他社の工夫から考える、つながりと働きがいの育て方:ユーザー企業交流会「豊洲会」レポート
2026年8月31日、「PHONE APPLI PEOPLE」(以下、PA PEOPLE)のサンクスカード機能やプロフィール共有機能を活用して、日ごろから社内コミュニケーション活性化や組織風土づくりに取り組んでいらっしゃる企業3社からご担当者13名をお招きし、情報交換をする「豊洲会」を開催しました。
SCSKシステムマネジメント株式会社、ユニアデックス株式会社を含む、豊洲周辺に拠点を持つIT関連企業の皆様が集まり、サービスの活用・定着における工夫や悩み、「つながりと働きがいを生む組織づくり」について意見を交わしました。
この会で目指したのは、誰かから正解を教えてもらうことではありません。それぞれの悩みを持ち寄り、他社の実践から学び、「明日から少し試してみたいこと」を見つける。そして、イベントが終わったあとも相談し合える関係をつくることです。
「うまくいっていること」だけでなく、悩みも持ち寄る
当日は、まず各社からPA PEOPLEの活用状況や取り組みをご紹介いただきました。その後、参加者は3つのテーブルに分かれ、2つのテーマでラウンドテーブルを実施しました。
各ラウンドテーブルの開始前には、PHONE APPLIでの自社実践の状況を簡単にご紹介し、議論の参考にしていただきました。また、各テーブルにはPHONE APPLI社員がファシリテーション役として参加しました。
1つ目のテーマは、「PHONE APPLI PEOPLE活用の悩み相談会」。現在の活用方法や、活用・定着で困っていること、ほかの企業に聞いてみたいことについて話し合いました。
2つ目のテーマは、「つながりと働きがいを生む組織づくり」。サービスの活用に限らず、社員同士のつながりを生む施策や、働きがいを高めるための取り組み、管理職・現場の巻き込み方まで話題を広げました。
参加企業のPA PEOPLE活用歴や利用範囲はさまざまです。全社で長く活用している企業もあれば、特定部門からスモールスタートしている企業もあります。立場や状況が異なるからこそ、「その方法なら自社でも試せそう」「自社とは違う課題がある」と、互いの取り組みを新鮮な視点で見つめる時間になりました。
キャンペーンは盛り上がる。でも、日常化するのが難しい
最初のラウンドテーブルで多く聞かれたのが、利用する人や組織が固定化しやすいという悩みです。
PA PEOPLEの一機能であるサンクスカードについて、利用促進キャンペーンや社内イベントを実施すると一時的に利用は増えるものの、日常的な活用を継続するのは簡単ではありません。「使わなくても仕事はできる」「忙しいと後回しになってしまう」「推進担当からの案内が、ほかの通知に埋もれてしまう」といった、運用現場ならではの声が挙がりました。
また、PA PEOPLE上で共有できる従業員プロフィールについても、単に項目を埋めてもらえば終わりではありません。自身の趣味や関心などをどこまで開示するかに抵抗を感じる人もいます。一方で、新入社員や中途入社者が先輩社員について知ろうとしたとき、プロフィールの情報が少ないと、人となりを知るきっかけを十分に得られないという課題も共有されました。
参加者の話から見えてきたのは、機能を導入するだけでは、活用は定着しないということです。入社や異動などのタイミングとプロフィール登録を結びつける。社内ポータルの記事から登場する社員のプロフィールへ誘導する。Teams上で継続的に案内する。利用状況を見ながら、登録後もフォローする。それぞれの企業が、自社の業務や文化のなかに「使う場面」をつくろうと試行錯誤していました。
感謝を広げたい。でも、「贈ること」が目的になっていないか
サンクスカードをめぐっては、もう一歩踏み込んだ問いも投げかけられました。それは、感謝を伝えることが、会社からの"宿題"になっていないかという問いです。
「ありがとう」は、本来、自発的に伝えるものです。一方で、何のきっかけもなければ、日々の仕事のなかで感謝を言葉にする習慣はなかなか広がりません。利用件数を目標として強く促しすぎると、今度は贈ること自体が目的になり、負担や押し付けとして受け取られる可能性があります。
また、文章にすることへのハードルもあります。「何に、なぜ感謝しているのか」を丁寧に書く人がいる一方で、短いメッセージしか思い浮かばない人もいます。周囲のカードと比べて「きちんと書かなくては」と感じるほど、気軽に贈りにくくなるという意見も出ました。
件数を増やすことと、感謝が自然に交わされる文化を育てることは、必ずしも同じではありません。だからこそ、利用を促すだけでなく、一人ひとりが参加しやすい入口をつくることが必要です。「まずはカードを読んでみる」「共感したカードに『いいね』をしてみる」といった小さな参加方法から始める案も挙がりました。
活用企業同士だからこそ、成果だけではなく、「どこまで促すべきか」という迷いも含めて率直に語られたテーマでした。
「3」と「9」のつく日に、感謝を伝える
具体的な活用例として紹介されたのが、ユニアデックス株式会社の「39サンクスの日」です。毎月、「3」か「9」のつく日の中から2日を選び、社内ポータルサイトを通じてサンクスカードの利用を呼びかけています。毎回同じ案内を出すのではなく、問いかけや文章を変え、カードを贈りたくなるきっかけをつくっているそうです。
さらに、新卒・中途入社者への案内や、新入社員の有志メンバーによる利用促進プロジェクトの実施、部門ごとの利用状況の集計・表彰、社長対話会での自己紹介時にプロフィールを活用するなど、複数の施策を組み合わせていることも紹介されました。
また、操作に慣れていない人に向けては、ログイン方法からカードの贈り方までを案内するマニュアルも用意し、社内ポータルサイト上にわかりやすく配置したことで、サンクスカードの流通量が増えたという手応えを感じていらっしゃるとのことでした。
この取り組みを聞いた参加者からは、「贈りやすい日があると、最初のハードルを下げられそうです。自社でも取り入れてみたいと思いました」という声も挙がりました。その場で他社の実践を知るだけでなく、自社で試せる形に置き換えて持ち帰る。「豊洲会」が目指していた学び合いが、まさに表れた場面でした。
「つながり」を生む方法は、一つではない
2つ目のラウンドテーブルのテーマは、「つながりと働きがいを生む組織づくり」。PA PEOPLEの枠を超え、各社が実践している施策や、その背景にある課題について意見を交わしました。
SCSKシステムマネジメント株式会社からは、社員同士のつながりを生む取り組みとして、社内ポータルを使った情報発信が紹介されました。役員や本部長が持ち回りで写真とメッセージを掲載したり、各部門の取り組みを取材して記事にしたりするほか、社員が最近あった「ちょっといいこと」を書き、次の人を指名するリレーメッセージも実施しています。離れた拠点の社員が互いの存在や人柄を知るために、オンラインとリアルの両方から接点をつくっています。
ユニアデックス株式会社からは、社員が月の労働時間のうち7.5時間を、通常業務とは異なるテーマの探究や活動に使える制度が紹介されました。個人でも、同じ関心を持つ仲間と一緒でも参加でき、AIの活用方法を探究して自部署へ展開するなどの活動も生まれているそうです。共通の興味を持つ人と出会い、一緒に活動することが、部門を越えたつながりにもなっています。
ほかにも、全社員が集まる大会や社長と社員の対話会、社内の部活動、歓迎会、プロフィールを活用した自己紹介、少人数でのグループワークなど、各社から多様な実践が紹介されました。
つながりを生む方法は、一つではありません。大規模なイベントだけでなく、「顔と名前を知る」「共通の関心を見つける」「普段とは違う相手と話す」といった小さな接点も、関係づくりの入口になります。
自社に合う働きがいの形は、自社で見つける
働きがいをめぐる対話では、同じ施策でも、企業の文化や社員構成によって受け止められ方が異なることが話題になりました。
エンゲージメントサーベイの分析結果一つを取っても、労働時間とエンゲージメントの関係に、企業ごとに異なる傾向が見られたという話がありました。そこから、「一般的によいとされる施策をそのまま取り入れるのではなく、自社では何が社員の意欲につながっているのかを可視化する必要がある」という意見が共有されました。
また、変化を求める経営側と、現在の働き方を維持したい社員との間に生まれるギャップや、次々と新しい言葉や方針が示されることによる「変革疲れ」についても議論されました。
会社として伝えたい考え方の軸は変わっていなくても、表現が変わるたびに、社員には別の取り組みとして映ってしまうことがあります。施策を増やすだけでなく、それぞれの意味やつながりを丁寧に伝えることも、組織づくりには欠かせないという気づきがありました。
他社の実践を聞くことで、自社の次の一歩が見えてくる
会の最後には、「明日から自社や自分で試してみたいこと」を一人ずつ考え、テーブル内で共有しました。
「サンクスの日を取り入れてみたい」
「まずはサンクスカードを見てもらい、『いいね』をするところから始めたい」
「現場だけでなく、管理職にも働きかけたい」
すぐに実行できるアイデアが見つかった人もいれば、他社との違いを知ることで、自社の課題を改めて捉え直した人もいました。他社の実践や悩みを共有するなかで、自社でも試してみたい取り組みや、今後さらに考えていきたい課題が見えてくる時間となりました。
活用企業同士が、継続的に相談できる関係へ
サービスの活用や組織づくりに、完成形はありません。施策を始めても、参加者が固定化することがあります。長く続ければマンネリ化も起こります。利用を促すことが、ときに押し付けとして伝わってしまうこともあります。こうした悩みは、同じ立場で試行錯誤している人だからこそ、共有できるものです。
「豊洲会」は、PHONE APPLIから活用方法を一方向にお伝えする場ではなく、活用企業同士が、それぞれの経験や迷いを持ち寄る場として企画しました。今回の出会いが、イベント当日だけで終わらず、今後も気軽に相談し、学び合える関係につながっていけばと考えています。
PHONE APPLIはこれからも、PA PEOPLEをご活用いただく企業の皆様とともに、各社の実践や工夫を共有できる機会をつくってまいります。
「自社でも、ほかの活用企業と情報交換してみたい」
「同じ課題を持つ担当者と話してみたい」
そのようなご希望がありましたら、貴社における活用推進または営業窓口を担当する弊社社員まで、ぜひお声がけください。
開催概要
イベント名 :PHONE APPLI活用企業交流会「豊洲会」
テーマ :つながりと働きがいを生む組織づくり
開催日 :2026年8月31日(月)
参加企業 :「PHONE APPLI PEOPLE」活用企業3社
(SCSKシステムマネジメント株式会社、ユニアデックス株式会社ほか)
主催 :株式会社PHONE APPLI
主なプログラム :参加企業による活用状況・取り組み紹介
ラウンドテーブル①「PHONE APPLI PEOPLE活用の悩み相談会」
ラウンドテーブル②「つながりと働きがいを生む組織づくり」
明日から試してみたいことの共有
記念撮影