失敗しないオフィス移転の進め方|チェックリストや導入すべきツールも紹介

「オフィス移転を検討しているので、移転スケジュールの組み方を知りたい」
「漏れなく準備を進めるためのチェックリストが知りたい」
「オフィス移転の際に導入するべきツールとは?」
オフィス移転は、業務効率や従業員満足度の向上につながる一大プロジェクトです。しかし、やるべきことが山積みで不安に感じる担当者も多いでしょう。
そこで本記事では、失敗しないオフィス移転の進め方について次のポイントを解説します。
- 【この記事でわかること】
- 失敗しないでオフィス移転を進めるコツ7つ
- ・オフィス移転のチェックリスト
- オフィス移転で導入するべきツール・サービスについて
オフィス移転をスムーズに進めるために、ぜひ本記事をお役立てください。
失敗しないでオフィス移転を進めるコツ7つ
オフィス移転は複数のタスクが同時に進行するため、やるべきことが多く戸惑う方も多いと思います。ここでは、移転プロジェクトをスムーズに進めるためのコツを紹介します。
1. オフィス移転の目的を明確にする
まず、現在のオフィスの問題点を整理し、移転で解決したい課題をリストアップしましょう。各部署でアンケートをとると、問題点が明確になります。
たとえば通勤の不便さが課題の場合は、公共交通機関へのアクセスが良いオフィスに移転することで、従業員の通勤時間を短縮できます。
移転を成功させるためには、最初に移転の目的を明確にし、希望条件や優先順位に基づいて移転場所を決めなければなりません。これにより、自社に最適な移転先が見つかりやすくなります。
2. 社内で目的を共有してチームを結成する
次に、オフィス移転のためのプロジェクトチームを結成しましょう。
従業員が50名以上いる場合は、総務部から代表者を選び、各部署からも1名ずつ担当者を選出します。予算やスケジュール、役割分担を明確にすることで、全員が共通認識をもってプロジェクトを進められます。
一方、従業員が50名以下の場合は、社長や経営陣が移転を担当するのが一般的です。
3. 最低でも半年前から計画を開始する
移転の計画は最低でも半年前から開始しましょう。スケジュールは、移転後の営業再開日から逆算して計画します。
たとえば、移転後の営業開始日が10月1日なら、その半年前の4月1日にプロジェクトチームを立ち上げて動き出すのが理想的です。
しかし、移転業務は通常業務と並行して進めなければならないので、タイトなスケジュールには注意が必要です。
またオフィス移転は、工事が遅延する可能性もあるため、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
4. 移転先は入念に調べてから決める
移転先は、目的に合った場所かどうか入念に調べてから決めましょう。
移転先は、最寄り駅からのアクセスや周辺施設の利便性、建物の設備など、多角的に検討することが必要です。また、避難経路や消防法、建築基準法の適合状況の確認も欠かせません。
とくに古いビルではスプリンクラーや火災報知器の設置が必要な場合があり、その場合には設置費用がかかる可能性があります。
決定後に後悔しないように、事前に十分なリサーチと検討を行い、最良の決断を下しましょう。
5. 相見積もりで業者を決定する
複数の業者から見積もりを取り、料金やサービス内容を比較し、信頼できる業者を選びましょう。
オフィス移転は民間の引越しとは異なり、配線や内装など専門的な作業も含まれるため、移転専門の業者に依頼するのがオススメです。レイアウトの策定や配線工事、不用品の廃棄、内装工事、アフターフォローまで幅広く対応可能です。
また、相見積もりをすることで、業者同士で価格やサービスの競争心理が働き、金額面でも、サービス面でも期待できるメリットがあります。
ただし、安価な業者を選ぶ際には注意が必要です。料金が安いだけでは、サービスの質が低かったり、予期せぬ追加費用が発生することもあります。
業者はコストパフォーマンスだけでなく、サービスの内容や実績、対応の丁寧さも考慮して業者を選びましょう。
6. 業務の動線を意識したレイアウトを計画する
新オフィスのレイアウト計画では、インテリアのコーディネートも大切ですが、最も重要なのは「効率的で生産性の高い業務環境を整えること」です。
レイアウトを曖昧に決めてしまうと、業務の動線が悪くなり、従業員から「旧オフィスのほうがよかった」といった不満が出ることもあります。
また、動線に凝りすぎるとレイアウトが複雑になりやすく、かえって作業効率が低下してしまうため、動線はシンプルに設計しましょう。
部署によって最適なレイアウトは異なるため、レイアウトを決める際には、従業員の意見を反映することも大切です。
7. 従来のOA機器やIT設備を見直す
新オフィスで使用する家具や機器、ICT、セキュリティ設備を計画的に手配します。配置計画を立て、必要な購入数や不要な物の処分を事前に決めましょう。
大型什器の購入時には、新オフィスのエレベーター寸法を確認して搬入可能か確認が必須です。サーバーや配線などのシステムは、現状に問題がなければ管理会社に連絡し、移転作業を依頼しましょう。
オフィス移転チェックリスト時系列まとめ
オフィスの規模など状況によって異なりますが、移転には通常、約6か月を要するのが一般的です。
次の表は、オフィス移転における主要なタスクを時系列に整理したチェックリストです。
期間 |
やるべきこと |
オフィス移転6か月前 |
・移転プロジェクトを立ち上げる ・移転の目的・方針を明確にする ・現在のオフィスの課題を洗い出す ・解約予約をする移転スケジュールの作成 ・原状回復の条件や費用を確認する ・移転先の物件を決める ・依頼する業者を決める |
オフィス移転3か月前 |
・オフィスのレイアウト・コンセプトを決める ・内装を決める ・家具や什器・OA機器を手配する ・業者と打ち合わせする ・工事を手配する |
オフィス移転1か月前 |
・取引先に挨拶をする ・社内周知を行う ・ホームページや書類の住所を変更する ・移転先の施主検査を行う ・社内書類や名刺の住所変更をする |
オフィス移転の当日まで |
・搬出・搬入時に立ち会う ・原状回復工事が完了した物件を引き渡す ・荷物の梱包、データバックアップ ・ホームページにお知らせを掲載する |
オフィス移転後 |
・ホームページにお知らせを掲載する ・口座やクレジットカード情報を変更する ・関係省庁に届出を提出する |
オフィス移転には多くの実施項目があるため、スケジュールを作り、遅延が起きないよう進めましょう。
オフィス移転で導入を検討すべきツール・サービス
オフィス移転と同時に導入することで、業務効率の向上につながるツール・サービスについて紹介します。
1. フリーアドレス制度
フリーアドレス制度とは、従業員が固定席をもたず、自由に席を選んで働くスタイルのことです。書類や文房具は共有キャビネットに保管し、ノートPCやスマートフォン、無線LANなどを活用しながら仕事をします。
固定席制度では、担当者が不在の場合は席が空いていますが、フリーアドレス制度では必要なときに席を利用できるため、オフィススペースを効率よく活用できます。
また、従業員はその日の業務内容や状況に応じて最適な作業場所を選択することが可能です。たとえば、1人で業務に集中したいときは静かなエリアを選び、メンバーと意見交換が必要なときは共同スペースに移動するなどの工夫ができます。
それぞれの業務内容に合った働く場所を用意することで、従業員の満足度や意欲が高まり生産性も向上するでしょう。
2. 従業員の居場所の可視化ツール
無線Wi-FiやBeaconなどの技術を用いて、従業員の居場所の可視化を可能にします。たとえば弊社の「PHONE APPLI PLACE」は、このような技術を活用したサービスの一例です。
従業員の居場所をオフィスマップに表示することで、どこにいるのか一目で確認できるため、探し回る手間が省け、対面でのコミュニケーションがスムーズになります。とくにフリーアドレスのオフィスでは、従業員の居場所を把握するのに便利です。
また、居場所がわかるだけでなく、他部署の初めて会う人でも「PHONE APPLIPEOPLE」 のプロフィール欄で顔写真や趣味がわかるため、会話のきっかけになり、オフィスでのコミュニケーションが活性化します。
3. 1on1専用のフリースペース
1on1ミーティング専用のフリースペースを設けることで、遮音性の高い空間が確保され、上司と部下が集中してコミュニケーションをとれます。
完全密室は圧迫感を与えることもあるため、仕切りを設けて適度なオープンさを保つとよいでしょう。たとえばパーティションを腰の高さ程度にして上部を開放することで、視線の抜けを確保しつつ、プライバシーも保てます。
また、換気機能付きのブースや対面でのパーティションを設置可能なブースがあれば、従業員はより安心して利用できます。
4. IP電話・クラウドPBX
IP電話はインターネットを利用して通話するため、従来の電話回線に比べてコストが抑えられます。
また、クラウドPBXは電話システムをクラウド上で管理するため、物理的な設備が不要になり管理やメンテナンスが簡単になります。
とくに移転時には、電話番号を変更せずにそのまま使用できるため、顧客や取引先とのコミュニケーションに支障が出ません。さらに、クラウドPBXを利用すれば、リモートワークの従業員もオフィスと同じ環境で通話が可能です。
5. ペーパーレス化サービス
近年、紙の文書を電子化することによるペーパーレス化が進んでおり、さまざまな企業が積極的に取り組んでいます。
たとえば弊社の「PHONE APPLI PEOPLE」は、社員名簿をデジタル化したサービスです。電子化することで、人材スキルや個人情報が一元管理できます。
また印鑑も電子化することで、書類はパソコンやサーバにデータとして保存され、検索機能を使って簡単にアクセスできるようになります。
フリーアドレスと合わせて導入したいのが位置情報共有ツールです。誰がどこにいるのかを簡単に把握できるので、探したい人をすばやく見つけてコミュニケーションを取ることができます。 PHONE APPLI PLACEは、無線Wi-FiやBeaconなどの技術を用いて、社員の位置情報を見える化するサービスです。 【PHONE APPLI PLACEの機能】【製品紹介】誰がどこに居るか分かる「PHONE APPLI PLACE」
【まとめ】失敗しないでオフィス移転を進めるコツ7つ
ここまで、失敗しないでオフィス移転を進める7つのコツについて解説しました。
- オフィス移転の目的を明確にする
- 社内で目的を共有してチームを結成する
- 最低でも半年前から計画を開始する
- 移転先は入念に調べてから決める
- 相見積もりで業者を決定する
- 業務の動線を意識したレイアウトを計画する
- 従来のOA機器やIT設備を見直す
オフィス移転は、やるべきことが多岐にわたります。そのため、チェックリストを活用することで効率的に作業を進められます。
ただし、各ステップ通りに準備をしていてもトラブルが発生することもあります。事前にリスクを考慮し、すべての作業が滞りなく進むように早めに計画を立てましょう。
ぜひ、本記事の内容を参考に、新オフィスの移転を成功させてください。
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