ウェルビーイング経営

ウェルビーイング経営を取り入れた事例5選を紹介。ウェルビーイング施策についても解説

「社員のモチベーションを上げるために、ウェルビーイング経営を導入したい」
「どのような企業がウェルビーイング経営を実践しているのか知りたい」
「自社で導入する前に、具体的な事例や施策を知っておきたい」

社員が身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることを表す「ウェルビーイング」。健康経営と深く結びついており、ウェルビーイング施策を導入する企業が増えています。

しかしながら、「一体どのような企業がウェルビーイング経営を実践しているのか?」「どのような施策を打つべきか」と悩んでいる担当者・経営者の方もいらっしゃるはずです。そこで本記事では、以下のポイントを中心にお伝えします。

ぜひ本記事の内容を、自社のウェルビーイング経営の促進にお役立てください。

【本題】ウェルビーイングの導入事例5選

それでは早速、本題である「ウェルビーイングの導入事例」をみていきましょう。ここでは、数ある企業の中から5つの事例をピックアップ。ぜひ自社のウェルビーイング経営にお役立てください。

楽天

楽天はEコマースからフィンテック、通信まで幅広いサービスを提供している会社です。コロナ禍において働き方改革が進んでいる昨今。同社でもこのタイミングで改めて「ウェルビーイング」について考える機会が増え、新たなガイドラインを策定したようです。

【ポイント】

  1. 「コレクティブ・ウェルビーイング」という概念を取り入れた
  2. 仲間、時間、空間を大切にした「三間(さんま)と余白」の考え方を意識した取り組みを実施
  3. オンラインでコミュニケーションの強化、在宅勤務の設備支援、ラジオ体操や瞑想の実施など

単なるウェルビーイングでなく「集団的な」という意味を加えた、「コレクティブ・ウェルビーイング」という概念を取り入れている楽天。なかでも仲間、時間、空間の「三間(さんま)」を大切にした取り組みを数多く実施しています。

アシックス

アシックスは、ランニングシューズやスニーカー、アスリートの競技用シューズをメインに製造・販売している会社です。スポーツ用品を販売しているだけあって、社内の「健康経営」にも熱を注いでいます。

【ポイント】

  1. 社員の健康度の評価や個別のプランを作るために、自社独自のプログラムを開発
  2. 本社にあるアトリウムで、仕事後にスポーツを楽しめる
  3. 全社員に対して「メンタルヘルス研修」を実施。運動推進セミナーも定期的に開催

アシックスでは、やはり「運動」に注力した取り組みが多いようです。仕事後のスポーツや定期的な運動セミナーなど、運動をきっかけにウェルビーイングを実現させている事例です。

デンソー

デンソーは、愛知県を拠点に自動車部品の製造を行っている会社です。2016年から定期健診などのデータを参考に、社員の健康状態の「見える化」を進めてきた同社。2021年の健康経営優良法人「ホワイト500」にも認定されています。

【ポイント】

  1. 「社員の健康は重要な経営資源である」という考え方の元、健康経営・ウェルビーイングに注力
  2. 各部署に「健康リーダー」を配置し、その現場に合った施策を実施
  3. 誰でも気軽に運動できるように、本社にトレーニングルームを設置

健康リーダーの設置によって、メンバー同士がお互いの体調の変化に気づけるようになったようです。日頃からお互いをねぎらい合うことで社内コミュニケーションが円滑になり、今まで以上に社員が働きやすい環境に構築されたといいます。

味の素

味の素は、調味料や冷凍食品、即席麺などさまざまな食品を生産・販売している会社です。社員の「セルフケア」を徹底しており、以前より働き方改革や健康経営に注力してきました。2017年には「健康経営銘柄」に認定されています。

【ポイント】

  1. 健康診断のデータを蓄積し確認できるポータルサイト「My Health」を設置
  2. AIが栄養指導を行ってくれる健康管理アプリ「カロママプラス」の開発・運営
  3. 社員の不調を早期発見するため、最低でも年に1回「全員面談」を実施

ポータルサイトやアプリの活用、「全員面談」によって社員の健康をサポートしています。身体面・精神面ともにバランスよくアプローチを行うことで、ウェルビーイングを実現している事例です。

PHONE APPLI 山口県萩市でエンジニア採用

PHONE APPLI 萩

当社では、エンジニア育成を目的としたオフィス「萩 明倫館 アプリ開発センター」を運営しており、ウェルビーイングの考え方を積極的に取り入れています。

【ポイント】

  1. 数々の志士を輩出した毛利家が子弟(若い人)教育のために開いた藩校「明倫館」にならい、自社のアプリ開発センターとして開設
  2. 若い人材の「絆」と「成長意欲」を大切にすることで、地方創生や新たな価値の創出を目指している
  3. 明倫館のコミュニティを通して、萩市や他IT企業とのコミュニティ形成を図っている

萩で生まれ育った若い人材の「絆と成長意欲」に惹かれ、当社のサテライトオフィスとして同センターを開設しました。人は「人と人とのつながり」と「成長したい」という気持ちがあれば、ウェルビーイングを感じることができると考えています。

将来のビジョンとしては、私たちの会社だけではなく、さまざまなIT企業と萩市コミュニティを形成したいと考えています。

PHONE APPLIが実施しているウェルビーイング施策

ウェルビーイング経営の事例をいくつかご紹介しました。ここでは、「もう少し施策内容を詳しく知りたい」という方向けに、当社 株式会社PHONE APPLIの取り組みをご紹介します。当社では、2018年から「従業員が健康でいきいきと働いている」状態を目指し、「ウェルビーイング経営」を推進してきました。下記の事柄を主軸としたウェルビーイング施策を行っています。

社内に「ありがとう」が飛び交う仕組み

  • 「PHONE APPLI THANKS」で簡単に「ありがとう」を送れる仕組み
  • 感謝の気持ちを「見える化」することで、職場における一体感の増進や心理的安全性の向上に努めています

PHONE APPLI THANKS

※「PHONE APPLI THANKS」について
https://phoneappli.net/product/service/pa-thanks/

上司と部下の信頼関係をつくる毎週30分の1on1

自社開発した「リモート1on1」ツールを用い、マネージャーとメンバーで毎週30分、1on1を実施しています。メンバーは1on1開始直前に、ツール上で現在の体調・仕事量・モチベーションを回答し、今回の1on1で話したい話題のカテゴリーを選択します。これらの機能により、マネージャーはメンバーの状態を把握し、より1on1を有効活用することができます。またリアルタイムでマネージャーとメンバーの発話量もグラフ表示されるため、マネージャーはより傾聴を意識して1on1を行うことが可能です。基本的に上司と部下の発話量が「30%:70%」になるようなルールを設けています

なぜウェルビーイング経営を取り入れるべきか?

ウェルビーイングの事例をいくつかご紹介しましたが、そもそもなぜウェルビーイングが必要なのでしょうか。もっとも大きな理由としてあげられるのが「リモートワークの増加」です。

コロナ禍において各企業がリモートワークを導入しました。たしかにリモートワークには、在宅時間が増えた分「プライベートが充実しやすい」「満員電車のストレスがない」など多くのメリットがあります。

しかしその一方で、「組織に一体感がなくなる」「社員のエンゲージメントが低下する」といったデメリットもあります。これらのデメリットを解消するためにも、個々の健康や多様性を重視しながら、組織としての絆を構築できる「ウェルビーイング経営」が重要なのです。

ウェルビーイングを導入するメリット

社員が健康で幸せな状態であることを表すウェルビーイングですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは「企業」と「社員」の2つの視点から、ウェルビーイングのメリットをご紹介します。

企業のメリット

まずは企業側のメリットを見ていきましょう。

  1. 企業の生産性が上がる
  2. 優秀な人材の流出を防げる
  3. 社員の愛社精神が高まる

ウェルビーイング経営によって社員の健康状態が良くなると、欠勤や休職が減り、一人ひとりのモチベーションが上がります。結果として、企業の生産性アップにつながるのです。

また個人の健康や幸せを優先することで、「この企業に居続けたい」と思う社員が増え、優秀な人材の流出防止につながります。また社内の人間関係が良好になることで、自分だけでなく「チームのために」と考えられるようになり、会社に対する愛社精神も高まるでしょう。

社員のメリット

続いて社員側のメリットを見ていきましょう。

  1. ストレスが軽減される
  2. 仕事へのモチベーションが上がる
  3. ワークライフバランスを実現できる

社員の身体面・メンタル面が整うことでストレスが軽減され、「社内コミュニケーションが円滑になる」「仕事へのモチベーションが上がる」など、仕事の充実度が高まります。

また、仕事が捗ることはプライベートの充実にもつながるため、ワークライフバランスの向上も可能です。社員が今よりも趣味や資格取得、家族との時間を使えるようになり、豊かな人生を送れるようになるでしょう。

ウェルビーイングを構成する5つの要素

ここでは「ウェルビーイングを構成する5つの要素」についてお伝えします。この5つが達成されていると、「ウェルビーイングが実現されている」といえるでしょう。ちなみにウェルビーイングの構成要素については、アメリカのコンサル企業「ギャロップ社」が定義しており、具体的には次の5つです。

  1. キャリア ウェルビーイング
  2. ソーシャル ウェルビーイング
  3. ファイナンシャル ウェルビーイング
  4. フィジカル ウェルビーイング
  5. コミュニティ ウェルビーイング

1つ目は「キャリア」における幸福です。これは仕事だけでなく子育てや家事、趣味など1日の中で多くの時間を費やしているものを指します。

2つ目は「ソーシャル」。これは人間関係における幸福です。どれだけ愛情や信頼をもって人間関係を構築できるかが重要となります。

3つ目は「ファイナンシャル」、つまり経済的な幸せです。収入を得られる手段をもっているか、資産をしっかりと管理・運用できるかが重要となります。

4つ目は「フィジカル」における幸福です。日常生活において身体的・精神的にポジティブな感情で動けているかどうかで判断します。

5つ目は「コミュニティ」における幸福です。自分が住んでいる地域のコミュニティはもちろん、ソーシャルウェルビーイングにおける身近な関係性、企業でのコミュニティ形成などの意味合いがあります。

この5つが達成されてこそ、「ウェルビーイングが実現されている状態」といえるでしょう。

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組織の幸福度や風土を可視化する組織の健康診断組織の健康診断「Well-being Company Survey」

ウェルビーイングな状態は測れるものでなければ、改善していくことができません。
Well-being Company Surveyとは、幸福経営学研究の第一人者ホワイト企業大賞委員長である天外伺朗氏と慶応義塾大学 前野隆司教授協力のもと、PHONE APPLIが開発したパルスサーベイ※です。

基本設問は3つの因子から12問(約2分で回答)。手軽に受けられて無理なく継続できる組織の健康診断です。

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【まとめ】ウェルビーイングの事例について

本記事では、ウェルビーイングについて以下のポイントを中心にお伝えしました。

  • ウェルビーイングの導入事例5選を紹介。各企業はその特性にあわせたウェルビーイング施策を行っている
  • ウェルビーイングが必要な理由に、リモートワーク増加にともなう「組織の一体感の低下」があげられる
  • ウェルビーイングにはキャリアや人間関係、経済面、コミュニティなどさまざまな構成要素がある

「リモートワークばかりで会社の士気が下がっている」と悩んでいる企業は、今すぐにでもウェルビーイング施策を打つべきといえます。不調を持つ社員が増えると、生産性が下がり、企業の利益低下にもつながりかねません。

企業とって最重要ともいえる「社員の健康」を守るためにも、ぜひ本記事の内容を参考に、ウェルビーイングの導入をご検討ください。

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社員の幸せを追求することは奉仕だと思っていないでしょうか? 幸せな社員たちは価値ある商品やサービスを生み出すクリエイティビティの源泉になり、企業の成長につながることが証明されています。

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