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2024年度版:テレワーク向けの助成金の概要や導入メリットを紹介

「そろそろテレワークを導入したいが、コストをかけられない」
「テレワーク導入に助成金が活用できると聞いたが、今使える制度がわからない」
「助成金は自社でも使えるのかわからない」

場所や時間にとらわれない働き方ができるテレワーク。一方で、導入の際にハードルとなるのが費用の問題ではないでしょうか。そんな時ぜひ活用したいのが、助成金や補助金です。

助成金や補助金は国や自治体が支給しており、要件や予算範囲、期限が決められています。活用の際は最新情報を確認してからの利用がおすすめです。助成金や補助金を考慮してテレワーク導入の計画を立てた場合、それが台無しになってしまうからです。(ちなみに、テレワーク導入の助成金で有名な「人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)」は令和3年度に廃止)

本記事では、各助成金の概要や導入のメリットについて以下の内容を中心にお伝えします。

テレワーク導入の際に助成金や補助金をうまく活用するために、ぜひ本記事の内容をお役立てください。

※なお、この記事で紹介した内容は2022年1月17日時点でのものです。主催団体によって内容が変更される可能性がありますので、利用する前に該当のホームページを今一度ご確認ください。

テレワーク導入に活用できるおすすめの助成金3つ

早速、どのような種類の助成金があるのかを見ていきましょう。以下おすすめの3つの助成金制度についてご紹介します。

【おすすめの助成金3つ】

  • 【全国】人材確保等支援助成金(テレワークコース)
  • 【全国】雇用調整助成金
  • 業務改善助成金(特例コース)

いずれも厚生労働省が設けている制度で、全国で活用できます。それぞれ要件が異なるので、自社に合う助成金を活用するようにしましょう。

1.【全国】人材確保等支援助成金(テレワークコース)

2021年4月1日に創設された制度で、労働者の人材確保や雇用管理の改善の取り組み、効果をあげた中小企業事業主が助成対象です。この制度は新たに導入する企業、試行的に導入している(していた)企業も対象です。

この助成金には「①機器等導入助成」「②目標達成助成」の2段階要件があります。一つの要件を満たすと企業あたり最大100万円、もしくは対象労働者1人あたり最大20万円が受給できます。両方の要件を満たすとその倍額に。

この制度はテレワークを定着させるためでもあるため、現在の支給対象は、テレワーク用のサービス利用料も含まれます。

支給対象となる経費の範囲は以下の通りです。

  1. 就業規則・労働協約・労使協定の作成・変更
  2. 外部専門家によるコンサルティング
  3. テレワーク用通信機器等の導入・運用(テレワーク用サービス利用料も含む)
  4. 労務管理担当者に対する研修
  5. 労働者に対する研修

<受給額>



助成 支給額
機器等導入助成 1企業あたり、支給対象となる経費の30%
※ただし以下のいずれか低い方の金額を上限とする。
・1企業あたり100万円
・20万円×対象労働者数
目標達成助成 1企業あたり、支給対象となる経費の20%
<生産性要件を満たす場合35%>
※ただし以下のいずれか低い方の金額を上限とする。
・1企業あたり100万円
・20万円×対象労働者数

<中小企業事業主>



主たる事業 資本金の額又は出資の総額 常時雇用する労働者の数
小売業(飲食店を含む) 5,000万円以下 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
その他の業種 3億円以下 300人以下

2.【全国】雇用調整助成金

テレワークならではの助成金ではありませんが、「新型コロナウイルス感染症の影響」による制度も試行されているので併せて参考にしてみてください。

雇用調整助成金は、「事業活動の縮小」を余儀なくされた場合に、従業員の雇用維持を図るため、休業させた従業員の休業手当などの一部を助成するものです。事業主が労働者を出向させて雇用を維持した場合も対象となります。

<助成率>



会社規模 従業員を解雇せず雇用を維持した場合 左記以外の場合
中小企業(※1) 9/10 4/5
大企業(※2) 3/4 2/3

※業況や地域によって、10/10までアップする場合があります

※1 中小企業とは以下の要件に該当する企業

  • 小売業(飲食店を含む):資本金5,000万円以下 または従業員50人以下
  • サービス業:資本金5,000万円以下 または従業員100人以下
  • 卸売業:資本金1億円円以下 または従業員100人以下
  • その他の業種:資本金3億円以下 または従業員300人以下

※2 大企業は上記「中小企業」以外の企業

<上限額>



判定基礎期間の初日 1人一日あたりの上限額
令和4年1月・2月 11,000円
令和4年3月 9,000円

※業況や地域によって、15,000円までアップする場合があります

3. 業務改善助成金(特例コース)

こちらもテレワークならではの助成金ではありませんが、生産性向上を支援する制度です。中小企業・小規模事業者が事業場内で最も低い賃金の引き上げを図るために支給されます。事業者はまず生産性向上等に役立つ設備投資などを実施。その上で事業内の最低賃金を引き上げると、費用の一部が助成対象になります。 PCやタブレット代も対象です。

賃金が上がると、従業員のモチベーション向上につながりやすくなります。さらに生産性を高める施策が行えることで、会社の新たな飛躍に繋がるといえるでしょう。申請期限は、2022年3月31日(木)まで。

<助成率>



助成額 助成率
最大100万円 3/4
※対象経費の合計額×補助率3/4

<助成上限額>



引き上げ労働者数 1人 30万円
2人〜3人 50万円
4人〜6人 70万円
7人以上 100万円

<助成対象>



A 生産向上等に 資する設備投資等 機械設備、コンサルティング導入、人材育成・教育訓練など
※PC、スマホ、タブレットの新規購入、貨物自動車なども対象
B 関連する経費※ 広告宣伝費、汎用事務機器、事務室の拡大、机・椅子の増設など

※「関連する経費」は生産性向上等に資する設備投資等の額を上回らない範囲に限られます

テレワーク導入企業におすすめの補助金3つ

次にテレワーク導入企業におすすめする、3つの補助金についてお伝えします。助成金と違い、補助金はテレワーク導入を実施した後に補填されます。

【テレワーク導入企業におすすめの補助金3つ】

  • 【全国】IT導入補助金(2022年度実施)
  • 【全国】小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)
  • 【各地域】テレワーク導入に関する補助金

補助金は予算や支給件数などがあらかじめ決まっています。早めに確認の上、申請するようにしましょう。

1.【全国】IT導入補助金(2022年度実施)

IT導入補助金は、生産性向上やビジネスモデル(テレワークの導入など)の取り組みを助けるITツールを導入する際、コストの一部を支給してくれる制度です。対象は中小企業や小規模事業者など。

インボイス制度*への対応も見据えたITツールの導入補助に加え、PC等のハード購入補助等もあるので、テレワーク導入の際には活用を検討してみましょう。

*インボイス制度とは、「記載義務を満たした請求書」によって消費税を計算し納付するもの。

<補助対象>

  • ITツール(会計ソフト、受発注システム、決済ソフト等)
  • PC
  • タブレット
  • レジ等

<補助上限額と補助率>



対象 補助上限額 補助率
ITツール 〜50万円・50万円〜350万円 3/4・2/3
PC・タブレット等 10万円 1/2
レジ等 20万円 1/2

なお、2022年度実施分については、募集期間などの詳細はまだ発表されていません。

2.【全国】小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)

感染拡大防止のために、対人接触機会の削減と事業継続を両立させる新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等への投資を支援してくれる制度です。以下のような取組みが対象になります。

  • テレワークのためのシステム購入や開発
  • WEB会議ツール(商談、カウンセリング)
  • オンライン化(Web見積り、電子契約) など

現在、第6回目の申請受付が行われており、申請受付締切りは2022年3月9日(水)。

<補助上限額と補助率>



補助上限額 補助率 対象
100万円 3/4 設備投資から感染防止対策費まで

<対象者>



商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 常時使用する従業員の数5人以下
宿泊業・娯楽業 常時使用する従業員の数20人以下
製造業その他 常時使用する従業員の数20人以下

※そのほか、規程の要件を満たすことが必要

3.【各地域】テレワーク導入に関する補助金

テレワーク導入を支援する補助金のなかには、各自治体が用意しているものもあります。

たとえば、北海道が設置している「テレワーク環境整備事業費補助金」。この補助金は、補助金上限を65万円とし、厚生労働省北海道労働局の「人材確保支援助成金(テレワークコース/機器等導入助成)に上乗せして補助してくれる制度です。

受付期間:2022年3月31日(木)まで

テレワークの助成金を導入する3つの主なメリット

実際に助成金を活用した際の、3つの主なメリットについても確認しておきましょう。

メリット1:設備投資の負担削減が期待できる

PC購入などのコスト面の負担が軽減されるため、テレワークの導入を検討しやすくなります。またテレワーク導入により、交通費やオフィス費用の経費削減へもつながり、ランニングコストを抑えやすくなります。

メリット2:人材や労働力の確保につながる

働く環境を整えると、従業員のモチベーションの上昇や人材の確保にもつながります。テレワークを導入しているということで、働きやすい会社というイメージにもつながり、幅広い人材に受け入れられるでしょう。

メリット3:事業のさらなる活性化を期待できる

テレワーク導入にともない、業務の見直しも行うことで生産性の向上などが期待できます。営業職などの従業員は、オンラインで商談を行うことで、商談件数を増やせるため、売上向上につながりやすくなります。

その他、テレワーク導入のメリットについては以下の記事で詳しく紹介していますのでご参照ください。

【事例紹介】助成金を活用してテレワーク制度を確立させた企業

それでは、実際に助成金を活用してテレワークを導入し、制度を確立させた企業をご紹介します。ぜひ導入の際に参考にしてみてください。

株式会社タイガー

株式会社タイガーは、東京に本社を構え、従業員が約70名。運輸総合管理システムをはじめ、ドライブレコーダー、アルコール検知器等を利用した運輸物流システムの開発、販売および保守を手掛ける会社です。

事業継続や業務効率化の観点からテレワーク導入を検討。東京都のワークスタイル変革コンサルティング事業を活用し、セキュリティや勤務規程などを見直し、テレワーク制度を整えました。

しかし制度導入の当初は設備機器などの課題があり、一度に利用できる対象者が限定的だったようです。そこで「事業継続緊急対策(テレワーク)助成金」を活用し、新たにノートPCを30台購入。体制を拡充し、チャットやクラウド型の勤怠管理システムも導入しました。

この取組みから、営業担当者は外出先でも即時対応が可能に。開発担当者は進捗確認がしやすくなり、生産性の向上にもつながったようです。また、Web会議の活用により時間の有効活用ができ、社内通達や顧客向けオンラインセミナーなど、新たな取組みにもつながっているようです。

PHONE APPLIが「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」受賞しました

テレワーク先駆者百選について

総務省は、テレワークの普及促進を目的として、平成27年度から、テレワークの導入・活用を進めている企業・団体を「テレワーク先駆者」とし、その中から十分な実績を持つ企業等を「テレワーク先駆者百選」として公表しています。この度、PHONE APPLIは「テレワーク先駆者百選」の中から特に優れた取り組みを行っている企業として、「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」を受賞しました。

PHONE APPLIのテレワーク・ハイブリッドワークの概要・特徴について

PHONE APPLIは、「最もパフォーマンスが出せる、場所や働き方」を従業員それぞれが選んで実施できる環境を実現しています。単なるITツールや人事制度の導入だけではなく、毎週1回30分の1on1ミーティング制度や、コアタイムなしのフレックス制度、身体的健康に関するセミナー開催など、「ルール」「ツール」「プレイス」の3軸から、持続的で生産的な働き方を推進しています。

「ルール」「ツール」「プレイス」

また、それぞれの施策についても、毎月全社員に対しパルスサーベイを実施しており、制度や施策を常にアップデートし続けていることも大きな特徴といえます。実際に、アンケートの結果、テレワークの推進によって孤独感を感じた社員が増えたことをきっかけに、セルフケアやラインケアの研修を実施し、1on1で部下の不調に気づいたマネージャーは、社外カウンセラー等専門家との面談にいち早くつなげられるよう体制整備を行いました。

【まとめ】テレワークの助成金について

本記事では、テレワーク導入の助成金について、以下のポイントを中心にお伝えしました。

  • 国が設けている助成金は、テレワークにかかる機器等の補助だけでなく、雇用確保や業務改善につながる支援の制度もある
  • テレワークの補助金は、テレワーク導入にかかるシステム等購入、PCやタブレット等購入の補助制度もある
  • テレワークにおける助成金・補助金については、国だけでなく各自治体などが支援しているものもある
  • 自社の働き方や制度に合わせた助成金・補助金を選び、活用することが大切

テレワークは利便性などのメリットがある一方で、費用の面でなかなか導入を踏みきれない企業もあるのではないでしょうか。その際に助けとなってくれるのが、各省庁や都道府県が設けている助成金や補助金の制度です。自社に合う制度をうまく活用して、スムーズなテレワーク導入とさらなる事業成長の実現にお役立てください。

PHONE APPLIの働き方を体感できる「オフィスツアー」

テレワークを始めとした、働き方改革推進の取り組みを社外へ発信しており、過去5年以内で2,500社以上の企業様がオフィスにお越しいただき、最もパフォーマンスが出せる働き方「ルール」「ツール」「プレイス」のフレームワークをご紹介しています。

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