ウェルビーイング経営とは?ウェルビーイング経営の基本知識と導入するメリット、取り組む方法について解説
「ウェルビーイング経営について知りたい」
「自社にとってウェルビーイング経営はどのようなメリットがあるか知りたい」
「ウェルビーイング経営の取り組み方について知りたい」
最近注目されている「ウェルビーイング」。何となく言葉は聞いたことはあるものの、詳しい内容まではわからないという方もいるのではないでしょうか。ウェルビーイングとは簡単にいうと「社員の健康や幸福」を表すものです。それを経営に取り入れていく方法が「ウェルビーイング経営」です。
本記事では、ウェルビーイング経営の理解を深めていただくために、以下のポイントを中心にお伝えしていきます。
ぜひ本記事の内容を参考にしていただき、自社のウェルビーイング経営の導入にお役立てください。
そもそもウェルビーイング経営とはなにか?
先ほどもお伝えした通り、ウェルビーイング経営とは「ウェルビーイング」の概念を、経営に取り入れる手法です。
ウェルビーイングの概念とは、身体的・精神的・社会的に良好な状態のことを指します。それを実現するために、組織単位でさまざまな施策を実施。また、企業によってウェルビーイングを導入する目的は異なります。
どのような目的にせよ、ウェルビーイングが満たされると、社員のモチベーションや帰属意識が高まり、生産性が大きく向上して企業成長もしやすくなります。
ウェルビーイング経営が注目されてきた理由
そもそも、なぜウェルビーイング経営が最近になって注目されているのでしょうか。その理由として次の3つがあげられます。
- 人材不足の深刻化
- 価値観の多様化
- 経済成長と社会課題の両立
【理由1】人材不足の深刻化
1つ目の理由は、人材不足の深刻化です。日本では、人口減少や少子高齢化の加速によって、今後ますます労働人口が減少するといわれています。
したがって企業は、「一人あたりの生産性を上げる」という方向にシフトする必要が出てきているのです。
【理由2】価値観の多様化
2つ目は、価値観の多様化です。日本では数年前から、国をあげて「働き方改革」が進められています。
多くの企業が「社員の多様性を尊重する」という考え方にシフトし、多様性こそが企業成長につながると考えるようになりました。一人ひとりの能力を発揮するためにも、ウェルビーイングが重要だと考えられているのです。
【理由3】経済成長と社会課題の両立
これまで人類は、経済成長によって生活水準を向上させてきました。しかし、いくら経済的に豊かでも、所得格差や過労死、環境への悪影響など経済成長ならではの弊害が生まれているのが現状です。
したがって国内総生産(GDP)だけで国の成功は図れず、最近では「経済成長と社会課題の両立」が世界的に提唱されています。
代表例として、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」や気候変動問題についての「パリ協定」、アメリカの財界ロビー団体であるビジネスラウンドテーブルによる「株式至上主義からの脱却宣言」などがあげられます。
ウェルビーイング経営のメリット
社員が健康で幸せな状態であることを表すウェルビーイングですが、代表的なメリットとして以下の3つがあげられます。
- 社員の生産性向上
- 人材不足の解消
- 医療費の削減や休職者の防止
1つ目は社員の生産性向上です。ウェルビーイング経営によって身体・精神的に健康な社員が増えることで、一人ひとりの仕事に対するモチベーションが向上。それによって、パフォーマンスが高まります。
2つ目は人材不足の解消です。積極的にウェルビーイング施策を行うと、「社員の健康維持・向上にポジティブな会社」というイメージを社外にも与えられます。それによって求職者へ好印象を与えられるため、採用活動にも良い影響を与えるでしょう。
3つ目は医療費の削減や休職者の防止です。ウェルビーイング経営によって、社員の身体・メンタル面が満たされることで休職者が減り、医療費の大幅な削減にもつながります。コストを削減しながら生産性を上げることができるため、ウェルビーイング経営の導入は企業にとっては良いことづくめです。
ウェルビーイング経営の指標となる「PERMAモデル」とは?
たとえば天気が気温や湿度、気圧、風速などの要素から成るように、ウェルビーイングにも構成要素が存在します。ここでお伝えするのが、アメリカの心理学者マーティン・セリグマンが提唱した「PERMAモデル」です。
【PERMAモデル】
- Positive Emotion:ポジティブな感情
- Engagement:何かに没頭すること
- Relationships:良好な人間関係
- Meaning:人生における意味や意義
- Achievement:勝利や成功を達成すること
PERMAモデルは、それぞれの頭文字から取られています。1や2はイメージしやすいかと思いますが、会社や組織になってくると「人間関係」も重要になります。社内コミュニケーションが円滑であるほど、社員の幸福度も高くなりやすいのです。
また困難を乗り越えることや、仕事が社会の役に立っていることを実感するなど、「大きな達成感」を得ることも、幸福を感じるための大切なエッセンスとなります。
【事例】ウェルビーイングの導入事例
ここでは、実際に他の企業がどのようなウェルビーイング経営を行っているのかについてお伝えします。イメージを掴むためにも、ウェルビーイング経営を実践している企業の事例を2つご紹介します。
味の素
味の素は、調味料や冷凍食品、即席麺といった食品を生産・販売している会社です。社員のセルフケアを徹底している同社。以前より働き方改革や健康経営に注力しており、2017年には「健康経営銘柄」に認定されています。
【ポイント】
- 健康診断のデータを蓄積し確認できるポータルサイト「My Health」を設置
- AIが栄養指導を行ってくれる健康管理アプリ「カロママプラス」の開発・運営
- 社員の不調を早期発見するため、最低でも年に1回「全員面談」を実施
同社ではポータルサイトやアプリを活用することで社員の健康をサポート。また「全員面談」によって、社員のメンタル面もカバーしています。身体面・精神面ともにバランスよくアプローチを行うことで、ウェルビーイングを実現している事例です。
PHONE APPLI 山口県萩市でエンジニア採用
当社では、エンジニア育成を目的としたオフィス「萩 明倫館 アプリ開発センター」を運営しており、ウェルビーイングの考え方を積極的に取り入れています。
【ポイント】
- 数々の志士を輩出した毛利家が子弟(若い人)教育のために開いた藩校「明倫館」にならい、自社のアプリ開発センターとして開設
- 若い人材の「絆」と「成長意欲」を大切にすることで、地方創生や新たな価値の創出を目指している
- 明倫館のコミュニティを通して、萩市や他IT企業とのコミュニティ形成を図っている
萩で生まれ育った若い人材の「絆と成長意欲」に惹かれ、当社のサテライトオフィスとして同センターを開設しました。人は「人と人とのつながり」と「成長したい」という気持ちがあれば、ウェルビーイングを感じることができると考えています。
将来のビジョンとしては、私たちの会社だけではなく、さまざまなIT企業と萩市コミュニティを形成したいと考えています。
PHONE APPLIが実施しているウェルビーイング施策
ウェルビーイング経営の事例をいくつかご紹介しました。ここでは、「もう少し施策内容を詳しく知りたい」という方向けに、当社 株式会社PHONE APPLIの取り組みをご紹介します。当社では、2018年から「従業員が健康でいきいきと働いている」状態を目指し、「ウェルビーイング経営」を推進してきました。下記の事柄を主軸としたウェルビーイング施策を行っています。
もっともパフォーマンスを出せる環境で働く
- オフィス・在宅に関係なく働きやすい環境づくり
- 従業員が行きたくなるオフィス
- 上司と部下の間に信頼関係を築く毎週30分の1on1
- 運動・食事・睡眠など、様々なイベントやワークショップ実施
- 部署を横断した健康経営推進プロジェクト「Wellnessアンバサダー」を発足
時間ではなく成果で評価
- 個人の成長と会社の成長を直結させる目標設定方法
- 基本的にはコアタイムなしのフレックスタイム制を実施
- 7:00〜11:00の中で10分単位で出社時間を変更できる「快適出社制度」の導入
- 社員個人の目標や成果を「見える化」することで、風通しの良い組織づくり
社内に「ありがとう」が飛び交う仕組み
- 「PHONE APPLI THANKS」で簡単に「ありがとう」を送れる仕組み
- 感謝の気持ちを「見える化」することで、職場における一体感の増進や心理的安全性の向上に努めています
※「PHONE APPLI THANKS」について
https://phoneappli.net/product/service/pa-thanks/
上司と部下の信頼関係をつくる毎週30分の1on1
自社開発した「リモート1on1」ツールを用い、マネージャーとメンバーで毎週30分、1on1を実施しています。メンバーは1on1開始直前に、ツール上で現在の体調・仕事量・モチベーションを回答し、今回の1on1で話したい話題のカテゴリーを選択します。これらの機能により、マネージャーはメンバーの状態を把握し、より1on1を有効活用することができます。またリアルタイムでマネージャーとメンバーの発話量もグラフ表示されるため、マネージャーはより傾聴を意識して1on1を行うことが可能です。基本的に上司と部下の発話量が「30%:70%」になるようなルールを設けています
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【まとめ】ウェルビーイング経営について
本記事では、ウェルビーイング経営について、以下のポイントを中心にお伝えしました。
本記事では、心理的安全性を高めるための施策について、以下のポイントを中心にお伝えしました。
- ウェルビーイング経営とは、身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることを表す「ウェルビーイング」の概念を、経営に取り入れる手法
- 注目の背景として「人材不足の加速」「価値観の多様化」「経済成長と社会課題の両立」があげられる
- ウェルビーイング経営には「社員の生産性向上」「人材不足の解消」「医療費の削減や休職者の防止」などのメリットがある
- ウェルビーイング経営を行うにあたって「PERMAモデル」を参考にできる
ウェルビーイング経営は、社員の生産性をはじめ人材不足の解消、医療費削減など会社にさまざまなメリットをもたらしてくれます。結果的に企業の利益につながるでしょう。社員の幸福度を高め、企業として成長するためにも、ぜひウェルビーイング経営の導入を検討してみてください。