• HOME
  • 人的資本経営
  • フリーアドレスの座席管理を徹底解説!課題を解決するツールの選び方とは?
人的資本経営

フリーアドレスの座席管理を徹底解説!課題を解決するツールの選び方とは?

フリーアドレスは、従業員が固定席を持たずに好きな席で働けるワークスタイルです。オフィスの省スペース化や、部署を超えたコミュニケーションの活性化が期待できるため、多くの企業で導入が進んでいます。

しかしその一方で、「誰がどこにいるのか分からない」「特定の席がいつも同じ人に使われている」といった課題も少なくありません。

この記事では、フリーアドレスを成功に導くための「座席管理」に焦点を当て、その必要性から具体的な課題、そして解決策となる座席管理システムのメリットや選び方まで、分かりやすく解説します。





フリーアドレスで座席管理が必要になる理由とは?

フリーアドレスを導入すると、座席の運用が従業員の自主性に委ねられます。しかし、完全に自由な状態にしておくと、いくつかの問題が発生しがちです。

ここでは、なぜ座席管理が必要とされるのか、その主な理由を3つ紹介します。

従業員の所在が把握しにくくなる

固定席がないフリーアドレスでは、誰がどこで仕事をしているのかを一目で把握することが困難です。特に、上司が部下の様子を確認したり、急な要件で特定の従業員を探したりする際に時間がかかり、業務効率の低下につながる可能性があります。

座席が固定化してしまう問題

フリーアドレスを導入しても、多くの人が無意識にいつも同じ席や景色の良い窓際、出入り口に近い席などを選びがちです。

結果として、一部の座席が特定の従業員によって私物化され、事実上の固定席となってしまう「席の固定化」という問題が発生します。これでは、フリーアドレスのメリットであるコミュニケーションの活性化が期待できません。

出社率とスペースの最適化が難しい

リモートワークとオフィス出社を組み合わせたハイブリッドワークが普及する中で、日々の出社人数は変動します。出社率を正確に把握できていないと、出社した従業員の数に対して座席が足りなくなったり、逆に誰も使わないスペースが生まれたりと、オフィスの有効活用が難しくなります。

座席管理によって利用状況をデータ化することは、適切なオフィス戦略を立てる上で不可欠です。

フリーアドレスの座席管理における主な課題

座席管理が適切に行われていないフリーアドレス環境では、従業員が日々の業務でストレスを感じる場面が増える可能性があります。

ここでは、代表的な3つの課題について解説します。

話したい相手をすぐに見つけられない

フリーアドレスのオフィスで最も頻繁に発生する課題が、「人探し」に時間がかかることです。

内線電話やビジネスチャットで連絡を取ることはできますが、少し確認したい、対面で相談したいといった場合に相手の居場所が分からないと、オフィス内を探し回ることになり、時間的なロスが生じます。

コミュニケーションが希薄化する

席が自由であるはずのフリーアドレスでも、実際には同じ部署やチームのメンバーが近くに集まって座ることが多くなりがちです。これにより、部署間の偶発的なコミュニケーションが生まれにくくなり、組織の一体感が損なわれる可能性があります。

新しいアイデアやイノベーションの機会損失にもつながりかねません。

出社しても座る席がない可能性がある

出社率が日によって大きく変動する場合、特定の日に出社が集中すると、オフィスが混雑し、座席を確保できない「席難民」が発生することがあります。

席を探すために時間を浪費したり、結局は空いている会議室やリフレッシュスペースで仕事をせざるを得なくなったりと、従業員の満足度や生産性の低下を招く原因となります。

座席管理システムを導入する4つのメリット

座席管理システムを導入する4つのメリット

座席管理システムは、フリーアドレスが抱える課題を解決し、そのメリットを最大限に引き出すための有効なツールです。システムを導入することで得られる主なメリットを4つ紹介します。

従業員の在席状況をリアルタイムに可視化できる

座席管理システムを導入すれば、PCやスマートフォンの画面上で、誰がどこに座っているのかをリアルタイムに把握できます。

フロアマップ上に在席者の名前や顔写真が表示されるため、話したい相手をすぐに見つけることができ、業務がスムーズに進みます。これにより、「人探し」のストレスや時間のロスが大幅に削減されます。

座席の利用率を分析しオフィスを最適化できる

多くの座席管理システムには、座席の利用データを蓄積・分析する機能が備わっています。

どのエリアがよく使われているか、時間帯による混雑状況はどうかといった利用実態をデータに基づいて把握できるため、オフィスレイアウトの見直しや座席数の最適化に役立ちます。勘や感覚に頼らない、データドリブンなオフィス戦略の立案が可能になります。

コミュニケーションの活性化を促進する

システムによっては、ランダムに座席を割り当てる抽選機能や、プロフィールを表示する機能があります。これにより、座席の固定化を防ぎ、普段あまり接点のない他部署の従業員と隣り合わせになる機会を創出します。

こうした偶発的な出会いが、新たなコミュニケーションやコラボレーションを生み出すきっかけとなります。

スムーズな座席予約で従業員のストレスを軽減する

出社前に座席を予約できる機能は、「出社したのに座る席がない」という不安を解消します。従業員は安心してオフィスに向かうことができ、席を探し回る無駄な時間もなくなります。これにより、従業員満足度の向上と生産性の維持に貢献します。

フリーアドレス向け座席管理システムの主な機能

座席管理システムには多様な製品がありますが、多くの場合、フリーアドレスの運用を円滑にするための基本的な機能が共通して搭載されています。



機能分類

主な機能

概要

基本機能

座席の予約・チェックイン

PCやスマートフォンから、利用したい座席と時間を指定して予約します。QRコードやICカードを使って簡単にチェックインできるシステムもあります。

検索・可視化

従業員の検索

名前や部署名で検索し、その従業員がどこに座っているかをフロアマップ上で確認できます。

分析機能

データ分析・レポーティング

座席の利用率、時間帯別の混雑度、部署ごとの利用状況などをデータ化し、グラフなどで可視化します。オフィスの利用実態把握に役立ちます。

連携機能

外部ツールとの連携

Microsoft365やGoogleWorkspaceなどのカレンダーツールと連携し、予約情報をスケジュールに反映させることができます。

座席の予約とチェックイン機能

システムの最も基本的な機能です。利用者はWebブラウザや専用アプリを通じて、オフィスのフロアマップを見ながら空いている席を予約します。

予約した席は、QRコードを読み取ったり、ICカードをかざしたりすることでチェックイン処理を行い、実際に利用していることをシステムに記録します。

従業員の検索機能

フリーアドレス環境での「人探し」の課題を解決する機能です。名前や部署などで従業員を検索すると、その人が現在どの席を利用しているかがマップ上に表示されます。これにより、対面でのコミュニケーションが必要な際に、スムーズに相手を見つけ出すことができます。

利用状況のデータ分析とレポーティング機能

座席の利用履歴はデータとして蓄積され、管理者は利用率や稼働率を分析できます。

人気のあるエリアや、逆に使用頻度の低いエリアを特定することで、オフィスレイアウトの改善や、将来のオフィス戦略を検討するための客観的なデータとして活用できます。

外部ツールとの連携機能

多くのビジネスパーソンが日常的に利用しているカレンダーツールや、ビジネスチャットツールと連携できるシステムもあります。

例えば、カレンダーで会議を登録すると同時に、会議室やミーティングスペースの予約が完了するなど、業務全体の効率化に貢献します。

自社に合った座席管理システムの選び方

数多くの座席管理システムの中から、自社に最適なものを選ぶためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。

ここでは、選定時に特に重要となる4つの視点を紹介します。

導入の目的を明確にする

まず、「なぜ座席管理システムを導入するのか」という目的を明確にすることが重要です。

「従業員の所在を把握したい」「座席の利用率を分析してオフィスを最適化したい」「コミュニケーションを活性化させたい」など、目的によって必要となる機能は異なります。目的を明確にすることで、製品を比較検討する際の軸が定まります。

操作が直感的で従業員が使いやすいか確認する

システムは全従業員が日常的に使うものであるため、誰にとっても分かりやすく、直感的に操作できることが非常に重要です。

インターフェースが複雑だと、利用が定着せずに形骸化してしまう恐れがあります。多くのシステムで無料トライアルが提供されているため、導入前に複数の従業員で実際に操作性を試してみることをお勧めします。

セキュリティ対策は万全か

座席管理システムは、従業員の行動データという個人情報を取り扱います。そのため、不正アクセスや情報漏洩を防ぐためのセキュリティ対策が万全であるかを確認する必要があります。

データの暗号化、アクセス制限、二要素認証などのセキュリティ機能が備わっているか、提供元のプライバシーポリシーとあわせて確認しましょう。

サポート体制は充実しているか

導入時や運用中にトラブルが発生した際に、迅速かつ丁寧なサポートを受けられるかも重要な選定ポイントです。電話、メール、チャットなど、どのようなサポート窓口が用意されているか、対応時間はどうなっているかなどを事前に確認しておくと、万が一の時も安心です。

座席管理システム導入を成功させるためのポイント

座席管理システム導入を成功させるためのポイント

優れたシステムを導入するだけでは、フリーアドレスの課題がすべて解決するわけではありません。システムを効果的に活用し、円滑に運用するためのポイントを解説します。

事前に運用ルールを明確に定める

システムの導入とあわせて、座席利用に関するルールを明確に定めておくことが成功の鍵です。

例えば、「予約は1人1席まで」「連続での予約は最大〇時間まで」「退席時は必ずチェックアウトする」といった具体的なルールを設け、全従業員に周知徹底することが重要です。これにより、公平な利用が促進されます。

スモールスタートで効果を検証する

全部署で一斉に導入するのではなく、まずは特定の部署やフロアに限定して試験的に導入する「スモールスタート」が有効です。

実際に運用してみることで見えてくる課題や、自社独自の改善点を発見しやすくなります。そこで得られた知見を基に、全社展開に向けた運用ルールやマニュアルを整備していくと、スムーズな導入が可能になります。

従業員への丁寧な説明とフィードバックの収集

新しいシステムの導入には、従業員の理解と協力が不可欠です。導入の目的やメリット、具体的な使い方などを説明会などで丁寧に伝え、従業員の疑問や不安を解消しましょう。

また、運用開始後も定期的にアンケートなどを実施し、利用者からのフィードバックを収集することで、より使いやすい運用へと改善していくことができます。

【製品紹介】誰がどこに居るか分かる「PHONE APPLI PLACE

フリーアドレスと合わせて導入したいのが位置情報共有ツールです。誰がどこにいるのかを簡単に把握できるので、探したい人をすばやく見つけてコミュニケーションを取ることができます。

PHONE APPLI PLACEは、無線Wi-FiやBeaconなどの技術を用いて、社員の位置情報を見える化するサービスです。

PHONE APPLI PLACE

【PHONE APPLI PLACEの機能】

  • 社員の位置情報をオフィスマップ上に表示。従業員の居場所とともに顔写真が表示されるので、話したい相手の居場所が即座に分かります。
  • 居場所だけでなく「顔+名前+プロフィール」、職務内容や資格、趣味まで分かるので、隣に座ってる人がどんな人か分かったり、初対面の人でもコミュニケーションが取りやすくなります。
  • 社員の所在が分かるので、今日は「テレワークor出社」なのかもすぐに分かります。

まとめ

フリーアドレスは、正しく運用すれば生産性の向上やコミュニケーションの活性化に大きく貢献する働き方です。その成功の鍵を握るのが、適切な「座席管理」です。

座席管理システムは、従業員の所在確認、座席利用の効率化、オフィス戦略のデータ分析など、フリーアドレスの課題を解決するための多くのメリットを提供します。

自社の導入目的を明確にし、従業員にとって使いやすいシステムを選定するとともに、明確な運用ルールを定めることで、フリーアドレスのポテンシャルを最大限に引き出してください。

関連記事