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1on1をやめてほしい!無意味だと感じる5つの理由と角が立たない対処法

「また今週も1on1の時間がやってくる...何を話せばいいんだろう...」。週に一度、あるいは月に一度、定期的に設定される上司との1on1ミーティング。本来は部下の成長やキャリア形成を支援するための貴重な機会のはずが、あなたにとっては苦痛な時間になっていませんか?

「話すことがない気まずい沈黙」「ただの業務報告や、ときには説教の時間」「忙しいのに時間を取られて、正直やめてほしい」。そう感じるのは、決してあなただけではありません。多くのビジネスパーソンが、形骸化した1on1に悩んでいます。

この記事では、なぜ1on1をやめたくなるのか、その根本的な理由を解き明かし、その苦痛を解消するための具体的な対処法を解説します。


なぜ1on1をやめてほしいと感じるのか?5つの理由

なぜ1on1をやめてほしいと感じるのか?5つの理由

あなたが1on1を苦痛に感じる背景には、いくつかの共通した原因が潜んでいます。ここでは、多くの人が「やめてほしい」と感じる5つの代表的な理由を掘り下げてみましょう。

話すことがなく沈黙が気まずい

特に話したい悩みや相談事がないのに、「何か話さなければ」と無理に話題を探し、結果的に気まずい沈黙が流れる。これは、1on1で最も多く聞かれる悩みのひとつです。上司も話題提供がうまいタイプでない場合、この沈黙の時間は大きな精神的苦痛となります。

ただの進捗確認や説教の時間になっている

1on1が、本来の目的である「対話」ではなく、単なる「業務報告」の場になっていませんか。上司が聞きたいことだけを聞き、進捗が遅れていれば詰問する。これでは、普段の業務会議と何ら変わりません。

部下のキャリアや成長について対話するのではなく、上司のための進捗確認や、一方的な説教の時間と化しているケースです。

上司に心理的安全性を感じられない

「こんなことを言ったら、評価が下がるのではないか」「弱みを見せたら、後で何を言われるかわからない」。上司との間に信頼関係が築けておらず、心理的安全性が確保されていない状態では、本音で話すことなど到底できません。キャリアの悩みやプライベートな相談どころか、業務上の課題すら正直に話すことをためらってしまいます。

業務が忙しく時間を確保できない

日々の業務に追われ、目の前のタスクをこなすことで精一杯なのに、週に30分、月に1時間といった時間が定期的に奪われる。その時間を本来の業務に充てたい、というのが多忙な人にとっての本音でしょう。「1on1で話すくらいなら、手を動かしたい」と感じるのは、決して不真面目なわけではありません。

1on1の目的や効果を実感できない

そもそも、自分の会社が何のために1on1を導入しているのか、その目的が共有されていないケースも多く見られます。目的がわからないまま形式的に時間を過ごしても、成長につながる実感は得られません。「この時間、本当に意味があるのだろうか?」という疑念が、「やめてほしい」という気持ちに直結するのです。

そもそも1on1ミーティングの本来の目的とは?

形骸化した1on1に不満を持つ前に、本来あるべき姿を理解しておくことも重要です。米インテル社の元CEOアンドリュー・S・グローブ氏が1983年に刊行した著書『HIGHOUTPUTMANAGEMENT』で詳述されたことで知られる1on1ミーティングの主役は、あくまで「部下」です。



項目

1on1ミーティング

従来の人事評価面談

目的

部下の成長支援、経験学習の促進

評価の決定と伝達

主役

部下

上司

頻度

週1回~月1回(高頻度)

半年~年1回(低頻度)

対話内容

部下が話したいこと、キャリア、悩みなど

業務目標の進捗、成果

上司は部下の話を傾聴し、フィードバックや内省の機会を提供することで、部下の自律的な成長をサポートします。業務の進捗管理や評価のためではなく、部下の未来のために時間を投資するのが、本来の1on1なのです。

部下にやめてほしいと思われない1on1を実現する5つの対策

部下が「1on1をやめてほしい」と感じるのには、必ず理由があります。その多くは、上司の進め方や意識に起因するものです。しかし、いくつかのポイントを押さえるだけで、1on1は「苦痛な義務」から「部下の成長を支援する有意義な対話」へと生まれ変わります。

ここでは、部下に「この時間があって良かった」と思われる1on1を実現するための、5つの具体的な対策を解説します。



対策

対策

目的とゴールのすり合わせ

1on1が「部下のための時間」であることを明確にし、認識のズレをなくす。

心理的安全性の確保

部下が評価を気にせず、本音で話せる信頼関係と雰囲気を作る。

傾聴に徹する姿勢

上司が話すのではなく、部下の話を深く聞くことで、内省と自律的な気づきを促す。

アジェンダの事前準備

「話すことがない」状態を防ぎ、限られた時間を有効に活用する。

「次のアクション」の明確化

対話を具体的な行動に繋げ、部下の成長実感とモチベーションを高める。

1on1の目的とゴールを部下とすり合わせる

まず最も重要なのは、1on1の冒頭で「この時間は、あなたのための時間です」と明確に伝えることです。業務の進捗確認や評価のための面談ではなく、部下のキャリアや成長、悩みやコンディションについて話す場であることを、上司と部下の双方で改めて共有しましょう。

目的が曖昧なままでは、部下は何を話すべきか分からず、「何か報告しなければ」と身構えてしまいます。この時間をどう活用したいかを部下に問いかけ、ゴールを一緒に設定することで、部下の当事者意識を引き出すことができます。

部下が本音で話せる心理的安全性をつくる

部下が「こんなことを言ったら評価が下がるかも」と不安に感じている状態では、決して本音は出てきません。上司には、部下が安心して話せる「心理的安全性」の高い場を作ることが求められます。

具体的には、部下の話を途中で遮らず、最後まで真摯に耳を傾けること。そして、たとえ自分の意見と違っても、まずは「そう思うんだね」と一度受け止める姿勢が重要です。決してその場で評価やジャッジをせず、「ここでは何を話しても大丈夫だ」という安心感を育むことが、信頼関係の土台となります。

「話させる」ことに徹し傾聴を意識する

1on1の主役は、あくまで部下です。上司は、自分が話すのではなく、質問を通じて部下に「話させる」ことに徹しましょう。理想的な発話量の比率は「上司3割:部下7割」と言われています。

良かれと思ってアドバイスをしたくなっても、まずは「あなた自身はどう思う?」と問いかけ、部下の内省を促すことが大切です。上司が答えを与えるのではなく、部下が自ら考え、答えを見つけ出すプロセスをサポートする「コーチ」としての役割に徹することが、部下の自律的な成長につながります。

事前にアジェンダを共有し準備を促す

「話すことがない」という気まずい沈黙は、多くの場合、準備不足から生じます。1on1を形骸化させないためには、事前に話すテーマ(アジェンダ)を準備しておくことが不可欠です。

上司から「次の1on1では、最近の業務でうまくいったことについて、その要因を一緒に深掘りしてみたいんだけど、どうかな?」とテーマを提案したり、部下から「今回は〇〇について相談させてください」とアジェンダを提出してもらったりする仕組みを作りましょう。これにより、当日の対話の質が格段に向上します。

対話から生まれた「次のアクション」を明確にする

1on1が「話して終わり」になってしまうと、部下は「この時間に意味があったのだろうか」と感じてしまいます。対話を通じて見えてきた課題や、部下が「やってみたい」と話したことについて、具体的な「次のアクション」を一緒に決めることが重要です。

「では、まずは〇〇に関する情報を集めて、次回の1on1で共有してみようか」といった、小さな一歩で構いません。具体的な行動目標を設定し、その進捗を次回の冒頭で確認することで、1on1が自身の成長に繋がっているという実感を得やすくなります。

「やめてほしい」と伝える前に試したい改善策

「やめてほしい」と伝える前に試したい改善策

いきなり「やめてください」と伝えるのは、上司との関係性を考えると現実的ではありません。その前に、現在の苦痛な1on1を、少しでも有意義な時間に変えるための改善策を試してみましょう。

話したいテーマを事前に準備・提案する

「話すことがない」という状況を打開するために、自分からアジェンダを準備し、事前に上司に共有しておく方法です。「今回は〇〇のスキルアップについて相談させてください」「△△のプロジェクトで悩んでいる点について、壁打ち相手になっていただけますか?」など、具体的なテーマを提示することで、当日の会話がスムーズに進みます。

上司にフィードバックを求めてみる

受け身の姿勢から脱し、自分から積極的に上司の意見を求めてみましょう。「先日のプレゼンについて、何か改善点があればフィードバックをいただけますか?」「今後のキャリアとして〇〇を考えているのですが、どう思われますか?」など、具体的な問いを投げかけることで、上司からのアドバイスを引き出しやすくなります。

1on1の目的やゴールを上司とすり合わせる

「この1on1の時間を、私たちにとってどのような時間にしていきたいですか?」と、勇気を出して上司に問いかけてみるのも一つの手です。1on1の目的やゴールに対する認識が、上司とあなたとでずれている可能性は十分にあります。このすり合わせを行うことで、単なる進捗確認から脱却するきっかけが生まれるかもしれません。

頻度や時間の短縮を交渉する

どうしても時間を確保するのが難しい場合は、正直にその状況を伝え、頻度や時間の見直しを提案してみましょう。「現在、業務が立て込んでおりまして、もし可能であれば、週1回30分を、隔週30分に変更いただくことは難しいでしょうか?」のように、具体的な代替案を添えて相談すれば、上司も検討しやすくなります。

どうしてもやめたい場合の上手な伝え方

様々な改善策を試しても状況が変わらず、1on1が精神的な負担でしかない場合は、最終手段として「やめたい」という意思を伝えることも考えられます。その際は、感情的にならず、あくまで論理的に伝えることが重要です。

伝える際は、「1on1の時間が無駄だと思います」といった直接的な批判は避けましょう。「現状、1on1でご相談できるような課題がなく、貴重なお時間をいただくのが申し訳ないと感じています。

もし今後、ご相談したいことが出てきた際に、改めてお時間をいただくという形に変更させていただけないでしょうか」といった、相手を敬う姿勢と代替案を示すことで、角が立ちにくくなります。

まとめ:1on1を有意義な時間に変えるために

「1on1をやめてほしい」と感じる背景には、多くの場合、本来の目的からかけ離れた形骸化した運用があります。その不満は、決してあなた一人が感じているものではありません。

まずは、なぜ自分がそう感じるのかを整理し、この記事で紹介したような改善策を試してみてください。1on1の主導権は、本来あなたにあるのです。受け身の姿勢から脱し、主体的に関わることで、苦痛な時間が自己成長のための有意義な時間に変わるかもしれません。

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