失敗しない!タレントマネジメントに効果的な人材ポートフォリオの作成方法を解説

- 人材ポートフォリオとタレントマネジメントの違いを知りたい
- 人材ポートフォリオの定義やメリットを押さえておきたい
- 効果的な人材ポートフォリオの作り方を知りたい
人材ポートフォリオとは、端的にいうと「社内にどのようなスキルをもつ従業員が何人いるのか」を示したものです。企業が経営戦略を立てるうえで重要であり、働き方改革の推進や働き方の多様化などから、多くの企業が人材ポートフォリオの作成を検討しています。
人材ポートフォリオと似た言葉に「タレントマネジメント」があり、「両者の違いがわからない」と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。そこで本記事では、次のポイントを中心に解説します。
ぜひ本記事の内容を、自社の人材ポートフォリオ作成にお役立てください。
タレントマネジメントとは、従業員がもつ知識やスキルを専用システムなどで一元管理し、人材配置や育成、採用に役立てる手法を指します。 一方の人材ポートフォリオとは、従業員の知識やスキル、思い描くキャリアなどを見える化することです。 「人材配置の最適化を目指す」という点においては、タレントマネジメントと人材ポートフォリオは同義といえます。 両者の違う点をまとめると、従業員の情報を活用したマネジメント手法がタレントマネジメント、従業員の情報をまとめた資料が人材ポートフォリオです。 タレントマネジメントを効果的に行うためにも、人材ポートフォリオの作成は必要不可欠といえます。 人材ポートフォリオの作り方について詳しく解説します。ポートフォリオを作るステップは以下の5つです。 まずは、何のために人材ポートフォリオを作るのかの「目的」を明確にします。たとえば、部署によってベテランの人員数に偏りがあるから最適化したい、部署と従業員のミスマッチを防ぎたいなどです。 企業によって目的は異なるので、人員数の状況や従業員のスキルなどを踏まえながら、人材ポートフォリオの目的を定めましょう。 続いて、必要な人材をタイプで分類します。タイプはX軸とY軸で分類するとわかりやすいです。タイプを分類する際は「4象限」が用いられます。 人材のタイプ分類では、「個人」「チーム」「運用」「クリエイティブ」の4つに分類されます。 「個人」「チーム」をX軸、「運用」「クリエイティブ」をY軸に設定することで、従業員を4つのタイプに分類できます。 4象限の表を作成したら、実際に従業員をタイプに当てはめていきましょう。たとえばある従業員が、X軸の「個人で行う仕事」、Y軸の「既存のものを運用する仕事」に当てはまる場合は、「個人でコツコツと進める仕事」に向いているといえます。 自社に所属する従業員が4つのタイプのどこに属するのかを、全員分を当てはめて分析しましょう。 ここで大切なのは、上司や人事の「主観」で決めないことです。あくまで客観的なデータに基づいてタイプを当てはめるようにしましょう。 従業員のタイプを当てはめたら、タイプに偏りがないかチェックしましょう。自社の人材戦略に沿った人数や構成比に沿って、部署ごとにタイプの偏りがないかを分析してください。 分析を進めていくと、定型作業をコツコツ進めることが得意な従業員が多い、チームをまとめるクリエイティブ系人材が少ないなど、部署によって偏りが出てくることがあります。 余剰あるいは不足などタイプの偏りが見つかったら、解消手段を考えましょう。解説手段を見つけるために意識したいポイントは「適材適所の徹底」です。 現在の部署で成果を出せていない従業員でも、部署を変えることで飛躍する可能性があります。一人ひとりのポテンシャルを活かすための最適な人材配置を意識しましょう。 時間をかけて人材ポートフォリオを作ったのに、社内でうまく機能せず、失敗してしまう企業も少なくありません。よくある人材ポートフォリオの失敗例と解決方法をお伝えします。 経営の道しるべである「経営戦略」があって、はじめて「どのような人材が必要か」が明確になります。そのため、大前提である経営戦略がなければ、人材ポートフォリオを作っても、適切な人材配置ができません。 ポートフォリオを機能させるためにも、企業としての目標と、それを達成するための綿密な戦略を策定しましょう。 人材ポートフォリオの「作成そのもの」が目的になっているケースです。作成自体が目的化すると、ポートフォリオを作っただけで更新しない、フィードバックしない状態になります。 大切なのは、ポートフォリオの作成によって何を実現したいのかです。 このように、企業によって人材ポートフォリオを作る目的は異なります。作成自体を目的化せず、その先の目的を達成するための「手段」としてポートフォリオを作成しましょう。 全体最適とは、会社全体が最適化され、生産性が高い状態がキープされていることを指します。そもそも人材ポートフォリオは、企業全体の人材配置を改善し、組織全体としての生産性アップを図るものです。 全体最適の視点が失われると、人材ポートフォリオの効果も薄まってしまいます。たとえば、「営業部門は効率化されたけど、カスタマーサクセス部門にしわ寄せが行ってしまっている」といったケースも起こり得るでしょう。 特定の部門だけでなく、組織全体が最適化・効率化されるような視点をもつことが重要です。 人材ポートフォリオの設計が自社に合っていない場合も失敗しやすいです。 たとえば、単一事業を行っている企業と、多角的に事業を行っている企業では、求める人材像や人材の幅が異なります。部門が多くなればマネジメントができる人材も必要です。 このように、自社の置かれた環境や状況を踏まえたうえで人材ポートフォリオを作る必要があります。 人材ポートフォリオを作成する際は、組織としての一貫性も重要です。一貫性がないと、次のような問題が起こりやすいです。 人材ポートフォリオを作る目的は何なのかを改めて考え、社内全体で共有することが大切です。 人材ポートフォリオを作るにあたっては、従業員のスキル情報を一元管理できるツールが必要です。それを実現できるツールとして、当社では「PHONE APPLI PEOPLE」を提供しています。 PHONE APPLI PEOPLEでは、電話帳、社内イントラネットといった機能をPCやスマートフォンなどデバイスを問わずに利用可能です。「マイプロフィール機能」によって、従業員同士のつながりを深めるために個々のスキルや経験、パーソナリティ情報などを自己開示しあい、心理的な距離を縮めるといった活用もできます。 さらに詳しい方法についてこちらの資料でも解説しています。資料ダウンロードは無料なのでぜひ、こちらをご覧いただけますと幸いです。 引用元:KDDI株式会社 KDDI株式会社では、理想と現状の人材ギャップを示す「As is-To be ギャップ」をポートフォリオにまとめ、定量的に把握。データはダッシュボードで一元管理し、人材が不足している分を採用や育成、配置によって埋める策を実施しています。 具体的な策として、グループ全体のDX人材を4,000名への拡大のうち、コア人材となる500名をリスキリングによって育成。新卒社員の移行に沿ったコースを設定したり、キャリア採用を積極的に行ったりと、従業員エンゲージメント向上のための施策を行っています。 【参考】人的資本経営の実現に向けた検討会 報告書~人材版伊藤レポート2.0~ 実戦事例集 | 経済産業省 本記事では、人材ポートフォリオとタレントマネジメントについて、次のポイントを中心にお伝えしました。 人材ポートフォリオを作成することで、企業内の人材状況を把握し、最適な人材配置が可能になります。その結果、従業員のパフォーマンスが高まり、組織全体の生産性向上にもつながります。 作成する際は、自社の目的を明確にしたうえで、人材のタイプに偏りが出ないように分析を進めましょう。 本記事の内容が、自社の人材ポートフォリオ作成に役立つことを願っています。タレントマネジメントと人材ポートフォリオの関連性
人材ポートフォリオの作り方
1. 活用の目的を明確にする
2. 必要な人材をタイプで分類する
設計で使われる4象限
3. 人材をそれぞれのタイプに当てはめる
4. タイプに偏りがないかチェックする
5. 余剰または不足するタイプの解消手段を考える
よくある人材ポートフォリオ作成の失敗例と解決方法
1. そもそも経営戦略がない
2. 作成自体が目的になる
3. 全体最適の視点が失われている
4. 自社に合った設計になっていない
5. 組織全体で一貫性がない
【ツール紹介】人的資本経営で必要な人材スキルの可視化に役立つ「PHONE APPLI PEOPLE」の特徴や機能とは
【事例紹介】KDDI株式会社 | 「As is-To be ギャップ」の定量把握で人材ポートフォリオをフル活用
【まとめ】タレントマネジメントに効果的な人材ポートフォリオ作成の注意点について