を返してみましょう。
3. 相手の言葉を要約して繰り返す
基本的にはバックトラッキングと同様の方法ですが、相手の話を要約する点がポイントです。
相手が話した内容について「つまり〜なんだね。」というように返すことで、話し手が自分の考えを整理するのにも役立ちます。話し手自身も、相手に言いたいことがどのくらい伝わっているのか、間違って受け取られていないかなどを確認しやすくなります。
4. 5W1Hの質問を投げかける
質問するときは、「5W1H」の質問を意識しましょう。これらの質問は「オープンクエスチョン」ともいい「Yes」「No」などの選択肢がなく、自由に回答できる質問です。このとき、相手が自分の気持ちを自由に話せるような問いかけが重要です。
たとえば「休みの日はどこにいきたいか?」「何をしたいか?」「そう思ったのはきっかけは?」など、話を具体的にしていく質問ともいえるでしょう。
このような質問を投げかけることで、話し手は聴き手が知りたいことは何か、どのような話をしたらいいかなどが掴みやすくなります。またお互いが話を整理するのにも役立ちます。
傾聴がうまくなるポイント5つ
傾聴がうまくなるポイントを以下の5つにまとめました。
とくに1対1で話していると、沈黙してはいけないとつい喋り始めてしまったりしますよね。傾聴では沈黙も大切です。相手が言葉以外のメッセージを出していないかなどにも注目してみましょう。話す割合としては、「相手7:自分3」を意識するのがオススメです。
水平質問は「他には?」という感じで、同じレベルの答えを引き出す質問のことを言います。垂直質問は答えをさらに具体的にしていく質問です。垂直質問は前章であげた「5W1H」の質問を使って、深掘りしていくイメージです。
最初から傾聴を完璧にこなそうとするのはなかなか難しいですが、このポイントを意識していくと、徐々に傾聴のコツが掴めてきます。まずはこれらのポイントを意識して、普段の会話から取り入れてみましょう。
PHONE APPLIが実践している「従業員のエンゲージメントを高める取り組み」について
ここでは、当社 株式会社PHONE APPLIの取り組みをご紹介します。当社では、2018年から「従業員が健康でいきいきと働いている」状態を目指し、「ウェルビーイング経営」を推進してきました。下記の事柄を主軸としたウェルビーイング施策を行っています。
従業員間で感謝や称賛を"贈りあう"「PHONE APPLI THANKS」の活用
「PHONE APPLI THANKS」は、従業員間で感謝や称賛を"贈りあい"、組織のパフォーマンスを向上させるウェルビーイング経営推進サービスです。日々の業務の中で感じた感謝や称賛をカードにして"贈りあう"ことで、従業員それぞれの様子が見えるようになり、認め合う組織風土を育むことができます。
【PHONE APPLI THANKSの特長】
組織の幸福度を測定する「Well-being Company Survey」の活用
「1on1ツール」を活用し、週25分の対話でメンバーの状態を把握
ウォーキングイベント「PA Walking Cup」で運動習慣の定着化
運動習慣の定着を目的としたウォーキングイベント毎月開催しています。従業員が楽しく参加できるよう、季節ごとのテーマやゲーミフィケーションを取り入れながら工夫しています。
年齢制限なしの保健指導で若年層の健康リスクにも対応
40歳以上の特定保健指導対象者だけでなく、39歳以下の生活習慣病予備群にも年齢制限を設けずに保健指導を実施しています。将来の疾病リスクを低減し、特定保健指導対象者の若年層からの流入抑制を目指しています。
【事例紹介】きらぼし銀行|91.4%の社員から高評価を得る1か月に1回の1オン1ミーティング

引用:"きらぼし銀行":https://www.kiraboshibank.co.jp/
きらぼし銀行は2018年に地方銀行である八千代銀行、東京都民銀行、新銀行東京の3行が合併して誕生した、東京きらぼしファイナンシャルグループ傘下の銀行です。
きらぼし銀行では2019年より月に1回、30分程度の1on1ミーティングを実施しています。合併当初、新しい同僚や上司などとコミュニケーションを活性化させるためにスタートしました。
ミーティング後はコミュニケーションサーベイというアンケートを実施し、ミーティングを実施して終わりにしない体制を整えています。サーベイによると、94.1%の人がコミュニケーションの活性化に役立っていると回答しています。
話すテーマは部下が決める、部下が10名を超える上司は代わりに指名した人と実施するなど、上司側の負担にも配慮されている点も特徴です。
【まとめ】傾聴がビジネスでもたらす効果について
この記事では、傾聴がビジネスでもたらす効果についてお伝えしました。
傾聴がビジネスで役立つ効果は以下の5つです。
傾聴はビジネスにおいてもさまざまな場面で役立つスキルです。顧客対応はもちろん、部下との面談や日常会話からも、周囲との信頼関係を構築する助けになってくれるでしょう。
そして傾聴力を上げるには、傾聴の重要性を組織で共有することが大前提です。
社員の傾聴力をアップさせたいと考えている場合は、まずは傾聴の重要性について共有する研修や勉強会などを実施するのもオススメです。
この記事で、あなたが傾聴のスキルを身につけ、周囲との信頼関係構築に役立てたら幸いです。