ウェルビーイング資格おすすめ11選!未経験から仕事に活かせる資格を徹底解説

近年、「ウェルビーイング」という言葉を耳にする機会が増えました。
これは、単に病気でないというだけでなく、身体的、精神的、そして社会的に満たされた状態にあることを指します。
働き方や価値観が多様化する現代において、個人と組織の持続的な成長のために、ウェルビーイングの考え方は不可欠です。
この記事では、ウェルビーイングの基礎知識から、ご自身のキャリアやスキルアップに繋がるおすすめの資格、そしてその選び方までを詳しく解説します。
- 【この記事でわかること】
ウェルビーイングとは?
まず初めに、ウェルビーイングの基本的な意味と、なぜ現代社会でこれほどまでに注目を集めているのかについて解説します。
この概念を正しく理解することが、適切な資格選びの第一歩です。
ウェルビーイングの基本的な定義
ウェルビーイング(Well-being)とは、WHO(世界保健機関)憲章の前文にある健康の定義が有名です。
そこでは、「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的、精神的、社会的にすべてが満たされた状態(well-being)にあることをいう」とされています。
つまり、一時的な感情である「幸せ(Happiness)」とは異なり、持続的で良好な状態そのものを指す、より包括的な概念です。
(参考 世界保健機関(WHO)憲章とは | 公益社団法人 日本WHO協会)
要素 | 説明 |
身体的Well-being | 健康的な食事や運動習慣などにより、身体が健康で活力に満ちている状態。 |
精神的Well-being | ポジティブな感情を持ち、ストレスにうまく対処でき、人生に目的意識を持てている状態。 |
社会的Well-being | 良好な人間関係を築き、社会やコミュニティとの繋がりを感じられている状態。 |
なぜ今ウェルビーイングが注目されるのか
ウェルビーイングが注目される背景には、いくつかの社会的要因があります。
終身雇用制度の崩壊や働き方の多様化により、個人は自律的なキャリア形成を求められるようになりました。
また、ストレス社会といわれる現代において、メンタルヘルスの重要性が広く認識されるようになったことも大きな要因です。
企業経営においても、従業員のウェルビーイングが高いほど、生産性や創造性が向上し、離職率が低下することが多くの研究で示されており、「健康経営」や「人的資本経営」の観点から注目されています。
ウェルビーイング関連の資格を取得する3つのメリット
ウェルビーイングに関する資格を取得することは、キャリアや私生活において多くの利点をもたらします。
ここでは、主なメリットを3つの観点からご紹介します。
専門知識が身につきキャリアの幅が広がる
資格取得を通じて、心理学、健康科学、コーチングなどの専門知識を体系的に学ぶことができます。
これにより、人事、マネジメント、対人支援職など、多様な職種で活躍する道が開けます。
特に、従業員のエンゲージメント向上を目指す企業が増えているため、ウェルビーイングの専門家は市場価値の高い人材として評価されるでしょう。
自分自身の心身の健康維持に役立つ
ウェルビーイングについて学ぶことは、他者を支援するためだけではありません。
ストレス管理、ポジティブ心理学、健康的な生活習慣などの知識は、自分自身のセルフケアにも直接的に役立ちます。
心身ともに満たされた状態を自ら作り出すスキルは、変化の激しい時代を生き抜く上での大きな支えとなります。
組織や社会への貢献に繋がる
ウェルビーイングの知識を活かすことで、職場の人間関係を円滑にしたり、働きやすい環境を構築したりと、所属する組織に良い影響を与えることができます。
従業員一人ひとりが活き活きと働ける職場は、組織全体の活性化に繋がります。
ひいては、より良い社会を創造することにも貢献できる、社会的意義の大きなスキルといえます。
【目的別】ウェルビーイングのおすすめ資格11選
ウェルビーイングに関連する資格は多岐にわたります。
ここでは、「心理・カウンセリング」「健康・身体」「組織・経営」「ライフスタイル・金融」の4つのカテゴリに分けて、おすすめの資格を紹介します。
【心理・カウンセリング系】こころの専門家を目指す資格
人の心に寄り添い、精神的な健康をサポートするための資格です。
資格名 | 特徴 | おすすめの人 |
公認心理師 | 心理職初の国家資格。保健医療、福祉、教育など幅広い分野での活躍が期待される。 | 心理学の専門家として高い信頼性を得たい人。 |
臨床心理士 | 心理専門職の民間資格として長年の実績と信頼性がある。 | 心理査定や心理面接など、臨床実践に重きを置きたい人。 |
メンタルヘルス・マネジメント®検定 | 働く人の心の健康管理に特化した検定。管理職や人事担当者向け。 | 職場でのメンタルヘルス対策を主導したい人。 |
ウェルビーイング心理教育ナビゲーター® | ポジティブ心理学をベースに、ウェルビーイングを高める方法を伝える講師資格。 | 研修やセミナーでウェルビーイングを広めたい人。 |
【健康・身体系】からだの健康をサポートする資格
身体的なアプローチから、健康で活力ある状態を支援する資格です。
資格名 | 特徴 | おすすめの人 |
ヨガインストラクター | ヨガのポーズや呼吸法を通じて、心身のバランスを整える指導を行う。 | 自身の健康法を仕事にしたい、フリーランスで働きたい人。 |
パーソナルトレーナー | 個別のトレーニングや食事指導を通じて、クライアントの目標達成をサポートする。 | 運動や栄養学に関心があり、人の変化を直接支援したい人。 |
健康経営アドバイザー | 企業の健康経営を推進するための知識を証明する資格。 | 中小企業の経営者や担当者として健康経営を導入したい人。 |
【組織・経営系】職場環境を改善する資格
組織開発や人材育成の観点からウェルビーイングを推進する資格です。
資格名 | 特徴 | おすすめの人 |
国家資格キャリアコンサルタント | 個人のキャリア設計を支援する専門家。従業員のキャリア自律を促す。 | 人材開発やキャリア支援の分野で専門性を高めたい人。 |
国際コーチング連盟(ICF)認定コーチ | 国際基準のコーチングスキルを証明する資格。対話を通じて目標達成を支援。 | リーダーシップやマネジメントスキルを向上させたい人。 |
【ライフスタイル・金融系】生活全般の質を高める資格
お金や生活習慣など、暮らしの土台となる部分のウェルビーイングを高める資格です。
資格名 | 特徴 | おすすめの人 |
ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士 | 個人の資産設計やライフプランニングに関する国家資格。 | お金の知識を体系的に学び、自他の経済的安定に貢献したい人。 |
ファイナンシャル・ウェルビーイング検定 | ライフプランに必要な金融リテラシーに特化した検定。 | 資産形成や社会保険の知識を基礎から学びたい人。 |
自分に合ったウェルビーイング資格の選び方
数ある資格の中から、自分に最適なものを選ぶためのポイントを3つ解説します。
これらを参考に、ご自身の目的と照らし合わせてみましょう。
資格取得の目的を明確にする
まず、「なぜ資格を取りたいのか」を具体的に考えることが重要です。
例えば、「現在の仕事(人事)で活かしたい」「カウンセラーとして独立したい」「自分自身のストレス対策のため」など、目的によって選ぶべき資格は大きく異なります。
目的が明確であれば、学習のモチベーション維持にも繋がります。
資格の種類(国家資格・民間資格)を理解する
資格には、国が法律に基づいて認定する「国家資格」と、民間団体や企業が独自の基準で認定する「民間資格」があります。
一般的に、国家資格は社会的な信頼性が高く、特定の業務を行える独占業務が付与されることもあります。
一方で、民間資格は種類が豊富で、特定の分野に特化したスキルを短期間で習得できるメリットがあります。
種類 | メリット | デメリット |
国家資格 | 社会的信頼性が高い、名称独占や業務独占がある場合も。 | 受験資格が厳しい、学習期間が長い傾向がある。 |
民間資格 | 種類が豊富、特定の分野に特化、短期間で取得可能。 | 質や信頼性にばらつきがある、公的な証明になりにくい場合も。 |
学習方法や費用を比較検討する
資格取得にかかる費用や学習スタイルも重要な選択基準です。
通学が必要なスクール、オンラインで完結する講座、独学が可能な書籍など、様々な選択肢があります。
ご自身のライフスタイルや予算に合わせて、無理なく続けられる方法を選びましょう。
複数の講座の資料請求をしたり、説明会に参加したりして、情報を集めることをお勧めします。
資格取得後のキャリアと活かし方
資格は取得することがゴールではありません。
学んだ知識やスキルをどのようにキャリアや生活に活かしていくかが重要です。
ここでは、具体的なキャリアパスの例をいくつかご紹介します。
企業の人事・総務部門での活躍
メンタルヘルス・マネジメント®検定や健康経営アドバイザーなどの資格は、企業の人事・総務部門で直接的に活かすことができます。
従業員のストレスチェックの実施、健康増進プログラムの企画、働きやすい職場環境の整備などを担当し、組織のウェルビーイング向上に貢献できます。
プロのコーチやカウンセラーとして独立
公認心理師やICF認定コーチなどの専門資格を取得すれば、プロフェッショナルとして独立・開業する道も開けます。
個人を対象としたカウンセリングやコーチングセッションを提供したり、企業と契約して従業員向けの研修講師として活動したりと、多様な働き方が可能です。
現在の職務への知識の応用
必ずしも転職や独立だけが選択肢ではありません。
例えば、管理職の方がコーチングやカウンセリングのスキルを身につければ、部下との1on1ミーティングの質が向上し、チームの心理的安全性を高めることができます。
営業職であれば、傾聴スキルを活かして顧客との信頼関係を深めることができるでしょう。
PHONE APPLIが実施しているウェルビーイング施策
ウェルビーイング経営の事例をいくつかご紹介しました。ここでは、「もう少し施策内容を詳しく知りたい」という方向けに、当社 株式会社PHONE APPLIの取り組みをご紹介します。当社では、2018年から「従業員が健康でいきいきと働いている」状態を目指し、「ウェルビーイング経営」を推進してきました。下記の事柄を主軸としたウェルビーイング施策を行っています。
もっともパフォーマンスを出せる環境で働く
- オフィス・在宅に関係なく働きやすい環境づくり
- 従業員が行きたくなるオフィス
- 上司と部下の間に信頼関係を築く毎週30分の1on1
- 運動・食事・睡眠など、様々なイベントやワークショップ実施
- 部署を横断した健康経営推進プロジェクト「Wellnessアンバサダー」を発足
時間ではなく成果で評価
- 個人の成長と会社の成長を直結させる目標設定方法
- 基本的にはコアタイムなしのフレックスタイム制を実施
- 7:00〜11:00の中で10分単位で出社時間を変更できる「快適出社制度」の導入
- 社員個人の目標や成果を「見える化」することで、風通しの良い組織づくり
社内に「ありがとう」が飛び交う仕組み
- 「PHONE APPLI THANKS」で簡単に「ありがとう」を送れる仕組み
- 感謝の気持ちを「見える化」することで、職場における一体感の増進や心理的安全性の向上に努めています
※「PHONE APPLI THANKS」について
https://phoneappli.net/product/service/pa-thanks/
上司と部下の信頼関係をつくる毎週30分の1on1
自社開発した「リモート1on1」ツールを用い、マネージャーとメンバーで毎週30分、1on1を実施しています。メンバーは1on1開始直前に、ツール上で現在の体調・仕事量・モチベーションを回答し、今回の1on1で話したい話題のカテゴリーを選択します。これらの機能により、マネージャーはメンバーの状態を把握し、より1on1を有効活用することができます。またリアルタイムでマネージャーとメンバーの発話量もグラフ表示されるため、マネージャーはより傾聴を意識して1on1を行うことが可能です。基本的に上司と部下の発話量が「30%:70%」になるようなルールを設けています
PHONE APPLIの書籍「最強の組織は幸せな社員がつくる ~ウェルビーイング経営のすすめ~」
最強の組織をつくる仕掛けを大公開
社員の幸せを追求することは奉仕だと思っていないでしょうか? 幸せな社員たちは価値ある商品やサービスを生み出すクリエイティビティの源泉になり、企業の成長につながることが証明されています。
私たちはウェルビーイングを経営戦略の一環として位置づけ、正しく構造化することで幸せな社員を増やすことに成功しました。本書では、ウェルビーイング経営の構造やノウハウを余すことなく公開!
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【関連】PHONE APPLIの書籍「最強の組織は幸せな社員がつくる ~ウェルビーイング経営のすすめ~」
まとめ
この記事では、ウェルビーイングの基本的な考え方から、具体的な資格の種類、選び方、そしてキャリアへの活かし方までを網羅的に解説しました。
ウェルビーイングに関する資格の取得は、不確実な時代において自分らしく、豊かに生きていくための羅針盤となり得ます。
本記事が、あなたの目指すキャリアやライフスタイルを実現するための一歩に繋がることを願っています。