在宅勤務の導入が働き方改革を推進する理由とは?導入成功事例も紹介
「在宅勤務を推進してきたが、効果が出ているのかどうかわからない」
「在宅勤務と働き方改革の関係性について知りたい」
「在宅勤務によって、さらに働き方改革を促進できる方法があれば知りたい」
新型コロナウイルスや、政府の「働き方改革」によってますます推進されている「在宅勤務」。しかしながら、「本当に今のやり方のままで良いのだろうか」と疑問を感じている企業も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、在宅勤務と働き方改革について、以下のポイントを中心にお伝えします。
ぜひ本記事の内容を、自社の在宅勤務と働き方改革の取り組みにお役立てください。
在宅勤務の導入が働き方改革に有効な理由
なぜ在宅勤務の導入が働き方改革に有効なのでしょうか。その理由として次の3つがあげられます。
- 従業員のワークライフバランスの実現のため
- 場所を問わない就業地の確保のため
- 離職率や企業イメージの低下を防ぐため
1. 従業員のワークライフバランスの実現のため
1つ目は従業員のワークライフバランスとの関係です。政府は、働き方改革の一環として「テレワーク」を推進しており、2013年に閣議決定された「雇用形態の多様化とワーク・ライフ・バランス(「仕事と生活の調和」の実現)において、以下の項目を定めています。
若者や女性、高齢者、介護者、障がい者を始めとする個々人の事情や仕事の内容 に応じて、クラウドなどの IT サービスを活用し、外出先や自宅、さらには山間地域 等を含む遠隔地など、場所にとらわれない就業を可能とし、多様で柔軟な働き方が 19 選択できる社会を実現するとともに、テレワークを社会全体へと波及させる取組を進め、労働者のワーク・ライフ・バランスを実現する。
昨今では、育児と仕事の両立やキャリア再構築など、女性活躍に積極的な企業も増えています。社員のワークライフバランスが充実すれば、一人ひとりの生産性が上がり、最終的には企業利益の向上にもつながるでしょう。
2. 場所を問わない就業地の確保のため
2つ目は場所を問わない就業地の確保です。
新型コロナウイルスの流行をきっかけに、在宅勤務を導入した企業は多いのではないでしょうか。場所に関係なく働けることは、社員のモチベーションや生産性アップに好影響を与えます。育児や介護などに追われている社員の負担を減らすこともできるでしょう。
また在宅勤務は、インターネットにさえ接続できれば、災害時などでも業務を継続できます。社員の安全を守りながら、企業の活動を保てるのです。
3. 離職率や企業イメージの低下を防ぐ
3つ目は離職率や企業イメージへの影響です。
在宅勤務をはじめ、働き方改革に熱心に取り組むと「あの会社は社員ファーストで良い会社だ」など、世間からの評価が高くなります。企業イメージに直結し、場合によっては株価にも影響を与えるでしょう。
また、長時間労働や休日返上が当たり前になっているような、いわば「ブラック企業化」していると退職者も増えます。働き方改革に積極的に取り組むことで、「この会社に居たい」と思う社員が増え、離職率低下につながるのです。
在宅勤務の導入が進まない理由4つ
在宅勤務が働き方改革に有効であることをお伝えしましたが、導入に後ろ向きな企業も少なくありません。在宅勤務の導入が進まない理由として、以下の4つが考えられます。
- 場所に縛られる業務が多い
- 社員や顧客とのコミュニケーションが減る
- コストの問題でオンラインシステム化できない
- 人事制度の見直しに時間を要する
1. 場所に縛られる業務が多い
1つ目は「場所」の問題です。
IT系や事務作業であれば、すぐに在宅勤務を導入できます。しかし、工場で生産をしなければならないメーカー、お客様が来店する飲食店、現場仕事がメインの建設業など、場所が固定される業界が多いのも事実です。
そういった企業は、物理的に在宅勤務が難しく、仮に導入できたとしても、PCでできる事務作業がメインになってしまうでしょう。
2. 社員や顧客とのコミュニケーションが減る
2つ目は社員や顧客とのコミュニケーションが減ることです。
在宅勤務では、自宅で一人で働くことになります。コミュニケーションは基本的にオンラインのみ。直接人と会って話す機会が減ることで、モチベーションが下がってしまう社員も出てくるでしょう。
そうした状況を避けたいと考え、在宅勤務をしない企業も少なくありません。
3. コストの問題でオンライン化できない
3つ目はコスト的な問題です。在宅勤務を始めようと思っても、すぐに全社導入できるものではありません。
仕事用のスマートフォンやPCなどデバイスの購入費用、社員のWi-Fi設備を整えるための費用、クラウドサービスの利用料など、さまざまなコストがかかります。金銭的な問題によって、在宅勤務の導入を断念している企業も多いです。
コストを抑えつつ業務効率を高める方法として、「BYOD」があります。これは従業員個人のスマートフォンやPCを業務に活用する方法です。詳しくは以下の記事で解説しているので、ぜひお役立てください。
4. 人事制度の見直しに時間を要する
4つ目は人事制度の問題です。
在宅勤務に移行すると、従来のオフィス勤務で行っていた人事評価をそのまま行うのは難しくなります。在宅勤務では、直接対面する機会がなくなるため、社員の行動や仕事への向き合い方など「働きぶり」を適正に評価できかねません。
したがって、新たな人事制度を設ける必要が出てきます。新制度を作るにも労力やコストがかかることから、なかなか在宅勤務を導入できない企業もあるのです。
在宅勤務を導入して働き方改革を推進する方法
働き方改革を進めるためには、在宅勤務の導入と同時に、次のような方法を実践してみるのが有効です。具体的な方法を8つご紹介します。
- 業務効率を上げるフローを構築する
- 業務効率UPに役立つソフトを導入する
- 気軽にコミュニケーションが取れるソフトの導入
- 社員の情報リテラシーを向上する
- クラウド系のセキュリティを導入する
- 従来の人事制度を見直す
- クラウド系の勤怠管理システムを導入する
- 社員の健康管理をオンライン化する
8つの中で多くを占めているのが、オンラインツールやソフトの利用です。業務効率アップやコミュニケーション円滑化、セキュリティシステム、健康管理などさまざまなサービスがあります。詳しい内容については、以下の記事をご参考ください。
総務省の在宅勤務(テレワーク)の導入促進の取り組みとは?
総務省では、在宅勤務(テレワーク)の導入を促進するために、次のような取り組みを行っています。
1. テレワークマネージャー事業
テレワーク導入を検討する企業に対して、専門家が無料で相談に応じてくれる事業です。テレワークに必要なシステムやセキュリティに関するアドバイスを実施しています。Web会議または電話、派遣訪問で相談が可能です。
2. テレワーク・サポートネットワーク事業
中小企業のテレワーク導入を促進するため、地域の中小企業を支える団体と協力し、テレワークに関する相談や問い合わせ対応をおこなう事業です。専門家による相談会やセミナーも多数実施しています。
3. テレワークセキュリティに関する手引き(チェックリスト)
企業がテレワークを導入する際の「セキュリティ」の不安を払拭するために、総務省は「テレワークセキュリティガイドライン」を公表しています。テレワーク下で実施するべきセキュリティ対策を、チェックリスト形式で記載しているため、知識やノウハウが少なくて不安な場合は、ぜひ活用してみてください。
【コラム】新しいワークスタイル「ワーケーション」とは?
最近、新たなワークスタイルとして「ワーケーション」が注目されています。ワーケーションとは、ワーク(work)とバケーション(vacation)を融合させた言葉で、観光地やリゾートで過ごしながら仕事をするというスタイルです。
一言に「ワーケーション」といっても捉え方はさまざま。在宅勤務を実施している企業で働く場所の指定がなく、労働時間の制約もないような場合は、事実上ワーケーションとの違いはほとんどないでしょう。
ワーケーションには、旅先に中長期滞在できる、生産性が上がるなどのメリットがあります。自由度が高いうえに楽しみながら仕事ができるため、ワーケーションを推進する企業もあります。
自宅や旅行先で仕事する上でネックになるのが、内外線の取り次ぎです。内外線の取り次ぎは、「クラウドPBX」の導入によって解消できます。詳しくは以下の記事もご参考ください。
【事例】株式会社PHONE APPLI~仕事の質をUPさせる「働きやすいオフィスづくり」を実現
在宅勤務と働き方改革について詳しくみてきましたが、ここで当社 株式会社PHONE APPLIの事例をご紹介させてください。当社では、社員の生産性向上をはかるため、数多くの施策を導入しています。
- 社内コミュニケーション活性化のために「フリーアドレス」を導入
- チェアやテーブルなど社内設備は「アウトドア」を意識
- 自社オリジナルのWeb電話帳や位置情報ツールを導入
- Web会議システムを社内各所に設置することで、即座に在宅勤務社員とつながれるように
- 自宅のWi-Fi環境を整えてもらうために「テレワーク環境手当」を支給
- 社員同士のコミュニケーションに必要な飲食代を会社負担に
社内制度はもちろんツール、オフィスレイアウトまで、様々な工夫を通して、社員が働きやすい環境づくりを心がけています。
上記で取り上げたフリーアドレスについては、以下の記事をご参考ください。
PHONE APPLIが「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」受賞しました
テレワーク先駆者百選について
総務省は、テレワークの普及促進を目的として、平成27年度から、テレワークの導入・活用を進めている企業・団体を「テレワーク先駆者」とし、その中から十分な実績を持つ企業等を「テレワーク先駆者百選」として公表しています。この度、PHONE APPLIは「テレワーク先駆者百選」の中から特に優れた取り組みを行っている企業として、「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」を受賞しました。
PHONE APPLIのテレワーク・ハイブリッドワークの概要・特徴について
PHONE APPLIは、「最もパフォーマンスが出せる、場所や働き方」を従業員それぞれが選んで実施できる環境を実現しています。単なるITツールや人事制度の導入だけではなく、毎週1回30分の1on1ミーティング制度や、コアタイムなしのフレックス制度、身体的健康に関するセミナー開催など、「ルール」「ツール」「プレイス」の3軸から、持続的で生産的な働き方を推進しています。
また、それぞれの施策についても、毎月全社員に対しパルスサーベイを実施しており、制度や施策を常にアップデートし続けていることも大きな特徴といえます。実際に、アンケートの結果、テレワークの推進によって孤独感を感じた社員が増えたことをきっかけに、セルフケアやラインケアの研修を実施し、1on1で部下の不調に気づいたマネージャーは、社外カウンセラー等専門家との面談にいち早くつなげられるよう体制整備を行いました。
【まとめ】在宅勤務における働き方改革について
本記事では、在宅勤務における働き方改革について、以下のポイントを中心にお伝えしました。
- 在宅勤務による「社員のワークライフバランスの充実」「離職率や企業イメージの向上」などが働き方改革の促進につながる
- 在宅勤務の導入が進まない理由に、「場所に縛られる業務が多い」「コミュニケーションが減る」「人事制度の変更が難しい」などがあげられる
- 総務省は、在宅勤務(テレワーク)の導入を促進する取り組みを行っている
お伝えしたように、在宅勤務は働き方改革に好影響を与えますが、「どのような施策を行うか」が重要になります。業務効率アップやコミュニケーション活性化のためにツールを導入するなど、社員が快適に自宅で働ける環境を作ることが大切です。
本記事を参考にして、在宅勤務を導入し働き方改革の実現にお役立てください。
PHONE APPLIの働き方を体感できる「オフィスツアー」
テレワークを始めとした、働き方改革推進の取り組みを社外へ発信しており、過去5年以内で2,500社以上の企業様がオフィスにお越しいただき、最もパフォーマンスが出せる働き方「ルール」「ツール」「プレイス」のフレームワークをご紹介しています。