働き方改革を推進するうえで、新しいオフィスの在り方とは?
「働き方改革の推進によってテレワークを導入することになった」
「働き方改革への対応にともない、オフィスの活用方法も変えていきたい」
「働き方改革に合ったオフィスデザインを知りたい」
昨今、テレワークやフリーアドレスなどの「働き方改革」が国をあげて推進されています。主に「賃金の改善」「場所や時間といった制約の克服」「従業員のキャリアの構築」の3つを柱に進められる働き方改革。
そこで本記事ではその3つの柱のなかの「制約の克服(時間・場所など)」に焦点を当て、以下の内容を中心にオフィス改善についてお伝えします。
従業員のメンタルヘルス改善においては「オフィス環境」も大切な要素になります。ぜひ本記事の内容を、働き方改革におけるオフィス環境改善にお役立てください。
働き方改革でオフィス空間を重視する理由
働き方改革の中でも「オフィス」は大きな要因です。従業員が一日の中で一番長くいる場所が職場のオフィス。そのため、従業員の労働生産性に影響を与えるといわれており、働きやすいオフィス作りに注力する企業も増えています。
では、一体なぜオフィスが重視されるのか、その理由について見ていきましょう。
- 作業の効率化
- ワークスタイルの変化に対応
- 従業員のメンタルヘルスを重視
1. 作業の効率化
オフィスの整備は、単に見た目だけでなく「従業員の生産性」にも関わってきます。
たとえば以下のような例です。
- 社内コミュニケーションの円滑化を図るため「カフェスペース」を設置する
- 仕事にコミットできる環境を整えるため「集中エリア」を設置する
社内コミュニケーションが円滑になる、つまり従業員同士が意見を出しやすい環境が整うのです。一方で「ひとりで作業したい」という従業員にも、集中できる環境を整えます。「他の人の意見を聞きながらプロジェクトを進めたい」「ひとりで集中したい」など、一人ひとりが働きやすい環境を作ることが大切です。
2. ワークスタイルの変化に対応
オフィス空間を変えることで、テレワークやフリーアドレスへの移行など、新たなワークスタイルの変化にも対応できるようになります。たとえばフリーアドレスの場合、オフィス内に自席を設けずカフェや集中エリアを設けることで、自席のない環境下でも従業員がストレスなく働けるのです。
従来のオフィス空間のままフリーアドレスを導入すると、「結局いつもと同じ席に座ってしまう」など、あまり意味がない制度の導入になってしまいます。働き方改革に適したオフィスに整備しておけば、オフィスに出勤する機会が少ないテレワークの従業員でも、出勤しやすくなります。
3. 従業員のメンタルヘルスを重視
従業員のメンタルヘルスを向上させるためにも「オフィス環境」は非常に大切です。最近では、社会全体で「長時間労働」が問題視されており、ストレスチェックの義務化や時間外労働の規制が進んでいます。
食事以外の時間は同じ席でずっと仕事をしている、といった状況だと従業員もストレスを抱えてしまいます。そこで、「カフェスペースによって従業員同士のコミュニケーション機会を作る」「仮眠スペースを作る」などを検討する企業が増えています。メンタル部分を支援し、従業員がストレスなく働ける環境づくりが大切です。
働き方改革を進めるにはオフィスデザインが重要
たしかに、働き方改革を促進するためにはオフィスの整備が重要ですが、会社の士気を上げるためには「オフィスデザイン」も重要です。では、テレワークやフリーアドレスなどの働き方改革を進めやすいオフィスデザインの例を、いくつか見ていきましょう。
1. 時短を考慮したオフィスデザイン
時短を意識するなら、部署ごとに島を作る「島型対向デザイン」がオススメ。島型対向は、多くの企業が導入しているオーソドックスなデザインです。部署ごとに席を固めるため、配線をまとめて管理できる上に、部署内で業務報告をしやすいメリットがあります。
一方で、周りからの視線が集中するため緊張感が生まれ、パーソナルスペースが狭くなるデメリットも。コンパクトに収まるため時短になりますが、プライバシーに不安を感じる従業員が出てくる可能性もあります。
2. リラックスしたコミュニケーションができるオフィスデザイン
社内コミュニケーションの活性化を図るために「キャンピングオフィス」を導入した株式会社PHONE APPLIの事例です。
壁のないオープンな空間に、ドーム型テントやチェアなど「キャンプ」を彷彿とさせる家具を配置。アロマの香りや観葉植物を置くことで、あたかも大自然にいるかのようなリラックスできる空間を表現しています。
リラックスできる環境は、従業員のパフォーマンスにも良い影響を与えます。社内コミュニケーションが促進されるだけでなく、一人ひとりの生産性向上にもつながるでしょう。
3. コミュニケーションを中心としたオフィスデザイン
コミュニケーションを意識するなら、「フリーアドレス型デザイン」がオススメ。フリーアドレスとは、自席を設けず、従業員がそれぞれ好きな席で働けるオフィスデザインです。あえて固定席を作らないことで、「普段あまり話さない人」とのコミュニケーションが生まれます。また最初からフリーアドレスを導入していれば、会議室を作る必要もありません。
一方で、自由度が高すぎるがゆえに、「同じ従業員同士で固まってしまう」「PCのセキュリティ対策が難しい」といったデメリットも。フリーアドレス型デザインを導入する際は、働く上でのルールや決まりをあらかじめ設ける必要があります。
オフィス移転も働き方改革の1つ
先述のとおり、会社のオフィスを整備することは、ワークスタイルの変化に対応できるだけでなく、従業員の生産性アップにもつながります。
しかし、「テレワークやフリーアドレスを導入した時に、今のオフィスの面積は必要なのだろうか?」と思っている経営者の方もいるのではないでしょうか。そのような場合は、思いきって「オフィス移転」してしまうのも手段の1つです。
テレワークやフリーアドレスの導入をシミュレーションしてみて、以下のようなことが当てはまるのであれば、オフィス移転を検討してみましょう。
- 全員分の固定席を設ける必要がないため、小さいオフィスでも十分
- 固定費を変えず利便性の高い立地に移転すれば、従業員の通勤時間の短縮にもつながる
オフィスは必ずしも大きくしなければならないわけではありません。むしろ、テレワークやフリーアドレスを導入した場合、今よりも小さいオフィスを借りても良いでしょう。
仮に小さいオフィスでも、カフェスペースや集中エリアがあるだけで、従業員の生産性は上がります。オフィス移転をする際は、「ランニングコストを下げられるか?」、もしくは家賃などの固定費を上げずに「利便性を高められるか?」について考えてみるのもオススメです。
【コラム】働き方改革に対応したオフィス環境の改善方法
働き方改革を進めるためには「オフィス環境」が重要であるとお伝えしました。ここでは、オフィス環境の改善によって働き方改革が促進された企業をいくつかご紹介します。
場所にとらわれない働き方を実現~第一生命保険株式会社~
生命保険をはじめ個人年金保険や学資保険など、幅広い保険事業を手がける「第一生命株式会社」。2018〜2020年の経営計画の一環として働き方改革を推進していた同社ですが、「固定電話による制約」が働き方改革を阻害していると考えていたそうです。
そこで、内線電話をすべてスマートフォンで対応することに。あわせてWeb電話帳「PHONE APPLI PEOPLE」を導入し、働き方改革を進めていったといいます。同サービスの「着信表示機能」によって誰からの着信かすぐにわかり、固定電話にかかっていた時間的コストが削減されたそう。また、スマホだけで連絡を取り合えるため、場所に捉われない自由な働き方が根付いていったといいます。
最終的には、今まで約2万3,000台あった固定電話が約11,000台に。スマートフォンを軸とした働き方が促進されていったそうです。内線電話のスマートフォン化とWeb電話帳の導入によって、従来かかっていたコストが削減され、従業員にとっても働きやすいオフィス環境が作られた事例といえます。
スマートフォン内線化により、コミュニケーションの円滑化を実現~株式会社島忠~
埼玉県に本社を構え、全国に家具・インテリアの小売店舗やホームセンターを展開する「株式会社島忠」。同社では、社内連絡を円滑にするべく全店舗のスマートフォン内線化を検討していたそうです。そこで、3,500以上の内線番号をWeb電話帳「PHONE APPLI PEOPLE」で管理することに。
クラウドで連絡先を一括管理できるWeb電話帳。従業員個人のスマートフォンで直接連絡できるため、「社内電話の取り次ぎ」や「店舗での電話待ち」の問題も解決されたといいます。さらに、同サービスの着信表示機能によって「どこの店舗の誰からの着信なのか」が分かり、コミュニケーションロス回避につながったそうです。
また組織変更にもフレキシブルな対応が可能になりました。内線番号が変わっても常に必要なメンバー同士で連絡を取り合えるため、今まで以上に社内コミュニケーションが円滑になったといいます。
【製品紹介】誰がどこに居るか分かる「PHONE APPLI PLACE」
フリーアドレスと合わせて導入したいのが位置情報共有ツールです。誰がどこにいるのかを簡単に把握できるので、探したい人をすばやく見つけてコミュニケーションを取ることができます。
PHONE APPLI PLACEは、無線Wi-FiやBeaconなどの技術を用いて、社員の位置情報を見える化するサービスです。
【PHONE APPLI PLACEの機能】
- 社員の位置情報をオフィスマップ上に表示。従業員の居場所とともに顔写真が表示されるので、話したい相手の居場所が即座に分かります。
- 居場所だけでなく「顔+名前+プロフィール」、職務内容や資格、趣味まで分かるので、隣に座ってる人がどんな人か分かったり、初対面の人でもコミュニケーションが取りやすくなります。
- 社員の所在が分かるので、今日は「テレワークor出社」なのかもすぐに分かります。
【まとめ】働き方改革に対応するオフィスについて
本記事では、働き方改革に対応するオフィスについて、以下のポイントを中心にお伝えしてきました。
- オフィス空間の改善は、作業効率や従業員のメンタルヘルスに良い影響を与える
- オフィスデザインには、部署ごとに島を作る「島型対向」やお互いに背を向ける「背面型」などがある
- オフィス改善の1つとして、オフィス移転も手段の1つ
オフィス空間の改善は、作業効率アップや従業員のメンタルヘルス向上につながります。従業員のモチベーションが上がると、会社全体の士気も盛り上がるでしょう。また、全員分の席を設けない「フリーアドレス」の導入にともない、小さいオフィスに移転するのもオススメです。
ぜひ本記事の内容を、自社におけるオフィス環境の改善にお役立てください。
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