ウェルビーイング経営とは?効果や実践ポイント、事例を紹介
ウェルビーイング経営とは、従業員が心身ともに良好な状態で働ける環境を整える経営手法です。身体的・精神的・社会的な充実を通じ、企業の持続的な成長につなげることを目指します。
人材不足や働き方の多様化、メンタルヘルスへの関心の高まりを背景に、ウェルビーイング経営が注目されています。しかし、取り組む領域が幅広いため、「具体的に何から始めればよいのか」と悩む方もいるのではないでしょうか。
本記事では、ウェルビーイング経営の意味や注目される理由、メリット、実践方法、注意点を、企業事例とともに解説します。
PHONE APPLIでは、自社で培ったウェルビーイング経営の考え方や実践方法を書籍にまとめています。取り組みについて体系的に学びたい方は、あわせてご覧ください。
▼書籍
最強の組織は幸せな社員がつくる ~ウェルビーイング経営のすすめ~
ウェルビーイング経営とは?
ウェルビーイング経営とは、組織の業績向上と従業員のウェルビーイングの両立を目指す経営のことです。従業員全員の心身の健康と、他人や社会と良い関係を築く社会的健康を増進し、組織全体の生産性向上につなげることを目的としています。
出典:株式会社PHONE APPLI「最強の組織は幸せな社員がつくる──ウェルビーイング経営のすすめ」(2023年)
単に福利厚生を充実させたり、心身の健康を管理したりするだけの取り組みではありません。仕事へのやりがいや将来への希望、周囲との信頼関係なども含めて、従業員がより良い状態で働ける組織づくりを目指す点が特徴です。
ウェルビーイングを構成する三角形
ウェルビーイング経営では、福利厚生や職場環境など個別の施策だけでなく、従業員が仕事や将来、人間関係をどのように感じているかまで含めて考えることが大切です。PHONE APPLIでは、従業員のウェルビーイングを多面的に捉えるために、「環境」「仕事」「未来」「対人関係」の4つの観点から整理した「ウェルビーイング経営の三角形」を用いています。
- 環境:安心・安全に働いているか?
- 仕事:仕事にやりがいを感じているか?
- 未来:明るい未来を感じて働いているか?
- 対人関係:信頼しあえる人と働いているか?
これらの要素は、人によって重視する比率が異なります。そのため、全員に同じ状態を求めるのではなく、一人ひとりがどの要素に課題を感じているのかを捉えながら、より良い状態を考えていくことが大切です。
すべての要素を支えるのは対人関係
この三角形を支えているのが、「対人関係」です。環境・仕事・未来はそれぞれ異なる要素ですが、より良い状態にしていくためには、上司や同僚との対話や信頼関係が欠かせません。
たとえば「環境」であれば、働き方や制度に対する不満・要望を安心して伝えられる関係が必要です。「仕事」であれば、目標や仕事の意味について上司と認識を合わせたり、自分の成長について相談したりする機会が、やりがいや成長実感につながります。「未来」についても、自身のキャリアや会社の方向性について話し合える関係があることで、将来への見通しを持ちやすくなります。
このように、対人関係はそれ自体がウェルビーイングを構成する要素であると同時に、「環境」「仕事」「未来」の3つをより良い状態にするための土台でもあります。
そのためPHONE APPLIでは、コミュニケーションを単なる情報伝達ではなく、人と人をつなぎ、組織を健全に機能させる「血液」のようなものとして捉えています。
ウェルビーイング経営が注目される理由
ウェルビーイング経営が注目される背景には、社会や働く環境の変化があります。主な背景は次のとおりです。
- 労働人口の減少による人材不足への対応が求められている
- 働き方や仕事に対する価値観が多様化している
- 従業員のメンタルヘルスへの関心が高まっている
順番に詳しく解説します。
労働人口の減少による人材不足への対応が求められている
少子高齢化により働き手が減少するなか、企業にとって人材の確保と定着は重要な経営課題となっています。採用競争が激しくなるなかでは、新たな人材を獲得するだけでなく、現在働いている従業員が長く働き続けられる環境を整えることも欠かせません。帝国データバンクの調査によると、2026年7月時点で正社員の人手不足を感じている企業の割合は51.3%にのぼり、7月としては4年連続で半数を超えています。
参考:株式会社帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」
こうした状況では、採用数を増やすだけでなく、従業員が心身ともに良好な状態で働き、仕事へのやりがいや周囲とのつながりを感じられる環境を整えることが重要です。ウェルビーイング経営は、こうした働く環境を幅広く見直し、人材が定着しやすい組織づくりにつなげていく考え方として注目されています。
働き方や仕事に対する価値観が多様化している
働くうえで何を大切にするかは、人によって異なります。給与や待遇を重視する人もいれば、成長できることや働きやすさ、自分らしく働けること、会社の価値観への共感を重視する人もいます。
ウェルビーイング経営では、こうした一人ひとりの価値観の違いを認めることが重視されます。働き方や仕事に対する価値観が多様化するなかで、企業が理想の働き方や幸せの形を一律に決めるのではなく、一人ひとりが自分の考えや目標を持ちながら働ける組織を目指す考え方です。
従業員のメンタルヘルスへの関心が高まっている
従業員がいきいきと働き続けるには、身体の健康だけでなく、心の健康にも目を向ける必要があります。強いストレスや不安を抱えた状態では、本来の力を発揮し続けることが難しくなるためです。
ウェルビーイングは、身体的な健康だけでなく、精神的にも良好な状態であることを重視します。従業員がより良い状態で働き続けるためには、身体面だけでなく、心の状態まで含めて働く環境を考える必要があります。
ウェルビーイング経営を実施するメリット
ウェルビーイング経営は、従業員がより良い状態で働ける環境を整えることで、企業の持続的な成長にもつなげていく考え方です。主なメリットとして、次のようなものが挙げられます。
- 従業員のモチベーションや生産性が向上する
- 離職率の低下につながる
- 優秀な人材を確保しやすくなる
- 従業員の健康状態改善につながる
- イノベーションが生まれる土台を築ける
ウェルビーイング経営を実施するメリットを理解し、組織の生産性向上や優秀な人材の定着・獲得などの企業成長につなげましょう。
従業員のモチベーションや生産性が向上する
従業員が心身ともに良好な状態で、仕事の意義や働きがいを感じられる環境を整えることで、仕事に対するモチベーションやエンゲージメントの向上が期待できます。前向きに仕事へ取り組めるようになれば、一人ひとりが能力を発揮しやすくなり、個人のパフォーマンス向上につながるでしょう。
こうした一人ひとりのパフォーマンス向上は、組織全体の生産性を高める要素にもなります。また、周囲との良好な関係が築かれることで、従業員が安心して意見を出したり、学びや成長に取り組んだりしやすくなる点もメリットです。
離職率の低下につながる
従業員が心身ともに良好な状態で働ける環境を整えることで、職場への不満やストレスの軽減につながり、安心して働き続けやすくなります。その結果、人材の定着や離職率の低下も期待できます。
経済産業省の資料では、健康経営に優れた法人を認定する「健康経営優良法人2025」の認定法人の離職率は6.1%で、2023年の一般労働者の全国平均12.1%と比べて低い傾向が示されています。
出典:経済産業省「これからの健康経営について」(2025年)
離職が減れば、新たな人材を繰り返し採用・育成する必要も少なくなり、採用や教育にかかる負担を抑えやすくなります。また、従業員が培ってきた知識や経験を組織内に蓄積しやすくなる点もメリットです。
優秀な人材を確保しやすくなる
従業員が心身ともに健康に働ける環境を整えることは、採用面でも企業の魅力につながります。日経リサーチが就活生・転職者900人を対象に実施した調査では、「働く環境に望むもの」として「心身の健康を保ちながら働ける」が54.6%で最も多い結果となりました。
出典:健康経営優良法人認定事務局「就活生・転職者に関する調査」(2023年9月、日本経済新聞 2023年12月27日掲載)
求職者が働く環境を重視するなか、ウェルビーイングに配慮した職場づくりは、人材獲得における企業の魅力を高める要素の一つといえるでしょう。
従業員の健康状態改善につながる
従業員が心身ともに良好な状態で働ける環境を整えることで、体調不良やメンタルヘルス不調のリスク低減が期待できます。
また、欠勤や休職のリスクも抑えられるため、業務への影響や周囲の従業員への負担を軽減しやすくなります。従業員が健康に働き続けられることは、企業の安定した事業運営にもつながるでしょう。
イノベーションが生まれる土台を築ける
ウェルビーイング経営は、イノベーションが生まれやすい組織づくりにもつながります。職場の人間関係が良好で、互いに意見を伝えやすい環境が整っていれば、情報共有や協力が進み、部署や役割を越えたコミュニケーションも活発になりやすいためです。
部署を越えた交流が増えると、それぞれが持つ知識や経験、異なる視点を共有する機会も増えます。自分とは異なる考え方に触れることで、新しい気づきやアイデアが得られ、商品・サービスの開発や業務プロセスの改善などにつながることも期待できます。こうした意見交換や協働が日常的に行われる環境は、新たな価値を生み出すための土台になるでしょう。
PHONE APPLIが実践するウェルビーイング経営の全体像
ウェルビーイング経営を実践する際は、個別の制度やツールを導入する前に、まず「どのような組織を目指すのか」という全体像を整理することが大切です。
その考え方の一例として、ここではPHONE APPLIが実践しているウェルビーイング経営のフレームワークをご紹介します。
【PHONE APPLIのウェルビーイング経営フレームワーク】
構成要素 |
役割 |
PHONE APPLIでの例 |
ビジョン |
ウェルビーイング経営によって目指す将来像を示す |
働きがいと働きやすさをすべての人へ |
カルチャー |
ビジョンを実現するために、働く人が意識する行動原則を示す |
変化を恐れない、プロフェッショナル、スピード、チームワーク、感謝、健康 |
ルール |
カルチャーを実現するための制度や仕組みを整える |
Weekly 1on1、スーパーフレックス、テレワーク補助など |
ツール |
コミュニケーションや働き方を支えるIT環境を整える |
コミュニケーションポータル、ビジネスチャット、Web会議など |
プレイス |
従業員がパフォーマンスを発揮しやすい働く環境を整える |
自然にコミュニケーションできる空間、テレワークでもつながるオフィスなど |
イノベーション |
具体的な取り組み・施策を通じて生み出したい状態を示す |
やりがいを感じる働き方、感謝と共感で絆をつくる、パフォーマンスを発揮する環境 |
ものさし |
目指す状態に向かって進んでいるかを測る |
1on1実施後アンケート、Well-being Company Survey |
このフレームワークでは、ビジョンとカルチャーを起点に、必要な取り組みを「ルール」「ツール」「プレイス」に落とし込みます。そして、施策を通じて生み出したい状態を明確にし、「ものさし」を用いて目指す方向に進んでいるかを確認します。
自社で取り組む際は、経営理念や組織課題に合わせて考え方を応用し、目指す姿から施策、効果測定までを一貫して設計することが大切です。
PHONE APPLIが実践するウェルビーイング経営の具体的な取り組みについては、「PHONE APPLIのウェルビーイング経営」をご覧ください。
ウェルビーイング経営の実践方法
前章で紹介したフレームワークを踏まえ、ここでは具体的な施策レベルで実践方法を解説します。
従業員や組織の現状・課題を把握する
ウェルビーイング経営を始めるときは、いきなり施策を決めるのではなく、まず従業員や組織の現在地を知ることから始めましょう。企業側が考える課題と、従業員が実際に感じている課題が一致しているとは限らないためです。
1on1、ヒアリングなどを活用し、働きやすさだけでなく、仕事へのやりがい、将来への期待、人間関係などを確認します。現状が見えてくることで、自社が優先して取り組むべき課題や、必要な施策も考えやすくなります。
ただし、1on1やヒアリングは、相手との関係性によって本音を引き出しにくい場合があるほか、従業員の時間的な負担も大きくなります。また、集めた意見の整理や課題の特定にも時間がかかります。
こうした課題を補う方法として、短時間で回答でき、組織の状態を定量的に把握できるパルスサーベイの活用がおすすめです。
ウェルビーイング経営で目指す状態を明確にする
現状を把握したら、次に「どのような組織や働き方を実現したいのか」を明確にします。ウェルビーイングのあり方は企業によって異なり、従業員にとって望ましい状態も一様ではありません。そのため、目指す姿を定めないまま施策を進めると、福利厚生の充実やコミュニケーション施策など、個別の取り組みを実施すること自体が目的になりやすくなります。
まずは経営理念や事業方針、組織として大切にしたい価値観と結びつけながら、従業員にどのような状態で働いてほしいのかを具体化しましょう。目指す状態が明確になれば、現状とのギャップも捉えやすくなり、優先して取り組むべき課題や必要な施策を判断しやすくなります。
また、目指す方向性は経営層だけで持つのではなく、従業員にも共有することが重要です。取り組む理由や実現したい組織の姿が共有されていれば、従業員も施策の意図を理解しやすくなり、組織全体で同じ方向を目指しやすくなります。
従業員が働きやすい環境を整える
従業員が心身ともに良好な状態で働くためには、業務に集中できる職場環境に加え、ライフスタイルに合わせて働き方を選べる環境を整えることも大切です。例えば、次のような取り組みが考えられます。
観点 |
取り組み例 |
働く場所 |
テレワークなど、状況に応じて働く場所を選べるようにする |
働く時間 |
フレックスタイム制度など、柔軟に勤務時間を調整できる仕組みを整える |
休暇・両立支援 |
育児・介護休業や休暇制度を整え、仕事と生活を両立しやすくする |
集中しやすい空間 |
個人スペースや集中できる場所を確保する |
快適なオフィス |
温度・湿度、明るさ、動線などを見直す |
休憩・交流スペース |
ラウンジやフリースペース、植物などを取り入れ、気分転換しやすい環境をつくる |
働きやすい環境づくりの方法は、企業の働き方や従業員のニーズによって異なります。自社の課題や従業員の声を踏まえながら、取り入れられる施策を洗い出してみましょう。
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従業員同士や上司・部下の信頼関係を築く
ウェルビーイングを高めるには、従業員同士や上司・部下が互いを理解し、安心して意見や悩みを伝えられる関係づくりも大切です。そのため、日頃から感謝や称賛を伝え合ったり、対話を通じて相互理解を深めたりする機会を設けましょう。
従業員同士の関係づくりには、サンクスカードなどを活用し、日頃の感謝や周囲の貢献を伝え合う方法があります。紙のカードでも実施できますが、サンクスカードを送り合えるツールを使えば、感謝や称賛を社内で共有し、普段は見えにくい貢献を可視化することも可能です。また、周囲からどのような点を認められているかが蓄積されることで、本人も気づいていない強みやスキルを把握するきっかけにもなります。
画面:「PHONE APPLI THANKS」のサンクスカード一覧画面
上司と部下の間では、1on1や面談などを通じて、仕事の進め方や価値観について相互理解を深めることが重要です。ただし、対話の機会を設けるだけでは、互いの認識のズレに気づけない場合もあります。PHONE APPLIの調査では、8割以上の部下が上司との間に「認識のズレ」を感じていることがわかりました。
詳細:部下から見た上司とのコミュニケーションと成長実感に関する調査
こうしたズレを把握する方法として、性格傾向診断やエンゲージメントサーベイ、マネジメントフィードバックなどを活用し、個人の特性や双方の認識を可視化する方法があります。客観的な情報をもとに対話することで、相互理解やコミュニケーションの改善につなげやすくなります。
従業員と組織の課題を可視化!
社内コミュニケーションや情報共有を円滑にする
部署や働く場所が異なっていても、必要な人や情報にスムーズにアクセスできる環境を整えましょう。誰がどのような知識や経験、スキルを持っているのかが分かれば、相談先を探しやすくなり、部署を越えた連携にもつながります。
具体的には、社員プロフィールや社内ポータル、ビジネスチャットなどを活用し、人や情報を探しやすくする方法があります。社員のプロフィールやスキル、経歴などを可視化し、従業員がいつでも確認できるようにすることで、相談したい相手や協力を依頼できる人を見つけやすくなります。
だれだっけ?にさようなら
「だれだっけ?」の課題解消が組織を強くする
効果を確認し、継続的に改善する
施策を実施した後は、サーベイや従業員の声を通じて、どのような変化があったかを確認します。特に、短い設問を定期的に実施する「パルスサーベイ」を活用すると、従業員や組織の状態の変化を継続的に捉えやすくなります。
施策の実施前後で状態を比較し、効果があった点や改善が必要な点を把握しましょう。効果が十分でない施策は見直し、定期的な測定と改善を繰り返すことが大切です。
ウェルビーイング経営に取り組む際の注意点
ウェルビーイング経営は、進め方を誤ると効果が見えにくくなったり、形だけの取り組みになったりする場合があります。
ウェルビーイング経営に取り組む際の主な注意点は、以下のとおりです。
- 目的や達成基準を明確にする
- 短期的な成果だけを重視しない
- 企業が考える「幸せ」を従業員に押し付けない
事前に確認しておくことで、施策の失敗を防ぎ、企業の持続的成長へつなげましょう。
目的や達成基準を明確にする
ウェルビーイング経営では、施策を実施すること自体が目的にならないよう注意が必要です。「離職を減らしたい」「従業員同士の関係を改善したい」など、自社が解決したい課題と目指す状態を明確にしましょう。
あわせて、エンゲージメントや従業員の状態など、変化を確認するための指標を決めておくと、施策の効果を振り返りやすくなります。
短期的な成果だけを重視しない
従業員の健康や働きやすさ、信頼関係などは、施策を始めてすぐに大きく変化するとは限りません。短期間で成果が見えないからといって取り組みをやめるのではなく、従業員の状態を確認しながら継続的に改善することが大切です。
ウェルビーイング経営は、一時的な施策ではなく、従業員がより良い状態で働き続けられる組織をつくる中長期的な取り組みとして捉えましょう。
企業が考える「幸せ」を従業員に押し付けない
ウェルビーイングの感じ方や、仕事に求めるものは一人ひとり異なります。企業側が理想とする働き方や「幸せ」のあり方を一律に決めてしまうと、従業員にとって負担になる場合もあります。
サーベイや対話を通じて従業員の声を把握し、多様な価値観を尊重しながら施策を検討することが大切です。
ウェルビーイング経営の企業事例
ウェルビーイング経営では、健康支援だけでなく、働き方や社内コミュニケーション、人間関係など、自社の課題に応じてさまざまな取り組みが行われています。
ここでは、具体的な施策とその成果がわかる4社の事例を紹介します。
株式会社PHONE APPLI
株式会社PHONE APPLIでは、「人々がいきいきと働く社会を実現する」というパーパスのもと、心身の健康だけでなく、人とのつながりや働きがいまで含めたウェルビーイング経営に取り組んでいます。
具体的には、定期健康診断や健康セミナーなどの健康支援に加え、Weekly 1on1、感謝を伝え合う仕組み、柔軟な働き方を支える制度などを実施。また、各部署から選出した「Wellnessアンバサダー」が月1回のミーティングを行い、ウォーキングイベントや社内コミュニケーションを促す施策などを企画しています。従業員の状態についても、幸福度や健康に関するアンケートを定期的に実施し、施策の改善につなげています。
エイチ・シー・ネットワークス株式会社
エイチ・シー・ネットワークス株式会社では、人材の定着やエンゲージメント向上に向け、従業員同士のつながりをつくるさまざまな施策を実施しています。
人材育成では、同じグループの先輩が業務を支援する「ブラザー・シスター制度」や、別グループの先輩が支援するメンター制度を導入。さらに、上司・部下の1on1や懇親会の補助制度を設けるほか、5人以上集まれば活動内容を問わず同好会として認め、活動費を会社が補助する仕組みも整えています。
こうした施策を進めた結果、同社によると退職者がさらに減少したとしています。一方、従業員数の増加や働き方の多様化によって、互いの顔や日頃の活躍が見えにくくなるという新たな課題も生じました。そこで、社員プロフィールやサンクスカード、居場所を確認できる仕組みなどを活用し、社員の活躍の可視化やコミュニケーションの促進にも取り組んでいます。
NTTドコモビジネス株式会社
NTTドコモビジネス株式会社では、グループ統合後の組織に一体感を生み出すため、従業員同士が感謝や称賛を伝え合う取り組みを進めています。
背景にあったのは、それぞれ異なる歴史や企業文化を持つ組織が統合するなかで、従業員同士のつながりや会社への信頼を強める必要があったことです。そこで、約25,000人のグループ従業員がサンクスカードを利用できる環境を整え、「Go Togetherプロジェクト」を展開しました。
具体的には、サンクスカードの活用方法を伝える説明会や、多くの感謝を送った人・受け取った人などを表彰する「THANKS表彰」「いいね大賞」などを実施しています。こうした取り組みを続けた結果、主管部門だけでなく、営業組織など各部署が自主的に感謝を伝え合う取り組みを始めるようになりました。
パナソニック ホールディングス株式会社
パナソニックグループでは、ハイブリッドワークに対応しながら、従業員同士のコミュニケーションやコラボレーションを生み出す職場づくりを進めています。
2023年に開設した「Panasonic XC KADOMA」では、集中して仕事ができるブースのほか、カフェスペースやRefresh Park、屋外テラスなどを設けています。単に仕事をする場所ではなく、従業員が出会い、会話や協働が生まれるオフィスを目指して設計されている点が特徴です。
一方、フリーアドレス化によって「誰がどこにいるのかわからず、相談したい相手を探しにくい」という課題も生じました。そこで、オフィス内にいる従業員の居場所を確認できる仕組みを導入しています。その結果、出社時に相手を探しやすくなったほか、在宅勤務中でも誰が出社しているか確認できるようになり、「誰がどこにいるのかわからない」という課題の解消につながったとしています。
企業でウェルビーイング経営を導入してみましょう
ウェルビーイング経営は、従業員が身体的・精神的・社会的に良好な状態で働ける環境を整え、企業の持続的な成長につなげる経営手法です。人材不足や働き方・価値観の多様化が進むなか、従業員の定着や人材確保、生産性向上などの観点からも重要性が高まっています。
実践する際は、まず自社が目指す組織の姿を明確にしたうえで、現状を把握し、課題に応じた施策を検討しましょう。制度や環境を整えるだけでなく、従業員同士の信頼関係やコミュニケーションにも目を向け、効果を確認しながら改善を続けることが大切です。
PHONE APPLIでは、ウェルビーイング経営や組織づくりを支援するサービスを提供しています。自社の課題に応じて、以下のサービスもご活用ください。
社員のプロフィールやスキルなどを可視化し、
社内の人や情報をつなぐコミュニケーションポータルです。
性格傾向診断やエンゲージメントサーベイなどを通じて、
従業員や組織の状態を可視化し、マネジメント改善を支援するサービスです。