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業務効率化に役立つBYODとは?導入メリットやセキュリティ対策をわかりやすく解説

    • BYODはどのようなものか知りたい
    • 業務効率化にどのように役立つのか知りたい
    • 導入メリットやセキュリティ面について知りたい

    BYODとは、従業員が個人所有のデバイスを職場に持ち込み、業務に使用することをいいます。

    業務効率化やテレワークなど働き方の多様化が進んだこと、スマートフォンなど高性能なデバイスを個人が所有する時代になったことで普及し始めました。

    企業でBYODを導入することはメリットも多くありますが、同時にデメリットやセキュリティ対策に関する注意も必要です。

    導入を検討する前に、メリット・デメリットを把握しておきましょう。

    そこで本記事では、BYODについて、次のポイントを中心にお伝えします。


    本記事が、貴社でBYODを導入する際の一助となれば幸いです。

    BYODとは「私物のデバイスを業務に使う利用形態」

    BYOD(ビーワイオーディー)は「Bring Your Own Device」の略で、直訳すると「私用のデバイスを持ち込む」という意味です。

    従業員が個人所有のスマートフォンやタブレット、パソコンなどのデバイスを職場に持ち込み、業務に使用することを指します。USBメモリ、SDカード、HDDなどのメディア機器も該当します。

    BYODが普及した背景

    BYODが普及した背景には、スマートフォンの普及やクラウドサービスの進化、リモートワークの普及、コスト削減へのニーズなど多くの要因があります。

    なかでも、スマートフォンやタブレットなどのデバイスの普及が大きな要因とされています。

    BYODの大前提は、業務にも使用できる高性能のデバイスを個人で所有していることが基本であるためです。

    また、BYODがリモートワークとの親和性が高いことも、昨今の状況と相まってBYODの普及が進んだ理由といえるでしょう。

    日本のBYODの普及状況

    2018年度の総務省の調査によると、国内でBYODを認めている企業の割合は10.4%です。

    一方、アメリカは23.3%、イギリスが27.8%、ドイツが27.9%との結果があり、日本の普及率は欧米諸国と比べるとまだ低いといえます。

    また、2021年に実施された独立行政法人情報処理推進機構の調査結果によると、BYODを認めている国内企業の割合は次のとおりです。

      小規模企業40.7%
    • 中小企業(100人以下)31.1%
    • 中小企業(101人以上)26.4%

    この結果より、国内では規模がより小さい企業の方がBYOD導入率は高いことがわかります。

    参考:https://www.ipa.go.jp/security/reports/sme/ug65p90000019djm-att/000097060.pdf

    CYODとBYADの違い

    BYODを導入する際、CYODやBYADの違いも押さえておきましょう。

    CYOD(Choose Your Own Device)とBYAD(Bring Your Authorized Device)は、どちらも従業員が業務に使用するデバイスを選択できる方式です。アプローチにいくつかの違いがあります。

    CYODは、企業が提供するデバイスの中から従業員が選択する方式です。企業はセキュリティや管理を考慮した複数のデバイスのリストを用意し、その中から従業員が自分に合ったものを選びます。

    セキュリティや管理が企業側に委ねられるため、セキュリティリスクを抑えられるメリットがあります。

    BYADは、従業員が個人で所有するデバイスの中から、企業が認めたデバイスを持ち込む方式です。BYODに近い方法ですが、BYADは個人が所有しているデバイスのうち、企業が許可したデバイスに限る点が特徴です。

    手持ちのデバイスが対象外だった場合は、指定のデバイスを新たに購入する必要があります。セキュリティや管理に関して、基本的には従業員に委ねられるため、BYODほどではないにしてもセキュリティリスクは比較的高めになるといえます。

    企業のセキュリティ方針や管理、予算、業務のニーズなど、状況に応じて適切な方法を選んでいきましょう。

    BYODを導入するメリット5つ

    企業がBYODを導入するメリットは以下のとおりです。

    1. デバイス購入よりもコストを削減できる

    企業側がデバイスを支給する必要がないため、そのぶんのコストが削減できます。

    ハードウェアは高価なものが多く、購入コストは大きな負担です。またメンテナンスなどの維持費用にかかるコストや管理の負担を軽減できます。

    故障や操作方法の問い合わせなども減り、情報セキュリティ部門の負担が軽くなる効果も期待できるでしょう。

    2. 自分が慣れたデバイスで作業できる

    自分が使い慣れたデバイスで作業することで、業務の効率がアップする効果を望めます。

    端末によって、ちょっとした操作の違いがあり、合わないとストレスになりがちです。手慣れた端末や使いやすいツールを自分で選択することができるため、操作しやすくなるでしょう。

    従業員満足度や生産性の向上にも繋がります。

    3. 働き方の多様性に対応しやすい

    働き方の多様性に対応しやすいこともメリットのひとつです。

    BYODを導入することによって、どこにいても社内システムにアクセス可能となるため、テレワークや在宅勤務など、さまざまな働き方にフィットします。

    場所に縛られない働き方やワークライフバランスに応じた働き方を選択できるようになるため、従業員満足度のアップにもつながるでしょう。

    4. 複数の端末を持つ必要がない

    仕事用と個人用と複数の端末を持つ必要がなくなることもメリットです。

    仕事用と私用のデバイスを2台持ちしている人も少なくないのではないでしょうか。

    複数の端末を持つ必要がなくなることで、管理の負担や持ち運びの不便さ、紛失のリスクが減少します。従業員の負担が軽くなり、業務のやりやすさがアップするでしょう。

    5. シャドーIT対策になる

    企業でBYODを導入することによって、シャドーIT対策にも繋げられるでしょう。シャドーITとは、企業が正式に承認していないデバイスを、無断で使用することをいいます。

    近年、市販のツールなど便利なサービスや端末が誰にでも利用しやすくなったことで、従業員が自ら最新技術を導入し、業務に活用できる環境があります。

    とくに正式なITインフラが使いにくい、承認に時間がかかるなど社内で不便な現状がある場合、業務効率を上げるために使用してしまう従業員が出てくるかもしれません。

    シャドーITでセキュリティの問題が発生した場合、発覚までに時間がかかることがあります。そのため企業としてはリスクが高い問題になり得ます。

    BYODを導入することで、業務で使用する端末を企業側で把握しある程度管理が可能になるため、シャドーITの対策になるでしょう。

    BYODを導入するデメリット4つ

    BYODを導入した場合、どのようなデメリットがあるでしょうか。

    1. 情報漏えいの危険性が高まりやすい

    BYODを導入するデメリットとしては、情報漏洩の危険性が高まりやすいことです。

    紛失、盗難をはじめ、データの持ち出しによる機密情報の漏えいなど、個人用のデータと混在することで流出リスクが高まります。

    またセキュリティ管理不足による、マルウェア感染(ウィルスやワームなど、悪意のあるプログラム)のリスクもあります。

    適切な管理や環境整備、社内でセキュリティポリシーやガイドラインなどルールを策定して社内に周知するなどの対策が必要です。

    2. 従業員の労働を管理するのが難しい

    従業員の労働管理が難しくなることもデメリットのひとつです。

    個人のデバイスを使うことで勤務時間外でも業務にアクセスしやすくなり、労働時間の境界があいまいになるリスクがあります。

    企業側は、従業員の勤務時間を把握することが難しくなります。この勤務形態に対応するために労務管理が複雑になり、労働時間の管理や適正な残業代の支払いに課題が生じる可能性も高まるでしょう。

    さらにこれによって上司が、仕事の振り分けや役割分担が難しくなる問題が出てくる場合もあります。

    3. 従業員の公私の切り替えが難しい

    業務とプライベートの切り替えが難しくなるという問題も発生します。

    たとえば休日に仕事相手から電話やメールが届くなど、急遽対応せざるをえない場合も出てくるでしょう。

    その結果、過重労働につながったり、適切な休息が取れない状態に陥りやすく、従業員のワークライフバランスが崩れる可能性もあります。

    対策として、インターネット接続さえあれば自宅や外出先でも会社の電話番号で発着信できる、クラウドPBXを導入する方法もあります。

    4. 通話・通信料金を自己負担する可能性がある

    通話料や通信料金を従業員が自己負担する可能性があることもデメリットのひとつです。

    個人のデバイスを使うことで、業務に必要なデータ通信や通話が発生し、従業員の個人負担となるケースが考えられます。

    BYODを導入する際には通信費の一部を補助する仕組みを取り入れたり、業務用の通信費を従業員に還元する方法などの検討が必要です。

    さらにそのとき、支給金額と実際の使用金額に差額が発生する可能性についても考えておく必要があります。支給金額が足りない場合、従業員が超過分を負担することになり、その状態が続くと会社への不満につながりかねません。

    支給する通信費の手当と実際の使用金額に差が広がりすぎていないかどうか、定期的にチェックが必要です。

    BYODと合わせて導入すべきセキュリティ対策方法

    BYODを導入するにあたって、最も問題になりがちなのが情報漏洩などのセキュリティリスクへの対策です。

    BYODの導入を検討する場合、合わせて以下のようなセキュリティ対策方法についても考えていきましょう。

    システムを導入する

    まず、セキュリティ対策に関するシステムを導入しましょう。セキュリティ対策システムにはさまざまな種類があります。ここでは具体的に7つの対策をご紹介します。



    名称

    特徴

    ウイルス対策ソフト

    悪意のあるプログラム、ウィルスなどを検知、除去するアンチソフトウェア。デバイスにインストールして使用する。

    MDM

    Mobile Device Managementの略称。デバイスを一元的に管理・制御するためのシステム

    MAM

    Mobile Application Managementの略称。デバイスにインストールされたアプリケーションを一元管理し、制御するためのソフトウェア

    EDR

    Endpoint Detection and Responseの略称。悪意のあるプログラムを即座に検知するシステム。感染防止というより、感染後に被害を抑えるための方法として使われる。

    VPN

    Virtual Private Networkの略称。外部から企業内のネットワークに安全にアクセスできたり、インターネット通信を暗号化してプライバシーを保護する。

    リモートアクセスツール 

    社内システムやネットワークに遠隔からアクセスできるツール。データの暗号化や2段階認証などのセキュリティ機能を搭載している。

    クライアント証明書

    デバイスやユーザーの正当性を証明するための電子証明書。VPNと組み合わせて使用することで、なりすまし防止や有事の際に原因究明が可能となる。

    MDMとMAMは似たようなシステムに見えますが、違いがありますのでポイントを押さえておきましょう。

    MDMはデバイスのロック、セキュリティポリシーの適用など、デバイス全体の管理を行います。対して、MAMはアプリケーションやデータに焦点を当てて管理、制御するシステムです。

    とくにMAMはBYODに有効で、従業員が個人のデバイスを使用していても、業務用アプリとそのデータだけを管理可能。プライバシーとセキュリティのバランスを取りやすい仕組みです。

    セキュリティシステムは複数組み合わせて使用することをオススメします。企業の状況やニーズに合わせて選択していきましょう。

    BYODポリシーを策定し社内で周知する

    BYODを導入する場合、使用に関するガイドラインやポリシーを策定し、従業員に周知徹底する必要があります。

    これには、デバイスのセキュリティ設定、業務用アプリケーションの使用方法、データのバックアップ方法などが含まれます。

    BYODポリシーを作成したあとは、研修や勉強会など、BYODについて従業員に学んでもらう機会を作りましょう。利用方法や禁止事項を明確にして周知し、従業員のセキュリティ意識を高めることも大切な対策のひとつです。




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    【事例紹介】株式会社デンソー|iPhoneとiPadのBYODを導入、ペーパーレス化やフリーアドレス化も推進

    実際にBYODを導入している事例について紹介します。

    株式会社デンソーは、前身がトヨタ自動車の電装部門で自動車部品のシェアは世界トップクラスの企業です。

    デンソーでは2014年から働き方改革を推進しています。BYODはその一環としてスタート。テレワークのコミュニケーションツールとして採用しています。iOSデバイスは基幹業務で使用するような必須デバイスでないところ、テレワークを必要とするなど希望者のみが使う形です。

    BYODの希望者は、申請したあと機密保持に関する研修を受け、機種登録してMDMの管理下におき、必要なアプリをインストールするという手順を取ります。

    BYODの推進によって、社外で社内システムにアクセスできるようになり、とくに出張時などは無駄な時間が削減され、業務スピードのアップにつながりました。また、育児中の社員の在宅ワークでも推進されています。

    デンソーでは同時にペーパーレス化も推進しています。紙の書類を持ち歩くことなく、端末上で閲覧できるようになったことで、よりテレワークしやすい環境が生まれました。

    さらに現在ではオフィスのフリーアドレス化も進めており、将来的にはパソコンやタブレット1台で仕事ができるよう環境を整備中です。

    デンソーのBYODの導入は、打ち合わせや会議などのコミュニケーションツールとして、部分的な役割を担うような形をとっている点がポイントです。

    BYODは企業の状況や文化、ニーズに合わせて活用することが、成功の鍵になりそうですね。

    【まとめ】BYODの導入メリットと注意点について

    本記事では、BYODの導入メリットや注意点についてお伝えしました。

    BYOD導入のメリットは以下のとおりです。

    • デバイス購入よりもコストを削減できる
    • 自分が慣れたデバイスで作業できる
    • 働き方の多様性に対応しやすい
    • 複数の端末を持つ必要がない
    • シャドーIT対策になる

    BYODは、コスト削減や働き方の多様性に対応するという点で非常に有効です。うまく運用できれば、業務効率のアップや従業員満足度を高める効果もありますが、セキュリティ対策を十分に行うことが成功の鍵となります。

    BYODを導入する場合は、企業ごとの状況やニーズに合ったセキュリティ対策も併せて検討することをオススメします。

    本記事が、BYODを導入するための参考として役立てていただけたら幸いです。

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