従業員の帰属意識を高める方法6つ|実施までの4つの手順と取り組み事例も紹介

- 従業員の帰属意識を高めて全体の生産性アップを図りたい
- 帰属意識を高めるための具体的な方法を知りたい
- 帰属意識向上につながるツールや仕組みがあれば知りたい
帰属意識とは、従業員が会社のメンバーとして自覚している意識のことです。帰属意識が高いこと、従業員のモチベーション向上やチームの生産性アップにつながりやすいです。
従業員の帰属意識アップを図りたいものの、具体的な方法が見つからない企業もあるかと思います。そこで本記事では、帰属意識について次のポイントを中心にお伝えします。
- 【この記事でわかること】
- 従業員の帰属意識を高める方法
- 帰属意識の向上に役立つツールや仕組み
- 帰属意識を高める手順
本記事で帰属意識への理解を深め、自社の生産性アップや売上向上につなげましょう。
従業員の帰属意識を高める方法6つ
さっそく本題となる「帰属意識を高める方法」をご紹介します。具体的な方法は次の6つです。
- 多様性の受容
- インナーブランディングの強化
- コミュニケーションの活性
- 働き方や福利厚生の改善
- 人事評価制度の改正
- 求職者のニーズとサプライの合致
1. 多様性の受容
全体的にテレワークやフレックスタイムが普及し、これらのスタイルが当たり前になる企業も増えてきました。また、副業の許容や業務委託、外国人労働者など雇用形態や雇用人材も多様化しています。
従業員の帰属意識を高めるためには、こうした「多様性」を受け入れることが大切です。多様な働き方、多様な人材を認めることで、従業員からも「働きやすい」と思ってもらえます。
2. インナーブランディングの強化
インナーブランディングとは、従業員が企業の理念やビジョンを理解し、共感をもって行動してもらうための活動です。代表的な施策として社内イベントや社内SNS、ワークショップなどがあげられます。
企業としてのゴールを社内に共有・浸透させることで、従業員も目標を見失わず、一丸となって業務に取り組めます。
3. コミュニケーションの活性
管理職や新入社員、テレワーク中心の従業員も含めて、社内のコミュニケーションを活性化させることは、帰属意識にプラスの影響を与えます。
「社内に素晴らしい人がたくさんいる」「周りに恵まれている」と考えるようになり、それが帰属意識の向上につながるのです。「もっと自分も頑張らなければ」と、従業員自身のモチベーション向上にもつながります。
コミュニケーションを活発にする具体的な方法の例として、1on1ミーティングや社内イベントの実施、フリーアドレス制などがあげられます。
4. 働き方や福利厚生の改善
根本的な部分として、働き方や福利厚生の改善も重要なポイントです。なかには「労働時間に対して給与が見合っていない」「福利厚生が物足りない」と考える従業員もいるかもしれません。
会社の待遇は帰属意識に直結するため、従業員の声に耳を傾けて、改善の余地がないか検討してみましょう。
5. 人事評価制度の改正
人事評価も、帰属意識に関わる大切なポイントです。最近では終身雇用が終焉を迎え、「成果主義」にシフトしつつあります。そのため、年齢や勤続年数だけで評価するのでなく、従業員個人にフォーカスした人事評価制度を意識しましょう。
最近では、企業が求める行動基準を達成できているかを図る「バリュー評価」や、1人の従業員に対して複数人が評価を行う「360度評価」などが注目されています。
6. 求職者のニーズとサプライの合致
人事戦略上、新卒や中途など新たな人材を採用することもあります。その際に自社として与えられる環境や待遇と、求職者が求めるニーズが異なる場合も出てきます
求職者のニーズと企業のサプライの不一致は、帰属意識の低下につながります。人材を定着させ、帰属意識を高めるためにも、求職者のニーズとサプライの合致を意識しましょう。
帰属意識の向上に役立つツール・仕組み4つ
新たにツールや仕組みを導入することで、従業員の帰属意識は高まりやすくなります。ここでは、帰属意識の向上に役立つ4つのツールと仕組みをお伝えします。
- 社内イベントや広報活動の実施
- 研修やワークショップの実施
- コミュニケーションツールの導入
- パルスサーベイシステムの導入
1. 社内イベントや広報活動の実施
社内イベントは従業員同士の交流を促進するために、広報活動は企業理念やビジョンを浸透させるために効果的です。
社内イベントではシャッフルランチや部活動の設立など、広報活動では社内情報を記した冊子やWeb媒体の配信などがあげられます。
2. 研修やワークショップの実施
帰属意識を高めるためには、研修やワークショップの実施も効果的です。たとえば、リーダーシップ研修やチームビルディング研修、キャリアデザインのワークショップなどです。
従業員に「学びの場」を提供することで、知識やスキルを身につけるだけでなく、主体性の向上につながります。
3. コミュニケーションツールの導入
社内コミュニケーションを活性化させるためには、専用ツールの導入もおすすめです。たとえば、「雑談」のグループを作ることで、普段あまり話さない人との交流が生まれます。
他にも仕事の進捗やタスクが可視化されることで、組織の業務効率化が可能です。。社内の人間関係が良好になれば、チームの生産性が高まり、帰属意識も高まりやすくなります。
4. パルスサーベイシステムの導入
パルスサーベイとは、簡単な質問に答えてもらうことで、従業員の「満足度」や「心の状態」を調査することです。どこに課題があるのか明確になることで、対策を考えられるようになります。パルスサーベイは週1回から月1回の短いサイクルで行うため、実施には手間がかかります。
パルスサーベイの効率化には、専用のシステム導入がおすすめです。テンプレート機能やクロス分析(属性別に解答を分析できる機能)、退職リスクのアラート機能などが備わっています。
従業員の帰属意識を高める4つの手順
続いて、従業員の帰属意識を高める手順をお伝えします。手順は次の4ステップです。
- 現状を把握する
- 課題点を明確にする
- 施策を実行する
- 効果を測定・検証する
1. 現状を把握する
まずは、現時点において従業員がどの程度の帰属意識をもっているかを確認しましょう。帰属意識のレベルを測るツールとして「Q12」があります。
12のチェックリスト「Q12(キュートッウェルヴ)」とは
Q12はアメリカのギャラップ社が作ったチェックリストで、12個の質問から従業員の帰属意識を判断できます。たとえば次のような項目です。
- 私は仕事の上で、自分が何を期待されているかがわかっている。
- 私は自分がきちんと仕事をするために必要なリソースや設備を持っている。
- 私は仕事をする上で、自分の最も得意なことをする機会が毎日ある。
- この1週間で、良い仕事をしていることを褒められたり、認められたりした。
- 上司あるいは職場の誰かが、自分を一人の人間として気遣ってくれていると感じる。
引用:ギャラップ社
上記のような質問項目が12個あり、従業員が回答することで、結果を数値化できます。帰属意識の現状分析ができるとともに、新たな視点も浮かび上がることもあります
2. 課題点を明確にする
現状を把握できたら、結果をもとに「何が帰属意識の低下につながっているか」を明確にしましょう。
たとえば、人間関係に関する数値が低い場合は、社内コミュニケーションの頻度や、困りごとを相談できる機会の有無などを調べます。課題を知ることで、具体的な対策が可能です。
3. 施策を実行する
明確になった課題点をもとに施策を実行しましょう。たとえば、社内コミュニケーション機会が少ないことが課題だった場合、次のような施策を検討します。
- コミュニケーションツールを導入する
- シャッフルランチ制度を取り入れる
- 社内イベントを積極的に行う
ただし、必ずしも施策がうまくいくとは限らないため、施策は1つでなく複数用意するとよいでしょう。
4. 効果を測定・検証する
施策が決まったら、実行して効果を測定・検証します。たとえば従業員に対して施策導入後のアンケートを行い、実際の声を聞きます。アンケートは行って終わりでなく、分析結果も共有しましょう。
そうすることで、従業員から「単にアンケートに答えただけでなく、要望が反映されている」という信頼を得られます。
【事例紹介1】カルビー株式会社 | 社内報のブログで社内コミュニケーションを活性化

引用元:カルビー株式会社
カルビー株式会社では、従業員の帰属意識を高める施策として「社内報」を実施。Webで読める社内報「LOOP plus WEB」を配信し、部門紹介や商品ブログ、社内ニュースなどさまざまなコンテンツを配信しています。
なかでも人気なのが「社長と会長によるブログ記事」です。ブログ記事には「いいね!」や「コメント」ができます。経営層と従業員のあいだにコミュニケーションが生まれ、帰属意識の向上につながりました。
参考:従業員の帰属意識を高める5つの方法!帰属意識向上の鍵とは | WORKSTORY media
【事例紹介2】パーソルキャリア株式会社 | グループごとにスローガン(行動指針)を設定して組織の活性化に成功

引用元:パーソルキャリア株式会社
パーソルキャリア株式会社では、企業の成長やビジョン達成を「自分ごと化」させることで、帰属意識の向上を図っています。
なかでも同社のIT部門では、グループごとにスローガン(行動指針)を作り、スローガンに従って行動する体制を整えました。
結果、「自分たちで決めたスローガンは達成しなければ」という気持ちから、従業員に主体性が生まれたのです。一人ひとりのパフォーマンスが向上し、「会社やチームにも貢献したい」という帰属意識が醸成されました。
参考:帰属意識とは?従業員エンゲージメントを高めるためのポイント | d's JOURNAL
コミュニケーションポータル「PHONE APPLI PEOPLE」とは
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従業員の経歴や保有スキル、趣味や特技まで分かるので、社内コミュニケーションが活性化。新入社員でも会社に馴染みやすい。
【まとめ】帰属意識を高める方法と手順について
本記事では、帰属意識を高める方法や手順について、次のポイントを中心にお伝えしました。
- 帰属意識を高めるには多様性を受け入れ、コミュニケーションを活性化させる必要がある
- 他にも働き方や福利厚生の見直し、人事評価制度の見直しが必要
- 帰属意識を高める手順は、現状把握、課題点の洗い出し、施策実行、効果測定の4ステップ
帰属意識は、企業の生産性アップや売上向上のために大切な要素です。しかしながら企業には、従業員に理念やビジョンへの理解を深めてもらい、従業員にとって働きやすい環境を整える努力が必要です。
本記事の内容が、自社の帰属意識向上にお役立ちできることを願っています。
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