健康経営

ワークライフバランスを導入する際の問題点を紹介

ワークライフバランスとは

「ワークライフバランス(work life balance)」とは、ワーク(仕事)とライフ(仕事以外の生活)を調和させ、年齢や性別、生活環境に左右されず能力を発揮し、誰もが望む生き方を選択できることです。

日本において従業員の長時間労働やサービス残業、過労死などが社会問題となっており、また、少子化問題においても仕事と生活のアンバランスさが指摘され、2006年ごろから政府や自治体が政策的に推進しています。

ワークライフバランスの目的

企業における「ワークライフバランスの目的」とは、従業員が働きながらも介護や育児、趣味など責任や要望を果たせる環境を提供し、優秀な人材の確保、離職率低下、生産性の向上などを目指すことです。

つまり、企業側がワークライフバランスを「コスト」ではなく将来への「投資」と捉えられるかが導入促進の鍵となります。

ワークライフバランスを導入する際の問題点

従業員だけでなく企業にとってもメリットの大きいワークライフバランスですが、導入する際にさまざまな問題や課題に直面する企業が少なくありません。

つぎに、ワークライフバランスを導入する際の問題点をご紹介します。

ワークライフバランスを導入する際の問題点1:経営陣の理解を得るのが困難

ワークライフバランスを導入する際の問題点1つ目は、経営陣の理解を得るのが困難ということです。

ワークライフバランスを導入するには経営陣の理解が必要不可欠ですが、あいまいな根拠では理解を得るのは困難です。

詳しい説明や自社の抱える具体的な課題(アンケートなど)の提示、そして導入によって解決した場合はどのようなメリットがあるのかなど、具体的に数字で示すなど根拠を提示するための資料の作成も必要です。

ワークライフバランスを導入する際の問題点2:導入の手法が不明瞭

ワークライフバランスを導入する際の問題点2つ目は、導入の手法が不明瞭ということです。

日本企業では、労働時間が長く柔軟性がないという悪しき慣習が長く続いていたため、導入方法が分からないという企業が多くあります。

まずは、管理職のみならず現場の社員にアンケートやヒアリングを行い、自社の問題点を洗い出した上で、他社の導入事例を参考にしたり、プロや自治体の力を借りるなど慎重に進めることが大切です。

ワークライフバランスを導入する際の問題点3:リスク・導入コスト問題

ワークライフバランスを導入する際の問題点3つ目は、「リスクや導入コスト」の問題です。

ワークライフバランスの導入は、社内における制度の変更やコンサルタントの登用、社員教育などさまざまなコストがかかります。しかも導入したからといって、すぐに成果に繋がる性質のものではありません。

しかし、将来的には人事制度として確立されることで人材が多様化し、少子高齢化を乗り切れる強い会社になれる可能性があります。

ワークライフバランスを導入する際の問題点4:人材の評価基準が困難

ワークライフバランスを導入する際の4つ目の問題点は「人材の評価基準が困難」ということです。

日本企業ではいまだに「長時間労働=頑張っている」という考え方が多くありますが、ワークライフバランス導入後は、「時間当たりにどれだけの成果があげられたか」という基準でこそ評価されるべきです。

また同時に、部下を評価する管理職には研修やセミナーを通して、評価基準の更新を促す必要があるといえるでしょう。

ワークバランスを推進する際の問題点

ワークライフバランスを導入し、推進しようとする際には、新しい基準について社内で話し合う必要がありますが、それを怠るとさまざまな問題に直面し、実現することが難しくなることがあります。

つぎに、ワークライフバランスを推進する際に起こりがちな問題点をご紹介します。

ワークライフバランスを推進する際の問題点1:生産性の低下

ワークバランスを推進する際の問題点1つ目は「生産性の低下」です。

政府や社会からの要請だからといって、仕事の効率化を図らないままに義務的に導入に至った場合は、仕事の進捗が遅れ生産性の低下を招きかねません。

仕事の成果をあげつつ定時帰りを実現できるのが理想的ですが、ただ残業を減らすだけでは現場の従業員にとって相当シビアな側面があるということを理解しておきましょう。

ワークライフバランスを推進する際の問題点2:社員間の不公平感

ワークライフバランスを推進する際の問題点の2つ目は「社員間の不公平感」です。

個人主義ではない日本の労働環境は、職場内において不公平感を持ちやすいといえます。

例えばいつも早く帰れる人と帰れない人、育児休暇を利用する人と利用しない人がいる場合、それぞれの立場の従業員が相手に不満を持たないように、きめ細やかな対策をする必要があるといえるでしょう。

ワークライフバランスを推進する際の問題点3:施策の一人歩き

ワークライフバランスを推進する際の問題点3つ目は「施策の一人歩き」です。

ワークライフバランスというと「仕事」と「私生活」が天秤のように常に同じバランスを保つ必要があると思いがちです。しかし、このバランスは従業員一人ひとりの環境や状況によって都度変わるものであり、その多様なバランスを前提とした施策をとることが必要になります。

ワークライフバランスを推進する際の問題点4:勤務時間削減による給与減少

ワークライフバランスを推進する際の問題点4つ目は「勤務時間削減による給与減少」です。

残業が減りプライベートな時間が増えるのは喜ばしいことですが、多くの従業員にとってその分給料が下がるのは本意ではなく、死活問題と感じる従業員もいるでしょう。

従業員が不満を持つ施策では本末転倒ですから、残業が減っても給料が変わらないよう基本給や賞与で調整することも考える必要があるでしょう。

ワークライフバランスを推進する際の問題点5:施策と社員の要望のギャップ

ワークライフバランスを推進する際の問題点5つ目は「施策と社員の要望のギャップ」です。

ワークライフバランスは従来の日本企業における考え方と相反する部分が多く、なかなか理解が得られなかったりと不満を持つ従業員も多くいます。

しかし、高齢化や少子化が進む日本の企業では、介護・育児と仕事の両立ができるシステム作りは必須であり、従業員の要望を聞きながらワークライフバランスを推進することが求められます。

日本が抱えるワークライフバランスの問題点

政府主導の働き方改革の一環として挙げられるワークライフバランスですが、日本ではなかなか浸透するのが難しい状況にあるといって良いでしょう。

つぎに、日本が抱えるワークライフバランスの問題点についてご紹介します。

日本が抱えるワークライフバランスの問題点1:ワークライフバランスの実施率

日本が抱えるワークライフバランスの問題点の1つめは、「ワークライフバランスの実施率の低さ」です。

2018年3月、エン・ジャパン株式会社が行ったアンケートによると、現在働き方改革に取り組んでいる企業は全体の48%で、100名以下の企業においては27%に留まっています。

理由はさまざまですが、制度利用に対する遠慮や技術的な問題、実務面での手間といったことが考えられます。

日本が抱えるワークライフバランスの問題点2:ワークライフバランス施策の生産性に対する影響

日本が抱えるワークライフバランスの問題点2つ目は、「ワークライフバランス施策が生産性に与える影響」です。

ワークライフバランス施策は、導入後すぐに結果がでるものではなく、研修を行ったり人員を増やしたりと「短期的」にみると結果的に生産性が低下する可能性があります。

しかし「長期的」にみた場合、今後、進むであろう高齢化や少子化のなかでも、優秀な人材確保や定着率の向上により生産性が上がると考えられます。

ワークライフバランスの問題点を理解しよう

ワークライフバランスの導入や推進においては、さまざまな問題点があることがご理解いただけたでしょう。

しかし、ワークライフバランスは、現在の日本企業が抱えるさまざまな問題を解決できる可能性を秘めている施策です。

ぜひ今回の記事を参考に、自分の職場に合ったワークライフバランスとは何かを考えながら、問題点を一つ一つクリアにして、誰もが生き生きと働ける理想の職場を作りましょう。

PHONE APPLIのウェルビーイング経営(健康経営)への取り組み

PHONE APPLIは、2018年から「従業員が健康でいきいきと働いている」状態を目指し、コミュニケーション改革による「ウェルビーイング経営」を推進してきました。従業員が身体的・精神的に健康であるために、運動・食事・睡眠など、様々なイベントやワークショップ実施のほか、上長と毎週30分の1on1の時間を設け、仕事以外の相談も気軽に話せる信頼関係の構築や、オンライン上で感謝の気持ちを贈りあい、お互いを尊重し感謝しあう文化の醸成など、コミュニケーションの活性化を意識した諸施策を展開しています。 2020年8月には部署を横断した健康経営推進プロジェクト「Wellnessアンバサダー」を発足、組織の幸福度診断「Well-being Company Survey」を社内実施開始しました。

組織の幸福度を測定する「Well-being Company Survey」の活用

ウェルビーイング向上のために、身体的健康や精神的健康に関するアンケートだけでなく、組織の幸福度を測定するアセスメントサービス「Well-being Company Survey」を定期的に実施し、これらの回答結果をもとに、身体的・精神的・社会的それぞれの健康を満たすための施策の検討、実施に繋げています。

※「Well-being Company Survey」について
https://phoneappli.net/product/consulting/health-consulting/wcs.html

従業員間で感謝や称賛を"贈りあう"「PHONE APPLI THANKS」の活用

THANKSカードを通じてお互いに感謝を贈りあい、従業員間の「ありがとう」を可視化しています。このカードの内容は全社に公開されているため、リモートワーク下でもマネージャーがメンバーの活躍を知ることや、これまで接点のない従業員の情報を事前に知ることが可能になります。「PHONE APPLI THANKS」によって、コミュニケーション活性化やモチベーションの向上、職場における一体感の増進や心理的安全性の向上に努めています。

PHONE APPLI THANKS

※「PHONE APPLI THANKS」について
https://phoneappli.net/product/service/pa-thanks/

上司と部下の信頼関係をつくる毎週30分の1on1ミーティングを実施

自社開発した「リモート1on1」ツールを用い、マネージャーとメンバーで毎週30分、1on1を実施しています。メンバーは1on1開始直前に、ツール上で現在の体調・仕事量・モチベーションを回答し、今回の1on1で話したい話題のカテゴリーを選択します。これらの機能により、マネージャーはメンバーの状態を把握し、より1on1を有効活用することができます。またリアルタイムでマネージャーとメンバーの発話量もグラフ表示されるため、マネージャーはより傾聴を意識して1on1を行うことが可能です。基本的に上司と部下の発話量が「30%:70%」になるようなルールを設けています

信頼関係構築を目的としたハイブリッドワークの推進と全社横断1on1ミーティング

コロナ禍が継続しリモートワークを推奨していましたが、コミュニケーション不足により、業務やメンタルヘルスへの影響が見受けられました。それらの課題を解消するため、フルリモートから対面ワークとリモートワークを組み合わせたハイブリッドワークへ移行し、全社横断での1on1ミーティングを定期的に実施しています。組織横断コミュニケーションを意識的に増やすことで、当社にとっての望ましい働き方を整備し、精神的社会的健康の向上を目指しています。

ウォーキングイベント開催、運動部活動の実施による運動習慣の定着化

PHONE APPLIでは、歩数計アプリ「RenoBody」を用いたウォーキングイベント「PA Walking Cup」を毎月開催しています。また2022年から社内部活動にて「月二体育館」という運動部を設立し、月2回程度、自主参加のメンバーで運動を行っています。自治体の体育館を借りて、卓球、バドミントン、バレーなどの運動を行いながら、普段交流のないメンバーとの関わりを楽しみながら体を動かすきっかけとなっています。


※PHONE APPLIのウェルビーイング経営(健康経営)への取り組みについて
https://phoneappli.net/company/well-being/

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