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心理的安全性を向上させる具体的な施策10選|心理的安全性を高める施策を導入した事例も紹介

「社員のモチベーションが下がり気味なので、何かしらの対策を打ちたい」
「心理的安全性を高める施策を知りたい」
「心理的安全性を高めた事例を知りたい」

社員が自分の考えや気持ちを、安心して発言できる状態を指す「心理的安全性」。見た目で判断にしにくく数値化が難しいものなので、知らぬ間に心理的安全性が下がっていた・・・といったケースも少なくありません。そこで本記事では、心理的安全性について以下のポイントを中心にお伝えします。

心理的安全性の向上は、社員のエンゲージメント向上、社内コミュニケーション活性化など、企業にさまざまなメリットをもたらしてくれます。ぜひ本記事の内容を、社員の心理的安全性の向上にお役立てください。

【本題】心理的安全性を向上させる具体的な施策10選

早速本題である、心理的安全性を向上させる具体的な施策をみていきましょう。

1. 従業員同士でサポートし合える関係性づくり

心理的安全性の高い組織は、従業員同士がサポートしあえる関係を構築できます。サポートしあえるということは、お互いの強みや弱みを理解し、助け合いができるということ。なので、結果として協調性が高まっていくのです。

協調性が高まると、安心した職場環境が自然と構築されるため、心理的安全性が向上します。

2. 誰でも意見がいえる環境づくり

自分の意見をハッキリと言える環境づくりも大切です。上司の顔色をうかがって部下が発言しにくい、会議で誰も意見をいわないといった状態でいると、心理的安全性は下がってしまいます。

そのため、上司が自ら弱みをさらけ出してみたり、雑談を増やしたりなど、社員同士の個性などを知る環境を作ることが大切です。

3. 1on1ミーティングの実践

1on1ミーティングの実施も有効な手段の1つ。1on1ミーティングとは、文字通り上司と部下が1対1で話すことです。仕事内容よりは、人間関係やプライベートのことをメインに話し、お互いのことを知る機会として活用します。そうすることで、信頼関係が作りやすくなり、その後も部下が相談しやすい環境を構築できます。

4. 価値観の受容

お互いの価値観を認めあうことで心理的安全性は高まります。とくに現代の人の価値観は多種多様です。自分の価値観にそぐわないからといって否定すると、相手はイヤな気持ちになり、心の壁を作ってしまいます。

そうならないためにも、相手の価値観を受け入れ、「承認」してあげることが大切です。

5. 共通認識をすり合わせる

チームとしての共通認識のすり合わせも重要です。目標やビジョン、社内ルールなどが決まっていないと、各々が勝手に仕事を進めてしまい、認識のズレが生まれやすくなります。

お互いの認識がズレると、相手に対して不信感を抱きやすくなります。社員がお互いを信頼しあいながら仕事を進めるためにも、定期的に共通認識はすり合わせておきましょう。

6. ピアボーナスの導入

社員が安心して働けるためには、周りからの「承認」が必要不可欠です。

承認を得るための具体的な方法のひとつとしては、「ピアボーナス」の導入がおすすめ。ピアボーナスとは、感謝の気持ちをボーナスやメッセージなど形にして送りあえるシステムのことです。

お互いの承認が可視化されることで、それが一人ひとりのエンゲージメント向上につながります。

ピアボーナスを含めた、社員のエンゲージメント向上の施策については、以下の記事をご参考ください。

7. サポートを意識したマネージャーの設置

心理的安全性を高める上で、マネージャーのポジションは重要です。Google社が行った調査によると「最高の上司の条件」には、次の8つの特徴があるといいます。

  1. 専門知識を持った良いコーチ
  2. マイクロマネジメントはしない
  3. 部下の健康や成功に関心を示す
  4. 生産的であり、成果主義である
  5. 聞き上手で、積極的にコミュニケーションも取る
  6. メンバーのキャリア形成をサポートする
  7. ビジョンと戦略が明確
  8. 技術的な専門知識をチームに還元している

これらの条件にあてはまる人、あるいは今後期待できる人をマネージャーに登用してみるのもひとつの手ではないでしょうか。

8. OKRの設定

OKRとは、Objectives and Key Resultsの頭文字をとったもので、直訳すると「目標と主要な成果」となります。計画を高頻度で設定し、追跡、再評価することで目標達成を目指す手法です。

OKRの設定によって、社員が同じ方向を向き、一定のペースで計画を進められるようになります。それぞれが責務を果たすことで、チームの協力体制が強化されやすくなります。協力体制の構築は、社員の相互理解や安心感にもつながるでしょう。

9. 弱みを受容する環境づくり

人は弱みを認められると安心します。一人ひとりが「弱みをさらけ出しても大丈夫だ」と思えることで、心理的安全性は高まります。

弱みを受容する環境を作るためには、まず上に立つマネージャー自身が弱みをさらけ出すことが大切です。そうすることで部下も弱みを出しやすくなり、それぞれがいいたいことをいえる職場になっていきます。

10. 新人のフォロー体制づくり

新入社員は多くの不安を抱えながら入社してくるため、彼らに安心してもらうためにも、サポート体制を整えておきましょう。新人が失敗してしまったときのフォロー、新人に明確な役割を与える、仕事への悩みをヒアリングする「メンター制度」の実施などが有効です。

心理的安全性を確保するために必要なこととは?

具体的な施策をご紹介しましたが、心理的安全性を確保するためには、いくつかの必要条件があります。以下の3つを意識しましょう。

  1. 対人リスクの排除
  2. 4つの不安を排除する
  3. 馴れ合いにならないようにする

1. 対人リスクの排除

1つ目は「対人リスクの排除」です。心理的安全性を高めるためには、社員が恐怖や不安を感じていないことが大前提となります。不安がないからこそ、自分の意見を言えるようになるのです。

対人リスクは、4つの不安からなります(次項で詳しく解説します)。「もし〇〇だと思われたらどうしよう」という対人リスクを排除することで、社員が少しずつ安心感を得られるようになるのです。

2. 4つの不安を排除する

対人リスクを排除するためには、「4つの不安」を理解し、それぞれを解消する必要があります。4つの不安とは以下のものを指します。

  1. 無知だと思われる不安
  2. 無能だと思われる不安
  3. ネガティブだと思われる不安
  4. 邪魔だと思われる不安

誰しも一度は考えたことがある不安ではないでしょうか。これら4つの不安を排除するためには、次のような意識をもつことが大切です。

  • 全員に平等に発言の機会を与える
  • 全員がフェアとなる関係性を構築する
  • ダイバーシティ(多様性)を積極的に受け入れる
  • 課題解決において「助け合い」が必要不可欠であることを伝える

これらに積極的に取り組むような組織づくりを心がけましょう。

3. 馴れ合いにならないようにする

心理的安全性を高めるためにはコミュニケーションは必要不可欠です。しかし、ただ仲良くなればいいというわけではありません。たとえコミュニケーションが円滑になっても、生産性が上がらなければ意味がありません。

ですので、ただの馴れ合いや仲良しのチームというだけでなく、あくまでも「生産性を上げる」「一人ひとりが仕事に対して責任をもつ」という意識が大切です。

自社の心理的安全性はどれくらい?心理的安全性を測定する方法

心理的安全性は、あくまで「社員の心情」ですので、見た目では数値が高いか低いかは分かりません。ですが、心理的安全性を測定する方法はあります。

心理的安全性を測る7つの質問

心理的安全性を提唱したエドモンソン教授の評価項目を参考に、「心理的安全性を測る方法」として7つの質問をご紹介します。

  1. チームの中でミスをすると、たいてい非難される。
  2. チームのメンバーは、課題や難しい問題を指摘し合える。
  3. チームのメンバーは、自分と異なるということを理由に他者を拒絶することがある。
  4. チームに対してリスクのある行動をしても安全である。
  5. チームの他のメンバーに助けを求めることは難しい。
  6. チームメンバーは誰も、自分の仕事を意図的におとしめるような行動をしない。
  7. チームメンバーと仕事をするとき、自分のスキルと才能が尊重され、活かされていると感じる。

これらの質問に対して、1.「全くそう思わない」から7.「非常にそう思う」の7つの数字で回答します。ポジティブな回答が多ければ「心理的安全性が高い」、反対にネガティブな回答が多いと「心理的安全性が低い」となります。

「9つの兆候」があると心理的安全性が低い職場の可能性が高い

心理的安全性が低い職場には、何かしらの兆候があります。次の「9つの兆候」にあてはまる項目の多い会社は要注意です。

  1. 社員は会議中に質問をほとんどしない。
  2. 社員は過ちを認めることに抵抗を感じている。
  3. チーム内では、難しい会話や激しい議論を招く話題を避けている。
  4. 役員とチームリーダーは、会議の議論を支配する傾向がある。
  5. フィードバックは頻繁に行われず、求められることもない。
  6. 他のチームメンバーをサポートするために、メンバーが自分の職務以外のことを進んですることがない。
  7. 社員同士、必要な時にお互いに助けを求めることがない。
  8. 意見の相違、異なった視点からの意見がほとんどない。
  9. 社員はお互いを個人的に知っているわけではなく、職務的に知っている。

あてはまる項目が多いほど、心理的安全性が低いといえます。思い当たる節がある場合は、早急に対応しましょう。

【コラム】Googleが心理的安全性を高めるために実施しているマネジメント手法5つ

心理的安全性を高めたいと思ったとき、ぜひ参考にしたいのが「Google」の事例です。今や世界的企業となったGoogleですが、「生産性の高いチームの特性」として次のものを明らかにしています。

  1. 心理的安全性:お互いに弱い部分をさらけ出せる
  2. 相互信頼:仕事のクオリティや納期に対してお互いに信頼し合っている
  3. 構造と明確さ:チームの役割、計画、目標が明確になっている
  4. 仕事の意味:仕事が自分にとって意味があると感じている
  5. インパクト:仕事に意義を感じることがチームにとって重要であること

上記の条件をクリアするために、Googleでは次のマネジメント手法を積極的に実施しています。

  • OKR
  • 1on1ミーティング
  • ピアボーナス
  • マネージャーへのフィードバック
  • 雑談

OKRで会社やチームとしての目標を一人ひとりに落とし込むことは、「3. 構造と明確さ」や「4. 仕事の意義」「5. インパクト」にプラスに働きます。自分の役割を明確にするためには、マネージャーへのフィードバックも重要です。1on1やピアボーナス、雑談は、「1. 心理的安全性」や「2. 相互信頼」につながります。

【事例】心理的安全性を向上させる具体的な施策の事例

具体的な施策をお伝えしましたが、事例がないとイメージしにくいかもしれません。ここでは、施策を行うことで心理的安全性が高まった企業の事例をいくつかご紹介します。

1. メルカリ『メルチップ』

株式会社メルカリは、個人が自由に物を売り買いできるフリマアプリ「メルカリ」を運営する会社です。いまでは国内に留まらずアメリカにも進出するなど急成長している同社。成長する企業にあわせて、社内制度の設置やアップデートを積極的に行っています。

同社では従業員エンゲージメント向上のために、「メルチップ」を実施。メルチップとは、メルカリが作ったピアボーナスプラットフォームのことです。社員同士でありがとうの気持ちを賞賛しあうことで、給料とは別のインセンティブを贈り合うことができます。

感謝をカジュアルにいえる環境が作られたことで、お互いに「仕事を見てくれている」という安心感が生まれ、心理的安全性の向上につながっているといいます。社内アンケートでは87%の社員が「満足した」と答えたようです。

2. LIFULL『Switch(スウィッチ)』

株式会社LIFULLは、住宅・不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」の企画や運営をメインに行う会社です。社員がキャリアデザインを思い描き、チャレンジしやすい環境を作るためには、「心理的安全性」が重要だと提唱している同社。そこで同社では以下のような取り組みを実施。

  • 社内でこまめにビジョンを発信した
  • キャリアデザインシートの記入
  • 1on1ミーティングの実施
  • バーベキューやサバイバルゲームなど社内交流の機会を増やす

上記の取り組みによって、社内コミュニケーションの活性化をはじめ、「仕事をする意味」を見出せていなかった社員のモチベーション向上につながったといいます。結果、社員が能動的に働くようになり、売上は昨年比300%を達成したようです。

3. 株式会社Phone Appli『従業員間で感謝や称賛を"贈りあう"「PHONE APPLI THANKS」の活用』

THANKSカードを通じてお互いに感謝を贈りあい、従業員間の「ありがとう」を可視化しています。このカードの内容は全社に公開されているため、リモートワーク下でもマネージャーがメンバーの活躍を知ることや、これまで接点のない従業員の情報を事前に知ることが可能になります。「PHONE APPLI THANKS」によって、コミュニケーション活性化やモチベーションの向上、職場における一体感の増進や心理的安全性の向上に努めています。

PHONE APPLI THANKS

【PHONE APPLI THANKSの特長】

  • 日々の業務の中で感じた感謝や称賛をメッセージにして送り合える
  • やりとりがオープンに表示されるため社員の活躍を把握しやすい
  • メッセージカードに「いいね」を押すことができる

【まとめ】心理的安全性を高める具体的な施策について

本記事では、心理的安全性を高めるための施策について、以下のポイントを中心にお伝えしました。

  • 社員同士でサポートしあい、誰でも意見をいえる環境づくりが大切
  • 1on1ミーティングやピアボーナス、OKRなどの施策が有効
  • 心理的安全性を確保するには「対人リスクの排除」が必須
  • 社内コミュニケーションは大切だが、馴れ合いにならないよう注意が必要

施策をいくつかご紹介しましたが、ただ単に社員同士が仲が良い=心理的安全性が高いというわけではありません。一人ひとりが責任感をもって仕事にコミットしてはじめて、心理的安全性の高い優れたチームといえるでしょう。

ぜひ本記事の内容を、社員の心理的安全性向上にお役立てください。

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サンクスカードをお手軽に導入しませんか?

「PHONE APPLI THANKS」は感謝や称賛を"おくりあい"組織のパフォーマンスを向上させるサービスです。日々の業務の中で感じた感謝や称賛をカードにして"おくりあう"ことで、認め合う組織風土を育むことができます。こうした風土が社員間の心理的安全性や、働くことに対する幸福度を高め、組織の健康経営にも寄与します。

PHONE APPLI THANKSは、どういうツールなの?

感謝や称賛を

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