従業員の帰属意識が低いときのデメリット3つ|従業員の特徴や高める方法も紹介

- 従業員の帰属意識が低いと、どのようなデメリットがあるのだろう
- 帰属意識がない従業員の特徴を知りたい
- 帰属意識向上につながるツールや仕組みを知りたい
帰属意識とは、従業員が会社のメンバーとして自覚している意識です。帰属意識が高ければ、それだけ従業員のモチベーションやチームの生産性アップが期待できます。
しかしながら、従業員の帰属意識が低いことを悩む人事担当者も多いのではないでしょうか。本記事では、帰属意識が低いときのデメリットについて次のポイントを中心にお伝えします。
- 【この記事でわかること】
- 帰属意識が低いことで起こるデメリット
- 帰属意識の低い従業員の特徴
- 帰属意識の向上に役立つツールや仕組み
本記事で帰属意識への理解を深め、自社の生産性アップや売上向上につなげましょう。
従業員の帰属意識がないときに発生するデメリット
従業員の帰属意識がない、あるいは低い場合、次のような問題が起こりやすいです。
- 業務の効率化が難しい
- 採用や教育にコストがかかる
- 従業員のモチベーションが低下する
1. 業務の効率化が難しい
帰属意識がない従業員は「会社に貢献しなくていい」と考える傾向があります。「目の前の仕事だけ最低限やっていればよい」と考えているため、生産性を高めようとする努力意識がありません。そのため、業務効率化も難しく、組織としての生産性も高まらないのです。
2. 採用や教育にコストがかかる
帰属意識が低下すると、転職や退職を考えはじめる従業員も出てきます。その場合、企業も新たな人材を採用しなくてはなりません。その際、採用コストだけでなく、既存社員の教育のためのコストもかかります。
3. 従業員のモチベーションが低下する
「会社に貢献したい」という帰属意識がなければ、そもそもモチベーションも湧きません。モチベーションの低い従業員がいれば、それだけ既存従業員の負担も増えやすいです。それが続けば、既存従業員の労働時間やストレスが次第に大きくなり、離職につながってしまいます。
帰属意識が低い従業員の特徴5つ
従業員の帰属意識がなければ、本人のモチベーションが低下するのはもちろん、業務効率化が図れないので企業には大きな痛手になります。
帰属意識の低い従業員には、主に次の5つの特徴があります。
- 独立志向・転職意向が強い
- 自己中心的な行動が多い
- コミュニティに参加せず孤立している
- 企業方針や自己目標に関心がない
- 他人と表面的な関係を保っている
1. 独立志向・転職意向が強い
独立志向や転職意向の強い従業員は、「近い将来に独立するから」「転職したいから」といった理由で、今の会社に貢献する必要がないと考えるので帰属意識が低くなりがちです。
独立や転職意欲があるので「仕事」に対するモチベーションは高いものの、企業に対してベクトルが向いていません。
2. 自己中心的な行動が多い
「自分の待遇さえ良ければいい」「自分だけ早く帰れればいい」などと考える自己中心的な人は、帰属意識が低い傾向にあります。
このような従業員は自分だけよくて会社のことは無関心である場合がほとんどです。
3. コミュニティに参加せず孤立している
人付き合いが苦手なため社内のコミュニティに参加できず、孤立してしまう従業員がいる可能性もあります。
その場合、コミュニケーション機会が減るため、本人が孤立感をおぼえ、帰属意識も下がってしまうのです。企業としては、人付き合いが苦手な従業員でもコミュニティに参加できるような取り組みを行う必要があります。
4. 企業方針や自己目標に関心がない
企業のビジョンに共感していない、目標がなく志が低い従業員はモチベーションが低く、企業に対する貢献度も低くなります。
モチベーションがなければ、「ただお金を稼げればいい」「仕事にやりがいは必要ない」と考えているため、帰属意識も下がってしまうのです。
5. 他人と表面的な関係を保っている
他の従業員との表面的な関係だけを保っている場合、「会社の人たちと仲良くするつもりはない」と考えていることが多いです。
そうした従業員の多くは、互いに協力し合って何かを成し遂げたい、積極的にコミュニケーションをとって仕事をスムーズに進めたい、といった意思がありません。
従業員の帰属意識を高める方法6つ
従業員の帰属意識を高める方法として、次の6つがあげられます。
- 多様性の受容
- コミュニケーションの活性
- 働き方や福利厚生の改善
- 人事評価制度の改正
- 求職者のニーズとサプライの合致
理想の働き方や生活スタイルは従業員によって異なります。企業には、そうした「多様性」を受け入れ、従業員のニーズに合わせた環境を作ることがが求められます。
自社としてのビジョンが浸透していない場合は、インナーブランディング(理念やビジョンの啓蒙活動)も必要です。組織全体の良い雰囲気づくりのためには、社内コミュニケーション活性化の施策も重要といえます。
また、労働条件や報酬に対して不満のある従業員もいるため、働き方や福利厚生、人事評価制度も見直しましょう。
新たな人材を採用する際は、自社として与えられる環境や待遇と、求職者が求めるニーズが異なる場合があります。定着を図るためにも、求職者のニーズと企業のサプライが一致させることが重要です。
帰属意識の向上に役立つツール・仕組み4つ
帰属意識の向上には、ツールや仕組みの導入もおすすめです。たとえば次のようなツールや仕組みがあげられます。
- 社内イベントや広報活動の実施
- 研修やワークショップの実施
- コミュニケーションツールの導入
- パルスサーベイシステムの導入
1. 社内イベントや広報活動の実施
従業員同士の交流を促進するためには、社内イベントの実施が効果的です。たとえばシャッフルランチや部活動の設立などがあります。
また、企業理念やビジョンを浸透させるためには、広報活動が有効です。社内情報を記した冊子やブログの配信などがあげられます。
2. 研修やワークショップの実施
研修やワークショップも帰属意識の向上に効果的です。たとえば、リーダーシップ研修やチームビルディング研修、キャリアデザインのワークショップなどがあります。
従業員に「学びの場」を提供することで、知識やスキルの習得だけでなく、従業員の主体性向上につながります。
3. コミュニケーションツールの導入
帰属意識の向上には、コミュニケーションツールの導入も効果的です。ビジネスチャットや社内SNSなどのツールがあげられます。
コミュニケーションツールでは、部署やチーム、プロジェクトなど「目的ごと」にグループを作成し、チャットでやり取りが可能です。「雑談」のグループを作れば気軽な会話もできます。
他にもプロジェクト管理やタスク機能などによって、組織の業務効率化が可能です。社内の人間関係が良好になれば、チームの生産性が高まり、帰属意識向上につながります。
4. パルスサーベイシステムの導入
パルスサーベイとは、複数の質問によって従業員の「満足度」や「心の状態」を調査することです。業務内容や人間関係など、社内のどこに課題があるのかを把握できるため、企業も対策を考えられます。
なおパルスサーベイの効率化には、専用のシステム導入がおすすめです。テンプレート機能やクロス分析(属性別に解答を分析できる機能)、退職リスクのアラート機能などが備わっています。
PHONE APPLIが実践している「従業員のエンゲージメントを高める取り組み」について
ここでは、当社 株式会社PHONE APPLIの取り組みをご紹介します。当社では、2018年から「従業員が健康でいきいきと働いている」状態を目指し、「ウェルビーイング経営」を推進してきました。下記の事柄を主軸としたウェルビーイング施策を行っています。
従業員間で感謝や称賛を"贈りあう"「PHONE APPLI THANKS」の活用
「PHONE APPLI THANKS」は、従業員間で感謝や称賛を"贈りあい"、組織のパフォーマンスを向上させるウェルビーイング経営推進サービスです。日々の業務の中で感じた感謝や称賛をカードにして"贈りあう"ことで、従業員それぞれの様子が見えるようになり、認め合う組織風土を育むことができます。
【PHONE APPLI THANKSの特長】
- 日々で感じた感謝や称賛をメッセージにして送り合える
- やりとりがオープンに表示されるため社員の活躍を把握しやすい
- メッセージカードに「いいね」を押すことができる
組織の幸福度を測定する「Well-being Company Survey」の活用
- Well-being Company Survey とは、幸福経営学研究の第一人者ホワイト企業大賞委員長である天外伺朗氏と慶応義塾大学 前野隆司教授協力のもと、 PHONE APPLI が開発したパルスサーベイです。
Well-being Company Surveyの詳細はこちら
「1on1ツール」を活用し、週25分の対話でメンバーの状態を把握
- 1on1ツールで現在の体調・仕事量・モチベーションを回答し、話したいトピックを選択します。それにより、マネージャーがメンバーの状態を把握しやすくなり、1on1の質が高まりました。また、全社横断での1on1も積極的に実施しています。組織横断コミュニケーションを意識的に増やすことで、精神的・社会的健康の向上を目指しています。
ウォーキングイベント「PA Walking Cup」で運動習慣の定着化
運動習慣の定着を目的としたウォーキングイベント毎月開催しています。従業員が楽しく参加できるよう、季節ごとのテーマやゲーミフィケーションを取り入れながら工夫しています。
年齢制限なしの保健指導で若年層の健康リスクにも対応
40歳以上の特定保健指導対象者だけでなく、39歳以下の生活習慣病予備群にも年齢制限を設けずに保健指導を実施しています。将来の疾病リスクを低減し、特定保健指導対象者の若年層からの流入抑制を目指しています。
【事例紹介】株式会社アトラエ|課題解決のためのディスカッションを定期的に開催して当事者意識を醸成

引用元:株式会社アトラエ
株式会社アトラエは、求人メディアやAIビジネスマッチングアプリなどを展開する会社です。
同社では、従業員の帰属意識を高める施策の一環として、定期的なディスカッションを実施。従業員に当事者意識をもってもらうため、会社の課題やビジョン、経営者に対する疑問を話し合っています。
社長を「あだ名」で呼べるくらい距離が近くなり、会社と従業員との間では、思ったことをすぐに言える関係性が構築。組織として規律を保ちながら、言いたいことを言える信頼関係が作られたことで、社内全体の生産性向上につながりました。
参考:帰属意識とは?従業員エンゲージメントを高めるためのポイント | d's JOURNAL
【まとめ】従業員の帰属意識が低いことで起こるデメリットについて
本記事では、帰属意識が低いことで起こるデメリットをはじめ、次のポイントを中心にお伝えしました。
- 帰属意識が低いと業務効率化が図りにくく、採用や教育コストも大きくなる
- 帰属意識のない従業員はモチベーションが低く、その分ほかの従業員にしわ寄せがいってしまう
- 帰属意識を高めるには多様性の受容やインナーブランディングの強化、働き方の見直しなどが必要
帰属意識の低い従業員が多ければ、チームの生産性も上がらず、企業の利益ダウンにもつながります。
帰属意識向上のためにも、多様性を受け入れたり、コミュニケーションを活性化させたりと、できる施策から取り組みましょう。従業員に「この会社に貢献したい」と思ってもらえるような企業努力が大切です。
本記事の内容が、自社の帰属意識向上にお役立ちできることを願っています。