在宅勤務で起こりうる課題とは?在宅勤務で事業を成功させるための解決方法と取り組み事例も紹介
「在宅勤務を続けているが、社員の生産性が上がっていない状況を改善したい」
「チームの進捗状況が見えにくい、コミュニケーションの機会が減ったなどの課題を解決したい」
「今いちど在宅勤務の課題と向き合って、自社の成長につなげたい」
新型コロナウイルスをきっかけに、在宅勤務を取り入れた企業も多いのではないでしょうか。リモートで仕事ができることもあり、利便性は高いですが、多かれ少なかれ課題を感じている方もいらっしゃることでしょう。
そこで本記事では、在宅勤務の課題について、以下のポイントを中心にお伝えします。
ぜひ本記事の内容を、自社の在宅勤務の課題解決にお役立てください。
在宅勤務を取り入れた企業が抱えやすい課題6つ
早速本題である、在宅勤務の課題についてみていきましょう。企業が在宅勤務を導入した場合、次の6つの課題が生まれやすくなります。
- 業務効率・生産性が下がりやすい
- 社員のコミュニケーションが不足しやすい
- 新たなネット環境・情報セキュリティの導入が負担になる
- 人事評価がしづらい
- 労災認定を判断しにくい
- 社員の運動不足による健康面が心配
1. 業務効率・生産性が下がりやすい
一見効率の良さそうな在宅勤務ですが、オンオフの切り替えがうまくできず、かえって社員の生産性が下がってしまうことがあります。自分のプライベート空間で働くわけなので、なかには「まったく仕事が手につかない」という社員も出てくるでしょう。
2. 社員のコミュニケーションが不足しやすい
在宅勤務になると、隣席社員との意見交換、ランチでの楽しい会話など、リアルなコミュニケーションができません。唯一顔を合わせられる会議も、基本的にはオンラインになりやすいです。
直接話せないことで、意思伝達に行き違いが生まれたり、「仕事が楽しくない」と思う社員が増えたりと、さまざまな弊害が出てしまうことがあります。
3. 新たなネット環境・情報セキュリティの導入が負担になる
各社員が自宅で働くことになるため、インターネット環境が必須です。仕事用スマホを使う場合、デバイスの購入費用もかかるでしょう。また情報漏洩リスクが高まるため、セキュリティ面の対策も必要です。スムーズに在宅勤務ができる環境を整えるためにも、ある程度のコストを考えておく必要があります。
4. 人事評価がしづらい
オフィス勤務において、コミュニケーション能力や仕事に対する意欲などを、評価対象に入れている企業も多いのではないでしょうか。
在宅勤務ではリモートで仕事をしなければならないため、部下の働きぶりを直に見られません。したがって、成果主義に移行していく必要性も出てくるでしょう。
5. 労災認定を判断しにくい
在宅勤務をしている場合でも、オフィス勤務と同様に「労災保険法」が適用されます。また労災認定されるためには「業務遂行性」と「業務起因性」の2つが求められますが、テレワークの環境下では判断しにくくなります。
ケガの原因が業務によるものなのか、社員の私的行動が原因なのか証明が難しくなるので注意が必要です。
6. 社員の運動不足による健康面が心配
自宅で仕事をすることになるための、オフィスへの通勤や取引先へ訪問するまでの移動などの機会が減ります。そのため歩く機会が減り、社員の運動不足が目立つようになります。在宅勤務が長く続くと、精神的なストレスを抱える社員も出てくるでしょう。ですので、会社として、社員の健康を維持できるような対策を講じる必要があります。
在宅勤務の課題を解決する8つの方法
たしかに在宅勤務には課題があるものの、適切な対策を講じれば解決できます。具体的には次の8つの方法です。
- 業務効率を上げるフローを構築する
- 業務効率UPに役立つソフトを導入する
- 気軽にコミュニケーションが取れるツールの導入
- 社員の情報リテラシーを向上する
- クラウド系のセキュリティを導入する
- 従来の人事制度を見直す
- クラウド系の勤怠管理システムを導入する
- 社員の健康管理をオンライン化する
1. 業務効率を上げるフローを構築する
在宅勤務の課題を解決するために大切なのが、「管理者のマネジメント」です。労務管理や業務プロセス、使っているシステム、情報管理など、業務の現状を今いちど見直し、在宅勤務に向けたフローを構築しましょう。
2. 業務効率UPに役立つソフトを導入する
業務効率の課題は、ツールの導入によって解決可能です。たとえば情報管理ソフト、プロジェクト管理ソフトなど、今では様々なITサービスがあります。こうしたソフトをうまく活用できれば、直接コミュニケーションが取れなくても、生産性の維持・向上を期待できるでしょう。
また業務効率UPには、従業員個人のスマートフォンやPCを業務に活用する「BYOD」の導入がオススメです。詳しくは以下の記事で解説しているので、ぜひお役立てください。
3. 気軽にコミュニケーションが取れるツールの導入
コミュニケーションツールの導入もオススメです。ChatworkやSlackといったビジネスチャット、zoomやGoogle Meatといったビデオ会議ツールなどがあります。
直接会えなくても、気軽にコミュニケーションができる環境を構築できれば、社員のモチベーションも保てるでしょう。
また意外とコミュニケーションロスが生まれやすいのが、内線や外線の取り次ぎです。内外線のスムーズ化においては「クラウドPBX」の導入が効果的なので、ぜひ以下の記事もご参考ください。
4. 社員の情報リテラシーを向上する
在宅勤務ではセキュリティ面のリスクが高くなります。ICTツールを導入するとなると、一層リテラシーが求められるようになるでしょう。
lTリテラシーを高めるためにも、パスワードの管理の徹底、セキュリティポリシーの教育などの対策が重要。社内の情報漏洩を防ぐためには、カフェやコワーキングでの勤務を禁止し「在宅勤務のみ」にするのも有効です。
5. クラウド系のセキュリティを導入する
社員のリテラシーを向上させつつ、セキュリティツールを導入すると、さらに効果が高まります。特にクラウド系のサービスがオススメです。クラウドサービスを利用すれば、自宅のPCやスマートフォンから操作しても、端末にデータを残さずに利用できます。
6. 従来の人事制度を見直す
従来の人事制度のまま在宅勤務に移行した場合、不公平感が生まれることもあります。そういった場合は、制度を見直す必要が出てくるでしょう。
日本では、社員が一丸となって業務を遂行する「メンバーシップ型」と呼ばれる雇用形態が一般的です。それを、一人ひとりのタスクを明確にする「ジョブ型」に変更することで、社員に「自分がやらなければ」という気持ちが芽生え、生産性の維持・向上につながります。
7. クラウド系の勤怠管理システムを導入する
先ほど少し触れましたが、勤怠管理システムの導入も効果的です。勤怠管理システムには、シフトや有給、打刻、工数、PCの前にいるかの確認など、様々な管理機能が備わっています。ツールを導入することで、社員一人ひとりの行動が「見える化」され、人事評価にも活用できるでしょう。
8. 社員の健康管理をオンライン化する
在宅勤務が続くと、社員も運動不足になってしまいます。社員の健康を守るためにも、ツールを活用したオンラインでの健康管理や、定期的なストレスチェックなどを行いましょう。
その他にも次のような施策が考えられます。
- 産業医との定期面談
- 在宅勤務特有の健康情報を発信する
- 歩数計などのアプリ導入
- 健康に関するオンラインセミナーやeラーニング
社員が健康的に働けるためにも、自社に最適な施策を導入しましょう。
【コラム】在宅勤務と出社のバランスを考えた「ハイブリッド出社」とは?
コロナ禍で働き方を見直す企業が増えました。これを機に在宅勤務に移行した会社も多いはずです。その一方で、在宅勤務に移行しつつも出社のスタイルを残した「ハイブリッド出社」が注目を集めています。
在宅勤務 | ハイブリッド出社 |
---|---|
直接会えないため社内コミュニケーションが取りにくい | 定期的にオフィス勤務ができるのでコミュニケーション不足になりにくい |
オンとオフの切り替えが難しい | 自宅で仕事をする日、オフィスに勤務する日を決められるため、メリハリが付きやすい |
自宅によってインターネットの通信速度に差が生まれる | 常に高速通信が可能。他の社員もいるためコミュニケーションを取りながら仕事ができる |
在宅勤務のデメリットを、「定期的な出社」によってカバーできます。双方のデメリットを補完しあい、メリットを享受できることから、社員個人に合わせて出社とテレワークをどちらも選択できる「ハイブリッド出社」を取り入れる企業が増えているのです。
ハイブリッド出社を導入する上でオススメしたいのが、社員の固定席をもうけない「フリーアドレス制」です。フリーアドレスについて、詳しくは以下の記事をご参照ください。
株式会社PHONE APPLI~在宅と出社のバランスを重視した「働きやすいオフィスづくり」を実現
当社 株式会社PHONE APPLIでも、在宅勤務と出社の両方を取り入れた「ハイブリッド出社」を実施しています。その代表例として、いくつか施策をご紹介します。
- 社内コミュニケーション活性化のために「フリーアドレス」を導入
- チェアやテーブルなど社内設備は「アウトドア」を意識
- 自社オリジナルのWeb電話帳や位置情報ツールを導入
- Web会議システムを社内各所に設置することで、即座に在宅勤務社員とつながれるように
- 自宅のWi-Fi環境を整えてもらうために「テレワーク環境手当」を支給
- 社員同士のコミュニケーションに必要な飲食代を会社負担に
社内制度はもちろんツール、オフィスレイアウトまで、様々な工夫を通して、社員が働きやすい環境づくりを心がけています。
【PHONE APPLIのオフィスのご紹介】CaMP(キャンプ=Communication and Motivation make Performance)
PHONE APPLIのオフィスは、CaMPの愛称をつけています。ドーム型テントやチェアなど並んでいるキャンプ用品はすべて、「スノーピーク」の製品です。人工芝の上に大きなビーズクッションを配置しリラックスしたスタイルでコミュニケーションの取れるオープンスペースなど、「自然」をテーマにしたオフィス環境になっています。「社員が最もパフォーマンスを発揮できる場」「コミュニケーションの場」として設計し、ハイブリッド型のワークスタイルを取り入れています。
オフイス体験ツアー開催中
2年間で2,500社・5,000名以上に参加していただいたPHONE APPLIのオフィス体験ツアー。その中で大変高い評価をいただいたPHONE APPLIの働き方の「ルール」「ツール」「プレイス」のフレームワークをご紹介いたします。本ツアーはリモート環境からでもご参加可能です。
- こんな方にオススメです
- コロナ禍で社員のコミュニケーションストレスが高まっている
- リモートワークによる社員のモチベーションが低下している
- ニューノーマルな働き方に合わせたオフィスを検討したい
【PHONE APPLIのオフィスについて】テクノロジーと企業文化でつくる、「ハイブリッド型ワークスタイル」
【まとめ】在宅勤務の課題について
本記事では、在宅勤務の課題について、以下のポイントを中心にお伝えしました。
- 在宅勤務には、生産性が低下しやすい、コミュニケーション不足、人事評価が難しいなどの課題がある
- 課題解決のためには、組織体制やフローの構築、ICTツールの導入、人事評価の見直しなどの方法が有効
- 在宅勤務とオフィス出社を組み合わせた「ハイブリッド出社」という選択肢もある
お伝えしたように、オンオフの切り替えができず生産性が下がりやすい、コミュニケーションが不足しやすいなど、在宅勤務ならではの難しさもあります。基盤作りやICTツールの導入など解決方法をお伝えしましたが、「ハイブリッド出社」という選択肢もあるので、ぜひご検討ください。