心理的安全性が高い職場・チームの作り方や施策|コミュニケーション向上の課題や解決策も紹介

- 職場やチームの心理的安全性を高めたい
- 心理的安全性を作るうえでのポイントを知りたい
- コミュニケーションを通じて心理的安全性を作る方法を知りたい
心理的安全性とは、従業員が組織の中で安心して発言できる状態のことです。心理的安全性があることで、従業員のエンゲージメントが高まり、チーム全体の生産性向上につながります。
自社の心理的安全性を向上させたいものの、何から始めるべきかわからず悩んでいる企業の方もいらっしゃるでしょう。そこで本記事では、企業における心理的安全性について次のポイントを中心にお伝えします。
本記事で心理的安全性への理解を深め、自社の生産性アップにつなげましょう。
心理的安全性が高い職場・チームの作り方
心理的安全性の高い職場やチームはどのように作っていけばよいのでしょうか。次のポイントを意識してみてください。
- メンバー同士で信頼関係を構築する
- コミュニケーションを活性化する
- 全体のマネジメント手法を見直す
- 多様な価値観を共有・尊重する
- 評価基準や人事評価制度を見直す
- 失敗を恐れずに挑戦するマインドを醸成する
- 感謝の気持ちを伝える文化を作る
1. メンバー同士で信頼関係を構築する
心理的安全性の高い状態を作るには、メンバー同士の信頼関係が重要です。信頼関係がある状態とは、「自分の考えを安心して言える」「安心して仕事を任せられる」といった状態を指します。
信頼の根底にあるのは「相手を認め、自分も相手から認められている」という考え方です。信頼関係を構築するためには、コミュニケーションの活性化や価値観の尊重、評価の見直しなどさまざまな方法があげられます。
2. コミュニケーションを活性化する
社内のコミュニケーションを活性化するのも、従業員の心理的安全性を高めるための重要な施策です。メンバー同士が日常的にコミュニケーションを取っていると、互いの理解が深まり自分の意見も言いやすくなります。
コミュニケーション活性化の取り組みは、メンバーが互いを認め合い、信頼関係を築くきっかけになります。
そしてコミュニケーションの活性化は「チームビルディング」の実現に必要です。
3. 全体のマネジメント手法を見直す
会社全体のマネジメント手法を見直すことで心理的安全性が高まる場合もあります。たとえば次のようなケースは、いずれも従業員の心理的安全性が低くなりやすく、マネジメントに問題がある可能性が高いです。
- 従業員が「自分の意見を聞き入れてくれない」と悩んでいる
- 従業員自身の「会社に貢献したい」気持ちが少な
- 企業がトップダウン化していて従業員の意見を吸い上げない
上記はいずれも、従業員が会社を信頼していない状態です。自分の意見を聞き入れてもらえなければ当然、貢献意識も下がります。
企業としては、従業員の意見をしっかりと吸い上げたり、目標設定によって会社と従業員が同じ目的意識を持って動けたりする体制づくりが必要です。
4. 多様な価値観を共有・尊重する
心理的安全性を高めるには、従業員の「チームの邪魔をしているかもしれない」という不安を取り除き、それぞれの価値観を共有・尊重することが大切です。
従業員の「邪魔をしているかも」という不安の根底には、上下関係や立場による不健全な人間関係が原因として考えられます。
そのため、年齢やポジションなどに関係なく誰もが意見を言いやすい、風通しのよい環境を作ることが大切です。
5. 評価基準や人事評価制度を見直す
従業員が抱く「評価が下がるかもしれない」という不安や、「頑張ったのに正当に評価されない」といった不満は、心理的安全性を下げる要因のひとつです。そのため、評価を可視化し、従業員に納得感を与えることが大切です。
企業は、心理的安全性を下げかねない評価基準や人事評価制度がないかチェックし、当てはまる基準や制度があれば改善しましょう。
6. 失敗を恐れずに挑戦するマインドを醸成する
従業員自身が失敗を恐れずに挑戦することも、心理的安全性を高めるために大切な考え方です。挑戦マインドが醸成されるかも、社内の雰囲気や環境に左右されます。
失敗が許されない雰囲気だと、「挑戦しても周りから非難されるかもしれない」「自分のチャレンジは本当に正しいのか」と従業員もネガティブになります。
従業員の挑戦を応援し、失敗しても互いに励まし合う環境を作ることが大切です。。
7. 感謝の気持ちを伝える文化を作る
心理的安全性を高めるには、従業員自身に「自分が会社やチームから必要とされている」という実感を持ってもらうことが大切です。
その実感は、他のメンバーから感謝されることで得られます。従業員が互いに感謝を伝える「サンクスカード」を導入するなど、お互いを思いやる仕組みを作るのもよいでしょう。
感謝尾気持ちを伝え合うことで、コミュニケーションが活発になり、従業員のモチベーション向上にも効果が期待できます。
心理的安全性を向上させる具体的な施策10選
前章では心理的安全性を高めるための大枠の取り組みをお伝えしました。次に具体的な施策をご紹介します。
- 従業員同士でサポートし合う関係づくり
- 誰でも意見がいえる環境づくり
- 1on1の実践
- 価値観の受容
- 共通認識をすり合わせる
- ピアボーナスの導入
- サポートを意識したマネージャーの設置
- OKRの設定
- 弱みを受容する環境づくり
- 新人のフォロー体制づくり
社内の信頼関係を構築するためには、従業員同士がサポートし合う関係づくりや、誰もが意見をいえる環境づくりが重要です。
従業員一人ひとりをより深く理解したり、「承認」してあげるためには、1on1や価値観の受容、ピアボーナスも大切な施策といえます。
ほかにもマネージャーの設置やOKRの設定、弱みを許容する環境、新人のフォロー体制など有効な施策はさまざまです。
心理的安全性を高める5つのメリット
元より、従業員の心理的安全性を高めることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。代表的なメリットとして次の5つがあげられます。
- チーム全員のパフォーマンスが向上する
- 自由に議論できてイノベーションが推進される
- 会社に対するエンゲージメントが向上する
- 従業員のストレスが軽減する
- 従業員の帰属意識が向上する
心理的安全性の根底にあるのは「互いを尊重し、認め合う精神」です。この精神が満たされていれば、従業員一人ひとりが「もっと良いものを生み出そう」というマインドになり、チーム全体のパフォーマンス向上につながります。
ほかにもイノベーションの推進や、従業員の会社に対するエンゲージメント(=貢献したい気持ち)の向上も期待できます。
また企業においては、従業員同士が安心してコミュニケーションがとれる環境づくりも重要です。この環境が構築されることで、人間関係へのストレスも軽減されるうえ、従業員の「メンバーの一員である」という帰属意識も高まります。
コミュニケーションで心理的安全性を高めるときの課題と解決ポイント
「コミュニケーション」の側面から心理的安全性を高める際は、以下の点に注意しましょう。
- コミュニケーション自体に強制感が出る
- 話しやすい環境が整っていない
- 上司が従業員に一方的に話す
- 話すテーマがわからない
- リモートワーク社員との交流が少ない
- コミュニケーションの時間がとれない
- 効果を検証する方法がわからない
コミュニケーション向上の施策を行った場合、話すことに「強制感」が出やすいです。従業員も「話さなければいけない」とプレッシャーを感じ、かえってストレスがかかってしまいます。
施策がうまくいかない要因として、そもそも話しやすい環境が整っていなかったり、上司から部下に一方通行になっていたりする場合もあります。一方的ではなく双方での「傾聴」が重要です。
ほかにも、話すテーマがない、リモートワーク社員との交流ができない、そもそも気軽に話せる時間がない、といった課題もあります。
また、効果検証の方法がわからないため本当にコミュニケーションの効果が出ているのか見えない、といった課題を抱える企業も多いです。解決策としては社内アンケートや従業員サーベイなどがあげられます。
【コラム】心理的安全性の4つの不安と4要素とは?
心理的安全性には、従業員が抱える「4つの不安」と、向上につながる「4つの要素」があります。それぞれの内容を見ていきましょう。
心理的安全性の4つの不安
心理的安全性の4つの不安として、次のものがあげられます。
- 無知だと思われる不安
- 能力がないと思われる不安
- 邪魔をしていると思われる不安
- ネガティブだと思われる不安
どれか1つの不安があるだけで、従業員の心理的安全性は失われてしまいます。企業や上司は、こまめに従業員の様子をチェックし、必要に応じて対策を打つことが大切です。
心理的安全性の4要素
心理的安全性の向上につながる要素として、次の4つがあげられます。
- 話しやすい雰囲気
- 助け合いの精神
- 挑戦を応援する風土
- 新奇歓迎な職場
心理的安全性の高い職場のほとんどは、誰もが気軽にコミュニケーションを取れたり、言いたいことを言える雰囲気が醸成されています。助け合いの精神が強く、メンバーの挑戦を妨げることもありません。
また、個性的な人を受け入れる「新奇歓迎」であるのも特徴です。互いの価値観の違いを受け入れ、個性を尊重し合うため、従業員も自分らしくいられます。
【紹介】心理的安全性を高めるツール「PHONE APPLI THANKS」とは?

当社(株式会社PHONE APPLI)では、「PHONE APPLI THANKS」というサービスを提供しています。従業員間で感謝や称賛を"贈りあい"、組織のパフォーマンスを向上させるウェルビーイング経営推進サービスです。
【PHONE APPLI THANKSの特長】
- 日々で感じた感謝や賞賛をメッセージにして送り合える
- やりとりがオープンに表示されるため社員の活躍を把握しやすい
- メッセージカードに「いいね」を押すことができる
日々の業務の中で感じた感謝や称賛をカードにして"贈りあう"ことで、従業員それぞれの様子が見えるようになり、認め合う組織風土を育めます。こうした風土が従業員間の心理的安全性や、働くことに対する幸福度を高め、離職率の改善にも寄与します。
【まとめ】心理的安全性が高いチーム・職場の作り方
本記事では、心理的安全性の作り方について、次のポイントを中心にお伝えしました。
- 心理的安全性を高めるには信頼関係の構築やコミュニケーション活性化、感謝を伝える文化を作ることが大切
- 具体的には1on1やピアボーナス、OKRの設定などの施策があげられる
- 上司から部下への一方的なコミュニケーションを避け、話すことを強制しない雰囲気づくりが求められる
心理的安全性の根底にあるのは「互いを尊重し、認め合う精神」です。この精神を実現するため、企業には多様性を受け入れ、感謝を伝える文化を醸成するような、従業員が安心できる環境づくりが求められます。
本記事の内容が、自社の心理的安全性の向上に役立つことを願っています。